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室町時代の葬儀Ⅱ

2016年2月25日

 今回も前回に引き続き室町時代の葬儀に付いて書かせて頂きました。

 この時代の仏式の葬儀は 禅宗の規範を基に行われ始めました。以前の葬儀は火葬場での儀式が主要なものでしたが、この時代になると寺院、自宅や火葬場の前などに お柩を安置するお堂が建てられる様になり、そのお堂に於いても儀式が行われる様に成ります。このお堂を龕(棺そのもの、あるいは 柩を納める容器を示す)のお堂として、龕堂 あるいは龕前堂と呼ばれました。この龕堂で行われる儀式が その後 発展して、現在の葬儀式になったと考えられて居ります。

 当時の禅宗の葬儀では まず ご遺体を湯灌し、剃髪をして、清浄な着物に着換えさせ、棺(龕)に納めて、柩の上を袈裟で覆いました。そして 柩の前に小卓を置き、それに白打敷をかけて、卓上に花、香炉、燭台の三具足を並べ、更に故人様が愛用した道具などを並べました。これが 現在の枕飾りであり、葬儀式場祭壇の原型となりました。柩(龕)前の用意が整いますと、一同が集まり仏事が行われました。僧侶が法語を唱え、焼香をし、茶湯を献じ、読経、回向と続きました。尚 龕堂の周り、あるいは 柩を安置した部屋の周りには 白幕が張り巡らされました。又 柩の蓋を閉じた後に 掛真(かしん)の儀式が行われました。これは 故人様の肖像画をお堂内の須弥壇に飾る事で、現在の遺影写真を思い起させます。

 火葬の当日には まず出棺の儀礼(起龕と読経)を行い、その後 葬列を組んで火葬場に向かいます。そして 仏事を行い荼毘に付します。ご遺族は翌朝 火葬場に赴き拾骨して、ご遺骨を自宅あるいは寺院に安置して 安位仏事を行いました。禅宗では 本来 龕前、移龕、鎖龕、起龕、火屋と ご遺体に対して所作を行ったり、ご遺体を移動させたりする毎に仏事が行われましたが、その後 次第に簡略化されて、現在では 自宅と火屋(火葬場)での仏事のみと成りました。

   今回は以上です。