通夜

 今回は通夜(つや)に付いて書かせて頂きました。

 

 通夜は ご葬儀の前夜に夜を通して執り行う儀式を指します。仏教では通夜式、神道では通夜祭、キリスト教では前夜式と呼ばれます。日本に於いて 通夜は古代の”もがり”の習慣であるとも、臨終の際の看病の延長にあるもの、とも言われ、夜伽とも言われ 夜を徹して死者を見守ります。法律的には 死は医師の判定による心停止の時点となりますが、ご遺族にとっては直ぐに受け入れられることではありません。夜を徹して枕元に侍り、生きている時と同じ様に仕える事により、故人様と最後に過ごす大切な時間でも有ります。

 

 仏教に於ける通夜式の起源は 紀元前383年2月15日 釈迦が入滅した後に 悲しみにくれる弟子達が 死後7日間 ご遺体を見守りながら 釈迦が生涯にかけて説いた説法を弟子達だ夜通し 聞き合ったと言われる故事に由来します。仏教での通夜は 故人様の成仏を祈る事では無く、大夜(たいや)という 故人様の現世での最後の夜を共に過ごす為に集った方々が、ご遺体を取り囲み 故人様の思い出話を語り合う場であります。

 

 現代の通夜では 全てのご親族が地元に居られるとは限らず、又 式場や火葬炉の都合などもあり、亡くなられた その夜に通夜を行う事が難しくなりました。死の当日は そこに居られる方々で仮通夜を行い、葬儀・告別式の前夜に 本通夜を行う形が一般的となって居ります。本通夜は 夜の6時か7時から始まり 1時間程度を僧侶の読経と弔問客の焼香にあて、終了後 通夜振舞いを供して1時間から2時間でお開きという 半通夜の形式が一般的となって居ります。

 

   今回は以上です。

葬儀の祭壇

 今回は葬儀の祭壇に付いて書かせて頂きました。

 

 故人様をお見送りするに際していくつかの祭壇が御座います。それぞれ目的に合わせてご用意頂きます。故人様がご逝去され ご葬儀を待つまでの間 安置されたご遺体の枕元に備えられる”枕飾り”、葬儀式でご使用される祭壇、そして ご火葬の後 四十九日法要までの忌中にお使い頂く ”後飾り”です。其々の祭壇に彩を添えるお花が 枕飾りでは 一本花と枕花、葬儀式祭壇では白木祭壇に供花 もしくは花祭壇、そして 後飾りには供花と呼ばれます。

 

 枕飾りは 故人様が亡くなられ そのご遺体をご自宅に安置した際 枕元に備える供物台です。その上には 三具足の他 故人様にお供えする供え物が置かれます。そして 三具足の一つ 花立て(花瓶)には 樒(しきみ)が一本 活けられ これを一本花と呼びます。仏教のお花と言えば蓮華ですが 弘法大師が修行の際に青蓮華の代用として樒を使用した事から、仏事に於ける神聖な植物として樒が使用されて居ります。神事に於ける榊(さかき)と同じ位置付けです。樒は 日本国内では西日本に自生して居り、香りが強く 毒性の強い植物です。尚 現代の東京・横浜では樒の入手は困難な状態となって居り、一本花としては樒に代えて 菊を一本 活けるのが一般的となって居ります。


 枕花は 故人様と特に親しかった方が 哀悼の意味を込めて贈る花で、枕飾りと共に枕元にお飾りします。一般的には白を基調とした生花をアレンジしたものですが、最近では故人様が好まれたお花を贈る事も多くなりました。


 通夜式は 本来は枕飾りを前提として行われるものでした。これは ご遺族にとって故人様の死を完全に受容したとは言い切れない 生と死の境界にある時間だからです。正式な祭壇を設ける事は死を認める事につながるからで、通夜では喪服を着用しない、香典を持参しない、持参するなら”お見舞い”とする等も同じ理由によります。しかしながら 作今では 通夜が告別式と同様に会葬者の弔問を受ける場に変化した事から、通夜でも 葬儀・告別式と同じ祭壇を設ける事が一般的となりました。

通夜・葬儀・告別式の祭壇は 白木の祭壇とその周囲をご供花で飾る形が一般的でしたが、現代では白木祭壇に代って花祭壇をご利用頂くケースが多くなって参りました。次回はこの花祭壇に付いて書かせて頂きます。


   今回は以上です。 

葬儀の式場

 今回は葬儀の式場に付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀の式場に付きましては ご自宅で行う場合と、公営 或いは私営の式場をご利用頂く場合とが御座います。ご自宅で執り行われる場合は 式場に使用されるお部屋をお定め頂いた上で祭壇の形をお決め頂きます。更に張幕、テント、冷暖房、案内標識、駐車場等を検討頂く必要が御座います。外部の式場をご利用頂く場合には その式場の使用規則に従って執り行う形となりますので、ご検討頂く項目はかなり少なくなります。尚 その際には 故人様 及び ご遺族様のご希望は忌憚なくお話頂く事が大切です。

 

 ご自宅でご葬儀を行う場合は 式場とする部屋、飲食の接待をする部屋、宗教者の控室、近親者の控室、会葬者の待機する場所、受付の場所等を 葬儀社とご相談の上でお決め頂きます。又 場合によっては 近隣の方々の了解を取り付けます。

 

 現代では 車で来訪される会葬者の方も多くなりましたので、近隣の駐車スペースを用意したり、無い場合は 一時的な路上駐車スペースを用意し、近隣に了解を取ると共に 所轄警察に届け出を出して許可を取り付けます。

 

 地元に不案内な会葬の方を考慮して、最寄の駅やバス停などから自宅までの案内標識、玄関から待機場 そして 式場に至るに必要な案内標識も必要となります。勿論 式場を示す門標も必要です。

 

 更に 門前から玄関までの通路の足元が暗い場合は 夜間の弔問客に備えて照明を用意します。又 夏の暑い季節には 冷房器や扇風機、冬の寒い季節には 暖房機具、雨が予想される場合はテントや予備の傘も用意します。又 式中に停電などが起こらぬ様、最大使用電力量にも注意が必要です。

 

 以上は全て 葬儀社が手配致しますが、適時 ご葬家の指示を必要と致しますので、ご留意下さい。

 

   今回は以上です。

納棺

 今回はご納棺に付いて書かせて頂きました。

 

 ご納棺とは ご遺体をお浄めし、装いを整えてお柩にお納めする事です。入棺とも言われます。ご自宅でご葬儀を執り行う場合はお通夜の支度を整える前に、外部の式場で行う場合はご自宅から出棺する前に行います。湯灌などのご遺体処置を行い、死に装束で身支度をし、ご遺体を柩の中にお納めし、副葬品でご遺体の周りを飾ります。故人様の”死”を受け止める大切な儀式ですので、ご遺族様 御親戚 極親しいご友人の手を煩わせて行う事をお薦めします。

 

 ご納棺は ご遺族の手で行うのが基本ではありますが、ご葬家のご希望に合わせて 葬儀社のスタッフにより行う事も可能ですし、納棺師と呼ばれる特別なスタッフをご利用頂く事も可能です。ご遺体をお納めするに当たり 死に装束で身支度を整えた後にお柩にお納めすべきではありますが、ご遺体の死後硬直の状態によりましては ご遺体をお納めした後に 死に装束でご遺体を覆うかたちの場合も御座います。又 指輪や装身具ははずした上でご納棺致します。

 

 尚 副葬品は 火葬の際に問題が起きぬ様;

−爆発の怖れのあるもの。

−燃えないもの。

−ご遺骨を傷つける怖れのあるもの。

−ご遺骨を着色する怖れのあるもの。 

は避けて下さい。具体的には ペースメーカー、ガスライターなど爆発の恐れの有るもの 体内に埋め込まれたペースメーカーは病院で除去して貰います。メガネや酒のビンなどのガラス製品、金属やカーボンで作られた釣竿やゴルフクラブなどです。又 ゴルフボールは火葬炉の中で回ってご遺骨を傷つける怖れがあり、果物は燃えにくく ご遺骨を着色する可能性があり、書籍は燃えにくいので、お納めする際に注意が必要です。

 

   今回は以上です。

死に装束

 今回は死に装束(しょうぞく)に付いて書かせて頂きました。

 

 死に装束とは 死者を見送るに当たり施される衣裳の事です。白を基調とした衣裳から 白装束とも呼ばれます。日本では古くから仏式の葬儀が基本となって居り、故人様の衣裳も仏式を前提とされて居ります。神道の葬儀においては、同じく白を基調とした神官が着用する衣裳に近い装束が施されます。キリスト教では特に死に装束は無く、故人様がお好きだった衣服を施す形となります。尚 古くには 武士が切復するさいの衣裳も死に装束と呼ばれました。尚 浄土真宗では死と共に成仏するとの教えから、冥土(めいど)への旅を認めて居りませんので、死に装束は有りません。又 その地域や宗派により それぞれ特色を持ち、相違が御座います。

 

 日本に於ける死に装束は ご遺体を棺に納める直前に施されます。基本的には仏式の巡礼者や修行僧の衣裳が前提となります。死に装束は 経帷子(きょうかたびら)・帯、三角巾(さんかくきん)、頭侘袋・六文銭、杖・手甲(てこう)・脚絆(きゃはん)・草鞋・編笠、そして 数珠により一式となります。

経帷子・帯は 白無地の帷子に真言や経文を記したもので、古くは 故人様と縁のある女性の手により縫い上げられ、裁縫のさいには 引っ張り合ながら縫い、糸には結び目をつけぬものとされました。明衣(みょうえ)、浄衣(じょうえ)とも言われます。

三角巾は 宝冠・、紙冠、あるいは額烏帽子 とも呼ばれる、額につける三角形の布です。起源としては 大日如来の頭部にある五智の宝冠を模したもので、山伏が被る兜布に由来するとの説があります。又 死者の贖罪を願うと共に魔除けになる との説や、閻魔大王に拝喝する際の正装となる烏帽子との説などが有ります。

頭侘袋は 修行僧が托鉢の際に首にかけて携帯 使用するもので、六文銭は三途の川の渡し賃とされます。六文銭には硬貨が使用されて居りましたが、火葬がほとんどとなった昨今では紙に印刷された物が使用されて居ります。

木製の杖は利き腕の横に置かれ、手甲・脚絆は左右反対に着け、草鞋を履いて、編笠を頭上に置き、数珠を手持たせて 西方極楽浄土への旅装が整います。

 

   今回は以上です。

遺体の変化

 今回はご遺体の変化に付いて書かせて頂きました。

 

 人はご逝去されると 生活反応が失われ、修復性や回復性も喪失します。従いまして ご遺体の状態は急激に悪化して行きます。死斑が出、死後硬直が始まり、腐敗が始まります。ご遺体の保全に最も大切な事は ”ご遺体を悪化させないこと”につきます。ご遺体の悪化防止の為には 死亡直後の看護師による適切な処置と その後の低温保存が重要となります。尚 ご遺体は保存方法により進捗の度合いは異なりますが、悪化はしつずけますので 死亡直後のメイクはあまり効果は有りません。

 

 死斑とは 心臓が停止し血液の流れが止まると、血管内の血液は全て下に集中します。ご遺体の上の部分の皮膚は蒼白となり、下になった部分の静脈に全ての血液が溜ります。この血液が凝固して死斑となります。死斑は死後20~30分後位から始まり、20時間以上経過すると固定されます。尚 死後10時間くらいまでは固定されません。

 

 死後硬直は 体内の化学反応により筋肉や関節が硬直して動かなくなる現象です。死後硬直は死後2時間位から始まり、20時間位で硬直は最も強くなります。その後は腐敗が強まる為、硬直は徐々に解けて行きます。

 

 ご遺体は 体内を一定の状態に維持する為の 恒常性が消失した状態となります。恒常性は 終末期から徐々に失われて行き、死亡と同時に加速度的に消失して行きます。人が健康な際には 体内や体表面の人体に有害な細菌や問題のある細菌の増殖を抑制していますが、死により細菌の繁殖環境が大きく崩れ、抑制されていた問題細菌が爆発的に増殖を繰り返し、ご遺体の悪化を一気に進めます。しかし ご遺体には生命活動が存在しない為恒常性は無く、これを取り戻す術は有りません。この悪化をより遅らせる為にご遺体を低温で保存しなければ成りません。

 

   今回は以上です。

遺体の保全

 今回はご遺体の保全に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族が永眠され 枕経の後にご遺体をお柩にお納め(納棺)してお通夜を待つのが一般的ですが、火葬場や式場の予約状況に依りましたは数日間 ご自宅にそのまま安置し、お通夜の前にご納棺する場合も御座います。ご納棺に先立ち 湯灌、死化粧、遺体衛生保全処置(エンバーミング)などを施す事もあり、又 その間 ご遺体を保全する為にドライアイスを利用します。(エンバーミングされたご遺体にはドライアイスは必要有りません)。

 

 湯灌とは ご遺族の手でご遺体を清める作法です。盥に水を入れ それに沸かした湯をいれて ぬるま湯を作り ご遺体をお清めします。通常は湯に水を入れてぬるま湯を作りますが この場合は水に湯を入れるので”逆さ水”と呼ばれます。最近は病院でエンジェルケアーによりご遺体は清められて居りますので、行う事は少なくなりました。又 湯灌では 湯を使用する事から ご遺体の体内の菌を増殖させ、ご遺体の腐敗を促進するので公衆衛生上好ましくない とする医学専門医の指摘が有ります。

 

 遺体衛生保全(エンバーミング)とは 北米などで行われている、一般的な遺体処置の方法です。所定の施設に於いて ご遺体を洗浄・消毒し、防腐処置と、必要に応じて顔などの復元処置を施します。防腐処置は 静脈から血液を抜き、動脈から防腐液を注入して行います。土葬が一般的な国、特に北米では多く利用されて居りますが、火葬が主流の日本では ご遺体を海外に移送する場合を除いて ご利用頂くケースはわずかです。

 

 遺体衛生保全されたご遺体を除いて ご遺体の保全にはドライアイスが使用されます。ご遺体は 胃や腸から腐敗が始まり 腐敗ガスを発生させます。ドライアイスは直下を冷やす事に適して居りますので 胸から腹部を中心にして 喉元と下腹部までの上にドライアイスを置いて 内臓の腐敗を防ぎます。この為に10Kgのドライアイスで24時間保全する事が可能です。尚 夏場などの酷暑の季節ではもう少し頻繁に使用する必要が御座います。

 

   今回は以上です。

遺体の保全

 今回はご遺体の保全に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族が永眠され 枕経の後にご遺体をお柩にお納め(納棺)してお通夜を待つのが一般的ですが、火葬場や式場の予約状況に依りましたは数日間 ご自宅にそのまま安置し、お通夜の前にご納棺する場合も御座います。ご納棺に先立ち 湯灌、死化粧、遺体衛生保全処置(エンバーミング)などを施す事もあり、又 その間 ご遺体を保全する為にドライアイスを利用します。(エンバーミングされたご遺体にはドライアイスは必要有りません)。

 

 湯灌とは ご遺族の手でご遺体を清める作法です。盥に水を入れ それに沸かした湯をいれて ぬるま湯を作り ご遺体をお清めします。通常は湯に水を入れてぬるま湯を作りますが この場合は水に湯を入れるので”逆さ水”と呼ばれます。最近は病院でエンジェルケアーによりご遺体は清められて居りますので、行う事は少なくなりました。又 湯灌では 湯を使用する事から ご遺体の体内の菌を増殖させ、ご遺体の腐敗を促進するので公衆衛生上好ましくない とする医学専門医の指摘が有ります。

 

 遺体衛生保全(エンバーミング)とは 北米などで行われている、一般的な遺体処置の方法です。所定の施設に於いて ご遺体を洗浄・消毒し、防腐処置と、必要に応じて顔などの復元処置を施します。防腐処置は 静脈から血液を抜き、動脈から防腐液を注入して行います。土葬が一般的な国、特に北米では多く利用されて居りますが、火葬が主流の日本では ご遺体を海外に移送する場合を除いて ご利用頂くケースはわずかです。

 

 遺体衛生保全されたご遺体を除いて ご遺体の保全にはドライアイスが使用されます。ご遺体は 胃や腸から腐敗が始まり 腐敗ガスを発生させます。ドライアイスは直下を冷やす事に適して居りますので 胸から腹部を中心にして 喉元と下腹部までの上にドライアイスを置いて 内臓の腐敗を防ぎます。この為に10Kgのドライアイスで24時間保全する事が可能です。尚 夏場などの酷暑の季節ではもう少し頻繁に使用する必要が御座います。

 

   今回は以上です。

枕経

 今回は枕経に付いて書かせて頂きました。

 

 枕経とは 仏教の臨終行儀のひとつで、亡くなり逝く方を仏弟子にして 心穏やかに往生して頂く為に、臨終間際の方の枕元で上げるお経のことです。現代では病院でご逝去される事がほとんどのケースで、病院内でお経を上げる事が難しい事から ご自宅にご遺体を安置した後に読経して頂くのが一般的となって居ります。ご遺体をご自宅に安置するのが困難な場合は 通夜式の中に含めて執り行われる場合も御座います。神道ではご臨終の後に帰幽報告の儀、神棚封じ、枕直しの儀を行います。そして キリスト教の場合は 危篤、臨終のときから神父、あるいは牧師が立会うことが原則となって居ります。

 

 枕経の起源は 平安時代中期に浄土教の僧侶が 死の間際にある本人と共に誦経(ずきょう)・念仏した臨終行儀にあると言われます。枕経はご臨終の方が居られるお部屋を清らかにし、臨終の方のお心が乱れぬ様物音などにも気を配り、来迎仏などの掛け軸か屏風を枕元に飾って行います。僧侶により 剃刀で頭髪を剃り、仏 法 僧に帰依させて頂きます。共に その証として戒名を授与して頂きます。看取る人 全員で念仏を唱え、ご臨終間際の方に 念仏を唱える力が出る様 祈念します。そして 臨終の瞬間が来そうな時には清らかな水を用意して、綿 又は筆で本人の唇を潤してあげます。これが末期の水です。死に水とも言われ お釈迦様が最期に水を求めた との言い伝えに依ります。末期の水は 本人に蘇って欲しいという願いと 死後 喉の渇きに苦しまぬ様との願いを込めて注されます。

 

 神道では 枕経はありませんが、末期の水は仏式と同様に行います。その後に 帰幽報告の儀、神棚封じ 枕直しの儀 を執り行います。

帰幽報告の儀は 神棚に向かって ”〇〇が帰幽致しました”と 家族の死を報告する儀式です。その後に 神棚の扉を閉め白い半紙を張り付けて封じます。これは 死と言うけがれが神棚の中に紛れ込まない様にする為です。そして ご遺体の枕元に枕飾りを設けて 灯明を灯し ご遺族・ご親族が礼拝します。この時の礼拝は二礼拝二拍手二礼拝を”忍び手”で行います。この礼拝を”枕直しの儀”といい 仏式の枕経にあたるものです。

 

   今回は以上です。

 

忌中札

 今回は忌中札(きちゅうふだ)に付いて書かせて頂きました。

 

 忌中札とは 御家族のどなたかが亡くなられた際に 忌中の期間 忌中と書かれたお札を玄関前に掲げる習俗に使用されます。忌中札は 死穢を他の人に及ばさぬ様 告知し、遺族は死の穢れに染まっているので こもって居る事を知らせれ為のものです。現代では 死者が出た家であることを告知する現実的な意味合いが強くなりました。昨今の東京、横浜等の大都市では 控え目なご葬儀をご希望されるご葬家が多くなり、忌中札を見かける事も少なくなりました。

 

 忌中とは 故人様を偲び 祀りに専念して 故人様の御霊を鎮め そして殺生をしてはいけない期間で、仏式であれば四十九日法要まで 神式であれば五十日祭までの間ですが、故人様との関係により その期間は異なります。父母・配偶者は四十九日(神式50日)、祖父母は30日、兄弟姉妹・子ども・叔父叔母は20日、孫は10日、その他の親戚は1~3日間が一般的です。この期間には神事、結婚式・お祝い会・初詣などの祝い事への出席を控えます。又 神棚をお祀りの御家庭では 神棚に白紙を掛けてお参りを控えます。

 

 忌中と同義語のように思われてもいる 喪中(もちゅう)と呼ばれる期間があります。喪中とは 精神的に故人様を偲び、悲しみを乗り越えて通常の生活に戻って行く期間で、忌中とは目的が異なり 一般的には 13ヶ月(一周忌法要まで)とされます。喪中に服しなければならないご親族は 父、母、兄弟、姉妹、子、義理の父、義理の母 が一般的です。喪に服している間(喪中)は 年末年始の挨拶は控え、結婚式やお祝い事への参加も控えます。但し 喪中である事を承知の上でご招待を受けた場合は 参加するのが礼儀となります。

 

   今回は以上です。

ご遺体の安置

今回はご遺体の安置に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族が万一 亡くなられた際は 信仰される宗教が仏教でしたら 枕を北側に置いてご遺体を安置します。更に 死穢が神棚に及ばぬ様 白い半紙で覆います。守り刀を置く習慣をお持ちの場合は 守り刀をご遺体の枕元、あるいは ご遺体の上に置きます。屏風をお持ちのお宅では その屏風を上下逆さにして ご遺体の周りを覆います。最後に ご遺体の枕元に 枕飾りを荘厳(お飾り)して 通夜の日を待つ事とします。

 

 神棚に白紙を貼る習慣は 神道が穢れを避ける事から、死穢が神棚に及ばぬ様に と言う事で行われます。この作業は 忌みがかかっていない他人にお願いするものとされます。この白紙は忌明けと共に取り除きます。

 

 守り刀を置く習俗は 死者が武士の場合に刀を枕元に置いた名残りであるとか、魔除けの為とか、死霊に対する鎮魂の為とか、死者の魂が持ち去られる事を防ぐ為とか、死霊を封じ込める為とか、さまざまな言い伝えがあります。従いまして 刃先をどちらに向けて置くか その地域によって異なります。横浜市内では特定のお宅を除いて 置かれることは無くなりました。又 浄土真宗では守り刀は使用しません。

 

 逆さ屏風は古くから有る習俗で 死の世界は日常の世界とは逆であるとの考えから、上下を逆さにするとされます。屏風でご遺体を囲むのは ご遺体を悪霊から守る為とも、死霊が周囲の人々に及ばぬ様にとも、その土地により相反する言い伝えがあります。

 

 枕飾りはご遺体の枕元に置く供物台の事で、その上にお供えする品物は 地域や宗派によって異なります。一般的には 白木の小机を使用し、三具足(香炉、花瓶、燭台)と鈴(りん)を備えます。備え方は 香炉を中心に、左側に花瓶、右側奥に燭台、右側前に鈴を配します。燭台には白の一本ローソクを立て、燭台には樒(しきみ) あるいは菊の花を一本活けます。このお花を枕花とも言われます。三具足以外には 供え物として 浄水、枕団子、枕飯、そして故人様がお好きだった食べ物などをお供えします。尚 浄土真宗では枕団子や枕飯はお供え致しません。又 燭台のローソクや香炉の線香の火は消さない様にするのが本来の習俗ですが、現在では 防火上 ローソクの火は必要な時のみ点灯する事をお薦め致します。

神道の枕飾りは 白木の八脚の台(案と呼ばれます)を置き、その上に燭台、洗米 塩 水 お神酒を乗せた三宝、榊を生けた花瓶を供えます。

キリスト教に於きましては特に枕飾りに関する習慣は有りません。 


   今回は以上です。 

葬儀の次第

 今回は葬儀の次第に付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀を執り行うに当たりましては ご葬家様にて ご葬儀の基本方針をお決め頂かなければなりません。主な項目と致しましては 如何なる宗教・宗派で行うか、式の方式は、式の会場(会葬者の予測人数)、日程、接待の方法、式場の設営、ご予算、特別なご希望等です。

 

宗教;

ご葬儀を執り行うに当たり最っとも大切な事項です。基本的には 故人様が信仰されていた宗教が最優先となり、帰依されていた檀那寺、或いは所属されていた教会にお願いして執り行います。あるいは 特定宗教をお持ちにならない場合は 無宗教でのお別れ会を催す事となります。故人様は特定宗教に帰依していなくとも、家として檀那寺をお持ちの場合は そちらにお願いする場合も御座います。又 檀那寺が遠方の場合は お願いをすれば近所のお寺を紹介して頂けます。尚 ひかりの杜では ご希望の宗教の宗教家をご紹介させて頂いて居ります。

方式;

個人葬か社葬・団体葬か、会社 団体 町内会などとの係わりを如何するか、身内だけで行う密葬とするか、その場合 後日に本葬 あるいは偲ぶ会などを行うか、などをお決め頂きます。

式場;

会葬者の予測人数、葬儀の方式などを考慮して ご自宅で行うか、火葬場が隣接する横浜市営斎場で行うか、団地の集会所で行うか、寺院で行うか、民間斎場で行うかをお決め頂きます。

日程;

火葬場の都合、宗教家の都合、式場の都合、御家族の都合等を考慮してお決め頂きます。

接待;

通夜振舞い、火葬場での茶菓子、精進落とし、会葬返礼品、香典返しなど 参列者 会葬者への接待方法、数量を概算 お決め頂きます。

設営;

祭壇、式場設営などに付いてお決め頂きます。ひかりの杜では生花祭壇を基本にお薦め致して居りますので お飾りするお花のご希望などもお受け致して居ります。他に 式場内で流す音楽、写真を用いた思い出コーナー、ビデオ放映なども可能です。

予算;

相互扶助の意味合いを持つ お香典を受けるか お決め頂いた上で ご予算の範囲をお決め頂きます。

その他;

特別なご希望や心配事が御座いましたら 忌憚なくお手伝いする葬儀社にお話頂きます。


   今回は以上です。 

 

葬儀の打合せ

 今回は葬儀の打合せに付いて書かせて頂きました。

 

 ご葬儀の打合せは 最愛の方を亡くされ 精神的にも厳しい状況の中で行わなければ成りません。多くの事をお決め頂かなければ成りませんが、何よりも先に ご葬儀に対する想いをお話し頂く事が重要です。故人様はどの様な方であったのか、故人様はご家族をどの様に思われていたのか、ご葬儀に対して言い残されて事は無いのか、そして 故人様に対するご遺族の想いはどの様なものであるかをお話し頂きます。このお話の中から ご遺族様はお心の傷を僅かでも癒して頂き、お手伝いをさせて頂く葬祭業者は 葬儀のご方針を想い描く事が出来ます。私ども葬祭業者は この想いに沿って各種のお決め頂く事を提案する事が可能となります。

 

 ご葬儀の打合せは 葬祭業者の情報開示と、ご葬家様のご決定が前提となります。一般的には ご葬儀の経験が豊富なご遺族様は居られません。私共 葬祭業者は ご遺族さまが 容易に選択・決定出来るべく、必要な情報を広く、公平に、正確にお伝えしなければ成りません。ご葬儀の打合せに当たり 大切な事は 物事を選択し決定するのは ご遺族様の権利だという事です。

 

 ご葬儀を考える際に 最も大切な事は ”故人中心”ということです。お送りする方々が 故人様への想いに集中することが 良い葬儀を実現する為のポイントとなります。故人様が生前に語っていた事、書き遺した事など、故人様が考えて居られた事を中心に進めた時が、より良い葬儀にも繋がるかと考えます。喪主様、葬儀の宗旨、会葬者の扱い方など、出来るだけ 亡くなった方本位 の方法でお考え頂くのが良いのではないでしょうか。

 

   今回は以上です。

 

 

 

葬儀の喪主

 今回はご葬儀の喪主について書かせて頂きました。

 

 人の世には 色々な悲しい出来事が待ち受けて居りますが、家族の方のご逝去ほど悲しい出来事は有りません。この悲しみの中でもやらなければならないのがご葬儀です。このご葬儀を取り仕切るのが喪主様であり、まず最初にお決め頂かなければ成りません。喪主様は葬儀全般の主宰者であり、弔問を受ける葬家の代表者であり、ご葬儀の宗教的な主宰者であると共に、その後の行事の責任者でもあります。又 喪主様は故人様の生前の意とご希望に沿うべく努め、故人様の霊を護る役柄を努めねばなりません。

 

 喪主様を何方にするか時として問題になる事があります。戦前であれば 家の祭祀を主宰する方で、戸主あるいはその跡継ぎの男子でした。戦後に民法の改正が有り、家の祭祀権を継承する方と、遺産を相続する方とは分離され、家の祭祀者が祭祀権の継承者を指名すれば良い事となりました。この指名された継承者が喪主様を努めなければ成りません。もし指名がされて居ない場合は 御家族で協議をしお決め頂きます。一般的には 世帯主以外の方が亡くなられて場合は世帯主が、世帯主が亡くなられた場合は その配偶者 もしくはお子様が喪主を務められます。喪主様は通常は一人ですが まれに複数の方々(配偶者と長男、子供たち等)が共同で務める場合も御座います。

尚 地域の習俗として 子供が親より先立った場合は 逆縁として 親が喪主にならない習慣や、夫が逝去された場合は 喪主は配偶者ではなく長男が務める、などが御座いますので 日頃よりご確認頂く事をお薦め致します。

 

 施主様と呼ばれるお務めが御座います。一般的には 葬儀を主宰する人と言う意味で喪主様と同じ様に用いられますが、厳密には異なります。施主様とは 血縁に拘らず、布施費用を納める人と言う意味で、葬儀の施行主であります。個人葬の場合は喪主と施主を御一人で務めますが、社葬や団体葬などの場合 喪主はご家族が務め 施主は費用を負担する会社や団体の代表者が務める事と成ります。又 個人葬の場合でも 跡継ぎが未成年の場合 喪主を跡継ぎな務め、叔父様が施主を務める形なども御座います。

 

   今回は以上です。

葬儀の前に

 今回がご家族のどなたかに万一が予想される場合にお決め頂かねばならない事項に付いて書かせて頂きました。

 

 ご家族のどなたかが亡くなられた場合 まずは 葬儀社に連絡をし、その後 葬儀社と葬儀の次第をお決め頂かなければ成りませんが、精神的な動揺も大きい中での判断には難しい面も多々あります。大切な方との最後の時間をより良く、後悔の無い様お過ごし頂くためには 事前に以下の事をお決め頂いて置く様 お薦めします。

1 喪主はどなたがされるか?

2 お通夜までの ご遺体の安置場所は何処にするか。

3 葬儀の形式は 仏式(宗派、檀家寺)、キリスト教(所属教会)、他の宗教、無宗教。

4 葬儀のご予算。

5 ご遺影の原本。

6 ご希望の式場、火葬場 もし御座いましたら。

7 準備する情報

  故人様 氏名、現住所(含む世帯主) 本籍地(含む筆頭者)、生年月日 

  喪主様 氏名、現住所(含む世帯主) 本籍地(含む筆頭者)、生年月日

  死亡届出人 氏名、現住所(含む世帯主) 本籍地(含む筆頭者)、生年月日、故人様との続柄、連絡先


 故人様が病院で亡くなられた場合は ご遺体を搬出しなければ成りません。その場合の葬儀社への連絡内容は 連絡される本人様のお名前、故人様との関係、連絡先の電話番号、故人様の氏名・年齢・性別、病院の名称・住所・電話番号・病室、そしてご遺体の搬送先が必要となります。


   今回は以上です。 


末期の水 遺体の清拭

 今回は末期の水とご遺体の清拭に付いて書かせて頂きました。

 

 末期の水とは 死にゆく者に対して 御家族により その口許を水でうるおす作法を言います。あるいは 死に水をとる とも言います。本来は死者の命が蘇える事を願って行われたと伝わります。従いまして 臨終の間際に行われる作法でしたが、現在では息を引き取られた後に行う事が一般的となって居ります。ご遺体の清拭(せいしき)とは 死後感染を予防し、ご遺体の尊厳を守る為に行う、各種の手当を指します。

 

 末期の水の由来は 仏典”長阿含経”の中に記されて居ります。末期を悟られた仏陀は 口が渇いたので水を飲みたいと 弟子の阿難に命じました。しかしながら 近くの川は水が濁って汚れて居た為 差し上げる事が出来ません、その時 雪山に住む仏道に篤い鬼神が 鉢に浄水を汲み これを仏陀に捧げたとの事に由来します。死に水は 許されるならば病院で、許されないのであれば ご遺体がご自宅に帰り お布団の上に安置した後に行います。死に水をとる順序は 喪主様 そして血縁の近い順に行います。最初は配偶者、お子様、故人の両親、兄弟姉妹、子の配偶者、孫、そして臨終に立会った方々の順となります。使用する道具は 筆 又は 箸の先に脱脂綿を巻き付けものを使用し それに水をふくませて唇を湿らします。元来は死者の蘇生を願う民俗的儀礼であると共に、一人一人が故人様に別れを告げる大切な儀式でもあります。

 

 故人様がご自宅で亡くなられた場合 主治医が死亡の判定をした後に 看護師によりご遺体の清拭が行われます。ご遺体の表面をアルコールで消毒し、鼻や尻等の部位に脱脂綿を詰めて体液が漏れない様にし、新しい浴衣などに着せ替えを行い、女性の場合は簡単な化粧を施すなどをします。病院で亡くなられた場合も同様の手当が行われ 遺体安置室(霊安室)に運ばれて引き取りを待つ事と成ります。看護師による清拭は エンゼルケアとも呼ばれて居ります。現代では エンゼルケアが一般的に施される様になり、ご家族による湯灌を行う事は少なくなりました。

 

   今回は以上です。

 

死体火埋葬許可証

 今回は死体火埋葬許可証に付いて書かせて頂きました。

 

 死体火埋葬許可証とは ご遺体を埋葬(土葬)あるいは火葬を許可する証で、埋葬・火葬の前に取得して置かなければ成りません。許可証の発行は 死亡届を受理した市区町村役所が行います。死亡届と共に死体火埋葬許可申請書を役所に提出し、許可証を受取ります。申請書には 死亡者の本籍、住所、氏名、性別、出生年月日、死因(一般感染症かそうで無いか)、死亡年月日時、死亡場所、火葬場所あるいは埋葬場所、申請者の住所・氏名・続柄の情報と印鑑(シャチハタは不可)が必要と成ります。


 死体火埋葬許可証が無いと ご遺体を埋葬(土葬)、或いは火葬する事が出来ません。この許可証は 発行した市区町村だけでなく、全国共通で有効となります。尚 ご遺体は原則として ご逝去後24時間以内には埋葬・火葬を行う事が出来ません。但し 法定伝染病により亡くなられた場合はこの限りでは有りません。横浜市内では原則として土葬が認められて居りませんので、全て火葬となります。


 横浜市内には 市営火葬場として 横浜市北部斎場(緑区)、横浜市久保山斎場(西区)、横浜市戸塚斎場(戸塚区)、横浜市南部斎場(金沢区) 私営火葬場として 西寺尾斎場が御座います。其々の火葬炉ご利用費用は;

1 横浜市営; 横浜市民−12,000円、市外−50,000円。

2 西寺尾火葬場; 63,000円(市内、市外共に)。


 ご火葬が終り ご遺骨をお骨壺に納めた後、火葬証明書が発給されます。火葬証明書は ご遺骨を埋蔵(お墓に納める事)、収蔵(納骨堂に納める事)の際に 管理者に提出しなければならない重要な書類ですので、ご遺骨と共に大切に保管して下さい。尚 分骨をされる場合は 別途 分骨証明書が必要となりますので、ご火葬の前に 火葬場へ申請する必要が御座います。尚 分骨申請書の発行手数料は 横浜市営斎場の場合 300円となります。


 以上の手続は ご依頼頂ければ葬儀社が代行してくれます。


   今回は以上です。  

監察医

 今回は監察医に付いて書かせて頂きました。

 

 監察医とは 死体解剖保存法の規定に基ずき、都道府県知事が任命する 行政解剖を行う医師を指します。日本に於ける監察医制度は 飢餓、栄養失調、伝染病などによる死亡者が続出していた第二次世界大戦終戦直後に 死亡者の死因が適切に把握されず その対策にも科学性が欠けて居た為、その状況を憂慮した連合軍総司令部(GHQ)が 公衆衛生の向上を目的として 日本政府に創設を命令した制度で、1947年(昭和22年)に創設されました。

 

 監察医制度の目的は 死因不明の死体を検庵 又は解剖して死因を明らかにする事により、公衆衛生の向上に資する事に有ります(犯罪捜査を目的とした制度では有りません)。監察医の業務内容は 死因の明らかでない死体に付いて @死体の検案を行う事、A検案によっても死因が判明しない場合は解剖を行う事(ご遺族の同意は不要)です。その対象となるご遺体は 伝染病、中毒、又は災害により死亡した疑いのある死体 及びその死因が明らかでない死体です。監察医制度は 昭和22年 当時の人口上位7都市(東京23区、大阪市、京都市、名古屋市、横浜市、神戸市、福岡市)で運用が開始されました。監察医は常勤 或いは非常勤の形で監察医務院と呼ばれる組織に所属して死因の解明に当ります。現在 監察医務院が運用されて居るのは 上記から京都市、福岡市を除いた5都市です。それ以外の地域では 委嘱を受けた 大学の法医学教室が その任務を代行して居ります。

 

 監察医や警察の嘱託医が行う、死因を特定する為の解剖を”行政解剖”と言います。これに対して 犯罪死の惧れがある場合に行う解剖を”司法解剖”と言います。行政解剖の途中で犯罪死の疑いが出た為、司法解剖に移行することもあります。行政解剖と司法解剖は ご遺族の同意を必要とは致しません。一般的医療機関で行う病理解剖はご遺族の同意が必要です。

 

   今回は以上です。

死亡診断書(死体検案書)

 今回は死亡診断書(死体検案書)に付いて書かせて頂きました。

 

 死亡診断書(死体検案書)は 人の死亡に関する厳粛な医学的・法律的証明であり、死亡者本人の死亡に至るまでの過程を詳細に論理的に表わされた書類で死亡届提出の根拠となります。又 死亡証明書(死体検案書)は 日本国の死因統計作成の為の資料ともなって居ります。死亡診断書は 死亡の原因となった傷病の診察に携わった医師 又は歯科医師により発行されます。死体検案書は 死亡の原因となった傷病の診療に携わる医師が居ない場合、又は 死体に異常があるとと認められた場合に都道府県知事が指定した医師(監察医等)が遺体を検案の上で発行します。

 

 通常の病死あるいは老衰死などの自然死が明白な場合は その診察・治療に当っていた医師が死亡診断書を発行します(医師法)。突然死や永らく医師の診察・治療をうけて居ないで死亡した場合は 病死や自然死であっても医師・歯科医師は死亡診断書を発行する事が出来ません。この場合は 死亡地の所轄警察署による検視を経て、監察医 又は警察の嘱託医が検案を行い死体検案書が発行されます。これは 自然死以外の可能性が無いかどうかを調べる為です。病死 あるいは自然死以外の異常死体、犯罪の疑いのある死体の場合は 所轄警察に届けて、その検死を受け、監察医 又は警察の嘱託医が 検案の上で死体検案書を発行します。警察による検視、監察医などによる検案が必要なケースは以下の通りです;

1 病死あるいは自然死であっても診察・治療に携わる医師が居ない場合。

2 病死あるいは自然死であるかどうか不明の場合。

3 伝染病死、中毒死などの場合。

4 溺死、事故死、災害死、自殺などの非犯罪死の場合。

5 殺人、過失致死などの犯罪死あるいはその危惧がある場合。

尚 横浜市には ”監察医を置くべき地域を定める政令”により監察医が置かれております。


   今回は以上です。

移植

 今回は移植に付いて書かせて頂きました。

 

 移植とは ドナー(提供者)からレシピエント(受給者)に 肉体の組織や臓器を移し植える医療行為のことです。現在の医療技術に於ける 移植の対象となる組織や臓器は 心臓、肺臓、腎臓、肝臓、膵臓、小腸、骨髄、角膜ですが、医学の発達とともにその範囲は広がりつつ有ります。そして 移植には 生きているドナーから提供される”生体移植”と、死亡したドナーから提供される”死体移植”の2っが有り、死体移植には 脳死と心臓死の場合とがあります。

 

 日本に於ける移植の歴史としましては 生体移植に付いては古くから色々な試みが行われて居りましたが、死体移植に関しては 1956年に腎臓移植が、1954年に肝臓移植が初めて行われました。そして 1968年(昭和43年) 札幌医科大学の和田教授による 世界で30例目にあたる心臓移植が行われ レシピエントは83日間生存しました。レシピエントの死後 ドナーの救命治療が十分に行われたのか、脳死判定は適切であったか、レシピエントは本当に移植が必要だったのか等で 医学界を中心に世論が紛糾しました。いわゆる 和田心臓移植事件です。和田教授は 殺人罪で刑事告発されましたが、最終的には 嫌疑不十分で不起訴となりました。その後 脳死に関する議論が続けられ、1997年(平成9年)”臓器の移植に関する法律”が成立し、脳死判定に従い臓器を提供する意思を本人が書面により表示し、かつ家族が脳死判定並びに臓器提供に同意している場合に限り、脳死が法的に人の死と認められ、脳死移植が認められる事となりました。

 

 臓器の提供を希望する方は 健康保険証 あるいは運転免許証の裏面に意思表示シールを貼るか、日本臓器移植ネットワークが発行している 臓器提供意思表示カード(ドナーカード)により意思を表明する事が出来ます。ドナーカードは 全国の郵便局、都道府県庁、運転免許試験場、市町村役場、保健所、コンビニエンスストアなどで入手する事が出来ます。又 意思を表示する場合は その意思をご家族にもご説明しておく事をお薦めいたします。

 

   今回は以上です。 

脳死

 今回は脳死に付いて書かせて頂きました。

 

 脳死とは 人の脳幹を含む脳の 全ての機能が不可逆的に回復不可能な状態まで低下し、回復不能と認められた状態を指します。その判定は 臓器を含む移植に関係しない、脳死判定の経験を持つ2名以上の医師により行います。判定は6時間の間を置いて2回行い、2回目の判定の決果に基ずいて、脳死が確定します。2回目の判定が終了した時間をもって死亡時間とされます。尚 脳死の判定基準は国毎に異なり、脳幹のみの機能低下を基準とする脳幹死を採用する場合と、大脳と脳幹の機能低下を基準とした全脳死を採用する場合とがあります。日本の場合は全脳死を前提として居ります。日本の法律では脳死を”個体死”とする旨の明記は有りません。

 

 人の死は 古来 心停止を前提として居り、医学的に厳密な定義を必要とするものでは有りませんでした。その後 法律上での定義として ”死の三徴候”が定められ 今日に至って居ります。人は 肺機能の停止、心臓機能の停止、脳機能の停止の過程を辿って死に至りますが 今日 医療技術の発達と共に 人工呼吸器、人工心臓等が開発され 自発呼吸が不可逆的に停止しても 人工呼吸器によって呼吸と心臓の拍動が維持できる様に成りました。これにより出て来たのが脳死の概念です。人工呼吸器の使用により 呼吸と心拍の停止よりも先に 腦の全ての機能が不可逆的に停止する状態が発生する事となります。これが脳死の状態です。脳死に陥ると 現在の医学では生命が蘇生される事は無いと考えられます。従来 脳死の後には数日から一週間で心臓が止まると言われて来ましたが、最近の症例では 脳死の状態で1年以上 心臓が動き続けた例がいくつか報告されて居り、最長例としては4歳の男子が脳死と判定された後 21年間心臓が動き続け、身長も伸びたとの 論文発表が有りました。

 

 この脳死を前提として臓器移植、尊厳死に関する諸問題が提起されて居ります。

 

   今回は以上です。

死の判定

 今回は死の判定に付いて書かせて頂きました。

 

 人の死は 法律上は 医師によって死亡診断書、或いは 検死医師によって死体検案書が発行される事によって確定します。従いまして 市区町村役所に死亡届を提出するに当たりましては 死亡診断書 又は死体検案書の添付が必須条件となります。死亡診断書 又は死体検案書は特別な場合を除いて、A3用紙の右側に診断書・検案書、左側が死亡届の書式となって居ります。尚 死亡届の提出先は 死亡場所、若しくは 届け出人が居住する市区町村役所となります。

 

 医師による 人の死亡の判定は 伝統的には @呼吸停止、A心拍停止、B瞳孔散大・対光反射消失の 死の三徴候を根拠としてなされます。医師は この3点の不可逆的停止を確認する事により死の判定を行います。一般的には 呼吸が停止した時刻、あるいは心拍(脈拍)が停止した時刻をもって死亡時刻とする、との事です。 これが 心停止 と言われる死の判定法で、法律上でも確立して居ります。但し 心停止により 法律上は死が確定しても、その人の臓器や細胞は生きて居り、その後 緩やかに死へと向かう事と成ります。


 不可逆的停止とされる意味は 自発的呼吸が停止しても 直後に人口呼吸を施す事により 自発的呼吸が再開されたり、強心剤や電気的ショックにより 停止していた心臓が動き出す事もあり、一時的な機能停止は 必ずしも絶対的なものではないからです。墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)に於いても これらに考慮し 死亡判定後24時間以内には 火葬や埋葬する事を禁じて居ります。古くより有り得た 生存埋葬を避ける為です。但し 法定伝染病患者の死に関しては この限りでは無く、即刻の火葬が可能です。


   今回は以上です。

死の環境 臨終

 今回は死の環境 臨終に付いて書かせて頂きました。

 

 臨終とは 死を迎える直前の時期を指し、臨命終時(りんめいしゅうじ)の略語です。人の死という 危機的な時期に関しては エジプトやチべットなどの古い文献の中で種々語られて居りますが、現代の日本に於ける臨終の手引きに関しては インド仏教の伝承を基にして創造されて居ります。臨終の時は 本人は勿論、近親者にとっても大切な時間です。最期の看取りを行い、きちんとしたお別れが出来たか如何かは 近親の方々の 後々の心の平安にも影響を与えかねません。

 

 インド仏教では 祇園精舎の北西の一角に無常院が造られ 病者や死を迎える人が受入れられたと言われます。このインド以来の伝承に基ずいて 中国の唐代に活躍した道宣、善導の二人の僧により 臨終の作法が説かれました。この臨終論が日本に伝わり、平安時代中期の僧源信により ”臨終の行儀”がまとめられました。現在の臨終の作法は これにより定着する事と成りました。

 

 現代の臨終は 交通事故などの突然の死を除いては 病院で迎えるのが一般的です。従いまして 臨終の作法を ご自宅で行うのと同様に病院で行えるか如何かは その病院の許可次第と成ります。一般的には不可です。しかしながら その病院では 近年、延命だけを目的とする治療よりも、ご本人と近親者が 最期の時をどの様に迎えるかを重視するよう変化して参りました。本人と家族が より良い別れをどう持つか重視し始めたとも言えます。ですから 本人が安らかに最期の時を迎える事が出来る様、家族の方々は 担当医師と充分なコミニュケーションを図るようお薦めします。又 医師と相談の上で ご本人が面会を望む方々にも 連絡されると良いでしょう。

 

   今回は以上です。

 

埋葬

 今回は埋葬に付いて書かせて頂きました。

 

 埋葬とは 故人様のご遺体を土の中に埋める事(土葬)を指しますが、広義には ご火葬後のご遺骨を墓地や納骨堂等にお納めする事を指す事も御座います。現在の日本に於いては多くの場合 火葬が前提となって居り ご遺体を埋葬する事はほとんど無くなりました。特に横浜等の大都市では 衛生上の観点からも土葬が禁止されて居ります。ご遺骨を埋葬する時期と致しましては 仏教であれば四十九日法要後の忌明けに、神道であれば忌明けの五十日祭に合わせて、キリスト教では1ヶ月後追悼ミサに合わせて埋葬(納骨)するのが一般的です。

 

 日本に於ける埋葬の歴史と致しましては 旧石器時代の北海道美利河1遺跡の土抗にお墓の可能性がある遺構が発見されて居り、それに続く縄文時代の貝塚などから多くの埋葬行為が確認されて居ります。この時代の埋葬は ご遺体の手足を折り曲げて埋葬された 屈葬が主流でした。弥生時代に入ると 埋葬に当たり ご遺体を収める甕棺や石棺が現れる様になります。又 この時代には 再葬墓と呼ばれる 故人様のご遺体を一度 埋葬し、白骨化するのを待って骨壺に納め直し、埋葬する形態も現れました。何れにしろ 仏教が伝来する前の 古代から中世にかけては 神道を基にした 死は穢れ との思想が強く、貴人の墓地であっても、その管理は疎かでありました。


 ご遺骨は 御骨壺に納められている場合 ご遺骨はほとんど風化しませんが、そのまま 土壌に埋葬されたご遺骨は年と共に風化し、土に還ると言われます。土壌の種類によって差異がありますが、大体 30年でご遺骨は土に還るとされて居ります。


 尚 日本では 墓地埋葬法により 墓地以外の場所、例えば自宅の庭などに埋葬する事は出来ません。違反をすると 死体遺棄罪として罰せられる事が有ります。


   今回は以上です。

 

 

現代の墓地事情

 今回は現代の墓地事情に付いて書かせて頂きました。

 

 お墓は 親から子へ、子から孫へと承継されて行くものと考えられて居りました。しかし 昭和時代後半からの 人口都市集中化や核家族化の進展により、”家”の概念が変化し、又 菩提寺と檀家の関係も希薄に成り、”家墓を護る”形が困難な時代と成りました。墓地は先祖より承継するものではなく、ご自分で墓地を取得する場合も 少子化の中で誰を承継者とするか 良く考慮しなければならない時代と成りました。


 1965年(昭和40年)頃より高まった 人口の大都市集中の流れは 核家族化を進めると共に、大都市圏での墓地需要を増大させました。その需要に応えて 公営霊園や民間の霊園開発が盛んに推し進められました。そして 地方の寺院墓地は過疎化の影響を受ける事となり、少子化の進捗とともに 墓地の無縁化を招き 承継の問題が生じて居ります。墓地の承継は 男子承継を原則として居りましたが、現在はこの様な運営規則も改められつつ有ります。墓地の永代使用権を購入する場合は 承継者を誰にするか決めた上で購入するのが基本でしたが、現代では 永代供養墓や樹木葬墓など 承継者が居られる方は勿論、承継者が居られなくとも安心して死後を託す事が出来る墓地を利用する時代と成りました。


 現代の墓地のトレンドと致しましては ”住墓近接” ”小規模・小区画” ”ガーデニング”等が人気です。墓参の容易さを考慮して ご自宅に近く 交通の便の良い場所で、それ程 高額でない 1u以下の狭小区画をご利用される方が多くなりました。又 芝生墓地やガーデニング墓地など 花や緑に包まれた モダン造りの霊園も好まれる様です。


   今回は以上です。

 

現代の葬儀

 今回は現代の葬儀に付いて書かせて頂きました。

 

 戦後 昭和時代後半の葬儀は告別式を中心として執り行われて参りましたが、平成時代となり 少子高齢化、核家族化、無縁社会化、そして社会の個性化が進捗する事により、葬儀の目的も大きく変化して参りました。従来は葬儀の目的として 社会への告知という面が大きな部分を占めて居りましたが、現在では 家族と極親しかった友人だけによるお別れの意味が強くなり、葬儀の形も 伝統に拘らない 故人様やご遺族のご希望にのっとった形が主流となりました。

 

 以前の葬儀は 仕事の関係者などを含め多くの方々に参加して頂き、葬儀・告別式を行うのが主流でした。故人様が亡くなられてから 通夜・葬儀・告別式・ご火葬と慌しい中で ご会葬の方々の応対に追われ、故人様とのお別れも十分に出来ない事もまま有りました。現代では 亡くなられる高齢者の方が 会社生活から離れて長く、又 ご本人が 葬儀に費用を掛けぬ様 ご希望されたり等から、より小さく 落ち着いたお見送りが多く見られる事となりました。ご家族だけでお見送りをする 家族葬、ご火葬だけを行う 直葬などです。

 

 又 伝統的な形に捉われないご葬儀も増え始めて居ります。お柩やご遺影を飾る祭壇は 以前の白木の祭壇からひかりの杜が推奨する花祭壇へと変わりつつあり、更には 故人様が好きだったお花に囲まれた式場等も御座います。宗教色を持たない お別れ会を行う事も多くなりました。お別れ会では 故人様のお好きだった音楽を流したり、生演奏を行うケースも有ります。更に ご友人やお孫さんの弔辞の後に、卒業校の校歌を会葬者で斉唱する、特別な思い出の残る お見送りも御座います。

 

  今回は以上です。  

尊厳死

 今回は尊厳死に付いて書かせて頂きました。

 

 人は この世に生を受けた後、死に向かって日々生活を営む事となりますが、日本に於きましては 古くより造成された考え方や 第二次世界大戦を経験した事により、死に対して 強い忌避感が造られ、死は社会的タブ−とも成りました。しかしながら 戦後70年ともなり 医療技術の発達と共に高齢化が進む中で、忌避感は薄らぎ ターミナルケアに対する関心が高まり 尊厳死と言われる概念が生まれました。

 

 尊厳死とは 人間が人間としての尊厳を保ちながら死に臨むこと、と解釈されます。医療は その技術がどの様に発達しても、治療優先主義の医療を行うのではなく、患者本人の生活を犠牲にする事無く、患者の生命 及び生活の質を尊重して行われなければならないとの考え方です。更には 死に方 の決定権は医師が持つのではなく、患者本人が持つべきものとの考え方から、医療情報の本人への開示、治療方針に対する本人の同意、ガンの本人告知などが積極的に行われる様に成りました。他方 尊厳死を警戒する考え方もあり、尊厳死の名の下で 殺人や自殺幇助が行われる可能性があり、患者の生存権を侵しかねない、との意見も有ります。


 尊厳死を保つ為の医療として、ターミナルケア(終末期医療)があります。ターミナルケアとは 終末期にある患者に対する医療 及び看護をさします。終末期の概念は特に 公的に明確な定義はされて居りませんが、一般的には 老衰・病気・障害の進行により死に至る事を回避する如何なる方法も無く、予想される余命が3ヶ月以内と解釈されて居ります。ターミナルケアの目的は 医学的・生物学的に延命が不可能である事を前提として、延命治療 病気・障害の進行遅延治療 心身の機能維持治療などを行わず、身体的苦痛や精神的苦痛を緩和・軽減する事により 終末人生の質を維持・向上する事に有ります。精神的側面を重視した総合的医療処置となります。


 有名になった尊厳死としては 2014年のアメリカに於ける事例が有ります。29歳の女性は 末期の脳腫瘍と診断され、動画投稿サイトに 11月1日に服薬により尊厳死する と予告して、尊厳死が合法化されているオレゴン州に移住し 11月1日 医師が処方した致死量を超える鎮痛剤を服用し、自宅寝室で家族に見守られながら穏やかに最期を迎えたとの事です。


   今回は以上です。

ご遺体の保全

 今回はご遺体の保全に付いて書かせて頂きました。

 

 故人様がご逝去されてから ご火葬、或いは埋葬されるまでの間、ご遺体は腐敗を遅延させ、又 外形的な変化が起こらぬ様、各種の処置を行わなければ成りません。この処置を ご遺体の保全処置と言います。日本に於いて 古くは塩により腐敗遅延を即す事が一般的でしたが、現在では各種のより良い処置方法が生まれ、ご遺体が生前と同様の外見で保全する事も可能に成りました。ご遺体をより良い状態にする方法としての、古くから行われて来た湯灌の他に、清拭(せいしき)、エンジェルケア等 腐敗防止としては ドライアイス、エンバーミング等が御座います。


 湯灌とは 日本古来から行われて居り、ご自宅のお風呂場 或いは寺院の湯灌場で ご遺体を湯で洗い清める事ですが、ご親族の手により行うものとされ ご遺体に直接触れる事により 故人様の死を実感して頂くという 深い意味を持つ 大切な儀式でした。現代では 専用のバスタブを室内に持ち込み 行う様に成りましたが、浴室や居室も手狭となり 横浜等の都市部では 病院でのエンジェルケアで済ませる事も多くなりました。


 清拭とは 身体を拭き清める事で、ご葬儀の中では ご遺体を納棺する前に拭き清める事を言います。


 エンジェルケアとは 病院 或いは看護士の用語で、病院で亡くなられた方のご遺体処置を指します。清拭 着せ替え 綿詰め 顔剃り、化粧などの処置を包括的に指して言います。


 ドライアイスとは 炭酸ガスを固形にした物で、非常に低い温度で昇華する為 水分が出ないので 食品や洋菓子などの保冷用として利用されますが、ご遺体の保全用としても用いられて居ります。約10Kgのドライアイスで24時間前後のご遺体保全が可能とされて居りますが、真夏などの暑い時には注意が必要となります。


 エンバーミングとは ご遺体に施す防腐処置の一つで、ご遺体の一部を切開して 血液を抜き、代りに 防腐剤を注入する事により、ご遺体を長期間保全する事が可能となります。この技術は北米で加発され、日本にも伝わりましたが、日本では 火葬までの日数がそれ程掛らずドライアイスの利用で十分と考えられて居り、ご遺体を海外に移送する等の 特別な場合にのみ利用されて居ります。尚 Embalm とは ”香料を塗る(死体に)” という意味で、本来は ミイラを作る事を指して居ります。


   今回は以上です。





 

斎場と葬儀

 今回は斎場と葬儀に付いて書かせて頂きました。

 

 現在 横浜市が運営する火葬場は4ヶ所有り、緑区の北部斎場、西区の久保山斎場、戸塚区の戸塚斎場、金沢区の南部斎場です。それぞれ斎場と呼ばれて居りますが、斎場とは本来は神道の用語で、祭祀や儀式を行う場所を意味します。現代の日本に於いては 神道に拘らず、葬儀が行える施設を指す様に成りました。特に 公営の葬儀を行う施設には 斎場や聖苑の名称が用いられる様になって居ります。

 

 現在では葬儀の環境は従来に比較して、大きく変化しました。その中でも最大のものは 式場の場所です。 以前 葬儀は自宅で行う事が一般的でしたが、戦後の家の構造変化や車社会の発達などを基に、葬儀式場環境の快適化を求めて、自宅以外での葬儀施行の要望が高まり、多くの葬儀式場が建設される様になります。一つは葬儀社が経営する葬儀会館やホールであり、又 大都市に於ける寺院が経営する寺院会館です。更に 火葬場に葬儀式場を付設する要望も高まり、久保山斎場を除く3ヶ所の斎場では 葬儀式場が併設されて居ります。又 横浜市営斎場では 故人様が横浜市民であれば利用料は通夜・葬儀の2日間で5万円(北部斎場のみ8万円)と 非常に廉価で利用する事が可能です。但し 廉価がゆえに 斎場の予約が埋まり易く、葬儀を執り行えるまで数日待たなければならない場合も御座います。尚 神奈川区内の私営火葬場である 西寺尾火葬場にも 西寺尾斎場が併設されて居ります。

 

 尚 斎場には 葬儀式場だけでは無く、駐車設備、遺族控室、僧侶控室、会食室、仮眠設備なども整えられております。

 

   今回は以上です。

現代の葬儀

 今回は現代の葬儀に付いて書かせて頂きました。

 

 戦後 霊柩車の普及とともに葬列を組む事はほとんど姿を消し、葬儀・告別式を中心とする儀式に変化しました。更に核家族化から 親族が一堂に会す事も困難となり 通夜・葬儀・告別式・初七日の集中化が進みます、そして少子高齢化により儀式の小型化と個性化も顕著となって参りました。

 

 現代では 御家族や知人・友人の地域拡散が進み、お別れの儀式を短期間に集中して行う事が一般的となってまいりました。通夜と葬儀・告別式・ご火葬を2日間で行う事は当然の事で、初七日法要や精進落としもこの2日間の間に終えて、各地に帰る関係者の方々に迷惑をかけぬ様、便宜を図る事となります。当然の事ながらそれぞれの儀式も短縮された時間で執り行われます。例えば 横浜市営の式場をご利用された場合、通夜・お清めの席に利用出来る時間は 1時間半から2時間半の間であり、葬儀・告別式・お別れの時間は1時間となって居ります。更に ご火葬後の式場利用が出来ない為、初七日の法要も1時間の間で行う事を推奨して居ります。従いまして 1時間の中で 葬儀・告別式・初七日法要・お別れ・喪主ご挨拶を執り行い、ご火葬の間(1時間前後)にお斎の席を設ける形となります。

 

 また 会葬の方々は 会社を休んで参列しなければならない日中の告別式より、就業後に参列出来る通夜への参加が多くなりました。本来は近親者の方々による故人様との最後のお別れの場であった通夜の席は 現在 一般の方々の弔問の場ともなって居ります。従いまして お清めの席も 弔問の方の為のお清めと、近親者の為のお清めを分けて行う様に成りました。

 

 会葬者だけではなく、御家族もお忙しい この現代では ご葬儀の簡略化がより進められる 昨今の葬儀事情で御座います。

 

   今回は以上です。

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