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葬儀(葬送儀礼)、通夜式・葬儀式・告別式

お身内の方が亡くなられ、故人様をお見送りする為の儀礼を一般的な名称として葬儀と呼んで居ります。

葬儀とは仏教に於ける”葬送儀礼”を略称した言葉ですが、現代の日本に於きましては宗教にかかわらずお見送り儀礼の汎用語として定着して居ります。

尚、仏教用語”葬送儀礼”とは人の死の直前から死後の法要に至るまでの一蓮の儀礼全体を示す言葉です。

今回はその中の通夜式・葬儀式・告別式に付いて書かせていただきました。

供花

お見取り

1 葬儀とは

葬儀とは人の死を弔う為の祭儀であります。

故人様の冥福を祈ると共に、残された人々が故人様の死を心の中で受け止めるのを援助する儀式でもあります。

葬儀は人類が地球上に誕生すると共に営まれていたと考えられ、宗教が文明のなかに生まれる以前の旧石器時代には葬儀が営まれた痕跡を見る事が出来ます。

そして葬儀はそれを営む人々の宗教観と死生観が強く反映される儀礼でもあります。

世界最古の文明と考えられる古代メソポタミア文明の中で生まれた文学作品”ギルガメッシュ叙事詩”の中で

主人公が死んだ友人の復活を願って7日7晩悲しんだが、その死体が腐敗してゆく姿に恐怖したとあります。

古代エジプト、古代ギリシアなどの文明の中でもご遺体の腐敗は恐怖の対象であり、その姿を見せない為にもご葬儀が営まれました。

古代ギリシア、古代ローマ文明では人の霊魂は不滅であり、死後一定の期間はご遺体に留まり、その後冥界や天界に旅立つとされました。

霊魂が旅立った後のご遺体は土葬、若しくは火葬がされました。

古代から埋葬方法として土葬と火葬が存在して居りましたが、肉体の復活を信じる人(宗教)では土葬が基本と成りました。

キリスト教、イスラム教は土葬を基本とします。

葬儀について

2 通夜式とは

通夜とはとはご葬儀の前に営む儀礼で仏教では通夜式、神道では通夜祭、キリスト教では前夜祭とよばれて営まれて居ります。

尚、キリスト教では本来通夜の儀礼は御座いませんが、日本の習俗に倣いご遺族様のご希望に合わせて前夜祭を営む事となりました。

殯

1)日本古来の通夜

仏教伝来以前の古代には殯(もがり)と呼ばれる儀礼が営まれて居りました。

殯とは故人様のご逝去後、葬儀(埋葬)までの期間故人様ゆかりの方々が交代で火を灯し寝ずの番をして、故人様の霊を慰め、悪魔祓いをしたとされます。

又、古代では人の生と死の境目が明確でなかったことから、殯の期間で故人様の死を確認したと考えられます。

従いまして、殯は現代の通夜一夜とは異なり最低でも数週間は営まれました。

葬儀

2)仏教の通夜式

仏教に於ける通夜の起源は紀元前383年2月15日満月の夜に北インドのクシナガラで入滅した釈迦を偲んで、

弟子達が釈迦のご遺体を囲んで7日間に渡り釈迦が生涯をかけて説いた説法を弟子達が聞き合った、との故事に由来します。

仏教の通夜は故人様の成仏を祈るためではなく、大夜(たいや)と呼ばれる故人様の最後の夜を共に過ごす為に集まった親しい方々が故人様のご遺体を取り囲み思い出話を語り合う事にありました。

通夜は本来、故人様のご遺体を葬るまでの間”夜を通して”ご遺体をお守りする事にありました。、

しかしながら時代の変化と共に1時間から2時間での通夜式が営まれ、その後は葬儀式までの間ご遺族によりお守りされる様になり。

現代の横浜市営斎場では消防条例により燈明・線香を夜間に灯し続けることが出来なくなりましたので、夜を通した儀礼は営まれなくなりつつあります。

天理教葬儀

3)神道の通夜祭

神道の通夜”通夜祭”は日本古代に営まれた殯を起源として、その後仏教の通夜式と融合して現在の形に至りました。

神道では人の死は穢れたものとされ、聖域である神社で通夜祭・神葬祭(葬儀式)を営むことが許されません。

通夜祭はご自宅か葬斎場で営みます。

通夜祭は故人様のご遺体の安置された場所で生前同様の礼を尽くして手厚く奉仕する大切な儀式です。

そして神葬祭前夜には通夜祭と共に遷霊祭(御霊移し)が営まれます。

牧師様

4)キリスト教の前夜祭

キリスト教では本来仏教の通夜式に該当する儀礼はありませんでした。

しかしながら、仏教の葬送儀礼に親しんで来た日本人信徒からの強い要望を受けて、日本のカトリック中央協議会は葬儀の前夜に前夜祭と呼ばれるミサを営むべく制定しました。

3 葬儀式とは

葬儀式はご葬儀の中心となる儀礼です。

1)仏教の葬儀式

現代の横浜に於きましてはご葬儀の95%は仏式で営まれて居ります。

これは江戸時代の寺請制度により全て国民が仏教の衆徒であった事の起因します。

浄土真宗及び日蓮宗を除く仏教での葬儀式は授戒と成仏を目的として営まれます。

授戒とは故人様を仏弟子となるべく発心した者とみなして”戒”(戒名)を授けることであり、

成仏とは仏陀(覚れる者)に成るという事です。

ー浄土真宗では教義上無戒のため授戒はなく、仏徳を讃嘆し、故人を偲びつつ報謝のまことをささげる儀式となります。

又、迷信を忌む宗風から、日や方角の吉凶を選ぶ、守り刀、逆さ屏風、左前の死装束、北枕、六文銭の副葬、振り塩などの習俗は、原則としておこないません。

ー日蓮宗では法華経を唱える事ですでに戒を得ているとされ授戒は行いません。

2)神道の神葬祭

日本古来の日本特有の宗教である神道では神社は聖域であり、人の死は穢れとされる事から、神葬祭(葬儀式)は神社以外の場所、ご自宅若しくは葬斎場で営まなければ成りません。

神葬祭では会場・親族・会葬者を祓い清め、祖霊にお供えをし、祭詞を奏上し、故人の生前の業績を述べ遺徳をしのびつつ、祖霊となって遺族を守ってくれるよう願います。

参列者は玉串をささげて、二拝二拍手一拝をおこない故人をしのぶ。このとき拍手は、音を立てない「しのび手」でおこないます。

3)キリスト教の葬儀ミサ

キリスト教では故人様はご逝去と共に天上の神の下に召されるとされますので、悲しむべきものではなく、祝福されるべきものであり、

ご葬儀のミサは故人様の霊と共に主上に捧げる礼拝となります。

又 通常のミサとの違いは聖書の朗読箇所・聖歌・祈り・説教の内容などが葬儀にあわせて選ばれるということであります。

ミサとあわせるかたちで続けて告別式と葬送が行われます。

告別式では一般的な葬儀と同様に、故人様の紹介、弔辞、弔電の紹介、献花、遺族代表のあいさつなどが行われます。

喪主

4 告別式とは

告別式とは葬送に於ける儀礼の一つで葬儀式の後、若しくは単独で営まれます。

故人様に別れを告げ、参列者・社会に挨拶をする式を言います。

葬儀式は僧侶が主導するご遺族・ご親族の営みですが、

告別式は喪主が主導する一般会葬者との営みと成ります。

今回は以上です。