骨葬

 今回は骨葬に付いて書かせて頂きました。

 

 骨葬とは ご遺体のご火葬を事前に行い、葬儀・告別式をその焼骨を対象として執り行うお見送りです。それに対し 現在 横浜で一般的に行われている ご遺体を安置して行う葬儀・告別式を遺体葬を言います。骨葬は東北地方を中心に北海道や九州の一部で行われて居りますが、葬儀は重要な儀式であり 然るべく盛大に執り行われなければ成りませんが、その準備に時間を要する場合 ご遺体の保全技術が未熟であった以前には先にご火葬をせざるを得なかった事によります。骨葬の習俗は 火葬炉の利用は一般化されましたが、ご遺体保全は難しかった、大正時代より始まりました。

 

 骨葬を行う地域は 東北・北海道が中心となって居りますが、この地域は夏が短く 農作業はこの短い間に集中して行わなければならず、盛大な葬儀は農閑期に改めて行わざるを得なかった事情によります。又 漁師町などでは 平時は男性が居らず、どなたかが亡くなると まずご火葬を行って、ご葬儀は船が戻ってご親族がそろってから 改めて行う事になります。又 変わった事例と致しましては 函館大火が有ります。昭和9年3月 函館市では瞬間最大風速39m/秒の風な吹く中、住吉町から出火し その火は瞬く間に全市に燃え広がり、死者2千百人、重軽症者9千5百人の大惨事と成りました。このとき 全ての死者は ご火葬され、そのご遺骨がご家族に渡されて それぞれご葬儀が営まれました。この時以来 函館市では 骨葬が一般的と成りました。


 骨葬の地域では 本通夜に先立ってご火葬をする地域もありますが、午前中にご火葬に付し 午後に葬儀・告別式を行い、その後 菩提寺で納骨するのが一般的です。又 ご火葬とご葬儀・告別式の間を空けて行う場合も御座います。骨葬の場合 通夜・出棺・火葬をご遺族だけで密葬として行い、後日 葬儀・告別式を本葬として行う形も御座います。

遺体葬で行うか、骨葬で行うかは その土地の習俗によるだけでは無く、ご遺族様のお考えに従う事も重要ではないかと考えます。


   今回は以上です。


お別れの儀

 今回はお別れの儀に付いて書かせて頂きました。

 

 お別れの儀とは 葬儀・告別式の最後の出棺に先立って、ご遺族・関係者による故人様のご遺体との最後の対面の時間です。ご遺族・ご親族・親しい友人知人の方々は ご遺体と対面し、ご遺体と共にする遺品をお柩に納め、式場を飾っていた生花でご遺体を飾り、柩の蓋を有志の手で閉じて、お柩を送り出す事となります。生花祭壇をご利用頂いた場合はより多くのお花でご遺体をお飾りすることが出来ます。この後 お柩は火葬場、土葬の場合は埋葬地にお送りする事と成ります。

 

 葬儀式・告別式が終了しますと 式に参列された方々は会場外への退場を即されます。これはお別れの儀の準備を行う為で、会場内を ご遺体とのお別れがし易い様に整え直し、式場内の生花をお柩に納め易くする為 小さく切り分けて準備します。このお花は”別れ花”と呼ばれます。別れ花は故人様に身近な方から順にお納めします。一般的には喪主様、喪主様の配偶者、ご子息・御令嬢、親兄弟、親しい知人・友人の順となります。このお別れの時間は ご遺族にとって未練の残る時間では御座いますが、ある程度の時間で収めて頂く事と成ります。

 

 お柩に蓋をした後、古くには蓋が外れぬ様 縄で縛りました。その後 何時の頃からか ご遺族も参加して 釘を石で打って蓋を止めるという習俗が出来ました。これは 死霊が柩の外に出ぬ様に封じるという 死霊に対する恐怖心から生まれたと同時に、特定の石には呪力が有り 死者を悪霊から守る事が出来ると信じられていた事によります。又 ご遺族が自ら釘を打つ事で死者の蘇生を断念する為とも言われて居ります。尚 現在では 多くの火葬炉は電気式となり金属の使用が禁止された事から、柩の蓋ははめ込み式となって居り、釘を使用して止める必要は無くなって居ります。

 

   今回は以上です。

葬儀の演出

 今回は葬儀の演出に付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀は 故人様をこの世からお見送りすると共に、ご遺族の悲しみをお慰めする為の宗教儀礼です。たとえ 宗教者を呼ばない無宗教葬であっても ある意味での宗教儀礼であると言えます。従いまして ご葬儀の演出は 故人様・ご遺族のご希望を良く忖度し、お願いする宗教者のご指示をふまえて演出されなければ成りません。又 結婚式ではサプライズが好まれますが、葬儀・告別式では主旨を考えるとサプライズは極力控えるべきでしょう。

 

 昭和時代後半の高度経済成長時代に合わせて 葬儀・告別式の演出も多様に行われる様に成りました。又 それに合わせて宗教者やお見送るする方々から多様な意見が出されて居ります。そうした中で 故人様の生前の写真を展示したり、故人様・ご遺族様がお好みの音楽を使用する事も一般化しております。式の開会を待つ間、弔辞のバックグランドミュージックとして、ご焼香の間、ご出棺の際などに音楽を流す形です。更に 故人様の人となりをお知らせする為 ナレーションテープやビデオなどを制作してお見せする演出も御座います。故人様の趣味であった詩歌や、音曲を流したり等もされます。又 会葬の方々の控室やお清めの席が作られた別室に 故人様の人となりを表はすお写真や生前の業績を表わす記念品などを展示する事も御座います。

 

 最近では 故人様やご遺族様による個性化のご希望から様々な演出をする事が可能となりました。葬儀・告別式の演出には様々な考え方が御座いますが、葬儀・告別式は宗教儀礼として厳粛に行う事が肝心であり、ご葬家や宗教者のご意見を良くお伺いした上で執り行われなければ成りません。

 

   今回は以上です。

葬儀の祭壇

 今回は葬儀の祭壇に付いて書かせて頂きました。

 

 祭壇とは 葬儀式に使用される壇を指しますが、故人様を偲び供養する為に、ご位牌 ご遺影写真 お供物を供える為に用います。仏式の葬儀の場合は 祭壇の前に経机が置かれて、葬具がその上に置かれます。神式の場合は 経机に代えて饌案が置かれて、洗米 酒 塩 水 その他生饌が配置されます。祭壇は伝統的に白木祭壇が用いられて来ましたが、近年は後々にも有効活用出来る 花祭壇が好まれる様に成りました。ひかりの杜では花祭壇を主としてお薦めし、故人様やご遺族様がお好みのお花や季節のを利用して、オリジナリティの高い祭壇でお手伝いをさせて頂いて居ります。尚 花祭壇は 仏式、神式、キリスト教式に拘らずご利用頂けます。

 

 花祭壇を用いる例は 以前では著名人のお別れ会や社葬など 大規模な葬儀に限られて居りましたが、現在では 家族葬等の小規模な葬儀でも利用できる様に成りました。費用的にも白木祭壇より廉価な費用でご採用頂けます。又 花祭壇で利用したお花は 故人様のお柩を飾る御花として使用させて頂くと共に、忌中の後飾りに利用する生花やご仏壇の仏花としてもご利用頂けます。

 

 花祭壇の左右を飾るものとしてご供花が御座います。喪主様御自身、御家族、ご親族、そしてご友人・関連各社様からお供えされる花束が花祭壇の彩を更に高める事となります。一般的には 個々の花束にはご芳名が記されます。ご供花を配置する順序は ご葬家様のお気持ちが優先されますが、一般的には 故人様との血縁の深さに合わせて上段から下段へと配置されます。又 祭壇の右側は左側より高位とされます。又 ご芳名を個々の花束に付けずに、芳名板として一括してお名前を記す形も御座います。

 

   今回は以上です。 

 

告別式

 告別式とは 故人様に別れを告げると共に、社会 そして参列者に故人様のご逝去をご挨拶する式です。葬儀式は僧侶が主導する宗教儀礼ですが、告別式は喪主様 もしくは施主様(葬儀委員長)が主導する社会儀礼です。一般的には葬儀式の後に続けて行われますが、参列者が多数見込まれる場合は後日 改めて執り行う事も御座います。又 無宗教の場合は 葬儀式は行わずに告別式のみを行うケースも御座います。告別式の代わりにお別れ会と告知される事も御座います。最初に告別式が執り行われたのは 明治34年の中江兆民の葬送だと言われて居り、現在の葬儀式の後に続けて行われ形は 昭和時代に入ってから定着しました。

 

 日本で初めて告別式が行われた 中江兆民は明治時代の思想家で フランスの思想家 ジャン・ジャック・ルソーを日本に紹介し、自由民権運動の理論的指導者として名を知られ、東洋のルソーとも評されました。本名は中江篤介(とくすけ)、1847年に土佐藩高知城下で生誕し、第一回衆議院議員総選挙の当選者の一人でも有ります。中江兆民は無宗教葬に対するこだわりを強く持って居り、生前より”自分が死んだら直ぐに火葬場に送って荼毘に付せ”と遺言して居りました。しかしながら その死を悼んだ弟子達により青山葬会場に於いて、宗教儀礼によらない無宗教葬として、日本で初めての告別式が執り行われました。

 

 現在の告別式は 葬儀式の後、出棺の前に行われるのが一般的となって居りますが、東北地方や九州地方など特定の地域では火葬を先に行うケースもあります。告別式の流れと致しましては 施主(葬儀委員長)による式辞、参列代表者の弔辞、弔歌の奉読、弔電の披露、参列者による故人様への告別(焼香、献花など)が行われます。参列者は喪服、若しくは喪服に準じる服装(学生の場合は制服)を着用するのが慣例とされ、華美な服装や派手な美粧はタブーとされます。喪服ではなく ”平服でおいで下さい”とお断りする場合も御座います。

 

   今回は以上です。

葬儀・告別式の流れ

 今回は葬儀・告別式の流れに付いて書かせて頂きました。

 

 仏教式の一般的な葬儀・告別式の流れは @一同着席、A導師入場・開式、B葬儀式作法(読経・引導、遺族焼香)、C式辞・弔辞、D読経・焼香、E導師退場・閉式、F一同退場、Gお別れの儀、H柩搬出、I喪主挨拶、J出棺(霊柩車出発)となり、@からBまでが葬儀式 CからFまでが告別式となります。式場利用時間の都合上 ご遺族による葬儀式と 会葬者による告別式が同時進行する場合も御座います。又 初七日法要も含めて行う場合は ご遺族様は葬儀式と法要の為 二回焼香を行う事となります。

 

 式辞は 葬儀委員長(施主)による故人様への弔いの表明であり、弔辞は会葬者代表による故人様へのお別れの言葉です。尚 宗派、地域によりましては導師が式辞を述べる場合もあります。この後に弔電が拝読されます。尚 ご自宅でご葬儀・告別式が執り行われる場合には式辞・弔辞が省略される場合も御座います。

 

 焼香は 遺族焼香、参列者焼香、そして一般焼香の順に行われますが、ご焼香の方々が多数にわたる場合は 遺族用焼香台、参列者用焼香台、一般用焼香台がそれぞれ別に用意されて 三カ所の焼香台で並行して焼香を行う場合も御座います。又 地域によりましては 遺族焼香、参列者焼香を指名により行う事も御座います。これは 指名焼香、呼名(こめい)焼香と言われます。

 

 お別れの儀は ご遺族や親しい知人の方々が故人様と面会出来る最期の機会です。最後のお別れをして頂くと共に柩の中にお花を供えてご遺体を飾ります。又 この際にご遺体と共に火葬する品物もお柩に納めます。お柩の蓋を覆った後に 喪主様よりご挨拶がされ 出棺となります。喪主様に代わってご遺族の代表が挨拶する場合も御座います。

 

 横浜市営斎場、西寺尾斎場で葬儀・告別式を執り行った場合は 火葬場が併設されて居りますので ご出棺の後は葬列を組んで 徒歩で火葬炉前まで向かう形となります。葬列は お柩を先頭に お位牌、ご遺影、ご遺族、親戚、指定された参列者の順に進みます。

 

   今回は以上です。

葬儀と告別式

 今回は葬儀と告別式に付いて書かせて頂きました。

 

 葬儀とは 古くから行われて来た宗教的儀式で、故人様を現世とは異なる世界にお送りする と共に残された人々が故人様の死を受け止める援助をする為の儀式でも有ります。従いまして その形式は 故人様とご葬家の死生観や宗教観が深く反映されたものでなければ成りません。告別式とは 葬儀の後、もしくは葬儀の代りに行われる式で、参列者が故人様にお別れを告げる と共に社会に故人様の逝去を告知する為の式でもあります。現代では葬儀と告別式が同時に行われる様になって参りましたが、本来は それぞれ異なる目的を持って行われるべき式であります。

 

 葬儀・告別式は 古くは自宅で出棺の儀礼を行った後に、葬列を組んで葬場に行き、葬場で葬儀式を行い、火葬 或いは土葬が行われました。しかしながら 現代では葬列は無くなり、自宅での儀礼と 葬場での儀礼が一体化した事により、私どもが行う葬儀・告別式の形態が出来上がっております。

 

 葬儀式は故人様をこの世からあの世へ送り出す宗教的儀礼であり、告別式は 参列者が 焼香や献花をして 故人様とお別れをし ご遺族へ慰めの言葉を寄せる儀礼で 故人様のお知り合いの方々が弔問する場を儀礼として作り上げた社会的儀礼です。

 

 そして 現代に於いては 各種の制約から葬儀・告別式を執り行う時間も1時間程度でとの要請を受けて、葬儀式と告別式を同時に進行させることが一般的となって居ります。横浜市営の斎場では 葬儀・告別式に加えて初七日法要も1時間の間で行うべく 推奨されて居ります。従いまして ご遺族は 葬儀式と初七日法要の焼香を2回行い、それと並行して参列者による告別式の焼香が行われる形となります。

 

   今回は以上です。 

通夜の準備

 今回は通夜の準備に付いて書かせて頂きました。

 

 通夜とは 葬儀の前夜に夜を通して行う儀式で、生と死の境界線に在る故人様を ご遺族 ご親族が別れを惜しむ場で御座います。しかしながら 現代では 昼間に行われる葬儀・告別式には参列する事が難しい方々が、比較的 融通しやすい夜間の通夜に参列される様になり、告別式より通夜にほうが参列される方が多く見られる事が一般的と成りました。従いまして 葬儀・告別式よりも 通夜式の方がより多くの参列者に応対する前提で準備して頂く必要が御座います。


 通夜は急な知らせを受けて、駈け付ける場でも御座いますので、本来は喪礼服の着用は必要とされて居りませんでした。しかしながら 現代では 喪服を着用しての弔問が一般的となって居りますが、派手ではなく きちんとした服装であれば平服でも問題有りません。ただし 金具類(ネクタイピン、結婚指輪以外の指輪、靴の飾り等)は着用を避けなっければなりません。又 遺族・親族よりも格式が上の喪服を喪服を着てはならない という暗黙の決まりも有りますので、和装の礼服は避けた方が無難です。


 通夜式のお焼香が済みましたら、弔問の方々に通夜振舞いとして酒食を供しますが、人数はその場にならないと解りませんので 盛り合わせのお料理を用意するのが一般的です。又 地域に依りましては 色々な形の通夜振舞いがあります。酒食は供さずに 弔問客にお菓子をお持ち帰り頂くもの、食事券(寿司屋などの)をお持ち帰り頂く形、酒食では無くお茶だけを供する形、あるいは 酒 砂糖などの詰め合わせをお渡しして通夜振舞いに代える形なども御座います。


 何れにしろ ご遺族様のご希望を明確にして、葬儀社と良くご相談される事をお薦め致します。


   今回は以上です。 

 

通夜

 今回は通夜(つや)に付いて書かせて頂きました。

 

 通夜は ご葬儀の前夜に夜を通して執り行う儀式を指します。仏教では通夜式、神道では通夜祭、キリスト教では前夜式と呼ばれます。日本に於いて 通夜は古代の”もがり”の習慣であるとも、臨終の際の看病の延長にあるもの、とも言われ、夜伽とも言われ 夜を徹して死者を見守ります。法律的には 死は医師の判定による心停止の時点となりますが、ご遺族にとっては直ぐに受け入れられることではありません。夜を徹して枕元に侍り、生きている時と同じ様に仕える事により、故人様と最後に過ごす大切な時間でも有ります。

 

 仏教に於ける通夜式の起源は 紀元前383年2月15日 釈迦が入滅した後に 悲しみにくれる弟子達が 死後7日間 ご遺体を見守りながら 釈迦が生涯にかけて説いた説法を弟子達だ夜通し 聞き合ったと言われる故事に由来します。仏教での通夜は 故人様の成仏を祈る事では無く、大夜(たいや)という 故人様の現世での最後の夜を共に過ごす為に集った方々が、ご遺体を取り囲み 故人様の思い出話を語り合う場であります。

 

 現代の通夜では 全てのご親族が地元に居られるとは限らず、又 式場や火葬炉の都合などもあり、亡くなられた その夜に通夜を行う事が難しくなりました。死の当日は そこに居られる方々で仮通夜を行い、葬儀・告別式の前夜に 本通夜を行う形が一般的となって居ります。本通夜は 夜の6時か7時から始まり 1時間程度を僧侶の読経と弔問客の焼香にあて、終了後 通夜振舞いを供して1時間から2時間でお開きという 半通夜の形式が一般的となって居ります。

 

   今回は以上です。

葬儀の祭壇

 今回は葬儀の祭壇に付いて書かせて頂きました。

 

 故人様をお見送りするに際していくつかの祭壇が御座います。それぞれ目的に合わせてご用意頂きます。故人様がご逝去され ご葬儀を待つまでの間 安置されたご遺体の枕元に備えられる”枕飾り”、葬儀式でご使用される祭壇、そして ご火葬の後 四十九日法要までの忌中にお使い頂く ”後飾り”です。其々の祭壇に彩を添えるお花が 枕飾りでは 一本花と枕花、葬儀式祭壇では白木祭壇に供花 もしくは花祭壇、そして 後飾りには供花と呼ばれます。

 

 枕飾りは 故人様が亡くなられ そのご遺体をご自宅に安置した際 枕元に備える供物台です。その上には 三具足の他 故人様にお供えする供え物が置かれます。そして 三具足の一つ 花立て(花瓶)には 樒(しきみ)が一本 活けられ これを一本花と呼びます。仏教のお花と言えば蓮華ですが 弘法大師が修行の際に青蓮華の代用として樒を使用した事から、仏事に於ける神聖な植物として樒が使用されて居ります。神事に於ける榊(さかき)と同じ位置付けです。樒は 日本国内では西日本に自生して居り、香りが強く 毒性の強い植物です。尚 現代の東京・横浜では樒の入手は困難な状態となって居り、一本花としては樒に代えて 菊を一本 活けるのが一般的となって居ります。


 枕花は 故人様と特に親しかった方が 哀悼の意味を込めて贈る花で、枕飾りと共に枕元にお飾りします。一般的には白を基調とした生花をアレンジしたものですが、最近では故人様が好まれたお花を贈る事も多くなりました。


 通夜式は 本来は枕飾りを前提として行われるものでした。これは ご遺族にとって故人様の死を完全に受容したとは言い切れない 生と死の境界にある時間だからです。正式な祭壇を設ける事は死を認める事につながるからで、通夜では喪服を着用しない、香典を持参しない、持参するなら”お見舞い”とする等も同じ理由によります。しかしながら 作今では 通夜が告別式と同様に会葬者の弔問を受ける場に変化した事から、通夜でも 葬儀・告別式と同じ祭壇を設ける事が一般的となりました。

通夜・葬儀・告別式の祭壇は 白木の祭壇とその周囲をご供花で飾る形が一般的でしたが、現代では白木祭壇に代って花祭壇をご利用頂くケースが多くなって参りました。次回はこの花祭壇に付いて書かせて頂きます。


   今回は以上です。 

葬儀の式場

 今回は葬儀の式場に付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀の式場に付きましては ご自宅で行う場合と、公営 或いは私営の式場をご利用頂く場合とが御座います。ご自宅で執り行われる場合は 式場に使用されるお部屋をお定め頂いた上で祭壇の形をお決め頂きます。更に張幕、テント、冷暖房、案内標識、駐車場等を検討頂く必要が御座います。外部の式場をご利用頂く場合には その式場の使用規則に従って執り行う形となりますので、ご検討頂く項目はかなり少なくなります。尚 その際には 故人様 及び ご遺族様のご希望は忌憚なくお話頂く事が大切です。

 

 ご自宅でご葬儀を行う場合は 式場とする部屋、飲食の接待をする部屋、宗教者の控室、近親者の控室、会葬者の待機する場所、受付の場所等を 葬儀社とご相談の上でお決め頂きます。又 場合によっては 近隣の方々の了解を取り付けます。

 

 現代では 車で来訪される会葬者の方も多くなりましたので、近隣の駐車スペースを用意したり、無い場合は 一時的な路上駐車スペースを用意し、近隣に了解を取ると共に 所轄警察に届け出を出して許可を取り付けます。

 

 地元に不案内な会葬の方を考慮して、最寄の駅やバス停などから自宅までの案内標識、玄関から待機場 そして 式場に至るに必要な案内標識も必要となります。勿論 式場を示す門標も必要です。

 

 更に 門前から玄関までの通路の足元が暗い場合は 夜間の弔問客に備えて照明を用意します。又 夏の暑い季節には 冷房器や扇風機、冬の寒い季節には 暖房機具、雨が予想される場合はテントや予備の傘も用意します。又 式中に停電などが起こらぬ様、最大使用電力量にも注意が必要です。

 

 以上は全て 葬儀社が手配致しますが、適時 ご葬家の指示を必要と致しますので、ご留意下さい。

 

   今回は以上です。

納棺

 今回はご納棺に付いて書かせて頂きました。

 

 ご納棺とは ご遺体をお浄めし、装いを整えてお柩にお納めする事です。入棺とも言われます。ご自宅でご葬儀を執り行う場合はお通夜の支度を整える前に、外部の式場で行う場合はご自宅から出棺する前に行います。湯灌などのご遺体処置を行い、死に装束で身支度をし、ご遺体を柩の中にお納めし、副葬品でご遺体の周りを飾ります。故人様の”死”を受け止める大切な儀式ですので、ご遺族様 御親戚 極親しいご友人の手を煩わせて行う事をお薦めします。

 

 ご納棺は ご遺族の手で行うのが基本ではありますが、ご葬家のご希望に合わせて 葬儀社のスタッフにより行う事も可能ですし、納棺師と呼ばれる特別なスタッフをご利用頂く事も可能です。ご遺体をお納めするに当たり 死に装束で身支度を整えた後にお柩にお納めすべきではありますが、ご遺体の死後硬直の状態によりましては ご遺体をお納めした後に 死に装束でご遺体を覆うかたちの場合も御座います。又 指輪や装身具ははずした上でご納棺致します。

 

 尚 副葬品は 火葬の際に問題が起きぬ様;

−爆発の怖れのあるもの。

−燃えないもの。

−ご遺骨を傷つける怖れのあるもの。

−ご遺骨を着色する怖れのあるもの。 

は避けて下さい。具体的には ペースメーカー、ガスライターなど爆発の恐れの有るもの 体内に埋め込まれたペースメーカーは病院で除去して貰います。メガネや酒のビンなどのガラス製品、金属やカーボンで作られた釣竿やゴルフクラブなどです。又 ゴルフボールは火葬炉の中で回ってご遺骨を傷つける怖れがあり、果物は燃えにくく ご遺骨を着色する可能性があり、書籍は燃えにくいので、お納めする際に注意が必要です。

 

   今回は以上です。

死に装束

 今回は死に装束(しょうぞく)に付いて書かせて頂きました。

 

 死に装束とは 死者を見送るに当たり施される衣裳の事です。白を基調とした衣裳から 白装束とも呼ばれます。日本では古くから仏式の葬儀が基本となって居り、故人様の衣裳も仏式を前提とされて居ります。神道の葬儀においては、同じく白を基調とした神官が着用する衣裳に近い装束が施されます。キリスト教では特に死に装束は無く、故人様がお好きだった衣服を施す形となります。尚 古くには 武士が切復するさいの衣裳も死に装束と呼ばれました。尚 浄土真宗では死と共に成仏するとの教えから、冥土(めいど)への旅を認めて居りませんので、死に装束は有りません。又 その地域や宗派により それぞれ特色を持ち、相違が御座います。

 

 日本に於ける死に装束は ご遺体を棺に納める直前に施されます。基本的には仏式の巡礼者や修行僧の衣裳が前提となります。死に装束は 経帷子(きょうかたびら)・帯、三角巾(さんかくきん)、頭侘袋・六文銭、杖・手甲(てこう)・脚絆(きゃはん)・草鞋・編笠、そして 数珠により一式となります。

経帷子・帯は 白無地の帷子に真言や経文を記したもので、古くは 故人様と縁のある女性の手により縫い上げられ、裁縫のさいには 引っ張り合ながら縫い、糸には結び目をつけぬものとされました。明衣(みょうえ)、浄衣(じょうえ)とも言われます。

三角巾は 宝冠・、紙冠、あるいは額烏帽子 とも呼ばれる、額につける三角形の布です。起源としては 大日如来の頭部にある五智の宝冠を模したもので、山伏が被る兜布に由来するとの説があります。又 死者の贖罪を願うと共に魔除けになる との説や、閻魔大王に拝喝する際の正装となる烏帽子との説などが有ります。

頭侘袋は 修行僧が托鉢の際に首にかけて携帯 使用するもので、六文銭は三途の川の渡し賃とされます。六文銭には硬貨が使用されて居りましたが、火葬がほとんどとなった昨今では紙に印刷された物が使用されて居ります。

木製の杖は利き腕の横に置かれ、手甲・脚絆は左右反対に着け、草鞋を履いて、編笠を頭上に置き、数珠を手持たせて 西方極楽浄土への旅装が整います。

 

   今回は以上です。

遺体の変化

 今回はご遺体の変化に付いて書かせて頂きました。

 

 人はご逝去されると 生活反応が失われ、修復性や回復性も喪失します。従いまして ご遺体の状態は急激に悪化して行きます。死斑が出、死後硬直が始まり、腐敗が始まります。ご遺体の保全に最も大切な事は ”ご遺体を悪化させないこと”につきます。ご遺体の悪化防止の為には 死亡直後の看護師による適切な処置と その後の低温保存が重要となります。尚 ご遺体は保存方法により進捗の度合いは異なりますが、悪化はしつずけますので 死亡直後のメイクはあまり効果は有りません。

 

 死斑とは 心臓が停止し血液の流れが止まると、血管内の血液は全て下に集中します。ご遺体の上の部分の皮膚は蒼白となり、下になった部分の静脈に全ての血液が溜ります。この血液が凝固して死斑となります。死斑は死後20~30分後位から始まり、20時間以上経過すると固定されます。尚 死後10時間くらいまでは固定されません。

 

 死後硬直は 体内の化学反応により筋肉や関節が硬直して動かなくなる現象です。死後硬直は死後2時間位から始まり、20時間位で硬直は最も強くなります。その後は腐敗が強まる為、硬直は徐々に解けて行きます。

 

 ご遺体は 体内を一定の状態に維持する為の 恒常性が消失した状態となります。恒常性は 終末期から徐々に失われて行き、死亡と同時に加速度的に消失して行きます。人が健康な際には 体内や体表面の人体に有害な細菌や問題のある細菌の増殖を抑制していますが、死により細菌の繁殖環境が大きく崩れ、抑制されていた問題細菌が爆発的に増殖を繰り返し、ご遺体の悪化を一気に進めます。しかし ご遺体には生命活動が存在しない為恒常性は無く、これを取り戻す術は有りません。この悪化をより遅らせる為にご遺体を低温で保存しなければ成りません。

 

   今回は以上です。

遺体の保全

 今回はご遺体の保全に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族が永眠され 枕経の後にご遺体をお柩にお納め(納棺)してお通夜を待つのが一般的ですが、火葬場や式場の予約状況に依りましたは数日間 ご自宅にそのまま安置し、お通夜の前にご納棺する場合も御座います。ご納棺に先立ち 湯灌、死化粧、遺体衛生保全処置(エンバーミング)などを施す事もあり、又 その間 ご遺体を保全する為にドライアイスを利用します。(エンバーミングされたご遺体にはドライアイスは必要有りません)。

 

 湯灌とは ご遺族の手でご遺体を清める作法です。盥に水を入れ それに沸かした湯をいれて ぬるま湯を作り ご遺体をお清めします。通常は湯に水を入れてぬるま湯を作りますが この場合は水に湯を入れるので”逆さ水”と呼ばれます。最近は病院でエンジェルケアーによりご遺体は清められて居りますので、行う事は少なくなりました。又 湯灌では 湯を使用する事から ご遺体の体内の菌を増殖させ、ご遺体の腐敗を促進するので公衆衛生上好ましくない とする医学専門医の指摘が有ります。

 

 遺体衛生保全(エンバーミング)とは 北米などで行われている、一般的な遺体処置の方法です。所定の施設に於いて ご遺体を洗浄・消毒し、防腐処置と、必要に応じて顔などの復元処置を施します。防腐処置は 静脈から血液を抜き、動脈から防腐液を注入して行います。土葬が一般的な国、特に北米では多く利用されて居りますが、火葬が主流の日本では ご遺体を海外に移送する場合を除いて ご利用頂くケースはわずかです。

 

 遺体衛生保全されたご遺体を除いて ご遺体の保全にはドライアイスが使用されます。ご遺体は 胃や腸から腐敗が始まり 腐敗ガスを発生させます。ドライアイスは直下を冷やす事に適して居りますので 胸から腹部を中心にして 喉元と下腹部までの上にドライアイスを置いて 内臓の腐敗を防ぎます。この為に10Kgのドライアイスで24時間保全する事が可能です。尚 夏場などの酷暑の季節ではもう少し頻繁に使用する必要が御座います。

 

   今回は以上です。

遺体の保全

 今回はご遺体の保全に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族が永眠され 枕経の後にご遺体をお柩にお納め(納棺)してお通夜を待つのが一般的ですが、火葬場や式場の予約状況に依りましたは数日間 ご自宅にそのまま安置し、お通夜の前にご納棺する場合も御座います。ご納棺に先立ち 湯灌、死化粧、遺体衛生保全処置(エンバーミング)などを施す事もあり、又 その間 ご遺体を保全する為にドライアイスを利用します。(エンバーミングされたご遺体にはドライアイスは必要有りません)。

 

 湯灌とは ご遺族の手でご遺体を清める作法です。盥に水を入れ それに沸かした湯をいれて ぬるま湯を作り ご遺体をお清めします。通常は湯に水を入れてぬるま湯を作りますが この場合は水に湯を入れるので”逆さ水”と呼ばれます。最近は病院でエンジェルケアーによりご遺体は清められて居りますので、行う事は少なくなりました。又 湯灌では 湯を使用する事から ご遺体の体内の菌を増殖させ、ご遺体の腐敗を促進するので公衆衛生上好ましくない とする医学専門医の指摘が有ります。

 

 遺体衛生保全(エンバーミング)とは 北米などで行われている、一般的な遺体処置の方法です。所定の施設に於いて ご遺体を洗浄・消毒し、防腐処置と、必要に応じて顔などの復元処置を施します。防腐処置は 静脈から血液を抜き、動脈から防腐液を注入して行います。土葬が一般的な国、特に北米では多く利用されて居りますが、火葬が主流の日本では ご遺体を海外に移送する場合を除いて ご利用頂くケースはわずかです。

 

 遺体衛生保全されたご遺体を除いて ご遺体の保全にはドライアイスが使用されます。ご遺体は 胃や腸から腐敗が始まり 腐敗ガスを発生させます。ドライアイスは直下を冷やす事に適して居りますので 胸から腹部を中心にして 喉元と下腹部までの上にドライアイスを置いて 内臓の腐敗を防ぎます。この為に10Kgのドライアイスで24時間保全する事が可能です。尚 夏場などの酷暑の季節ではもう少し頻繁に使用する必要が御座います。

 

   今回は以上です。

枕経

 今回は枕経に付いて書かせて頂きました。

 

 枕経とは 仏教の臨終行儀のひとつで、亡くなり逝く方を仏弟子にして 心穏やかに往生して頂く為に、臨終間際の方の枕元で上げるお経のことです。現代では病院でご逝去される事がほとんどのケースで、病院内でお経を上げる事が難しい事から ご自宅にご遺体を安置した後に読経して頂くのが一般的となって居ります。ご遺体をご自宅に安置するのが困難な場合は 通夜式の中に含めて執り行われる場合も御座います。神道ではご臨終の後に帰幽報告の儀、神棚封じ、枕直しの儀を行います。そして キリスト教の場合は 危篤、臨終のときから神父、あるいは牧師が立会うことが原則となって居ります。

 

 枕経の起源は 平安時代中期に浄土教の僧侶が 死の間際にある本人と共に誦経(ずきょう)・念仏した臨終行儀にあると言われます。枕経はご臨終の方が居られるお部屋を清らかにし、臨終の方のお心が乱れぬ様物音などにも気を配り、来迎仏などの掛け軸か屏風を枕元に飾って行います。僧侶により 剃刀で頭髪を剃り、仏 法 僧に帰依させて頂きます。共に その証として戒名を授与して頂きます。看取る人 全員で念仏を唱え、ご臨終間際の方に 念仏を唱える力が出る様 祈念します。そして 臨終の瞬間が来そうな時には清らかな水を用意して、綿 又は筆で本人の唇を潤してあげます。これが末期の水です。死に水とも言われ お釈迦様が最期に水を求めた との言い伝えに依ります。末期の水は 本人に蘇って欲しいという願いと 死後 喉の渇きに苦しまぬ様との願いを込めて注されます。

 

 神道では 枕経はありませんが、末期の水は仏式と同様に行います。その後に 帰幽報告の儀、神棚封じ 枕直しの儀 を執り行います。

帰幽報告の儀は 神棚に向かって ”〇〇が帰幽致しました”と 家族の死を報告する儀式です。その後に 神棚の扉を閉め白い半紙を張り付けて封じます。これは 死と言うけがれが神棚の中に紛れ込まない様にする為です。そして ご遺体の枕元に枕飾りを設けて 灯明を灯し ご遺族・ご親族が礼拝します。この時の礼拝は二礼拝二拍手二礼拝を”忍び手”で行います。この礼拝を”枕直しの儀”といい 仏式の枕経にあたるものです。

 

   今回は以上です。

 

忌中札

 今回は忌中札(きちゅうふだ)に付いて書かせて頂きました。

 

 忌中札とは 御家族のどなたかが亡くなられた際に 忌中の期間 忌中と書かれたお札を玄関前に掲げる習俗に使用されます。忌中札は 死穢を他の人に及ばさぬ様 告知し、遺族は死の穢れに染まっているので こもって居る事を知らせれ為のものです。現代では 死者が出た家であることを告知する現実的な意味合いが強くなりました。昨今の東京、横浜等の大都市では 控え目なご葬儀をご希望されるご葬家が多くなり、忌中札を見かける事も少なくなりました。

 

 忌中とは 故人様を偲び 祀りに専念して 故人様の御霊を鎮め そして殺生をしてはいけない期間で、仏式であれば四十九日法要まで 神式であれば五十日祭までの間ですが、故人様との関係により その期間は異なります。父母・配偶者は四十九日(神式50日)、祖父母は30日、兄弟姉妹・子ども・叔父叔母は20日、孫は10日、その他の親戚は1~3日間が一般的です。この期間には神事、結婚式・お祝い会・初詣などの祝い事への出席を控えます。又 神棚をお祀りの御家庭では 神棚に白紙を掛けてお参りを控えます。

 

 忌中と同義語のように思われてもいる 喪中(もちゅう)と呼ばれる期間があります。喪中とは 精神的に故人様を偲び、悲しみを乗り越えて通常の生活に戻って行く期間で、忌中とは目的が異なり 一般的には 13ヶ月(一周忌法要まで)とされます。喪中に服しなければならないご親族は 父、母、兄弟、姉妹、子、義理の父、義理の母 が一般的です。喪に服している間(喪中)は 年末年始の挨拶は控え、結婚式やお祝い事への参加も控えます。但し 喪中である事を承知の上でご招待を受けた場合は 参加するのが礼儀となります。

 

   今回は以上です。

ご遺体の安置

今回はご遺体の安置に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族が万一 亡くなられた際は 信仰される宗教が仏教でしたら 枕を北側に置いてご遺体を安置します。更に 死穢が神棚に及ばぬ様 白い半紙で覆います。守り刀を置く習慣をお持ちの場合は 守り刀をご遺体の枕元、あるいは ご遺体の上に置きます。屏風をお持ちのお宅では その屏風を上下逆さにして ご遺体の周りを覆います。最後に ご遺体の枕元に 枕飾りを荘厳(お飾り)して 通夜の日を待つ事とします。

 

 神棚に白紙を貼る習慣は 神道が穢れを避ける事から、死穢が神棚に及ばぬ様に と言う事で行われます。この作業は 忌みがかかっていない他人にお願いするものとされます。この白紙は忌明けと共に取り除きます。

 

 守り刀を置く習俗は 死者が武士の場合に刀を枕元に置いた名残りであるとか、魔除けの為とか、死霊に対する鎮魂の為とか、死者の魂が持ち去られる事を防ぐ為とか、死霊を封じ込める為とか、さまざまな言い伝えがあります。従いまして 刃先をどちらに向けて置くか その地域によって異なります。横浜市内では特定のお宅を除いて 置かれることは無くなりました。又 浄土真宗では守り刀は使用しません。

 

 逆さ屏風は古くから有る習俗で 死の世界は日常の世界とは逆であるとの考えから、上下を逆さにするとされます。屏風でご遺体を囲むのは ご遺体を悪霊から守る為とも、死霊が周囲の人々に及ばぬ様にとも、その土地により相反する言い伝えがあります。

 

 枕飾りはご遺体の枕元に置く供物台の事で、その上にお供えする品物は 地域や宗派によって異なります。一般的には 白木の小机を使用し、三具足(香炉、花瓶、燭台)と鈴(りん)を備えます。備え方は 香炉を中心に、左側に花瓶、右側奥に燭台、右側前に鈴を配します。燭台には白の一本ローソクを立て、燭台には樒(しきみ) あるいは菊の花を一本活けます。このお花を枕花とも言われます。三具足以外には 供え物として 浄水、枕団子、枕飯、そして故人様がお好きだった食べ物などをお供えします。尚 浄土真宗では枕団子や枕飯はお供え致しません。又 燭台のローソクや香炉の線香の火は消さない様にするのが本来の習俗ですが、現在では 防火上 ローソクの火は必要な時のみ点灯する事をお薦め致します。

神道の枕飾りは 白木の八脚の台(案と呼ばれます)を置き、その上に燭台、洗米 塩 水 お神酒を乗せた三宝、榊を生けた花瓶を供えます。

キリスト教に於きましては特に枕飾りに関する習慣は有りません。 


   今回は以上です。 

葬儀の次第

 今回は葬儀の次第に付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀を執り行うに当たりましては ご葬家様にて ご葬儀の基本方針をお決め頂かなければなりません。主な項目と致しましては 如何なる宗教・宗派で行うか、式の方式は、式の会場(会葬者の予測人数)、日程、接待の方法、式場の設営、ご予算、特別なご希望等です。

 

宗教;

ご葬儀を執り行うに当たり最っとも大切な事項です。基本的には 故人様が信仰されていた宗教が最優先となり、帰依されていた檀那寺、或いは所属されていた教会にお願いして執り行います。あるいは 特定宗教をお持ちにならない場合は 無宗教でのお別れ会を催す事となります。故人様は特定宗教に帰依していなくとも、家として檀那寺をお持ちの場合は そちらにお願いする場合も御座います。又 檀那寺が遠方の場合は お願いをすれば近所のお寺を紹介して頂けます。尚 ひかりの杜では ご希望の宗教の宗教家をご紹介させて頂いて居ります。

方式;

個人葬か社葬・団体葬か、会社 団体 町内会などとの係わりを如何するか、身内だけで行う密葬とするか、その場合 後日に本葬 あるいは偲ぶ会などを行うか、などをお決め頂きます。

式場;

会葬者の予測人数、葬儀の方式などを考慮して ご自宅で行うか、火葬場が隣接する横浜市営斎場で行うか、団地の集会所で行うか、寺院で行うか、民間斎場で行うかをお決め頂きます。

日程;

火葬場の都合、宗教家の都合、式場の都合、御家族の都合等を考慮してお決め頂きます。

接待;

通夜振舞い、火葬場での茶菓子、精進落とし、会葬返礼品、香典返しなど 参列者 会葬者への接待方法、数量を概算 お決め頂きます。

設営;

祭壇、式場設営などに付いてお決め頂きます。ひかりの杜では生花祭壇を基本にお薦め致して居りますので お飾りするお花のご希望などもお受け致して居ります。他に 式場内で流す音楽、写真を用いた思い出コーナー、ビデオ放映なども可能です。

予算;

相互扶助の意味合いを持つ お香典を受けるか お決め頂いた上で ご予算の範囲をお決め頂きます。

その他;

特別なご希望や心配事が御座いましたら 忌憚なくお手伝いする葬儀社にお話頂きます。


   今回は以上です。 

 

葬儀の打合せ

 今回は葬儀の打合せに付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀の打合せは 最愛の方を亡くされ 精神的にも厳しい状況の中で行わなければ成りません。多くの事をお決め頂かなければ成りませんが、何よりも先に ご葬儀に対する想いをお話し頂く事が重要です。故人様はどの様な方であったのか、故人様はご家族をどの様に思われていたのか、ご葬儀に対して言い残されて事は無いのか、そして 故人様に対するご遺族の想いはどの様なものであるかをお話し頂きます。このお話の中から ご遺族様はお心の傷を僅かでも癒して頂き、お手伝いをさせて頂く葬祭業者は 葬儀のご方針を想い描く事が出来ます。私ども葬祭業者は この想いに沿って各種のお決め頂く事を提案する事が可能となります。

 

 ご葬儀の打合せは 葬祭業者の情報開示と、ご葬家様のご決定が前提となります。一般的には ご葬儀の経験が豊富なご遺族様は居られません。私共 葬祭業者は ご遺族さまが 容易に選択・決定出来るべく、必要な情報を広く、公平に、正確にお伝えしなければ成りません。ご葬儀の打合せに当たり 大切な事は 物事を選択し決定するのは ご遺族様の権利だという事です。

 

 ご葬儀を考える際に 最も大切な事は ”故人中心”ということです。お送りする方々が 故人様への想いに集中することが 良い葬儀を実現する為のポイントとなります。故人様が生前に語っていた事、書き遺した事など、故人様が考えて居られた事を中心に進めた時が、より良い葬儀にも繋がるかと考えます。喪主様、葬儀の宗旨、会葬者の扱い方など、出来るだけ 亡くなった方本位 の方法でお考え頂くのが良いのではないでしょうか。

 

   今回は以上です。

 

 

 

葬儀の喪主

 今回はご葬儀の喪主について書かせて頂きました。

 

 人の世には 色々な悲しい出来事が待ち受けて居りますが、家族の方のご逝去ほど悲しい出来事は有りません。この悲しみの中でもやらなければならないのがご葬儀です。このご葬儀を取り仕切るのが喪主様であり、まず最初にお決め頂かなければ成りません。喪主様は葬儀全般の主宰者であり、弔問を受ける葬家の代表者であり、ご葬儀の宗教的な主宰者であると共に、その後の行事の責任者でもあります。又 喪主様は故人様の生前の意とご希望に沿うべく努め、故人様の霊を護る役柄を努めねばなりません。

 

 喪主様を何方にするか時として問題になる事があります。戦前であれば 家の祭祀を主宰する方で、戸主あるいはその跡継ぎの男子でした。戦後に民法の改正が有り、家の祭祀権を継承する方と、遺産を相続する方とは分離され、家の祭祀者が祭祀権の継承者を指名すれば良い事となりました。この指名された継承者が喪主様を努めなければ成りません。もし指名がされて居ない場合は 御家族で協議をしお決め頂きます。一般的には 世帯主以外の方が亡くなられて場合は世帯主が、世帯主が亡くなられた場合は その配偶者 もしくはお子様が喪主を務められます。喪主様は通常は一人ですが まれに複数の方々(配偶者と長男、子供たち等)が共同で務める場合も御座います。

尚 地域の習俗として 子供が親より先立った場合は 逆縁として 親が喪主にならない習慣や、夫が逝去された場合は 喪主は配偶者ではなく長男が務める、などが御座いますので 日頃よりご確認頂く事をお薦め致します。

 

 施主様と呼ばれるお務めが御座います。一般的には 葬儀を主宰する人と言う意味で喪主様と同じ様に用いられますが、厳密には異なります。施主様とは 血縁に拘らず、布施費用を納める人と言う意味で、葬儀の施行主であります。個人葬の場合は喪主と施主を御一人で務めますが、社葬や団体葬などの場合 喪主はご家族が務め 施主は費用を負担する会社や団体の代表者が務める事と成ります。又 個人葬の場合でも 跡継ぎが未成年の場合 喪主を跡継ぎな務め、叔父様が施主を務める形なども御座います。

 

   今回は以上です。

葬儀の前に

 今回がご家族のどなたかに万一が予想される場合にお決め頂かねばならない事項に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族のどなたかが亡くなられた場合 まずは 葬儀社に連絡をし、その後 葬儀社と葬儀の次第をお決め頂かなければ成りませんが、精神的な動揺も大きい中での判断には難しい面も多々あります。大切な方との最後の時間をより良く、後悔の無い様お過ごし頂くためには 事前に以下の事をお決め頂いて置く様 お薦めします。

1 喪主はどなたがされるか?

2 お通夜までの ご遺体の安置場所は何処にするか。

3 葬儀の形式は 仏式(宗派、檀家寺)、キリスト教(所属教会)、他の宗教、無宗教。

4 葬儀のご予算。

5 ご遺影の原本。

6 ご希望の式場、火葬場 もし御座いましたら。

7 準備する情報

  故人様 氏名、現住所(含む世帯主) 本籍地(含む筆頭者)、生年月日 

  喪主様 氏名、現住所(含む世帯主) 本籍地(含む筆頭者)、生年月日

  死亡届出人 氏名、現住所(含む世帯主) 本籍地(含む筆頭者)、生年月日、故人様との続柄、連絡先


 故人様が病院で亡くなられた場合は ご遺体を搬出しなければ成りません。その場合の葬儀社への連絡内容は 連絡される本人様のお名前、故人様との関係、連絡先の電話番号、故人様の氏名・年齢・性別、病院の名称・住所・電話番号・病室、そしてご遺体の搬送先が必要となります。


   今回は以上です。 


末期の水 遺体の清拭

 今回は末期の水とご遺体の清拭に付いて書かせて頂きました。

 

 末期の水とは 死にゆく者に対して 御家族により その口許を水でうるおす作法を言います。あるいは 死に水をとる とも言います。本来は死者の命が蘇える事を願って行われたと伝わります。従いまして 臨終の間際に行われる作法でしたが、現在では息を引き取られた後に行う事が一般的となって居ります。ご遺体の清拭(せいしき)とは 死後感染を予防し、ご遺体の尊厳を守る為に行う、各種の手当を指します。

 

 末期の水の由来は 仏典”長阿含経”の中に記されて居ります。末期を悟られた仏陀は 口が渇いたので水を飲みたいと 弟子の阿難に命じました。しかしながら 近くの川は水が濁って汚れて居た為 差し上げる事が出来ません、その時 雪山に住む仏道に篤い鬼神が 鉢に浄水を汲み これを仏陀に捧げたとの事に由来します。死に水は 許されるならば病院で、許されないのであれば ご遺体がご自宅に帰り お布団の上に安置した後に行います。死に水をとる順序は 喪主様 そして血縁の近い順に行います。最初は配偶者、お子様、故人の両親、兄弟姉妹、子の配偶者、孫、そして臨終に立会った方々の順となります。使用する道具は 筆 又は 箸の先に脱脂綿を巻き付けものを使用し それに水をふくませて唇を湿らします。元来は死者の蘇生を願う民俗的儀礼であると共に、一人一人が故人様に別れを告げる大切な儀式でもあります。

 

 故人様がご自宅で亡くなられた場合 主治医が死亡の判定をした後に 看護師によりご遺体の清拭が行われます。ご遺体の表面をアルコールで消毒し、鼻や尻等の部位に脱脂綿を詰めて体液が漏れない様にし、新しい浴衣などに着せ替えを行い、女性の場合は簡単な化粧を施すなどをします。病院で亡くなられた場合も同様の手当が行われ 遺体安置室(霊安室)に運ばれて引き取りを待つ事と成ります。看護師による清拭は エンゼルケアとも呼ばれて居ります。現代では エンゼルケアが一般的に施される様になり、ご家族による湯灌を行う事は少なくなりました。

 

   今回は以上です。

 

死体火埋葬許可証

 今回は死体火埋葬許可証に付いて書かせて頂きました。

 

 死体火埋葬許可証とは ご遺体を埋葬(土葬)あるいは火葬を許可する証で、埋葬・火葬の前に取得して置かなければ成りません。許可証の発行は 死亡届を受理した市区町村役所が行います。死亡届と共に死体火埋葬許可申請書を役所に提出し、許可証を受取ります。申請書には 死亡者の本籍、住所、氏名、性別、出生年月日、死因(一般感染症かそうで無いか)、死亡年月日時、死亡場所、火葬場所あるいは埋葬場所、申請者の住所・氏名・続柄の情報と印鑑(シャチハタは不可)が必要と成ります。


 死体火埋葬許可証が無いと ご遺体を埋葬(土葬)、或いは火葬する事が出来ません。この許可証は 発行した市区町村だけでなく、全国共通で有効となります。尚 ご遺体は原則として ご逝去後24時間以内には埋葬・火葬を行う事が出来ません。但し 法定伝染病により亡くなられた場合はこの限りでは有りません。横浜市内では原則として土葬が認められて居りませんので、全て火葬となります。


 横浜市内には 市営火葬場として 横浜市北部斎場(緑区)、横浜市久保山斎場(西区)、横浜市戸塚斎場(戸塚区)、横浜市南部斎場(金沢区) 私営火葬場として 西寺尾斎場が御座います。其々の火葬炉ご利用費用は;

1 横浜市営; 横浜市民−12,000円、市外−50,000円。

2 西寺尾火葬場; 63,000円(市内、市外共に)。


 ご火葬が終り ご遺骨をお骨壺に納めた後、火葬証明書が発給されます。火葬証明書は ご遺骨を埋蔵(お墓に納める事)、収蔵(納骨堂に納める事)の際に 管理者に提出しなければならない重要な書類ですので、ご遺骨と共に大切に保管して下さい。尚 分骨をされる場合は 別途 分骨証明書が必要となりますので、ご火葬の前に 火葬場へ申請する必要が御座います。尚 分骨申請書の発行手数料は 横浜市営斎場の場合 300円となります。


 以上の手続は ご依頼頂ければ葬儀社が代行してくれます。


   今回は以上です。  

監察医

 今回は監察医に付いて書かせて頂きました。

 

 監察医とは 死体解剖保存法の規定に基ずき、都道府県知事が任命する 行政解剖を行う医師を指します。日本に於ける監察医制度は 飢餓、栄養失調、伝染病などによる死亡者が続出していた第二次世界大戦終戦直後に 死亡者の死因が適切に把握されず その対策にも科学性が欠けて居た為、その状況を憂慮した連合軍総司令部(GHQ)が 公衆衛生の向上を目的として 日本政府に創設を命令した制度で、1947年(昭和22年)に創設されました。

 

 監察医制度の目的は 死因不明の死体を検庵 又は解剖して死因を明らかにする事により、公衆衛生の向上に資する事に有ります(犯罪捜査を目的とした制度では有りません)。監察医の業務内容は 死因の明らかでない死体に付いて @死体の検案を行う事、A検案によっても死因が判明しない場合は解剖を行う事(ご遺族の同意は不要)です。その対象となるご遺体は 伝染病、中毒、又は災害により死亡した疑いのある死体 及びその死因が明らかでない死体です。監察医制度は 昭和22年 当時の人口上位7都市(東京23区、大阪市、京都市、名古屋市、横浜市、神戸市、福岡市)で運用が開始されました。監察医は常勤 或いは非常勤の形で監察医務院と呼ばれる組織に所属して死因の解明に当ります。現在 監察医務院が運用されて居るのは 上記から京都市、福岡市を除いた5都市です。それ以外の地域では 委嘱を受けた 大学の法医学教室が その任務を代行して居ります。

 

 監察医や警察の嘱託医が行う、死因を特定する為の解剖を”行政解剖”と言います。これに対して 犯罪死の惧れがある場合に行う解剖を”司法解剖”と言います。行政解剖の途中で犯罪死の疑いが出た為、司法解剖に移行することもあります。行政解剖と司法解剖は ご遺族の同意を必要とは致しません。一般的医療機関で行う病理解剖はご遺族の同意が必要です。

 

   今回は以上です。

死亡診断書(死体検案書)

 今回は死亡診断書(死体検案書)に付いて書かせて頂きました。

 

 死亡診断書(死体検案書)は 人の死亡に関する厳粛な医学的・法律的証明であり、死亡者本人の死亡に至るまでの過程を詳細に論理的に表わされた書類で死亡届提出の根拠となります。又 死亡証明書(死体検案書)は 日本国の死因統計作成の為の資料ともなって居ります。死亡診断書は 死亡の原因となった傷病の診察に携わった医師 又は歯科医師により発行されます。死体検案書は 死亡の原因となった傷病の診療に携わる医師が居ない場合、又は 死体に異常があるとと認められた場合に都道府県知事が指定した医師(監察医等)が遺体を検案の上で発行します。

 

 通常の病死あるいは老衰死などの自然死が明白な場合は その診察・治療に当っていた医師が死亡診断書を発行します(医師法)。突然死や永らく医師の診察・治療をうけて居ないで死亡した場合は 病死や自然死であっても医師・歯科医師は死亡診断書を発行する事が出来ません。この場合は 死亡地の所轄警察署による検視を経て、監察医 又は警察の嘱託医が検案を行い死体検案書が発行されます。これは 自然死以外の可能性が無いかどうかを調べる為です。病死 あるいは自然死以外の異常死体、犯罪の疑いのある死体の場合は 所轄警察に届けて、その検死を受け、監察医 又は警察の嘱託医が 検案の上で死体検案書を発行します。警察による検視、監察医などによる検案が必要なケースは以下の通りです;

1 病死あるいは自然死であっても診察・治療に携わる医師が居ない場合。

2 病死あるいは自然死であるかどうか不明の場合。

3 伝染病死、中毒死などの場合。

4 溺死、事故死、災害死、自殺などの非犯罪死の場合。

5 殺人、過失致死などの犯罪死あるいはその危惧がある場合。

尚 横浜市には ”監察医を置くべき地域を定める政令”により監察医が置かれております。


   今回は以上です。

移植

 今回は移植に付いて書かせて頂きました。

 

 移植とは ドナー(提供者)からレシピエント(受給者)に 肉体の組織や臓器を移し植える医療行為のことです。現在の医療技術に於ける 移植の対象となる組織や臓器は 心臓、肺臓、腎臓、肝臓、膵臓、小腸、骨髄、角膜ですが、医学の発達とともにその範囲は広がりつつ有ります。そして 移植には 生きているドナーから提供される”生体移植”と、死亡したドナーから提供される”死体移植”の2っが有り、死体移植には 脳死と心臓死の場合とがあります。

 

 日本に於ける移植の歴史としましては 生体移植に付いては古くから色々な試みが行われて居りましたが、死体移植に関しては 1956年に腎臓移植が、1954年に肝臓移植が初めて行われました。そして 1968年(昭和43年) 札幌医科大学の和田教授による 世界で30例目にあたる心臓移植が行われ レシピエントは83日間生存しました。レシピエントの死後 ドナーの救命治療が十分に行われたのか、脳死判定は適切であったか、レシピエントは本当に移植が必要だったのか等で 医学界を中心に世論が紛糾しました。いわゆる 和田心臓移植事件です。和田教授は 殺人罪で刑事告発されましたが、最終的には 嫌疑不十分で不起訴となりました。その後 脳死に関する議論が続けられ、1997年(平成9年)”臓器の移植に関する法律”が成立し、脳死判定に従い臓器を提供する意思を本人が書面により表示し、かつ家族が脳死判定並びに臓器提供に同意している場合に限り、脳死が法的に人の死と認められ、脳死移植が認められる事となりました。

 

 臓器の提供を希望する方は 健康保険証 あるいは運転免許証の裏面に意思表示シールを貼るか、日本臓器移植ネットワークが発行している 臓器提供意思表示カード(ドナーカード)により意思を表明する事が出来ます。ドナーカードは 全国の郵便局、都道府県庁、運転免許試験場、市町村役場、保健所、コンビニエンスストアなどで入手する事が出来ます。又 意思を表示する場合は その意思をご家族にもご説明しておく事をお薦めいたします。

 

   今回は以上です。 

脳死

 今回は脳死に付いて書かせて頂きました。

 

 脳死とは 人の脳幹を含む脳の 全ての機能が不可逆的に回復不可能な状態まで低下し、回復不能と認められた状態を指します。その判定は 臓器を含む移植に関係しない、脳死判定の経験を持つ2名以上の医師により行います。判定は6時間の間を置いて2回行い、2回目の判定の決果に基ずいて、脳死が確定します。2回目の判定が終了した時間をもって死亡時間とされます。尚 脳死の判定基準は国毎に異なり、脳幹のみの機能低下を基準とする脳幹死を採用する場合と、大脳と脳幹の機能低下を基準とした全脳死を採用する場合とがあります。日本の場合は全脳死を前提として居ります。日本の法律では脳死を”個体死”とする旨の明記は有りません。

 

 人の死は 古来 心停止を前提として居り、医学的に厳密な定義を必要とするものでは有りませんでした。その後 法律上での定義として ”死の三徴候”が定められ 今日に至って居ります。人は 肺機能の停止、心臓機能の停止、脳機能の停止の過程を辿って死に至りますが 今日 医療技術の発達と共に 人工呼吸器、人工心臓等が開発され 自発呼吸が不可逆的に停止しても 人工呼吸器によって呼吸と心臓の拍動が維持できる様に成りました。これにより出て来たのが脳死の概念です。人工呼吸器の使用により 呼吸と心拍の停止よりも先に 腦の全ての機能が不可逆的に停止する状態が発生する事となります。これが脳死の状態です。脳死に陥ると 現在の医学では生命が蘇生される事は無いと考えられます。従来 脳死の後には数日から一週間で心臓が止まると言われて来ましたが、最近の症例では 脳死の状態で1年以上 心臓が動き続けた例がいくつか報告されて居り、最長例としては4歳の男子が脳死と判定された後 21年間心臓が動き続け、身長も伸びたとの 論文発表が有りました。

 

 この脳死を前提として臓器移植、尊厳死に関する諸問題が提起されて居ります。

 

   今回は以上です。

死の判定

 今回は死の判定に付いて書かせて頂きました。

 

 人の死は 法律上は 医師によって死亡診断書、或いは 検死医師によって死体検案書が発行される事によって確定します。従いまして 市区町村役所に死亡届を提出するに当たりましては 死亡診断書 又は死体検案書の添付が必須条件となります。死亡診断書 又は死体検案書は特別な場合を除いて、A3用紙の右側に診断書・検案書、左側が死亡届の書式となって居ります。尚 死亡届の提出先は 死亡場所、若しくは 届け出人が居住する市区町村役所となります。

 

 医師による 人の死亡の判定は 伝統的には @呼吸停止、A心拍停止、B瞳孔散大・対光反射消失の 死の三徴候を根拠としてなされます。医師は この3点の不可逆的停止を確認する事により死の判定を行います。一般的には 呼吸が停止した時刻、あるいは心拍(脈拍)が停止した時刻をもって死亡時刻とする、との事です。 これが 心停止 と言われる死の判定法で、法律上でも確立して居ります。但し 心停止により 法律上は死が確定しても、その人の臓器や細胞は生きて居り、その後 緩やかに死へと向かう事と成ります。


 不可逆的停止とされる意味は 自発的呼吸が停止しても 直後に人口呼吸を施す事により 自発的呼吸が再開されたり、強心剤や電気的ショックにより 停止していた心臓が動き出す事もあり、一時的な機能停止は 必ずしも絶対的なものではないからです。墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)に於いても これらに考慮し 死亡判定後24時間以内には 火葬や埋葬する事を禁じて居ります。古くより有り得た 生存埋葬を避ける為です。但し 法定伝染病患者の死に関しては この限りでは無く、即刻の火葬が可能です。


   今回は以上です。

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