位牌

 今回は位牌に付いて書かせて頂きました。

 

 位牌とは 仏教葬儀で死者の霊を祀る為に使われる 死者の戒名(法名)等を書いた木製の稗で、中国の後漢時代に儒教の葬礼では 死者の霊牌には官位と姓名が書かれた事から ”位”牌と呼ばれます。霊の依代(よりしろ)という日本古来の習俗と仏教の卒塔婆が重なり出来あがったと考えられます。位牌には 内位牌(白木位牌)、野位牌、本位牌、寺位牌等が有ります。

 

 位牌の表には戒名(法名、法号)が書かれ、裏には 俗名、死亡時年齢(享年、行年)、死亡年月日が書かれます。

 故人様のご臨終後 枕飾り、及び葬儀の為の 白木の簡素な内位牌が作られます。内位牌は葬儀の後も四十九日の法要が終るまでの忌中は 中陰壇(後飾り)に祀られます。四十九日法要で 故人様の霊は 内位牌から 本位牌に移され、その後 お寺で焚き上げられます。

 野位牌は 内位牌と同じ白木の位牌で、墓石に文字が刻まれるまでの間 お墓に置く位牌です。

 本位牌は 忌明け以降、三十三回忌 もしくは五十回忌の弔い上げまでの間 仏壇に安置してお祀りする位牌です。伝統的なものとしては 漆塗りに金箔・沈金を施した 塗り位牌や、黒檀・紫檀などに半透明の塗装をした唐木位牌などが有ります。金額的には一万五千円から10万円の間のご位牌が一般的です。又 この他に集合型の 繰り出し位牌があります、多数の薄い木の札を重ねて納められる様にした箱型の位牌で 一枚に一人の戒名・俗名・享年・命日などを記して納められ 複数の故人様をお祀りする事が出来ます。

 寺位牌は 本位牌とは別に 菩提寺に納める位牌で、お寺の位牌堂や本堂内に安置され、朝夕の勤行の際に供養されます。

 

 浄土真宗の場合は 死者を礼拝の対象としない為、原則として位牌は用いません。代りに 法名軸に法名を書いて 仏壇の側面に掛けるか 或いは法名帳に法名を書いて 仏壇の中段 もしくは下段の横に置きます。

 

   今回は以上です。 

葬儀の祭壇

 今回は葬儀の祭壇に付いて書かせて頂きました。

 

 葬儀の祭壇は 宗教儀礼を前提として葬儀を営むのであれば、仏教の場合は仏様、神道やキリスト教の場合は神様を中心として組まなければ成りません。他方 告別式の祭壇は 故人様を中心として組む必要が有ります。現代の葬儀では 葬儀と告別式を一定時間内に執り行われて居り、祭壇も両方を意識して組まれなければ成りません。無宗教葬の場合は 故人様とのお別れが目的の祭壇であらねばなりません。


 宗教儀礼として 葬儀を営む場合は 仏様や神様の導きによって 故人様をあの世に送る事が基本となります。神道では家の守護神となって頂く事となります。仏教葬儀の目的は 仏様を供養する事により 得られる功徳を 故人様へ振り向けてて極楽往生を願うと言う 間接的方法を取ります。キリスト教の場合は 礼拝が中心ですが その対象は神様です。したがいまして 祭壇の中心は 仏教の場合 御本尊、キリスト教の場合は礼拝の対象が故人様にならない様にしなければ成りません。つまり 宗教儀礼としての祭壇は 故人様をないがしろにする訳では有りませんが、故人様を礼拝の対象とするような荘厳は適当では有りません。執り行う 宗教、宗派の考えに従った道具立てをしなければ成りません。


 一方 告別式では 故人様とご遺族・会葬の方々とのお別れが中心と成りますので、ご遺族・会葬者の想いを祭壇の装飾に生かすべきです。


 従いまして 祭壇を作るに当たりましては 宗教者とご遺族が 良く相談をされて お決め頂き、葬儀儀礼の場であると同時に 告別の場でもあるという二面性を意識した祭壇であらねば成りません。


 祭壇の大きさは 生花祭壇であれば 幅2。2m、高さ1.8m、奥行き1.2m程度が一般的ですが、ご遺族のご希望、会場の広さ、会葬者の人数等に合わせてどの様な祭壇も組む事が可能です。


   今回は以上です。

祭壇

 今回は祭壇に付いて書かせて頂きました。

 

 祭壇とは 神、精霊、や死者などに犠牲や供物を捧げる壇を言いますが、仏教に於ける祭壇としては 常設のものは 仏像を安置するための 須弥壇、自宅内に設ける仏壇、仮設のものとしては ご遺体安置中に設ける 枕飾り、葬祭式場内に設けられる祭壇(葬儀壇とも言う)、忌中に設ける中陰壇(後飾り)、お盆に設ける精霊棚(盆棚)などが有ります。

 

 かって 仏教に於ける 故人様のお見送りは 自宅での法要、そして 葬列を組んでご遺体を菩提寺に移し法要と 二段構えで行われましたが、時代とともに変化し 二つの法要は一つにまとまり、葬列で使われた飾りと 寺院での葬儀の飾りとを合わせて、現在の葬儀祭壇が作られました。葬列が組まれた当時の寺院に於ける法要(葬儀)では 白木の輿に乗せられた柩の前に野机と呼ばれる小机を置き その小机を白布で覆い、その上に 御位牌 三具足 供物を乗せ、両脇に供花や供物を飾り、柩の後ろには 葬列で用いた幡(はた)などの野道具をならべる形で葬儀が執り行われました。その後 寺院に設けられた須弥壇にならう 祭壇を取り入れ、又白木の輿を飾り付けて 宇治の平等院を模る 飾り輿などが 祭壇の構成に取り入れられて行きました。

 

 戦後 告別式中心の葬儀に変化すると 立派な祭壇を飾ることが故人様を弔う事に成る という考え方が生まれ、祭壇は大型化して行きます、二段・三段の白木祭壇が組まれることが一般的と成りました。

現在では ご葬儀は より個人化する方向にあります、そして 祭壇は 故人様を顕彰する為のものと 理解される様にも成り、故人様の愛用品を祭壇に飾ることや、故人様の好きだったお花で飾る 生花祭壇なども一般的となって居ります。

 

   今回は以上です。 

返礼品

 今回は返礼品に付いて書かせて頂きました。

 

 返礼品とは 葬儀や法事のお手伝いを頂いた方や 参列者に振舞う品物の事で、他者に布施をすることによって仏に徳を積みこれを故人様に振り向ける 為のもので 供養の為の品ということから 供養品とも呼ばれます。返礼品には 通夜返礼品、会葬返礼品、香典返し、法事返礼品などが有ります。

 

 通夜や葬儀の時 会葬の方へ食事や酒を振舞ったり、お菓子を出したりするのは 故人様の減罪を願う布施の一つで 故人様の供養につながると言う考えから生まれました。以前は葬列が出発する前に籠に菓子や小銭を入れて 見送る人々に振り撒いたのも 同じ考えにもとずくものです。

 

 通夜返礼品は 通夜の弔問に来られた方への返礼品で、通夜振る舞いに出られず お帰りになる方へのお礼の品物です。又 事情によっては 通夜振る舞いを行わず、寿司券などをお渡しするケースも御座います。現在の横浜では 通夜のみに弔問されて、告別式には参列されない方も多く、通夜 告別式の区別なく 同じ返礼品をお渡しするののが 一般的となって居ります。

 

 会葬返礼品は 葬儀・告別式に参列頂いた方への返礼品です。香典持参の有無に係わらず 参列された方 全員にお渡しします。品物としては ブランド物のハンカチ、砂糖、お茶、クッキ−などで 500から800円程度の物が一般的です。尚 横浜では 香典返しは 即返しが習慣となって居り、通夜返礼品や会葬返礼品は特別に用意せず、会葬者には 2,500円前後の香典返しをお渡しするのが一般的となって居ります。この場合 香典持参の有無にかかわらず会葬の方へお渡しすることとなります。

 

 香典返しは 大きく分けて 即返し と忌明け返しの2種類が有ります。即返しでは 葬儀・告別式でお返しして居りますが、高額の香典を持参された方には 別途 お返しをするのが良いでしょう。忌明け返しは 三十五日や四十九日の忌明けに合わせて 礼状を添えて返礼します。お返しは半返し(頂いた金額の半分をお返し)、又は 三分返し(頂いた金額の30%をお返し)で品物をお送りします。又 葬儀の余剰金を社会福祉施設に寄付するとか、遺児の養育費に充てるとか 香典返しを行わない事も有ります。香典返しを行わない場合は その用途を忌明けの挨拶状に記すと良いでしょう。

 

 法事返礼品は 四十九日、一周忌、三回忌等の法事に参列して頂いた方に対するお礼の 返礼品です。繊維製品、お茶、お菓子などが一般的です。お斎の席を設けない場合は 折り詰めの料理も用意すると良いでしょう。

 

   今回は以上です。   

香典

 今回は香典に付いて書かせて頂きました。

 

 香典とは 本来は香奠と書き、仏式の葬儀や法要に於いて 故人様の霊前にお香(線香)を供える事を意味しました。香は線香であり、奠は霊前に供える事を意味します。現在では 香に代わる金品ということから 香典、あるいは香料となりました。香奠には 金銭香奠と食料香奠が有ります、長い間 食料香奠が中心でしたが、都市部では明治時代から、農村でも戦後は金銭香奠が一般的と成りました。神式では御霊前・御玉串・御榊料、キリスト教ではお花料等が使われます。

 

 金銭香奠の歴史としては 室町時代後期に武士が金銭香奠をだしたとの記録が有りますが、長い間 一般民衆の間では食料香奠が一般的でした。これは 喪家(そうけ)では 故人様の成仏を願い、滅罪をする為の布施として、人々に食事を振舞う習慣が定着しており、葬儀の期間 地域の共同体に属する人々は 子供を含め喪家の振る舞いに預かり、自分の家では食事をしなかったという記録もあります。この振る舞いの為の出費は多額でもあり、喪家を援助する為に 親族は親族香奠として、隣近所は村香奠として 米や野菜を供出しました。貧しい家では葬儀が出せない という状況が起こらぬ様 香奠は相互扶助の意味合いを持つものでも有りました。

 

 香典の一般的な相場は以下の通りです;

近隣の人   3000−5000円

一般の会葬者 5000−10000円

関係者     10000−30000円

親族      10000−50000円

家族      50000−100000円

以前は 仏事に偶数は使わないとされて居りましたが、一万円の次が三万円では上がり幅が大き過ぎる事から、現代では二万円も使われる様の成りました。

尚 香典返しは3割ー5割返しが一般的です。

 

   今回は以上です。 

告別の方法(その2)

 今回も告別の方法に付いて書かせて頂きました。

 

 通夜、葬儀、告別式で 故人様と最後のお別れをする際、仏式であればご焼香、キリスト教や無宗教葬であれば生花の献花、神道であれば玉串拝礼が一般的です。今回は 生花の献花 及び 玉串拝礼の作法に付いて書かせて頂きます。

 

 生花の献花は 無宗教葬のお別れ会、キリスト教葬で焼香の代りとして(日本特有、欧米では墓地での献花)、又 仏式であっても ホテル等の公共施設で葬儀を行う場合 規則により焼香がでない為、お別れの際に利用されて居ります。

献花には 特に決められた作法が有る訳では有りませんが、通常は 献花台の横に立つ奉仕の方から 花を一輪受取り、茎を先にし 花を手前に来るようにして 献花台に置き、ご遺影に拝礼してお別れをします。又 ご遺族が居られるのであれば 献花の前と後にはご遺族に挨拶される方が良いでしょう。特に決められた作法が有る訳では有りませんので、最初に献花をされた方に従うという方法も有ります。又 献花台ではなく、オアシスを用意したケースでは そこに花を挿すかたちとなります。使用される花は 白の菊やカーネーションが一般的ですが、決まって居る訳では有りません。

 

 神道の神葬祭では 玉串拝礼を行います。まず 玉串は神職より受取ります。

1 玉串は胸の高さに 左手で手の平を上に向け葉の部分を下から支え、右手で手の平を下に向け榊の根元を上から持ち、左手を少し高目に肘をはって持ちます。

2 神前の玉串案の前に進み 深く頭をさげます。

3 玉串を時計方向に90度回し、左手を手前に引いて根元を持ち、祈念を込めます。

  そして 右手で玉串の中ほどを下から支え、更に90度回して、左手をはなし、右手の下に添えます。

4 一歩前に進んで、そのまま 玉串案に奉奠します。

5 拝礼をします。拝礼は 二拝、二拍手、一拝ですが、二拍手は しのび手と言い、両手を打つ寸前で止めて 音を立てない拍手で行います。

 

   今回は以上です。 

告別の方法

 今回は告別の方法に付いて書かせて頂きました。

 

 通夜、葬儀、告別式で故人様とお別れをする際、仏式であればご焼香、神式であれば玉串拝礼、キリスト教や無宗教式であれば献花が一般的でありますが、必ずしも固定概念に捉われる必要は有りません。キリスト教でも カトリック教会やルーテル教会では焼香も認められて居り、無宗教葬でご焼香をされる場合も御座います。尚 仏式では ご宗派によりご焼香の仕方が異なりますが、会葬の方々が多い場合などは時間の都合により ご宗派に係わらず ご焼香1回でお願いする場合も御座います。

 

 仏式のご焼香は宗派により仕方が異なりますが、その内容は以下の通りです;

天台宗

 回数は特に定めない。

真言宗

 ご焼香は3回、仏・法・僧に供養すること、戒香・定香・解脱香によって 自ら戒律を保ち、心の静寂を求めます。

浄土宗

 回数は特に定めないが 通常は ”真心を込めて一心に”1回、”身を静め、心を清める”1回、”過去 現在 未来の衆生に回向”1回の3回となります。

臨済宗

 回数に拘らない。

曹洞宗

 回数に拘らない。

日蓮宗

 ご焼香は3回、仏・法・僧の三宝供養。

浄土真宗

 本願寺派では1回、大谷派では2回、但し香を額に戴くことは致しません。

ご焼香については ご導師の宗派に合わせる考え方と、会葬者の宗派に合わせる考え方とが有りますが、これは 故人様のご宗派を尊重するか 会葬者の方の信ずる宗派を尊重するか というになります、何れが良いかは ご会葬の方の信教の自由を損なはない為に ご会葬の方の判断にお任せすべきかと考えます。

 

   今回は以上です。

死亡記事

 今回は死亡記事に付いて書かせて頂きました。

 

 死亡記事とは 新聞による 故人様の死亡を告知するものです。一般的には故人様のご逝去を新聞社に連絡すると、新聞社では掲載の可否を担当者が判断して、特定の欄に記事としてのせられます。又 死亡記事の他に 死亡広告という告知方法もあり、これは特定スペースを有料で確保し、ご遺族の希望する内容の告知を行う事が出来ます。尚 死亡記事には費用はかかりません。

 

 死亡記事は新聞社により掲載基準が異なりますが、全国紙の場合 全国版、本社版、地方版の何れに掲載するかは 故人様 及び親族の方の 知名度 業績 肩書により判断されます。尚 本社版には 東京本社版、大阪本社版、中部本社版、西武本社版などが有ります。地方紙では 地元に密着して居りますので、地元での評価により掲載の可否が決定されることになります。横浜での地方紙は神奈川新聞となりますが、比較的 前向きに掲載してくれます。死亡記事の要点は以下のとおりです;

 

 故人様に関する事項

  故人様氏名(ふりがな、肩書)、死亡日時(時刻は省略可)、死因(省略可)、死亡場所(省略可)、死亡時年齢(満年齢)

 通夜、葬儀、告別式に関する事項

  通夜、葬儀、告別式の日時、式場名(所在地)

 喪主様に関する事項

  喪主様氏名、喪主様と故人様の関係、自宅住所

 故人様について特記すべき事項(通常は省略)

 

今回は以上です。

お盆

 今回はお盆に付いて書かせて頂きました。

 

 お盆は 太陰暦である和暦(旧暦)の7月15日を中心に、祖先の霊をお祀りする行事で、7月13日に迎え火を焚いて 先祖の霊を迎え、15日を中元として 先祖をお祀りし、16日に送り火を焚いて 浄土へお送りします。横浜では新暦の7月15日をお盆として居りましたが、現在では 全国的に一般化されている新暦8月15日が一般的となって居ります。お盆は 仏教の行事と認識されて居りますが、日本国内では 仏教伝来以前から 7月15日に先祖を供養する行事が行われて居り、日本古来の神道に於ける先祖供養の神事と、仏教行事の ”盂蘭盆(うらぼん)” が江戸時代に習合して、現在の形が出来たと考えられます。

 

 盂蘭盆は インドに於けるサンスクリット語 ウランバナ の音写語で 倒懸(さかさにかかる)という意味で、盂蘭盆会(うらぼんえ)は 本来は 僧侶が集まって修行を行った際 修行の終わった日に人々が衆僧の為に飲食等の供養をした行事が その後 転じて 祖霊をお迎えして祀る宗教行事に変化したとされます。 

 

 送り火は 京都五山の送り火等が有名ですが、地域によっては 川に送る風習もあり その場合は灯篭流しが行われます。中元の翌日 16日の晩には 寺社の境内に老若男女が集まって行う踊りを 盆踊りと言います、旧暦の7月15日 もしくは16日は 何れかの日が満月であり 晴れていれば 月明りで夜通し踊る事が出来ました。盆踊りは 地獄での受苦を免れた亡者たちが 喜んで踊る姿を模したと言われて居ります。

 

 そして 故人様の四十九日法要を終えて最初に迎えるお盆を 新盆(にいぼん)、又は初盆(はつぼん)と呼び 特別に手厚く供養する風習が有ります。新盆の家では 門口、仏壇、や お墓に白一色の盆提灯を灯して 特別の儀礼を行います。尚 新盆以外の場合は 模様の入った提灯で構いません。

 

   今回は以上です。

彼岸

 今回はお彼岸(ひがん)に付いて書かせて頂きました。

 

 お彼岸とは 季節の移り変わりを的確に掴む為に設けられた 特別な暦日の一つで ”暑さ寒さも彼岸まで”に示されように、冬から春、秋から冬への変わり目を指します。節分、杜白、八十八夜、入梅、半夏生、土用、二百十日、二百二十日を含めて雑節と呼ばれます。春分の日 秋分の日を中日とした 前後3日を合わせて 計7日間を指し、その中日は先祖に感謝する日とされて居ります。

 

 彼岸は 仏教用語の到彼岸(とうひがん)から来ており、サンスクリット語で 完全である事、最高である事 を意味する 波羅蜜多(はらみた)をあらわし、仏教に於いて 各修行で完遂・達成されるべきものを指します。達成されるべき徳目は全六種であり 六波羅蜜と呼ばれます。六波羅蜜を会得することにより 此岸(迷い)から彼岸(覚り)に到る(到彼岸)とされます。彼岸は7日間ですが、初日の彼岸の入りから3日の間 六波羅蜜を唱えて三種の徳目を修め、中日にはご先祖に感謝し、残る3日間で更に三種の徳目を修めます、七日目は彼岸明け(はしりくち と呼ぶ地域も有ります)となります。尚 彼岸の間に行う仏事を 彼岸会(ひがんえ)と呼びます。

 

 本来の彼岸は 自身が極楽浄土昇天を祈念するものでした、浄土思想で信じられている極楽浄土は 西方の遙か彼方(西方浄土)にあるとされ、春分と秋分の日は 太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝して 遙か彼方の極楽浄土に思いをはせたのがお彼岸の始まりとされます。現在では 六波羅蜜を修める6日間を除いた 中日のご先祖法要のみが一般化しました。尚 彼岸は 日願(ひがん)から変化したとも言われて居ります。

 

   今回は以上です。

喪中

 今回は喪中に付いて書かせて頂きました。

 

 喪とは 近親者、極く親しい知人・友人、尊ぶべき方等の 死に接して、その死を悼む者が 一定期間 過ごす 日常生活とは異なる儀礼的禁忌状態をさします。喪の状態に身を置く事を 喪に服する、服喪などと言い、喪の最中である事を 喪中と言います。喪に服する期間は 最長で13ヶ月で 故人様との関係により期間は異なります。喪中には慶事を執り行う事、慶事に参加することを控えます。

 

 喪の考えは 古来日本からの考えで、地域・文化により多少の差異は有りますが、死は穢れの一種であるとして、それに交わる者を一定期間 慶事から外すことにより、慶事が穢れることを避けるという意味を持ちました。又 死別は悲しい事であり、嬉しいことに参加している場合ではないという 心情的な意味合いもあります。

服喪期間の服装は 黒、又は白の喪服ですが、現代では それ程厳密ではなく、控え目な服装となります。

服喪期間の禁忌事項は 古くは多岐にわたって居りましたが、現代では 殺生を行うこと(忌中のみ)、慶事を執り行うこと、慶事への出席、正月の賀状(替りに喪中欠礼の挨拶を行う)などとなります。

 

 服喪の期間は 故人様との関係により異なります。尊ぶべき方、例えば天皇崩御の場合は 内閣府より発表されます。親しい友人・知人の場合は 御自身のお気持ちに合わせ 数週間から数ヶ月、近親者の場合は一周忌までが一般的になって居ります。尚 明治7年に出された太政官布告では以下の内容となって居りました;

   続柄        忌日数      服喪日数

   父母         50日       13ヶ月

   養父母        30日       150日

   夫           50日       13ヶ月

   妻           20日        90日

   嫡子(息子)     20日        90日

   その他の子     10日        90日

   養子         10日        30日

   祖父母(父方)   30日       150日

   祖父母(母方)   30日        90日

   叔父・叔母     20日        90日

となって居りましたが昭和22年に廃止となって居りますが 服喪期間の目安となります。

 

   今回は以上です。

忌中

 今回は忌中(きちゅう)について書かせて頂きました。

 

 忌中とは 仏教の教えで 中陰(ちゅういん)或いは中有(ちゅうう)とも言い、故人様がご逝去された日を含めて四十九日の間を指します。死の穢れが最っとも強い期間で、ご遺族の方々は 祭りごと等えの参加を控え、謹慎して家にこもり、肉や魚等の生きものを食さない期間とされます。四十九日が過ぎると 忌明け(きあけ)となり、日常生活に戻ります。

 

 古代インドでは 人は輪廻転生すると信じられ、この考えが仏教にも取り入れられ、誕生の瞬間が 生有(しょうう)、生きている間が本有(ほんぬ)、死の瞬間が死有(しう)、死んでのち 次の生(六道の一つ)を受けるまでの期間を中有 あるいは中陰と呼び その期間は臨終の日を含めて四十九日間であるとされました。この考え方が中国を経て日本に伝来し 日本独自の死生観と合わさり 穢れの強い期間である忌の中、そして 故人様が現世から来世へ旅立つ期間と解釈される事となりました。尚 浄土真宗では 故人様は臨終と同時に浄土へ往生すると考えますので、忌中の期間は 故人様への追慕、故人様の死を通して 生と死 について考え、謹慎して求法の生活をする期間であるとされます。

 

 忌明けの法要は 臨終の日を含めて四十九日目の執り行うべきですが、現在では 参列者の方のご都合を考え 四十九日より前の休日を使って 行うのが一般的と成りました。忌明け法要をもって 精進落としとなり、中陰壇(後飾り)を片ずけます。それまで使用して居りました白木のお位牌を壇那寺へ返し、本位牌を仏壇にお納めします。又 神棚を閉じていた白紙などを取り除きます。

 

   今回は以上です。

法要

 今回は法要に付いて書かせて頂きました。

 

 法要とは 仏教に於ける 儀式・祭礼などの行事全般を言いますが、私共 社会の中では 故人様を弔う儀式を指す様になって居ります。元来の法要とは 仏教に於いて 釈尊の教え(仏法)を学ぶ事、すなわち 仏法の要点を知る事でした。ちなみに 故人様の冥福を祈って行う法要は 追善法要といわれます。又 ご自分より先に亡くなった年長者の冥福を祈る追善法要に対して、ご自分より若くして亡くなられた者の冥福を祈る法要を 逆修法要といいます。

 

 日本人は死者供養を大切にしてきた民族であると言えます。ご自分が生あるかぎり 亡くなった方のことを覚え、自らの生に感謝し、故人様との関係を維持しつずけようとする文化は 日本人特有の文化とも言えます。

 

 法要は仏事とも言われますが、忌中(中陰)の七仏事(初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日)はインドに起源を持ちます。その後 中国へ仏教が伝わり 百ヶ日、一周忌、三回忌が加わりました。そして 日本に伝来後 七回忌、十三回忌、三十三回忌が加えられ、更に十七回忌、二十五回忌が追加されて 現在の形となりました。三十三回忌をもって弔い上げ(とむらいあげ)とし、故人様は先祖の霊へとなります。

 

 以上の他に 祥月命日(故人様の年命日)、月忌(故人様の月命日)、春秋のお彼岸、夏のお盆 が有ります。

 

 ご位牌は 中陰の間は 白木のご位牌、四十九日の法要後は本位牌、そして 弔い上げをもって 故人様は その個性を失い 祖霊(先祖)となります。白木のご位牌と本位牌には 故人様の戒名・法名が記されますが、弔い上げと共に 本位牌を片ずけ、以降 ”〇〇家先祖の霊”と記された位牌をお祀りすることとなります。

 

   今回は以上です。

ご火葬

 今回はご火葬について書かせて頂きました。

 

 ご火葬とな 故人様のご遺体を焼却し、焼骨のみにする事により ご遺体の安定化、減容量化を図るものであり 地方公共団体により認可された施設(火葬場)で施行する事が出来ます。仏教に於いては 釈尊が火葬された事にちなみ 葬送儀礼の中の一つの過程として ご遺体を”荼毘(だび)に付す”します。荼毘とは仏教用語で 火葬を意味するインドの言葉(バーリ語)から来ております。尚 ご火葬をするに当たりましては 市区町村役場が発行する火葬許可証が必要となります。

 

 葬儀・告別式が終了し お柩は式場から出棺され、火葬場へ移されます。お柩の後ろには 御位牌を保持した喪主様、お写真を保持したご遺族、棺上花束を持つ方、ご火葬立会いの方々の順に従い 火葬炉の前まで進みます。そして ご僧侶の読経と共に お柩は火葬炉内に収められ ご火葬が開始されます。ご火葬の開始後 参列者の方々により ご焼香がされ ご火葬終了を待つ事と成ります。横浜市内の火葬場の場合 成人の方のご火葬時間は約1時間前後が必要とされ、参列の方々は控室でお休み頂くことになります。

横浜市営の式場は全て火葬場が併設されて居り、式場から火葬場へは 徒歩での移動となり 大変便利です。但し 式場はご火葬後の使用が許されない為、ご火葬後の初七日法要が行えません。従いまして 初七日法要は葬儀と同時に行い、法要後のお斎の席を ご火葬中の待ち時間を利用して設けることが 一般的となって居ります。

 

 ご火葬終了の10分前に 係員より連絡があり、準備が終ると収骨の案内がアナウンスされます。参列の方々は手荷物を持って 収骨室へお入り頂きます。収骨室内では 係員の指示に従い、火葬の確認の後、二人一組でご遺骨をお骨壺にお納めし、最期に係員の手で骨壺の封印がされ、お骨壺が喪主様に戻され、ご火葬が終了となります。尚 お骨壺には遺骨埋葬許可証が添付されますので 忘れぬ様 お気を付け下さい。

 

   今回は以上です。  

出棺

 今回は出棺に付いて書かせて頂きました。

 

 出棺とは ご葬儀・告別式を終えた後 お柩を火葬場へ送り出す事を指します。告別式の後 納棺の儀式を行い 故人様の柩をご供花で飾り、ご遺体と一諸に火葬する 故人様の愛用品等を収め、最後のお別れをして 柩の蓋を閉めます。お柩は近親者の方の手で霊柩車へお乗せし、ご遺族は会葬者の方々に向かって横に並び、喪主様 若しくはご遺族代表の方がご挨拶を行います。その時 御位牌とご遺影はご遺族が会葬の方々に向かって持つ様にします。終わりましたら火葬場へ出発となります。

 

 告別式が終了致しますと 参列者の方々は司会者の案内により 式場から退席をし 式場は 最後のお別れをする為に模様替えが行われます。式場内を飾った生花がお盆の上に用意され、喪主様より順に 生花を故人様の周りに飾り付けて行きます(別れ花とも言われます)。更に 故人様が愛用した衣服などの品々や 趣向した食べ物などをお供えして 最後のお別れを行います。お別れの後に ご遺族・関係者の手で 柩に蓋をし小石で釘打ちがされます。古くは 蓋が外れてご遺体が外に出ない様 縄で縛りましたが、何時の頃からか 蓋を釘で止め、その釘はご遺族が小石で打つという 習俗が一般化されました。ご遺族が石で釘を打ち 蓋を止める習俗は 死霊だ外に出ぬ様 封じるためと言われ、又 石には呪力が有り 石で打つ事により故人様を悪霊から守る事が出来るとも考えられました。そして ご遺族自らが釘を打つ事により 故人様の蘇生を断念する という意味も有りました。

しかしながら 現在の横浜では 習俗の意味とご遺族の心情を考えると釘打ちはすべきでない という意見や、昨今の柩の蓋は簡単に外れない構造になって居り 実用的な意味は無くなっている との事から 特別な ご希望が無い限りは釘打ちを行う事は無くなりました。


 お柩に納める合葬品には 金属・ガラス・プラスティクの様な燃えにくい物は禁止されて居ります。メガネや時計などは 柩には入れず ご火葬後のご収骨の際に お骨壺のなかに納めることをお薦めします。


   今回は以上です。 

葬儀と告別式

 今回は葬儀と告別式に付いて書かせて頂きました。

 

 現代では 葬儀式と告別式は一体と理解される事がしばしばで、色々な制約条件から45分の間で 葬儀式と告別式を行うことが一般的となり、その違いが判然としなくなって居ります。本来 葬儀式は 故人様をこの世から あの世に引き渡す 宗教的儀礼であり、ご遺族・ご親族が宗教家を中心として執り行われます、それに対し 告別式は 知人・友人が故人様に別れを告げ ご遺族・ご親族に慰めの言葉を寄せる社会的儀礼であり、喪主様を中心として執り行われます。 

 

 葬儀式は 人の死を弔う為に執り行われる祭儀の一部で 宗教が文明の中で発生する以前の旧石器時代から行われてきた宗教的行為です。葬儀の様式は それを執り行う人の 死生観・宗教観を前提として居り、宗教の違いが そのまま 葬儀様式の違いとなります。又 葬儀は 亡くなられた故人様の為だけでなく 残された者の為にもあります。残された人々が故人様の逝去をどのように心の中で受け止め、位置付け、そして処理をするか、これらに対する手助けをする儀式でも御座います。尚 参列の際の服装は 喪服 もしくは 喪服に準ずる黒を基調とした服装を着用します。

 

 告別式は 葬儀式の後 あるいは葬儀式の代りに行われる式で、喪主様が中心となり 故人様のご逝去を社会に告知し 多くの方々が故人様に別れを告げる儀式であります。従いまして 故人様の死を悼む方であれば 誰でも参列して良い式であります。行われる内容と致しましては 弔辞の朗読、弔歌の斉唱、弔電の披露、参列者による故人様への告別(焼香、献花など)などを執り行います。参列の際の服装は 喪服 もしくは喪服に準ずる服装を着用するのが慣例ですが、平服着用のおことわりがある場合は 喪服の着用は避けた方が良いでしょう。

 

 葬儀式・告別式 何れの場合も 華美な服装や 光り物と呼ばれる装身具の着用、派手な美粧はタブーとなります。

 

   今回は以上です。

通夜

 今回は通夜に付いて書かせて頂きました。

 

 通夜とは 葬儀前夜に 夜を通して行う儀式のことで、日本に於いては 仏教・神道のみならず、キリスト教でも前夜式とし 執り行われます。通夜は 古代の”もがり”の習慣であるとか、臨終の際の看病の延長にある とも言われ、心情的には 生と死の間に行う儀式と考えられます。仏教では 釈迦の入滅後 弟子達が釈迦を偲んで 夜通し その説法を語り合ったとの故事に由来します。

 

 死とは 法律的には 心停止した時点として定められますが、残されたご遺族や親しいご友人にとっては 直ぐに受け入れられることでは無く、受入れる為の時間と儀式が必要となります。通夜は 夜を徹して故人様の枕元に侍り、故人様と共に念仏を唱え、共に食事に与り、その軌跡を讃え、故人様と残された者が 最後に過ごす 大切な時間であると言えます。

 

 仏教に於ける 現代の通夜では 夜の6時、又は7時ごろから 1時間程度の間に僧侶の読経・説話と親族・弔問客の焼香が行われ、その後に弔問客に対して 通夜振る舞いのお酒や食事が供されます。振る舞いは1〜2時間で順次散会し、その後はご遺族や身近な方のみで 故人様を見守るのが一般的です。又 現代の世相では昼間に会社を休んで葬儀に参列する事が難しく、夜間の通夜のみに弔問という方々が多くなり一般化して来ております。

 

 通夜の服装は 仏事の礼服として黒服が一般化した事により、ご遺族や関係者のみならず、弔問客も黒服を着用することが多く成りましたが、弔問の場合 通夜は生と死の境界線上にあるので黒の喪服は相応しき無い という考えや、突然の連絡を受けて通夜に駈け付けるのであるから控え目な普段着で参列すべきとの考え方も有ります。何れにせよ 派手でなく、きちんとした服装であれば問題は有りません。

 

   今回は以上です。

遺体保全

 今回はご遺体の保全処置に付いて書かせて頂きました。

 

 人は 生命活動を停止しますと そのご遺体は腐敗が始まり、外形的にも変化して参ります。ご逝去されてから ご火葬に付すまでの間、ご遺体の腐敗を遅延させ、外形的変化を抑制する為に保全処置を施さねば成りません。その為に エンジェルケア、エンバーミング、ご遺体保全冷蔵庫、ドライアイス等により ご遺体の保全を図る事と成ります。

 

 エンジェルケアとは 看護業界の用語で、患者が亡くなられた後のご遺体処理を指し、ご遺体の清拭 着せ替え 綿詰め 顔剃り 化粧などが含まれます。近年では 多くの病院でエンジェルケアを行う様になって参りましたが、その内訳は 病院の方針により異なります。

 

 エンバーミングとは 北米で開発されたご遺体の防腐処置技術で 長期間ご遺体を保全する事が可能であり、又 事故などで損傷したご遺体の修復も可能となります。専門の設備で、専門の技師により、ご遺体の一部を切開して血液を抜き、代りに防腐剤を注入します。土葬を習慣とした国や、ご遺体を海外へ移送する際には 重要な技術となります。日本では火葬が一般的であり、ご火葬までの時間もそれほど長くは有りませんので、適用例はそれほど多くは有りません。


 ご遺体保全冷蔵庫とは ご遺体保全 専用の冷蔵庫で、腐敗の進捗が最小となる2度Cで管理されて居ります。当社でご遺体をお預かりする場合は この専用冷蔵庫内にご遺体を安置致して居ります。


 ドライアイスとは ご承知の通り 炭酸ガスの塊で、温度が低く 昇華するので 水分も出ず ご遺体の保冷に適した素材です。ご遺体は胃や腸の腐敗から始まり、腐敗ガスを発生させますので、側頭部から下腹部を中心に ドライアイスを当てて保冷します。一般的には 10Kgで24時間程度の保冷が可能ですが、夏の酷暑などの際には20−30Kgが必要とされる事もあります。


   今回は以上です。 

ご納棺

 今回はご納棺に付いて書かせて頂きました。

 

 ご納棺とは 故人様のご遺体をお柩にお納めする事ですが、一般的には 湯灌などでご遺体をお清めするご遺体処理、お着替え、ご納棺の一連の作業となります。大切なご遺体を取り扱うことゆえ、ご遺族や親しい方々が中心となってお取扱い頂くべきかと考えます。なお ご遺体が硬直している場合も御座いますので、専門家の意見を聞きながら、慎重な取扱いをお薦め致します。

 

 ご納棺の前には 身に付けられた指輪や装身具をはずして頂きます。そして ご遺体は通常、防水シーツの上に安置されて居りますので、このシーツを持って ご遺体を持ちあげ、柩の中にお納めします。お納めした後 副葬品を収めますが、ご火葬に当たり障害となる下記の品は副葬する事が出来ません:

 1 爆発の惧れのある物。

 2 燃えない物。

 3 ご遺骨を傷つける惧れのある物。

 4 ご遺骨を着色する惧れのある物。

具体的には ペースメーカー、ガスライタ−等の爆発のお惧れのあるもの、メガネ・グラス・酒瓶等のガラス製品、金属でできた釣竿やゴルフクラブ等、ゴルフボール等も火葬炉の中で廻ってご遺骨を傷つける惧れが御座います。又 果物などはご遺骨を着色する惧れが有ります。そして 書籍などは燃えにくい為 お納めする前にページをばらすなどの処理が必要となります。

 

 以前 映画”おくりびと” で話題となった 納棺師と呼ばれる職業が有ります。納棺師の仕事は 葬儀社からの依頼を基に ご遺体の安置からご火葬までの間 ご遺体の状態を管理する事で、ご遺体の保全・衣裳の着替え・顔剃り 化粧 含み綿など ご遺体の見栄えを整えることも致します。納棺師のルーツはそれほど古くは無く、日本の伝統文化や宗教との関連性も有りません。1954年に起きた 青函連絡船洞爺丸沈没事故に於いて 多くのご遺体が函館の海岸に漂着した為、葬儀業者の依頼を受けて 函館の住民がご遺体を回収し、ご遺族にお渡しした事に始まります。その後 ご遺体の保全と装飾を目的とした職業(納棺師)が生まれました。

 

   今回は以上です。  

死装束

 今回は死装束(しにしょうぞく)に付いて書かせて頂きました。

 

 死に装束とは 古来 死を覚悟した者が着用する白を基調とした衣服を指しますが、現代の日本では 故人さまに対し施される衣裳を指します。仏式のお見送りに際し 故人様が仏の世界、浄土へ旅する為の装いとなります。但し 死出の旅を説かない 浄土真宗では死に装束を施しません。神道でも白い死に装束を纏う場合が有りますが、キリスト教では死に装束に相当する衣裳は有りません。

 

 現代の死に装束は 仏式の巡礼者や修行僧の衣裳を基本として居り、故人さまのご遺体を棺にお納めする際に装います。その内訳は 経帷子(きょうかたびら)・帯、三角頭巾、手甲、脚絆(きゃはん)、白足袋、草鞋(わらじ)、編笠(あみがさ)、木製の杖、頭陀袋(ずだぶくろ)・六文銭、数珠から成ります。

経帷子・帯は 白無地 木綿の帷子に真言や経文を記したもので、古くは 親族の女性の手により 引っぱり合いながら縫い 糸尻を止めてはいけないとされました。現代では 真言・経文などが記されていない 白無地の帷子を装うことが一般的です。帷子は左前でお着せします。

三角頭巾は 額に付ける三角形の布で、閻魔大王に拝喝する際の正装である烏帽子とする説など、幾つかの説が有ります。

手甲、脚絆、白足袋は左右逆、あるいは裏返しで装い 草鞋、編笠、杖、数珠を施して 死出の旅路への装いとします。

そして 三途の川の渡し賃である六文践を入れた頭陀袋を首に掛けて 装いを終えます。尚 頭陀袋は修行僧が托鉢の際に使用するものです。

 

 以上をご遺体にお着せするのが本来の姿ですが、死後硬直が進んでいたり、ドライアイスにより関節が硬直しいる場合には ご遺体を傷めぬ様 上から覆うことで済ませる事も少なく有りません。

 

   今回は以上です。 

喪中

 今回は喪中に付いて書かせて頂きました。

 

 喪中とは 喪の期間の中に身を置いている事を示します。古来の日本では 死は穢れの一種であるとして、死に関与した者は 一定の期間 穢れを他の者え移さぬ様 他者との接触を避け、慶事の外に身を置くこととしました。喪の期間内には 忌の期間(最長50日)と 服の期間(最長13ヶ月)がありますが、死者との縁故関係、宗派、地域により大きく異なります。喪の状態に身を置く事を 喪の服する、服喪などとも言い、喪中を 服喪期間、忌服期間などとも言います。死の穢れは別にしても 死別は悲しい事であり、嬉しい事をしている場合ではないと言う心情的な理由も御座います。

 

 

 本来の喪とは 近親者や心を寄せる人 あるいは尊ぶべき方などが亡くなり、それを悲しむ者が一定期間 過ごす、日常生活とは異なる 禁忌状態を指します。一般的には近親者を亡くされたご遺族が身を置く場合、最高為政者や最高権力者が死去した場合の強制的な服喪、社会的に崇敬を集めた人物の死去に対する自発的な服喪、大規模な災害やテロなどにより亡くなられた多数の死者に対する服喪などが有ります。

 

 喪中の期間は 忌と服に分けられます。忌の期間は 死の穢れがご遺族の身に付いている期間で、故人様の為に祈りに専念する期間でも有ります。服の期間は 故人様への哀悼の気持ちを示す期間であり、慶事を執り行う事や、慶事への参加を控える期間です。

 

 喪中の服装は 原則として葬儀の際に用いた喪服を着用しますが、一般的には 派手な服装は避けて、黒を基調とした控え目な服装であれば良いと考えられます。

 

   今回は以上です。

 

忌中

 今回は忌中(きちゅう)に付いて書かせて頂きました。

 

 忌中とは 日本では古くから ”死は穢れたもの” と考えられ、近親者が亡くなったとき、その穢れを 祝いの場などにに持ち込まない様 外出を控え、社交的な行動を避けて身を慎む期間とされます。又 この期間には殺生をしては成りませんので、魚や肉を食する事が出来ません。その期間は亡くなられてから四十九日(神道では五十日祭)の法要を終えるまでとされます。当然 キリスト教では 死を穢れとは捉えませんので 忌の概念は有りません。又 浄土真宗でも 死を穢れとは考えませんので、忌を考慮する事は有りません。そして 忌中には四華を飾り、玄関に忌中札を掲げます。


 四華とは 法華経が説かれる時、めでたい印として天から降ると言う 四種の蓮華花を指し、曼荼羅華(まんだらげ 白花)、摩訶曼荼羅華(まかまんだらげ 大白花)、曼珠沙華(まんじゅしゃげ 赤花)、摩訶曼珠沙華(まかまんじゅしゃげ 大赤花)の四種です。釈尊の死を悼んで 沙羅双樹林が白変し その遺体を覆ったとする 故事によるとされます。その作り方は 白紙を細長く切り、横に細かい刻み目を入れて、細い棒に螺旋状に巻き付け、4本を一つの台に挿して、2台を一組として飾ります。地域により作り方が異なる場合が御座います


 忌中札とは 玄関に 忌中と書いた札を掲げるものですが、死穢を他に及ぼさぬ様 告知し、遺族は死の穢れに染まっているので 籠っている事をお知らせする お札です。様々な形式が有りますが、簾を裏に返して垂らし、そこに 忌中と書いた紙をはる事も有ります。最近は 昔の死穢観念の名残りであるとして用いない事も多く成りました。


   今回は以上です。

ご遺体の安置

 今回はご遺体の安置に付いて書かせて頂きました。

 

 御家族が亡くなられ、ご遺体をご自宅に安置される場合 まず 神棚を白紙で覆い、お布団を敷いてご遺体を北枕に安置し、ご遺体保全の為のドライアイスをお当てします。神式であれば 枕元に白木でできた八脚の台(案とも言います)をそなえ、その上に燭台と榊を生けた花瓶を置き、白木の三宝にのせた 洗米・塩・水・お神酒をお供えします。仏式であれば 同じく枕元に白木の小机を用意し、三具足を配置し枕飯・枕団子をお供えします。但し浄土真宗では枕飯・枕団子を用いません。キリスト教では特別 お飾りをする習慣は有りません。

 

 神道では 死は穢れであり、死穢(しえ)が神棚に及ばぬ様、神棚を白紙(半紙)で覆います。又 この作業は 忌みがかかっていない他人にお願いすべきとされます。この白紙は忌明け後に取り除きます。

 

 ご遺体の枕元やご遺体の上に守り刀を置く習慣がありますが、これには 魔除けや死霊の鎮魂のため、死者の魂が持ち去られる事を防ぐ為、死霊を封じ込める為、など様々な言い伝えが有ります。ご遺体の上に置く場合は 刃先を足に向けて置きます。但し地域により異なる場合が御座います。又 浄土真宗では使用しません。

 

 ご遺体を悪霊から守る為、あるいは 故人の死霊が周囲に及ばぬ為、ご遺体の周囲を屏風で囲む習慣も有ります。この屏風は 死後の世界と日常の世界は逆になっている との考えから、上下を逆にした 逆さ屏風の形で引き回します。

 

 ご遺体の枕元に置かれる白木の小机と、その上に置かれるお道具は 枕飾りと呼ばれます。小机のうえには まず三具足を備えます。香炉を中心に 右に燭台(火立て)を備え灯明を灯します、左に花瓶(花立て)を備え 樒(しきみ)を1本 又は菊を1輪 生けます。この他に 鈴(りん)、枕飯(山盛りにご飯を盛った茶碗に2本の箸を垂直に挿したもの)、枕団子(お皿に半紙を敷き その上に小さな白い御団子を6っ 盛ります)、浄水、故人様が好まれた物 などをお供えします。

枕飯や枕団子は死出の旅の食料とされます、従いまして 死出の旅を説かない浄土真宗ではお供えしません。

 

   今回は以上です。

 

逆さごと

 今回は逆さごとに付いて書かせて頂きました。

 

 逆さごととは 私どもが生活する現世(娑婆)と死後の世界はあべこべになっているという習俗を前提とした 葬儀に於けれ日本の風習で、逆さ屏風、逆さ水、逆さ足袋、逆さ着物、左前等があります。又 現世が昼の時は 来世は夜間である という習俗は世界の多くの民族で信じられて居りました。

 

 現代の日本に於いては 葬儀・ご火葬は昼間に執り行われますが、古くは夜間に行われて居りました。これは 死者が来世に到着する際は 明るいときが良いとの考えから、現世が夜の間にお見送りをすべきであると考えたことによります。

 

 逆さ屏風とは 安置したご遺体の枕元、あるいは周囲を上下を逆にした屏風で囲む風習で、屏風をめぐらす事により ご遺体を悪霊から守る、もしくは 故人さまの死霊が他の人々に及ばぬ様に などの意味があり、死後の世界は日常の世界とは逆であることから 上下を逆にします。

 

 逆さ水とは 湯灌を行う際はぬるま湯でご遺体をお清めしますが、ぬるま湯は お湯に水を注ぐのではなく、水にお湯を注いで作ります。

 

 逆さ足袋とは ご納棺の前にご遺体の服装を整えますが、足袋は左右 逆におはかせします。おはかせするのが難しい場合は ご納棺後に足元に置かれるのが良いでしょう。

 

 逆さ着物は 故人さまの衣裳を逆さまにして ご遺体にかける事で、洋服の裾を顔の方に、襟を足元のほうにして掛けるので逆さ着物と言います。但し 仏衣をお着せする場合は 逆さ着物にはせず、通常の通りお着せしますが、襟元は通常の右前では無く、左前で合わせます。

 

 そして ひもの結びは通常の横結びではなく、縦結びとします。

 

   今回は以上です。   

葬儀の打ち合わせ2

 今回は葬儀の打ち合わせ2に付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀をお手伝いさせて頂くに当たりましては まず基本方針をお決め頂く必要が御座います。そして その方針は故人さまの遺志に沿うかたちでお考え頂いては如何でしょうか。喪主様、葬儀の宗旨、会葬者への対応等 故人さまの生前のお言葉をひも解いて お決め頂いては如何でしょうか。

 

 ご葬儀施行の基本方針は以下の事をお決め頂かなければ成りません;

宗教

 故人さまのご信仰が最優先となりますが、場合に因りましてはご遺族のご意向を優先させるケース、又は特定の宗教によらない方式(無宗教葬)も御座います。壇那寺、信仰神社、所属教会が遠方である際は、連絡をして近隣の宗教者を紹介して頂くか、葬儀社に紹介を依頼することも可能です。何れの形にしろご遺族にお決め頂く必要が御座います。

方式

 ご火葬のみを行う直葬、お身内だけで行う密葬(家族葬)、知人・友人をお呼びする個人葬、社葬・団体葬、密葬の後に本葬 或いは偲ぶ会などを行うか お決め頂く必要が御座います。

式場

 葬儀の方式、会葬者の予測人数などを考慮して、ご自宅・集会所・市営斎場・私営斎場・寺院のなかからお選び頂きます。

日程

 ご遺族の都合、火葬場の都合、宗教家の都合、式場の都合を考慮して日取りをお決め頂きます。そして その日取りの中で日程表(時刻表)を作成します。

告知

 町内会への連絡、会社・団体への連絡、新聞への掲載有無をお決め頂きます。

接待

 通夜振舞い、火葬場での茶菓子、精進落とし、会葬礼状、香典返しなど 会葬者、参列者への接待方法 数量をお決め頂きます。

設営

 祭壇、式場設営、故人さまの写真などをお決め頂きます。想い出写真の閲覧、ビデオ放映、BGMの選曲などのご希望も合わせてお決め頂きます。

予算

 香典をお受けするかどうかを前提に ご予算の範囲をお決め頂きます。葬儀社には何にどれだけの費用が必要か問合せて下さい。アメリカなどでは 葬儀業者は内容の説明、料金の提示ををしなければならないが、どれにするかを勧めてはならない と法律で定めて居ります。

役割

 受付、案内、接待、その他の役割をお決め頂きます。

その他

 ご遺族、ご親族の間でのご希望や心配ごとを確認します。

   今回は以上です。

 

sougi 葬儀の打ち合わせ

 今回は葬儀の打ち合わせに付いて書かせて頂きました。

 

 御家族の方が亡くなられた場合 ご悲嘆の中でも故人様のお見送りを お考え頂かなければ成りません。一般的には 葬儀社の支援を得て、お見送りの計画を立てる事になりますが、故人様の想い、ご遺族様の想いをのせた計画が大切ではないでしょうか。

 

 私共 葬儀をお手伝いさせて頂く立場の者としても、葬儀のお打合せでは まず 故人様のひととなり、故人様の御家族への想い、葬儀に対して言い残した事、そして 御家族の故人様への想い をまずは聞かせて頂く事が大切です。故人様の想い、ご遺族様の想いを よく理解させて頂く事により ご葬儀の企画から その施行に至るまで 大きく異なる事と成ります。ご遺族様は どんな事でも忌憚なくお話されて、満足の行くお見送りを執り行う事がご遺族様の悲嘆を軽減することに繋がります。

 

 ご葬儀の施行に当たりましては 喪主さま、施主さまをお決め頂く必要が御座います。喪主と施主は 一般的には 葬儀を主宰する人と言う意味で同じ様に用いられますが、厳密には異なります。

喪主とは 戦前であれば 家の祭祀を主宰する者で 戸主あるいは跡継ぎの男子でしたが、戦後の民法の改正により、家の祭祀権を承継する者と 遺産の相続とは分離され、本人が祭祀権の承継者を指名すれば 誰でも良い事となりました。もし本人が指名した者がいない場合は、ご遺族で協議しきめることとなります。一般的には 世帯主以外の方が亡くなられた場合は世帯主、世帯主が亡くなられた場合は 配偶者またはお子様が喪主となります。喪主は通常は一人ですが、場合により複数の方が共同で喪主を務めることもあります。(配偶者と長男、子供達)

施主は 布施をする者ということから転じたと言われますが、葬儀の金銭面の負担と運営の責任を負う人のことです。通常の個人葬の場合は 喪主と施主を同一の方が務めますが、社葬の場合などは ご遺族が喪主で、企業の責任者が施主となり 執り行われます。又 個人葬であっても ご長男が幼少の場合 叔父様が施主となり、ご長男を喪主として 執り行うケースも御座います。

 

   今回は以上です。

死因

 今回は死因に付いて書かせて頂きました。

 

 私共 葬祭業者がご遺体を取り扱えるのは 法律上 故人様の死が確定した後となります。即ち 医師により 死亡診断書 または死体検案書が発行された後となります。死亡診断書 または死体検案書には必ず死因が記入されます。

 

 厚生労働省の”人口動態総覧”によれば 平成21年(西暦2009年)の死亡者総数は1,141,035人で、約28秒に一人の方亡くなって居ります。そして その死因は以下の通りです。

 1 悪性新生物(ガン)    30.1%

 2 心疾患(心臓病)     15.8%

 3 腦血管疾患        10.7%

 4 肺炎              9.8%

 5 老衰              3.4%

 6 不慮の事故         3.3%

 7 自殺             2.7%

 8 腎不全           2.0%

 9 肝疾患           1.4%

 10慢性閉塞性肺疾患   1.3%

 

 又 東京都監察医務院の平成23年度版事業概要によれば 平成22年の23区内死亡者数は72,060人、内 検案総数は14,396人、解剖総数は2,035人でした。その内訳は以下の通りです。

 1 病死         69.4%

 2 自殺         14.1%

 3 災害          8.7%

    交通事故、転倒・転落、溺死、窒息、焼死、中毒、その他

 4 犯罪          1.6%

 5 その他         1.5%

 6 不詳の死       4.7%

 

 尚 横浜市内での実体は 公開されて居りませんので明細は不明ですが 平成24年の解剖総数は1,707件でした。

 

   今回は以上です。

 

 

 

 

行政解剖、司法解剖

 今回は行政解剖、司法解剖に付いて書かせて頂きました。

 

 人が亡くなられて場合は 亡くなられた場所、又は届け出人の居住する市区町村役所に死亡届を提出しなければ成りません。死亡届には故人様の死因が明記されます。通常は掛り付けの医師により、死因が確定されますが、各種の事情で掛り付けの医師がいない場合 又は死因の判明しない犯罪性のない異常死体に対して、死因の究明を目的として 監察医 若しくは警察の指定する医師により行われる解剖を 行政解剖と言います。そして 犯罪性のある死体 又はその疑いのある死体の死因を究明する為に行う解剖を司法解剖と言います。

 

 死体解剖保存法第8条に於いて

”政令で定める地を管轄する都道府県知事は、その地域における伝染病、中毒又は災害により死亡した疑いのある死体その他死因の明らかでない死体について、その死因を明らかにするため監察医を置き、これに検案をさせ、又は検案によっても死因の判明しない場合には解剖させることができる。”

と定められ、東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市の5地区には 監察医が置かれ、その他の地区では警察により委嘱された嘱託医が検案・解剖を担当します。

 

 横浜市に於いては 伝染病、中毒、災害により死亡した疑いのある死体、又は死因の明確でない死体に対して まず監察医による検案(外見的調査により死因を特定、検死とも呼ばれます)が行われます。検案では死因が特定出来ない場合、行政解剖を行います。犯罪死のおそれがある場合は 全て司法解剖を行う事と成ります。又 行政解剖の途中でも 犯罪死が疑われる状況が出てきた場合には 司法解剖に移行されます。

 

 行政解剖、司法解剖 何れの場合もご遺族の同意は必要とされません。

 

   今回は以上です。   

 

死亡診断書、死体検案書

 今回は死亡診断書、死体検案書に付いて書かせて頂きました。

 

 人が亡くなった場合は 御家族、或いは身近な方は 死亡診断書、又は死体検案書を添付して、七日以内に死亡届を市区町村役所に届けなければ成りません。死亡診断書は 死亡事由や死亡日時などを証明する診断書で、故人様の診断・治療を担当していた医師、又は歯科医師により発行されます。死体検案書は 犯罪に関係したご遺体、若しくは診断・治療を担当した医師がいない場合のご遺体は 警察の検死を受け、監察医 もしくは警察の嘱託医が検案の後 発行します。

 

 戸籍法では 死亡届には やむおえない事由を除き、死亡診断書または死体検案書を添付するよう義務ずけられて居り、用紙はA3用紙の左半分が 死亡届、右半分が死亡診断書(死体検案書)の形式となって居ります。

 

 通常の病死あるいは老衰死等の自然死である事が明らかな場合は 診察・加療にあたっていた医師、又は歯科医師が死亡診断書を発行します。


 通常の病死、或いは自然死であっても 診察・加療に当る医師がいない場合、病死・自然死以外の異常死体、或いは 犯罪の疑いのある死体の場合は 警察に連絡し、その検死を受けて、監察医 又は警察の嘱託医による検案の上、死体検案書が発行されます。検案が必要なケースをまとめると;

 1 病死あるいは自然死であっても、生前に診察・加療を担当した医師がいない場合。

 2 病死あるいは自然死であるか 不明の場合。

 3 伝染病死、中毒死などの場合。

 4 溺死、事故死、災害死、自殺などの非犯罪死の場合。

 5 犯罪関連死の場合。

となります。尚 横浜市内の場合 検案の費用はご遺族の負担となり、状況に応じて 二万五千円から七万五千円の間で検案料が必要と成ります。

 

   今回は以上です。

 

脳死

 今回は脳死について書かせて頂きました。

 

 脳死とは 腦の全ての機能が回復不可能な段階まで低下し、回復不能と認められる状態の事で、その判定は 脳死判定の経験を持つ 2名以上の医師により行います。判定は2回行われ、1回目の判定の後、6時間後に2回目の判定を行い、二回目の判定終了時刻が死亡時刻として死亡診断書に記載されます。尚 脳死の判断基準は国により定義が異なります。又 日本では 脳死を 個体死とする旨 法律には明記されて居りません。

 

 人の死の判断は 古くは 息を引き取り、体温が低下し、身体が硬直する というプロセスをふんで確認しました。近代では 三徴候説と呼ばれる 肺機能の停止(呼吸停止)、心臓機能の停止(脈拍停止)、脳機能の停止(対光反射の消失)により判断する様変化しました。そして 現代では 医療技術の発達により 腦の心肺機能を制御する能力が喪失しても、心肺機能を維持し続けることを可能とする人口呼吸器の開発です。ここに 腦機能が停止しても 心肺機能は維持できるという状態が作り出されました。他方 生体移植技術の進歩とともに、臓器移植でのみ救済が可能な患者への光明を開く事とも成りました。

 

 日本に於ける 法的な脳死の定義は ”臓器の移植に関する法律”により規定されて居ります。脳死判定は 臓器提供を前提とした場合にのみ行われます。従いまして その実施に当っては 本人 及び家族の臓器提供同意が基本となります。日本では腦の機能を完全に解析出来て居る訳では有りません、又 脳死という新しい観念を受入れる為には 多くの議論がなされた事はご承知の通りです。

 

   今回は以上です。 

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