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葬儀作法の原型

2014年11月17日

 今回は葬儀作法(葬法)の原型に付いて書かせて頂きました。

 現代の仏教葬の原型は鎌倉時代に作り上げられたという説が一般的ですが、当時は龕堂と火葬場の二ヶ所で仏事が行われ、禅宗の葬儀として 湯灌・剃髪・三具足の祭壇・焼香・読経が成され、須弥壇の上に肖像画が飾られ、ご遺体を移動させたり ご遺体に対して所作を行う毎に仏事を重ねました。

 龕(がん)とは 柩 又は柩を納める容器の事で、龕堂とは柩を安置しておく堂を指します。お寺や自宅、或いは火葬を行う火屋に向かい合せて龕前堂が建てられました。この龕前堂で行う仏事が 現在の葬儀式に発展したと考えられます。横浜市営の斎場は久保山斎場を除き、龕堂と火葬場が対となった構造になって居ります。

 禅宗の葬儀の次第では ご遺体を湯灌し、剃髪し、清浄な新しい衣服に着替えさせ、龕に納めて 袈裟などで覆います。龕前に卓を置き 白打敷で覆い その上に花・香炉・燭台の三具足をならべ、更に故人愛用の道具をならべます。龕前の準備が整ったところで、一同が集まり仏事が行われます。導師は法語を唱え、焼香し、茶湯を献じ、読経 回向と続きます。龕を覆う袈裟は 現在の柩覆いであり、龕前の卓は 現在の枕飾りと考えられます。

 龕堂の設営に関して 龕を安置した部屋の周囲に白幕を張り巡らしました。そして 龕を閉じた後に 掛真(かしん)の儀式が行われます、これは須弥壇の上に 故人の肖像画を飾る儀式ですが、現在の遺影写真に繋がるものです。

 火葬の当日には出棺の儀礼(起龕と読経)を行い、葬列を組んで火屋(火葬場)へ向かいます。火屋では 仏事を行った後に荼毘に付し、翌朝 火屋で拾骨をし、ご遺骨を寺 又は自宅に安置して 安位法事を行いました。禅宗では 本来 龕前、移龕、鎖龕、起龕、火屋と ご遺体を動かしたり ご遺体への所作を行う毎に 仏事を重ねる事になって居りますが、次第に簡略化され、自宅と火屋での仏事のみとなって行きました。

    今回は以上です。