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幽霊
地球上に於ける数万年に及ぶ人類の歴史の中で、古くより人は肉体と共に霊魂(れいこん)を持つと信じられて参りました。
そして、霊魂を慰める為の祭祀が数多く催されて居り、人の死後に営む葬送儀礼もその一つと言えます。
同時に、霊魂をもとにした超常現象(ちょうじょうげんしょう)が創造され、幽霊もその一つと考えられます。

1 幽霊とは
幽霊とは;
ー死者の霊が現れたもの
ー死者が常備つ出来ずに姿を現したもの
とした想像上の存在と定義されます。
日本に於ける幽霊は、古くは何かを告知したり要求する為に現れると考えられて居りました。
しかし、時代とともに変化して奈良時代には怨念(おんねん)、や怨恨(えんこん)をもとにした復讐(ふくしゅう)や執着(しゅうちゃく)のために現れると考えはじめ、
幽霊は凄惨(せいさん)なもの、という概念が定着しはじめました。
幽霊は、非業の死(ひごうのし)を遂げたり、この世に思いをを残したまま亡くなった者の霊であるとの考えから、
死者の望みや思い真摯(しんし)にきき、執着を解消して安心させればその姿を消すとされました。
日本古来の宗教である神道では鎮魂(ちんこん)、仏教では成仏(じょうぶつ)して頂くこととなります。
幽霊のお話としては;
平安時代の貴族菅原道真公の死後怨霊と鎮魂の為の天満天神、平家落ち武者の亡霊などが有名です。
日本の仏式葬送儀礼で営まれる願戻し(がんもどし)、死後の口寄せ(くちよせ)、施餓鬼供養(せがきくよう)などは
故人様が幽霊と化するのを防ぐ為の、成仏を整えるための儀礼と言えます。
現代日本の心霊学では、性質別に守護神、背後霊、自然霊、動物霊、腑幽霊、地縛霊などの分類が御座います。
2 御霊信仰(ごりょうしんこう)
御霊信仰とは奈良時代末期より盛んになった日本の信仰で、
人々を脅かす様な天災や疫病の発生は恨みを持って死んだり非業の死を遂げた人の怨霊のしわざと考え、これを鎮めて御霊とすることにより 祟りを免れ、平和と繁栄を祈願する事です。
平安京への遷都(794年)は皇太子の地位を廃され憤死した早良親王の怨霊が新皇太子の病気を引き起こしたとの占いにより行われました。
日本に於いて霊の考えは古くから有りました。
人が死ぬと魂が霊として肉体から離れるという考え方です。
縄文時代に見られる屈葬は、この考え方の一つとされます。
そして、この霊が人々に様々な災いをもたらすという考えが拡大し、政治的失脚者や、戦乱での敗者などの霊がその相手や敵に災いをもたらすとなり、
平安時代の陰陽師の活動と共に御霊信仰と成りました。
非業の死を遂げた人の霊は亡霊となり世に災いを成すが、
この亡霊を復位させたり、官位を贈り、その霊を鎮魂し、神として祀れば、亡霊は御霊となり 鎮護の神として平穏を与えるとされます。
記録されているもので最っとも古いものは、
775年に子供と共に憤死させられた井上内親王の祟りにより、その夫である光仁天皇や新しい皇太子が病に悩まされていると考えられ、
その死の二年後、井上内親王の墓は改葬され正式な御墓(天皇家の墓)となりました。
御霊信仰をもとにした鎮魂の為の儀式として宮中では御霊会が営まれました。
最初の確認出来る御霊会は863年5月20日に営まれました。
この御霊会では崇道天皇(早良内親王の皇子)、伊予親王、藤原大夫人(藤原吉子)、橘逸勢、文屋宮田麻呂、監察使(藤原仲成もしくは藤原広嗣)の6人が祭られました。

1)怨霊鎮魂(おんりょうちんこん)
平安時代に入ると貴族階級の中で陰陽師による”怨霊鎮魂”が盛んとなりました。
何か事有る度に”怨霊鎮魂”の為の御霊会(ごりょうえ)が営まれて居ります。
又、大宰府に左遷され非業の死を遂げた”菅原道真”の怨霊により、親王や天皇が崩御したとの占いから御霊会を営むと共に道真公の霊を北野天満宮にお祀りして霊の鎮魂を図りました。
その後、都市住民の間でも怨霊への信仰が広まり大規模な災害や疫病などは怨霊によるものと考えられて、怨霊を鎮魂する為の御霊会は民間でも営まれる様になりました。
御霊神社も各地に建立されるように成ります。
疫病を防ぐ為の御霊信仰で有名な祭としては、毎年7月1日から30日間営まれる、京都八坂神社の祇園祭(祇園御霊会)が御座います。
今回は以上です。
横浜、霊柩車
中世イギリスでは亡くなられた故人様のご遺体を墓地へ移送する際には馬車を利用し、この馬車は霊柩馬車(れいきゅうばしゃ)と呼ばれて居りました。
現代日本では故人様のご遺体をお柩にお納めし火葬場へお送りする車輛を霊柩車(れいきゅうしゃ)と呼んでおります。
1 横浜の霊柩車
現代日本国内では故人様のご遺体を自由に搬送する事は許されて居りません。
ご遺体の搬送には貨物自動車運送事業法に定められた”遺体の搬送を行う自動車”を利用する必要が御座います。
お柩搬送用の車両は霊柩車とも呼ばれ、お柩を葬儀式場から火葬場へ移動させる際などに使用される特殊用途自動車です。
又、ご遺体を病院からご自宅へ、あるいは葬儀式場へお移しする場合も遺体搬送用車両を利用する必要がございます。
ご遺体の搬送は国土交通省管轄の許可事業で、許可を得ていない自動車でのご遺体の搬送は出来ません(特別な場合を除き)。
従いまして霊柩車のナンバープレートは青色となり、形式としては宮型、洋型、バン型、バス型の4種類が御座います。
尚、俗言として”霊柩車を見たら、親の死に目に会えなくなるので、親指を隠せ”と言われます。
日本に於いて、古くは柩は人間により担がれて運ばれていましたが、明治時代に入り大八車に乗せて運ぶ様になり、
その後自動車が日本で作られる様になるとトラックの荷台に宗教的な装飾を施してその上に柩を乗せて運ぶ様になり、
昭和時代初期には米国よりパッカ-ドを改造した霊柩車が輸入されました。
現在、宮型霊柩車は後部に輿の様な形のデザインを施し、主としてご遺体を火葬場に搬送する為に用いられます。
宮型の他に洋型霊柩車と呼ばれる形式は、欧米式の霊柩車の架装を施した形のもので、普通の車と変わらず宮型よりもスマートで近代的と言われ広く使用される様に成りました。
宮型と同じくご遺体を火葬場に搬送する際に用いられます。
バン型霊柩車は特別な外装を施さない霊柩車で、通常は病院からご自宅への搬送に用いられますが、
遠隔地への搬送やご遺族のご希望で目立たぬ様に移送する際などに用いられる、多目的のご遺体移送車です。
バス型霊柩車は大型のバスを使用し、お柩を収めると共に火葬場への同行者も同乗できる霊柩車です。
2 霊柩車利用に必要な費用(横浜市内)
霊柩車の運賃体系は、運賃+緒料金+その他実費の合計金額となります。
霊柩車とは貨物自動車運送事業法に規定される遺体の搬送に使用する特殊用途自動車を言います。
そして、霊柩運送事業は国土交通省管轄の許可事業となって居り、許可のない車でご遺体を搬送し費用を請求する事は法律違反となります。
又、その基準料金は事前届け出制となって居ります。
霊柩車の型式は多きく分けて宮型、洋型、バン型、バス型の4種類が有ります。

霊柩車の利用費用は出発車庫より目的地までの運賃となり、その体系は運賃、諸費用、実費からなります。
運賃は、基本額、加算額、特別加算額を足したものが費用となります。
基本額は霊柩車の型式により費用は異なりますが、最初の10Km以内の運賃となります。
加算額は走行距離が10Kmを超える場合の運賃で、10Km単位で加算されます。
尚、ご遺体を届けた後の復路については費用請求はされません。
特別加算額は、深夜・早朝に於ける作業の割増費用です。
30分箪位で費用は加算されます。
諸費用は、特殊仕様車料金、遺骨宅送料、車両留置料等です。
実費は、有料自動車道使用料、フェリーボート使用料、駐車料金、依頼人の特別要請にもとずく作業実費などです。
今回は以上です。
葬儀に関する法律
日本国内に於きましては、お身内の方が不幸にして亡くなられた際には法律の定めに従いお見送りを営まなければなりません。
ご逝去の後は戸籍法に基づいて死亡届を提出し、墓地・埋葬に関する法律に基づいて火葬・埋葬を営み、民法に基づいて相続が行われます。
尚、生活保護を受給中の方は生活保護法に基づいて葬祭費用を受給する事が出来ます。

1 死亡届提出
日本国では戸籍法に基づいて死者に関わる然るべき方に死亡届の提出が義務付けられて居り、死亡日から7日以内に該当市区町村役所に届出なければなりません。
1)届出人
届け出は同居の親族、同居していない親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、公設所の長、後見人、補佐人、補助人、任意後見人
の中の何れかの方が行わなければ成りません。
2)死亡届の様式
故人様のご逝去後、担当医師より発行される死亡診断書(警察による検死が行われた場合は死体検案書)の用紙はA3の用紙で、
右半分が死亡診断書、左半分が死亡届の様式となって居り、左半分の死亡届に必要事項を記入して捺印の上、市区町村役所に提出します。
この際、死亡診断書本紙は死亡届と共に役所に提出されますので、後日の各種手続き用にコピーを取ってお手元に残したた後にオリジナルを提出して下さい。
3)届け出先
届け出る市区町村役所は、届出人の居住地、故人様のご逝去された地、故人様の本籍地、のいずれかと成ります。
4)死亡届提出に当って
死亡届が受理されますと、故人様の金融機関口座は原則として凍結されますので、必要金銭の払い出しは届け出前に行う必要が御座います。
口座の解放は遺産相続合意書の提示により行われます。
死亡届の提出と共に死体火葬・埋葬許可申請書を提出し、火葬・埋葬許可証の交付を受けます。
火葬・埋葬許可証は故人様のご遺体火葬の際に必要と成ります。
そして、ご火葬終了後に火葬場より埋葬許可証を受取り、ご納骨が可能となります。
尚、以上の手続きは全てひかりの杜にて手続き代行をさせて頂きます。
1 ご遺体の火葬・埋葬
ご逝去された故人様のご遺体を火葬・埋葬する為には”墓地・埋葬に関する法律”の下で執り行わなければ成りません。
1)死体火埋葬許可証の取得
死体火埋葬許可証とはご遺体を埋葬(土葬)あるいは火葬を許可する証で、埋葬・火葬の前に取得して置かなければ成りません。
(現在横浜市内での土葬は認められて居りません)
許可証の発行は死亡届を受理した市区町村役所が行います。
死亡届と共に死体火埋葬許可申請書を役所に提出し、許可証を受取ります。
申請書には、死亡者の本籍、住所、氏名、性別、出生年月日、死因(一般感染症かそうで無いか)、死亡年月日時、死亡場所、火葬場所あるいは埋葬場所、
申請者の住所・氏名・続柄の情報と押印(シャチハタは不可)が必要と成ります。
死体火埋葬許可証が無いとご遺体を埋葬(土葬)、或いは火葬する事が出来ません。
この許可証は発行した市区町村だけでなく、全国共通で有効となります。
尚、ご遺体は原則としてご逝去後24時間以内には埋葬・火葬を行う事が出来ません。
但し、法定伝染病により亡くなられた場合はこの限りでは有りません。
横浜市内では原則として土葬が認められて居りませんので、全て火葬となります。

2)火葬
横浜市内には市営火葬場として、横浜市北部斎場(緑区)、横浜市久保山斎場(西区)、横浜市戸塚斎場(戸塚区)、横浜市南部斎場(金沢区)、
私営火葬場として西寺尾斎場が御座います。
其々の火葬炉ご利用費用は;
1 横浜市営火葬場; 横浜市民-12,000円、市外-50,000円。
2 西寺尾火葬場; 63,000円(市内、市外共に)。
ご火葬が終り、ご遺骨をお骨壺に納めた後埋葬証明書が発給されます。
埋葬証明書はご遺骨を埋蔵(お墓に納める事)、収蔵(納骨堂に納める事)の際に管理者に提出しなければならない重要な書類ですので、お骨壺と共に大切に保管して下さい。
尚、分骨をされる場合は、別途分骨証明書が必要となりますので、ご火葬の前に火葬場へ申請する必要が御座います。
分骨証明書の発行手数料は横浜市営斎場の場合300円となります。
以上の手続はひかりの杜にて代行して居ります。

3)埋葬
埋葬とは、故人様のご遺体を土の中に埋める事(土葬)を指しますが、広義にはご火葬後のご遺骨を墓地や納骨堂等にお納めする事も意味するようになりました。
現在の日本に於いては多くの場合火葬が前提となって居りご遺体を埋葬する事はほとんど無くなりました。
特に横浜等の大都市では衛生上の観点からも土葬が禁止されて居ります。
ご遺骨を埋葬する時期と致しましては、仏教であれば四十九日法要後の忌明けに、神道であれば忌明けの五十日祭に合わせて、
キリスト教では1ヶ月後追悼ミサに合わせて埋葬(納骨)するのが一般的です。
ご遺骨は、御骨壺に納められている場合ご遺骨はほとんど風化しませんが、そのまま土壌に埋葬されたご遺骨は年と共に風化し、土に還ると言われます。
土壌の種類によって差異がありますが、大体30年でご遺骨は土に還るとされて居ります。
尚、日本では、墓地埋葬法により墓地以外の場所、例えば自宅の庭などに埋葬する事は出来ません。
違反をすると死体遺棄罪として罰せられる事が有ります。

4)散骨
散骨とは、故人様のご遺体を火葬した後に、その焼骨を粉末状にして空、海、山中などに撒いて冥福を祈る葬送方式を言います。
ご遺骨の埋葬に関しましては”墓地、埋葬に関する法律”(墓埋法)によりその処理の仕方が定められて居り、その定めに従わない場合は刑法190条の規定に従い
死体(遺骨)遺棄罪に問われる事となります。
法務省の現在の見解では”散骨が節度をもって行われる限りは違法性はない”と述べられて居ります。
お墓を継ぐ方がいない、高額な墓碑建設費用は負担出来ない、死後は思い出の場所で自然の中に還りたい、などの理由から散骨をご希望される方も増えつつあります。
散骨は、”節度をもって行われる”のであれば違法では有りませんが、散骨するご遺族が増えると共に、住民とのトラブルが発生するケースも有り、
自治体によりましては禁止する条例を制定しているケースも御座いますので注意が必要です。
散骨をされる前にお手伝いする葬儀社に確認される事をお薦め致します。
散骨をされるに当たりましては特別な手続きや書類は必要と致しません。
空、海、山への散骨の他に、周囲の了解が得られるのであればご自宅の庭に散骨する可能性もあります。
横浜市周辺での散骨と致しましては東京湾や相模湾での海上散骨をお手伝いするケースが一般的です。
散骨に当りましたは散骨後の供養の仕方に付いてもお考え頂く必要が御座います。
ご遺灰を全て散骨してお墓を建てない場合には、その後の供養をどの様に行うのか、又ご遺族は墓参の代りにどの様な形で故人様を偲ぶのか、なども考えておく必要が御座います。
ご遺骨の一部を取り置いて小さなお骨壺に御納めし、ご自宅で供養する等の方法も御座います。
3 ひかりの杜生活保護葬
横浜市内で生活保護を受給されて居られる方が亡くなられた場合、その方のご葬儀を営むにあたり葬祭補助金が支給されます。
ー補助対象の費用は葬祭費用(定額)、ご遺体搬送費用、ご遺体保全費用、死亡診断書発行費用の4項目です。
ー”ひかりの杜生活保護葬”では前記の費用の範囲内でご遺体をお預かりし、ご遺体を荼毘に付す形の”直葬”を営む事が可能です。
ご遺族様もしくは医療法人様が費用を負担する必要は御座いません。
ーその手続きは故人様の死亡診断書をお預かりし、該当区役所に同行して頂き担当ケースワーカー殿に紹介して頂けば、以降の全てをひかりの杜で対応させて頂きます。
ー又身寄りの方が居られない、ご遺骨を納める設備を持たない、等のケースでは
ケースワーカー殿に相談すれば定期間ご遺骨を保管したり横浜市営の共同墓地に埋葬してもらう事も可能となっております。
今回は以上です。
遺言(ゆいごん、いごん)
故人様がご自分の死後に付いて生前に残された言葉や文書を遺言(ゆいごん)とと言います。
内容や形式にとらわれず、生前に示された故人様の遺志は全て遺言と認定されます。
尚、法律で効力が認定された故人様の遺言は法律上、最上位の決定事項と成ります。

1 遺言とは
遺言とは、一般的には故人様が自らの死後のために残した言葉や文章を指しますが、
死後の法律関係を定める為の最終意思の表示とする為には民法に定める方式に従い文書として残さなければ成りません。
出来れば公証役場に公正証書として残されることがベストです。

1)遺言による相続
最近はご遺産の多寡に係わらず相続でトラブルになるケースが増えて居ります。
遺産相続の方法としては、遺言による相続、相続人全員による分割協議の決果を基にした相続、
民法に定められた相続人の範囲で相続分に従って相続する法定相続がありますが
ご自分の財産をどの様に相続させたいのかお決まりでしたら無用の混乱を避ける為には遺言書を作成される様お薦めいたします。
相続には、”遺言による相続は法定相続に優先する” という大原則があります。
遺言書が残されていて、それが法的に有効であれば相続はご遺言の通りに行われます。
相続争いを防ぎ、相続を円滑に進めさせるためにも遺言書作成は有効な手段となります。
特に遺言を残しておいた方が良い場合とは;
ーお子様が居ないご夫婦、
ー内縁関係の相手に財産を譲りたい場合、
ー相続関係が複雑な場合、
ー認知したお子様をお持ちの場合、
ー認知していないお子様がいる場合、
ー相続人がいない場合、
ー相続権の無い人に財産を譲りたい場合、
ー家業の後継者を指定したい場合などです。
遺言書を作成しておけば、内縁の妻、息子の嫁、世話になった団体など本来は相続権を持たない人や団体にも財産を譲る事が出来ます。
又、遺言では子の認知など血縁者の身分についても本人の最終意思を明確にする事が出来ます。
遺言書は満15歳以上であればだれでも遺言する事が出来ますが、法律上の効力を持たせる為には法律で定められて方式にのっとって作成しなければ成りません。
不備があれば無効となってしまいますので注意が必要です。
尚、夫婦で1通の遺言書を作成するなど、連名による遺言は禁止されて居ります。

2 遺言書
遺言書とは日本国民法に定められた方式に従い、ご自分の死後の法律関係を定める為の最終意思の表示を文書により示したものです。
遺言書に書いたご遺言はご自分の意思を社会に伝える最後の手段です。
遺言書の主要な部分はご遺産の相続方法と成ります。
ご遺産の相続方法には、遺言による相続、民法によって定められた相続人の範囲で相続分に従って相続する法定相続、
そして相続人全員による分割協議に基ずく相続の三っの方法が有ります。
民法に定められた相続人の順位や相続分の規定は一般的な目安であり、
相続人それぞれの家庭の事情や人間関係によっては民法に定められた相続分による分割は必ずしも相応しいとは言えません。
最近では遺産の多寡に係わらずトラブルとなるケースも多く見られます。
この様な事が起こらぬ様 ”遺言による相続は法定相続に優先する” という大原則にもとずいた遺言書を用意され、
ご自分の意思を明確に示すと共に相続争いを防ぎ、相続が円滑に進める様されては如何でしょうか。

遺言書を作成しておけば、相続権に拘らずどなたへも、個人・団体に係わらず財産を譲る事が出来ます。
又、遺言では、子の認知等血縁者の身分に付いてもご自分の最終意思を明確にすることが出来ます。
ご遺言は15歳以上であれば誰でも出来ますが、法律上の効力を持たせる為には法律で定められた方式に従った遺言書にしなければ成りません。
方式が正しくない場合は無効と成りますのでご注意下さい、そしてご夫婦で一通の遺言書を作成する等、連名による遺言は禁止されて居ります。
ご遺言書を残された方が良いケースは以下の通りです;
ーお子様がいないご夫婦、
ー内縁関係の相手に遺産を譲りたい場合、
ー相続関係が複雑なご家族、
ー認知したいお子様をお持ちの場合(胎児を含む)、
ー相続人がいない場合、
ー相続権の無い人に譲る場合、
ー家業の後継者を指定したい場合。
尚、遺産相続はプラスの財産と共にマイナス財産も相続する必要が有ります。

1)遺言書の方式
遺言の効力を有効にする為には、民法に定められた方式に従って作成された遺言書でなければ成りますん。
遺言書の方式には大きく分けて普通方式と特別方式があります。
一般的には普通方式で遺言書は作成される事となります。
そして、普通方式には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類が有り、特別方式には危急時遺言(臨終遺言)、と隔絶地遺言の2種類が御座います。
ー自筆証書遺言とは、全文が自筆で記載された遺言書の方式で何時でも、何処ででも作成する事が出来ますが
内容や書き方によっては法的に有効とされない場合が御座いますので、作成される前に様式をご確認下さい。
ー公正証書遺言は、公証役場で作成、登録される遺言書で、
遺言者が口述する内容を公証人が文書に作成し、2名以上の証人の下に登録される遺言書で、法律的には最っとも確実な遺言書となります。
但し、作成費用は必要とされます(手数料は遺言書に記載された遺産の価額により異なります)。
ー秘密証書遺言は、ご自分で作成した遺言書を公証役場で本人が作成した遺言書であると証明して貰うものです。
遺言書の内容は秘密にしたまま、2名以上の証人の下、遺言書の存在のみを公証役場に登録します。
登録の費用は必要となります(手数料は11,000円)。
ー危急時遺言とは、症病や事故などにより死亡の危急に迫られた方が3名以上の証人立会いの下、口述された内容を文書にして遺言と定める遺言書です。
ー隔絶地遺言とは、感染症病棟や航海中の船舶など遺言者が一般社会とは隔絶された場所に居る為、普通方式の遺言が出来ない場合に認められる遺言書です。
遺言書の作成に当っては、警察官(船舶の場合は船長又は事務員)1名、証人1名の立会い、署名が必要です。
尚、特別方式の遺言書は遺言書が作成された後に、その状況が変化して普通方式の遺言が作成可能になった時、又は6ヶ月以上経過して生存している場合には無効となります。
今回は以上です。
無縁仏
無縁仏とは亡くなられて後、そのご逝去を弔う縁者をお持ちでない故人様をさして言います。
近年では各種のご事情から、単身のご家庭も多くなり無縁仏となられる方も多くみられます。
横浜市ではこの様な無縁仏様の為に横浜市営久保山霊苑内に共同墓地を設けて埋葬し、その供養を営んで居ります。

1 現代横浜の家族・終活事情
単身家庭の増加
昨今の社会情勢では、核家族化・少子化・男女差別解消(男女雇用平等化)等が進捗する中で
多くの方々が終活をお考えになる際、御自身御一人で検討しなければならないケースも多くなりました。
その理由は、生涯独身、結婚はしたが離婚した、熟年離婚、配偶者に先立たれた、その他等多岐に渡ります。
1)単身家庭(生涯独身)
-生涯独身とは
生涯独身(50歳まで結婚をしなかった)の方は、1965年(昭和40年)には男性1.5%、女性2.6%(人口比)でしたが、
2010年(平成22年)では男性20.1%、女性10.6%と大きく増加しており、2020年には男性26.6%、女性18.9と 更に増加すると想定されて居ります。
-生涯独身の理由
生涯独身の方々には、一生独身で居たいと考える方も居れば、結婚したくても何らかの理由で出来なかった方など様々ですが、その生活は覚悟さえあればそれ程難しい事では有りません。
-生涯独身の方が気を付けなければならない事
その独身生活には多くのメリットとディメリットが御座います。
但し、気を付けなければならない事は老後の生活資金と死後の必要費用を確保しておく事です。
平均寿命を90歳とした時、60歳から90歳までの老後に必要な資金は夫婦2人で8000万円と言われます。
生涯独身の方はこの半分4000万円+アルファ(病気への備え、介護費用、後見人費用等)を退職金・年金を含めて計算し、不足分を用意しなければ成りません。
又、葬儀費用は控え目に行うのであれば100万円、お墓の費用は室内の永代供養墓を前提とすれば100万円前後を別途用意する必要が御座います。

2)生涯独身のメリット(男性)
生涯独身を選ばれた男性の特徴やメリットとしては時間が自由に使える、お金が自由に使える、恋愛に縛られない、家庭に縛られない等があります。
-時間が自由に使える、という事は御自身のプライベートな時間は自分で管理する事が出来、自分がしたい事を したい時に 誰にも邪魔されずする事が出来ます。
自分の想う様に行動できるのが最大のメリットです。
-家庭を家庭を家庭を持てばご自分の収入は自分を含めた家族全員の為に使用されます。
生涯独身であれば収入は全て自分自身の為に使用しても誰にも文句を言われる事はありません。
-恋愛に縛られないとは、結婚をすれば原則として恋愛は出来ません。
結婚後に魅力的な女性に出会った場合、その女性との恋をあきらめるか、不倫をするかの二者択一となります。
人に隠れて不倫をするよりは何時でも好きな様に恋愛をしたい男性は生涯独身を選択する事と成ります。
但し、御自身が年を取り周囲の女性から相手にされなくなった際にもこの選択を後悔しないか?は良く考えなければ成りません。
-生涯独身のメリットとして家庭に縛られないがあります。
どの様な形にしろ結婚をした後は家庭に縛られる事と成ります。
家庭を持つ事により安心感を得て、自分磨きを怠る男性の方が多くみられます。

3)生涯独身女性の特徴・メリット
生涯独身を選択する女性の特徴やメリットとしては、仕事に対する能力が高い、人を余り信用しない、派手な交際関係、一人で生活するに十分な収入(貯蓄)がある等があります。
ー生涯独身を選ぶ、或いは選ばざる得ない女性の方は仕事に対する能力の高い方が多く見られます。
常にスキルを向上させ、自信を持って仕事をこなす女性は仕事が楽しく、仕事を生きがいとする為、結婚を意識する機会が減り、いつの間にか歳を取ってしまったと言う方です。
ー人を余り信用できない女性も生涯独身の方の中に多く見られます。
過去の何等かの出来事によりトラウマとなって男性不信や人間不信に陥いった結果、恋愛が思う様に出来ない方です。
ー交友関係が派手な女性は多くの男性から遊び相手としては見られても、結婚の対象としては見られない事が多々あります。
この誤解から結婚したくても出来ないという状況が推移し、婚期を逸するという形です。
但し、この形の女性は結婚出来なくとも周りに多くの友人が居られますので寂しい思いをする事はありません。
一人で生活するのに十分な収入が有る女性は男性と同様にあえて結婚をして制限を受けたくないと考える方です。
4)生涯独身の覚悟
生涯独身を決めた方は幾つかの事を覚悟しなければ成りません。
ーその一つは子供を持てない事です。
子供を持たない事は子孫の繁栄につながらず、ご両親に孫を抱かせる事が出来ない事でも有ります。
日本では古くからご両親に孫を抱かせる事は親孝行の第一とされて居りました。
生涯独身の方は別の親孝行を考えなければ成りません。
ー二番目は病気や怪我で倒れても助けてくれる家族は居ないと言う事です。
どの様な状態に陥っても自分自身の力で解決する覚悟が必要と成ります。
生涯独身の方は老後の心配も若い内から準備を行い、
生涯自己解決の前提を覚悟して努力し続ける事が必要です。
ー三番目は世間一般、結婚するのが当たり前と考える近親者や世間の中で肩身の狭い思いをする事と成りますが、耐えねばなりません。
2 無縁仏のお見送り
ご近所の血縁をお持ちでない単身家庭の方が亡くなり、ご近所のよしみで最期を看取られた場合は居住されている区役所にご相談下さい。
区役所ではご遺体火葬の為の必要費用を負担し遺骨埋葬の為の共同墓地を用意してくれます。
1)火葬儀
無縁仏ご遺体の火葬は一般には直葬と呼ばれる葬儀形式で、通夜式・葬儀式は行わずにご火葬のみを執り行う形式です。
その内訳は;
- ご連絡を受けて、ご遺体を病院若しくはご自宅からひかりの杜遺体安置所に移送し、ご遺体に保全処置を施して安置します。
- 特別な場合を除き死亡後24時間は法律により火葬が出来ませんので、ご遺体は1日以上遺体安置所に安置される事となります。
- ご火葬の予定に合わせてご遺体を柩に納め、火葬場に向け出棺します。
- 火葬場到着後、お柩は火葬炉に移され、荼毘に付されます。
- ご火葬終了後、参列者の手で拾骨を行いお骨壺に焼骨を全て納めます。
- お骨壺を区役所指定の場所に届けて終了となります。
以上の費用は全て区役所の負担と成ります。
2)ご遺骨の埋葬
無縁仏となられた故人様のご遺骨は区役所が指定する葬儀社で保管され、
市役所の計画に基ずいて、横浜市営久保山霊苑内、無縁仏共同墓地に埋葬されます。
尚、埋葬の予定は公表されて居りませんので、埋葬に立ち会う事は出来ません。
今回は以上です。
正月、参拝
正月に神社・仏閣(じんじゃ・ぶっかく)を訪れて、過去の一年間に感謝し、今年一年間の平穏(へいおん)を祈念する行いは、
初詣(はつもうで)と呼ばれて古くより日本の文化として定着して参りました。
そして、初詣は家族・一族の安寧(あんねい)を祈念する祭事ですので、過去一年の間にご家族を亡くされた方は喪中として、お参りを控えるべきとされて居ります。
更に、新型コロナウイルス拡散中の昨今では神社・仏閣でも三密を避ける為の各種規制が設けられる事と成りました。

1 初詣
初詣は初参り(はつまいり)とも呼ばれる日本古来の文化で、正月に新年の無事と平安を祈念して行う神社・仏閣へのお参りです。
神社や寺院に参拝して安寧を祈念し、社務所でお守り・破魔矢などを受け、絵馬に願い事や目標を書いて成就を祈念し、これからの一年がよい年であることを祈ります。
そして、境内(けいだい)で振舞われる甘酒やお神酒などを頂きます。
尚、前年のお守りや破魔矢などはこの時に持参して神社・仏閣に返納して焼いてもらいます。
日本では古来より家長は大晦日の夜から元日の朝にかけて氏神神社に籠(こもる)って一族の安寧を祈願する習慣が御座いました。
それが、大晦日夜の除夜詣でと元日朝の元日詣での二つに分かれ、元日詣でが初詣での原形になったといわれます。
初詣が広まるきっかけとなったのは、1182年(治承5年)の源頼朝による鶴岡八幡宮への初詣とされて居ります。
2 喪中のお正月
1)喪中とは
喪中とは日本古来の神道と仏教が融合して創り上げられ永らく伝承されてきた日本文化の習俗で、
天皇陛下の崩御、然るべき立場の方のご逝去、近親者が亡くなった場合に一定の期間、死を悼(いた)み、身を慎むことを言います。
「忌服(きふく)」、「服喪(ふくも)」とも言います。
古くは、門戸を閉じ、酒肉を断ち、弔(ちょう)せず、賀(が)せず、音曲をなさず、嫁とりをせず、財を分かたずというようなしきたりが暮らしの中に 息づいて、
それが今日も、部分的に受け継がれて居ります。
特に忌服期間中は、故人の冥福を祈り、行動を慎みます。晴れがましいことや派手な行動は慎みます。
門や玄関の正月飾り(注連縄、門松など)、鏡餅等の飾り付けや正月料理、お屠蘇でのお祝いは致しません。
年始まわりや神社、仏閣への初詣も控えるのが一般的です。
喪には2等親以内の方、及び同居のご家族のご逝去を対象として服します。
その期間は一周忌法要を営むまでの1年間が一般的です。

2)喪中の正月の心得
ーおせち料理
基本的に喪中(忌中期間を含む)の間は、新年をお祝いする料理であるおせちは食べない方がベターです。
ただし、四十九日法要が終わって忌明けになっていれば、食べても構わないというのが現代の一般的な認識になっています。
喪中におせちを食べる際には、故人に配慮して気をつけたいポイントがいくつか存在します。
まずお祝いを意味する紅白の食べ物や鯛、伊勢海老などは避けるようにしましょう。
喪中のおせちにはかまぼこや黒豆、栗きんとんなどを中心にしたものを用意するのが一般的です。
おめでたさを演出する重箱を使わずにお皿に盛る、お酒は控える、お祝い箸は使わないなど食事中のマナーにも気を配りましょう。

ー年越しそば
年越しそばの由来には諸説ありますが「長いものを食べて健康と長寿を願う」「1年間の厄を切り落とす」という意味合いで食べるものとされています。
新年を迎えるお祝い的な意味は含まれていないので、喪中でも気にせず食べて問題ないと言えます。
但しお祝い事を連想させる食材を入れるのは避けた方が良いでしょう。
ー
親戚同士の集まりは
新型コロナウィルス慢延の中では避けるべきですが、通常は以下の通りです;
正月には親戚同士が集まって新年の挨拶を交わしたり、久しぶりの再会を楽しむ場が設けられるケースが多いでしょう。
親戚の集まりには「自分が相手の家を訪問する場合」と「自分の家に親戚が集まる場合」の2通りが考えられます。
自分の親族が亡くなった後の正月に配偶者の家を訪問するケースでは、特に気にする事はありません。
配偶者側の親族が亡くなっている場合には、相手方の意向に従いましょう。
一方で喪中である自分の家に親戚を招く場合には「集まりの趣旨」に注意しておきたいところです。
親戚を招いて「新年をお祝いする」のではなく「旧年中に亡くなってしまった故人を偲ぶ会」であるという旨を親戚にそれとなく伝えていきましょう。
ー新年のあいさつ
普段の正月であれば「あけましておめでとうございます」の挨拶から話が始まるところでしょう。
しかし喪中の場合は祝い事は厳禁なので「おめでとう」という言葉は使えません。
自分が喪中だと知らない相手がかけて来た新年の挨拶につられてしまいがちなので気をつけましょう。
喪中の場合は自分から「おめでとうございます」などのお祝い言葉を使わなければ問題ありません。
この場合は「昨年はお世話になりました。本年もよろしくお願いします」といった具合に、それとなくお祝い言葉を避けた挨拶を使用しましょう。

ー年賀状が届いたとき
通常、身内に不幸が起きてしまった場合には交友関係のある家に「喪中ハガキ」を送付してその旨を伝えます。
基本的に喪中ハガキが届いた相手からは、次の正月に年賀状が届く事はありません。
しかし身内の不幸後は何かとバタバタするもので、うっかり喪中ハガキを出し忘れたり相手方の住所が変わっていたりで喪中ハガキが届いていない相手が居ることも珍しくないです。
この場合は当然相手は喪中である事を知らずに年賀状を書いてくれるでしょう。
また、年末近くに喪中ハガキを送った場合には行き違いで年賀状が届いてしまうケースも考えられます。
こうした喪中の間に年賀状が届いてしまった場合には、「寒中見舞い」という手紙を用いて対応しましょう。
元来寒中見舞いは1月5日頃から2月4日頃にかけて送る挨拶状でしたが、喪中における年賀状の代用品としても利用されています。
寒中見舞いを送る場合には、松の内(1月7日)と呼ばれる期間が終わってから出すようにしましょう。
これは松の内に届く手紙の事を総じて「年賀状」と呼ぶので、年賀状と寒中見舞いをハッキリと区別しておく為です。
また、寒中見舞いに用いる文章は
「丁寧な新年のご挨拶を頂き恐縮です。ご挨拶が遅れて申し訳ありませんが、本年は喪中の為新年のご挨拶を控えさせて頂きます。今年もよろしくお願い致します。」などが良いでしょう。
「せっかく年賀状をくれた相手へのお礼」「返事が遅れたお詫び」「喪中である事の連絡」がポイントとして挙げられます。
今回は以上です。
墓じまい
故郷にお墓をお持ちですが、故郷を離れて長い時間が過ぎ、遠方でお墓詣りできる機会もなく、お墓を守るご親戚もおられなくなったご家庭も多くなりました。
この様な場合”墓じまい”を行い墓地を閉じる事が出来ます。
但し、墓じまいにより掘り出された全てのご遺骨は別の場所・方法でご供養されなければなりません。

1 墓じまい
墓じまいとは、現在お持ちになっているお墓を解体・徹去して埋葬されているご遺骨を回収して更地に戻し、お持ちの使用権を霊苑の管理者に返却する事です。
回収されたご遺骨の全ては別の霊苑にお墓を設けて埋葬するか(改葬と言います)、別の方法でご供養する必要が御座います。
1)お墓の改葬
お墓の改葬とは、ご遺骨を今まで埋葬していた墓所から新しい墓所へ埋葬し直す事を言います。
先祖代々のお墓が郷里にあるが、今後の事を考えるとご家族がお墓参りしやすいご自宅近くにお墓を移したいとお考えでしたら、
郷里のお墓を閉めて新しいお墓に改葬しなければ成りません。
改葬を行う為には現在のお墓の管理者から移転(改葬)の許可を得た上で、お墓の所在する市区町村役所から改葬許可証を取得しなければ成りません。
先祖代々のお墓が郷里にあるが、お墓の周りにお守りする親戚も居なくなり、現在のお住いの近くにお墓を移したいと考える、団塊世代の方々が多く居られる様になりました。
お墓を移す為には、まず、新しい墓所を求めなければ成りません。
その上で、現在の墓所の管理者からお墓移転(改葬)の許可を得ます。
現在の墓所が公営墓地、私営墓地の場合は、霊苑管理事務所に問い合せて手続きを進めます。
寺院墓地にある場合は、ご住職に改葬を届け出ます。
一般的に寺院では改葬を快く思いません、
それは、ご遺骨を移すと言う事は檀家を離れる事に成るからです。
そのため改葬の了解を寺院から得る為に多少の時間が必要とされる場合も御座います。
丁寧に事情を説明して承諾を得る様にします。
又、墓所の近くに親戚が住んで居られる場合にはその後のお付き合いに支障が出ぬ様、前もって説明して於く事も大切です。
いずれにしても、墓じまいの手続きは業者に代行を依頼して出来る事では有りません。
ご自身で真摯に事情を説明して関連各位の了解を取り付ける事が必要と成ります。

2 ご遺骨の供養
故郷のお墓から回収されたご先祖のご遺骨は;
ーご自宅近くにご用意された墓地に埋葬する。
ー樹木葬での埋葬
ー散骨
などの方法により供養される必要が御座います。

1)墓地の購入
墓地を新規に購入される場合は、経営形態により寺院墓地、公営墓地、民営墓地が有ります。
寺院墓地は原則として檀家である必要が有りますが、最近では檀家で無くとも購入出来るケースが増えて来ました。
公営墓地は原則としてご遺骨が無いと申込み出来ません。
民営墓地の場合は余り制限も無く生前に購入する事が可能です。
墓地を購入する場合は、場所、景観、陽当り等が優先されがちですが、お参りされるご家族の事をお考え頂き交通の便、周囲の環境、休憩施設の設備等も確認が必要です。
更に墓地の使用規定、管理料などの支払い方法、墓石の大きさや形状の規定、永代使用権の譲渡の可否なども確認すると良いでしょう。
墓地の購入は、不動産の様な所有権の購入ではなく、永久に使用する権利の購入です。
購入に当りましては、永代使用料と毎年の管理費、そして墓石の建立費用が掛りますので、ご予算を立てる場合はご考慮下さい。

2)樹木葬墓地の購入
-樹木葬とは
日本に於ける樹木葬とは“墓地、埋葬に関する法律”に基き、
都道府県知事より認可された墓地の地中にご遺骨を埋蔵し墓石の代りに樹木を墓標とする埋葬の形で、樹木墓地 樹林墓地などとも呼ばれます。
-東京・横浜の樹木葬公営墓地
公営霊園の樹木葬墓地としては2012年に開設された東京都の小平霊園 樹林墓地が有名です。
又、横浜市営ではメモリアルグリーン(戸塚区)の合葬式樹木墓地が提供されて居り、横浜市内でも私営樹木葬墓地が多数 提供され始めて居ります。
-継承を前提としない樹木葬
現代の日本に於ける高齢化率は既に25%を超え、家族構成も単身所帯が30%を超える中で、従来の家族制度を基にした 先祖代々の墓制度を継承する事は困難な環境となりました。
この様な環境下では継承を前提としない樹木葬は注目に値するお墓と言えます。
墓石も必要とせず、特定区画を必要としない合同埋蔵であれば、必要とされる費用も限られたものと成ります。
-樹木葬墓地でのご遺骨埋蔵
ご遺骨埋蔵の形態としては
- 画の永代使用権を得てお骨壺を埋蔵し、その墓標として植樹する形、
- 樹木墓地の中の指定場所にお骨壺を埋蔵する形、
- 樹林墓地の特定場所にご遺骨を合同埋蔵する形、
- 樹木墓地の指定場所にご遺骨を砕骨して最小化し埋蔵する形、などが有ります。
東京都営の小平霊園では②と③が提供されて居ります。
横浜市営のメモリアルグリーン(戸塚)では③の合葬式樹木墓地が提供されて居ります。
又、多くの私営霊園が樹木葬墓地を提供して居りますが大多数は④の形態となります。
面白い形態としては、散骨樹木葬と呼ばれ、島根県壱岐郡海士町に属する無人島カズラ島は島全体が霊園として登録され、この島の樹林に有料で散骨する事が可能となって居ります。

3)散骨
-散骨とは
散骨とは、葬送方法の一つでご火葬した後の焼骨を粉末状にした上で、山中、海、空、宇宙などへ撒く形の葬送です。
死後には山や海等の自然の中に帰りたいという故人様のご希望や、お墓を守る方が居ない、などの理由から選ばれます。
-散骨の規則
葬送方法を規定した”墓地、埋葬等に関する法律”では、焼骨の墳墓への埋蔵や、納骨堂に収蔵する為の手続きに付いて定められて居りますが、
これら以外の方法に付いては特段の規定は無い為、法律上は散骨をする事が可能です。
但し、私有地、水源地周辺、漁場・養殖場の周辺は避けるべきかと考えます。
散骨は、法務省の”節度をもって行われる限りは違法性はない”と言う見解により認められて居ります。
この”節度をもって”とは、焼骨をそのままでは無く粉末状(焼灰と同程度)にして原型を無くす事、そして周辺住民から苦情の出ない場所に散布する事が求められます。
尚、北海道長沼町では条例により散骨は認められて居りません。
又、北海道七飯町、長野県諏訪市、北海道岩見沢市、埼玉県秩父市では散骨は条件付きとなって居りますのでご注意下さい。
神奈川県御殿場市は現在検討中です。
-海外での散骨
海外では、アメリカ・ハワイ州等で散骨に関する法律が有り、法律に反して散骨を行うと、多額の罰金が科せられますので、良くご確認下さい。
又、反対にブータンなどでは宗教上の理由から墳墓を作りませんので、散骨が原則となって居ります。
キリスト教では、カトリックは教会に埋葬する事を前提として居りますので、ご自宅での保管や散骨には否定的です。
プロテスタントでは多くの教派で散骨を許容して居ります。
-散骨の手続き
日本に於いて散骨を行うに当たりましては、特に必要な書類や届け出は有りません。
ご希望の場所で、ご希望の時に 散骨を行うことが可能ですが、”節度をもって”の制約から、間業者に希望を伝えてプランを作り、行うのが一般的です。
当社・ひかりの杜でも、海上、航空、宇宙での散骨をお手伝いさせて頂いて居ります。
今回は以上です。
今回は以上です。
分骨
現代の日本に於きましては多くの市区町村でご遺体をそのまま埋葬する土葬は衛生上問題等により認められて居りません。
従いまして、特定の宗教を信仰する方以外のご遺体は火葬のうえでご遺骨を埋葬する形態が一般的と成ります。
又、核家族化などから故人様の焼骨を分けて保管される、分骨希望のご遺族も多くなって居ります。

1 ご火葬
火葬とは故人様のご遺体を焼却して、ご遺体の安定化を図ると共に、仏教に於いて荼毘(だび)に付すとよばれる葬送の儀礼の一つとして営まれます。
1)火葬の歴史
現代の日本に於きまして、ご遺体の火葬はごく一般的な葬法で、特別な事例を除いてほぼ100%の故人様が焼骨となって埋葬されて居ります。
日本で火葬が始まった時期ははっきりしませんが、日本国内各地の縄文時代の遺跡からも、時々火葬骨が出土される事から、古くより特定の人に限り火葬が行われていた事が伺われます。
とは言え、ご遺体の火葬が葬法の一つとして確立されるのは仏教の伝来によるとされるのが通説となって居ります。
仏教は西暦538年(552年説もあります)
百済の聖王により日本に伝えられました。
仏教の起源でありますインドでは古来よりヒンズー教で死者のご遺体を荼毘に付して焼骨とし、そのご遺骨を大河に流す事が基本とされて居りました。
ヒンズー教から派生した仏教に於いても、始祖である釈尊(お釈迦様)のご遺体が荼毘に付された事から仏教の葬法の基本は火葬として居ります。
日本に於ける最初の仏式火葬は西暦700年に営まれた飛鳥寺の僧侶道紹のご火葬が初めての火葬と言われて居ります。
そして、人工的にご遺体を焼却する葬法は、”白骨化は成仏の徴(しるし)”とする仏教による火葬の意味付けをもとにして、日本人の社会に浸透して行く事と成りました。
”続日本記”によれば、前述のとおり日本で最初に火葬された人は、文武天皇4年(700年)に火葬された僧道紹であります。
また最初に火葬された天皇家は、大宝2年(西暦702年)に崩御され、殯(もがり)の儀礼を終え、大宝3年に荼毘に付された持統天皇とされます。
又、当時は兵士の火葬も法律によって定められており、大宝元年編纂の『大宝律令』には、”行軍中の兵士が死んだ場合は焼いてその場に埋める”ように記述されております。
東国の防人が死んだ際も、柩を給付して焼くようにという記事も御座います。
天皇が火葬される以前から兵士の火葬は規定されていることです。
持統天皇の火葬以降、倣って上級の役人、公家、武士の間にも火葬による葬法が広まってゆきました。

2 拾骨と分骨
拾骨とはご遺体の火葬(荼毘 だびとも言います)が終りました後に、残された焼骨を拾い、骨壺に納める事を言います。
御骨上げとも言います。
拾骨する際にお骨壺を複数用意してそれぞれの骨壺に故人様の焼骨を分けてお納める事により分骨がなされます。

1)横浜での拾骨
横浜市内の火葬場では、火葬終了の場内アナウンスにより参列者の方々は控室から指定された拾骨室に移動します。
そして、最初に係員の案内により喪主様とご遺族2名はご火葬終了時のご遺骨の状態を確認します。
その後、故人様の焼骨は係員に手で容器に集められ、収骨室に於いて焼骨を骨壺に納める、拾骨を営む事と成ります。
ご遺族の手による拾骨の習慣は、日本民俗独特の儀礼であると言われます。
この為、欧米での火葬はご遺骨の原型が残らない骨灰の状態に成るまで行いますが、日本ではご遺骨がきれいに残る様、火葬を行う事が大切となります。
日本古来の拾骨は、人々が持つ箸により一人ずつご遺骨を順に次の人へ渡して行き、骨袋若しくは骨壺にお納めしましたが、
現代では、二人一組でご遺骨を拾い骨壺に納める形と成りました。
拾骨に使用する箸は木製、若しくは竹製ですが、地域によりましては組合せの違う(木と竹)二本の箸を使って一人で拾骨をするケースや、
男性は左手、女性は右手に箸を持って一組となり納骨する、などの習俗も御座います。
箸渡しは箸と橋の音が共通なことから、故人様をこの世からあの世へ三途の川の渡しをしてあげる、との思いから営まれたと言い伝えられます。
尚、現代ではご遺骨を納める骨壺も各種のお骨壺が用意されるようになりました。
白い陶器製から、各種の絵柄が施されたもの、大理石その他の素材を使って作られたもの、
又、故人様のお名前を刻印したものなど、ご遺族のご希望に合せた骨壺をご利用頂く事が可能となって居ります。

2)分骨
分骨はご遺族のご希望に合わせて自由に行えます。
ー故郷のお墓と身近にお持ちのお墓、二箇所にご遺骨を埋葬して供養したい。
ーお墓に埋葬するご遺骨とは別にご遺骨の一部を身近において供養したい。
ーその他
の理由により分骨のご希望を受ける機会も多くなりました。
横浜市営火葬場では各種の分骨が可能となって居ります。
分骨が必要な場合には分骨用のお骨壺を別途用意し、事前に申告が必要となります。
尚、分骨用の埋葬許可証を入手する為、追加手数料300円が必要と成ります。
今回は以上です。
相続 直系血族
お身内の方がご生涯をまっとうされてご逝去された場合、故人様の遺産は生前に残された意思(遺言)に基付いて引き継がれることを原則とします。
この遺産引継ぎを相続と言いますが、ご遺言が無い場合に、日本に於ける法律では故人様の直系血族を中心にして相続順位が定められて居ります。

1 法定相続とは
故人様がご逝去される前にご自身が保有されている資産を誰にどの様な形で相続させるかご意思を示していなかった場合は、
原則として日本国民法の定める規定にもとずいて相続する事となります。
これを法定相続と言います。
法定相続によりご遺産の引き継ぎを行う場合には、相続人の立場により定められた比率に従って相続が行われますが、その比率は相続人の構成により異なります。
相続人が配偶者御一人の場合は配偶者が全ての財産を引き継ぎます。
配偶者と血族相続人が居られる場合は血族相続人の順位と人数により比率は変わります。
尚、配偶者とは戸籍上の婚姻関係に有る方のみで、内縁の場合はどの様な形であっても相続権は発生しません。
故人様(被相続人)に配偶者とお子様(直系卑属)が居られる場合には、配偶者が二分の一、お子様が二分の一を相続します。
お子様が複数おられた場合は二分の一をお子様の人数で等分します。
但し、非嫡出子は嫡出子の半分になります。
非嫡出子は母親との関係では自動的に法律上の親子関係が求められますが、父親との関係では認知が必要と成ります。

配偶者が死亡や離婚などで居られない場合はお子様が全財産を引継ぎます。
お子様が複数居られる場合はその人数で等分されます。
お子様が亡くなられていた場合はその相続権はお孫さまに引き継がれます。
又、胎児は嫡出子と同等の財産権を持ちます。
但し、その権利は出生により確定しますので、この様なケースでは遺産分割は出生後に行われるのが一般的です。
故人様にお子様やお孫様がいない場合は直系尊属である故人様の父母、父母が居られない場合は祖父母が配偶者と共にご遺産を相続します。
その場合の比率は 配偶者が三分の二、直系尊属が三分の一を引き継ぎます。
故人様に直系卑属も直系尊属も居られない場合は配偶者と故人様の兄弟姉妹により相続が行われます。
その比率は、配偶者が四分の三、兄弟姉妹は四分の一となります。
異母兄弟姉妹、異父兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の場合は同じ父母から生まれた兄弟姉妹の半分となります。
2 相続財産の評価
お身内の方が亡くなられますと、故人様がお持ちであった財産の相続が開始されます。
まずは、相続財産の調査を行い、その財産の評価を行わなければ成りません。
相続財産の評価は、原則として相続開始時(故人様のご逝去時)時価で評価します。
時価の評価は国税庁が示す指針に基ずいて行います。
例えば、宅地であれば市街地では路線価を基準に、郊外の農村部であれば倍率方式を基に算出します。
その上で故人様の債務や葬儀の費用を相続財産から差し引いて、相続財産の総額か確定します。
現金・預貯金以外の相続財産はその価値が明確でないと相続税の計算が出来ません。

財産の価値(相続税評価額)は相続税法により、相続開始時の時価で評価される事となって居ります。
しかし、時価については客観的な評価が難しい事や、課税の公平性を保つ為に、国税庁では ”財産評価基本通達” を作成し、財産を種類別に評価する基準やその方法を定めて居ります。
同じ宅地であっても 市街地と郊外・農村部では評価方法が異なります。
市街地では路線価方式がとられます。
市街地には路線価と呼ばれる評価額が毎年発表されて居り、市外地の道路(路線)に面した標準的な土地の1平方メートル当たりの価額が示されます。
土地の評価額は、基本的には路線価×宅地面積で求められますが、更に宅地の形状や立地条件に応じて調整が加えられ評価額が決まります。
各年の路線価をまとめた路線価図は、税務署、市区町村役所、図書館などで閲覧する事が出来ます。
郊外や農村部に宅地があり、路線価が定められていない土地に付いては倍率方式と呼ばれる方式で評価額を算出します。
これは ”固定資産税評価額”に国税庁が地域ごとに定めている一定の倍率を掛けて評価額を計算します。
土地の形状や立地条件には影響されません。
固定資産税評価額は固定資産税評価証明書で確認出来ます。
倍率は国税局や税務署に照会すれば教えてくれますし、国税局のホームページに掲載されています。
尚、一定の条件にあてはまる宅地に付いては税額が軽減される特例も御座いますので、税務署や税理士に一度は確認する事をお薦めします。
今回は以上です。
葬儀生前予約
生物の活動はすべからく生を受けて始まり、死をもってその活動を終えるのが理です。
生を受けた人もいずれかの機会には死を迎えなければなりません。
そうした中で日本の文化では永らく死と呼ばれる言葉は忌避されて参りました。
従いまして生前に葬儀を語ることはタブーとされて参りましたが、世相の変化と共に生前にご葬儀の準備をする事も違和感を持たない時代と成りました。

1 葬儀生前予約とは
葬儀生前予約とはご自分のご葬儀をどの様な内容と費用で営むのかご本人が生前に契約を結んでおく事を言います。
この考え方は1990年代初めに米国より入って参りました。
”プレニード(The Plenitude)”と呼ばれる葬儀生前契約の内容は下記の二点を主なものとしております;
- 葬儀の内容の取り決め。
- 葬儀の費用の支払い方法を定める。
このプレニードは米国の葬祭業者によって開発されましたが、その背景には日本とは異なる米国の文化が有ります。
- 米国は個人主義社会であり、香典という習慣もなく葬儀費用は全てご遺族の負担となる。
- ご自分の葬儀の為に遺族に負担をかけたくないと言う人が増えた。
- ご自分の葬儀にご自分の意思を入れたいと言う人が増えた。
それに比べ日本は共同体社会であり、その生活は親族との血縁、地域社会との地縁、企業との社縁を基に営まれ、
万一の場合に必要なご葬儀の費用も香典という共同負担の習慣により賄われ、生前契約は必要有りませんでした。
しかしながら、現代の日本に於きましては核家族化、少子化、高齢化が急激に進む中、
残されたお子様・ご遺族に葬儀の負担を掛けたくないと思う高齢者の方が増える中で、生前契約はそういう方々にとって大切な契約となります。
そして、生前契約は将来の施行に対する契約でありご本人が確認することも出来ません。
又、支払いも日本には米国にあるプレニード預金の様な制度も有りません。
従いまして契約を結ぶに当たっては色々と注意が必要となります。

2 生前契約での注意事項
葬儀の生前予約とは、ご自分のご葬儀を予め予約(事前契約)しておく事ですが、その流れは;
ーご自身の現状と葬儀への希望を説明、
ー希望の内容を基にしたプランとその見積書作成、
ー最終プランをご本人・ご家族・葬儀社の三者間で合意、
ー二年毎に状況の変化を基にプランの修正、葬儀の施行、となります。
生前予約ではプランの内容、伴う費用、その他、を平静な状態の中で評価・判断することが出来ます。
又、費用の捻出にも色々な方法を利用して準備する事が可能となります。

1)御自身の現状は葬儀社が準備するチェックシートを基にして、宗教・家族・親族・会葬者の数・その他を葬儀社に説明し、更にご自分が希望するご葬儀のイメージを説明します。
2)葬儀社はご説明頂いた内容を基にプランを作成し、その見積書を作成して、ご本人とご家族に説明し、必要に応じて修正を加えます。
3)最終のプラン内容、見積書を基にご本人、ご家族、葬儀社の三者間でご葬儀の生前契約をし、三者で共有します。
4)御本人、ご家族、葬儀社の何れかで状況が大きく変化した場合には必要に応じて生前契約の内容変更を行います。
5)ご本人様に万一が起こった場合はご家族代表の方からの連絡を葬儀社は受けて、ご希望されていた内容のご葬儀を営む事となります。
尚、葬儀社により生前予約(契約)の内容は異なります。
又、予約の変更や必要に応じてての解約が可能な契約である事をお薦めします。

一般にご葬儀は亡くなられた後すぐに営まれます、
ご遺族は悲しみの中で葬儀社の勧めるままに葬儀を営み、後でお金をかけすぎてしまったと感じるご遺族様も多く御座います
生前予約であればじっくりと検討出来る上、葬儀後も故人様の遺志・ご希望に沿って営む事が出来たとご遺族様が後悔する事も無くなります。
故人様、ご遺族様共通の安心が得られ、お金の使い過ぎを防ぐ事にも成ります。
ご葬儀の費用を準備する方法としては、一括払い込みや、積み立てる、他に生命保険や損害保険を利用する方法も御座います。
生命保険の場合は死亡保険金を葬儀費用にあてる為、
現在葬儀費用が十分でなくとも、必ずご希望の葬儀を営む事が可能であり、残されたご家族に費用の事で負担をかける事も御座いません。

日本と米国では文化や習慣も違い、契約に慣れた社会ではない日本での生前契約は日本なりの注意が必要となります。
以下に注意事項を箇条書きしてみました;
① 更新に付いての規定が有る事
契約内容に付いては将来 本人の意思が変わったり、料金が変動する可能性もあり 定期的に更新が出きる必要があります。当然 解約の自由も保証されなければなりません。
② ご家族の同意を取り付ける事
ご葬儀を施行されるご家族の同意は取っておいたほうが望ましいと思います。ご本人さまの意思とご家族の意見が相違する場合は公正証書遺言により祭祀権承継者をご家族以外に指名する事が可能です。
③ 費用支払いは施行後にする事
将来の保証を安易にすべきでは有りません。
④ 支払い原資の確保
葬儀施行の対価支払いは保険、又は預貯金よりと考えます。
⑤ 契約は文書で明確に内容を規定しましょう。
今回は以上です。
手元供養(てもとくよう)
日本では古来よりの民間信仰として死者の霊を弔う思想が根付いて居り、その行為を供養と言い広く日本人の心に定着して参りました。
その供養の心は、人に対してだけでなく動物等に対する供養、さらに生き物ではないものに対しても針供養・人形供養などとして営まれて居ります。
中国を経由してインドより伝来した仏教でも、仏・菩薩・諸天に香・華(花)・燈明・飲み物・食べ物などの真心から捧げて供養を為します。

1 供養とは
供養とは、先祖を追悼して、死者を偲んで、動物の死を偲んで、使用を終えた物品に感謝して、供え物をし真心を捧げる事を言います。
特に死者に対し、日本民族は古くより死者に対する供養を重んじる文化を持つ民族です。
人が亡くなると、遺された者は生ある限り亡くなった方を記憶に留め、自身の生を大切にし、感謝して生活を送り、ご逝去された方との関係を維持し続ける、という観念は
日本人が持つ特性の一つであるとも言えます。

更に、仏教と共に”十仏事”が伝来して、死者供養の為の仏事は古来よりの民俗信仰と融合して日本文化の一つと成りました。
日本国内に定着している仏教に於いて、故人様を追悼・供養する為の儀礼を法要(法事、仏事とも言う)と言います。
法要の本来の意味は釈迦の教えを知る事、すなわち仏法の要点・肝要を知るととでしたが、日本では仏教行事一般の儀式祭礼を指す様になり、
現代では死者を弔う儀式を指す事と成りました。
仏教はインドを起源として、死者供養の儀礼として中陰の七仏事が営まれました。
初七日(しょなのか)、二七日(ふたなのか)、三七日(みなのか)、四七日(よつなのか)、五七日(ごなのか)、六七日(むつなのか)、七七日(ひちひちひ)の7法要です。
そして、仏教は中国に伝わり、3仏事が追加され(百ヶ日、一周忌、三回忌)て十仏事となります。
更に、日本に伝来して三仏事が追加され(七回忌、十三回忌、三十三回忌)て十三仏事となり、近世に十七回忌と二十五回忌が加わり 十五仏事となりました。
又、宗派、地域によりましては十五仏事に加えて二十三回忌、二十七回忌法要を営む場合も御座います。
そして、三十三回忌、若しくは五十回忌法要で弔い上げとなり死者の霊は個性を失って、祖霊(先祖)となります。
弔い上げを終えた故人様の戒名が記されたお位牌は仏壇から下げられ、以降〇〇家先祖の霊と記された位牌によりお祀りします。
尚、以上の他に祥月命日(故人様の命日)、月忌(月の命日)、お盆、春秋のお彼岸、でも法要を営みます。

又、先祖・死者に対する供養を追善供養と言いますが、愛玩動物に対するペット供養、魚介類に対する供養、更には物品に対する供養として、
針供養、鏡供養、眼鏡供養、写真供養、表札供養、仏壇供養、教典供養、印章供養、人形供養、茶道具供養、その他おりに触れての供養が営めれます。

2 手元供養
少子高齢化・娘一人・単身者の方などが増加する中で、新しい供養の形として樹木葬、散骨、などと共に”手元供養”と言われる形が生まれました。
手元供養とは、故人様のご遺骨の全て、若しくは一部をご遺族にお手元に置いて供養する、というものです(自宅供養とも言います)。
宗教的供養を望まない、とお考えの方が増える中で、従来型の墓地への埋葬に代わる形として供養されて居ります。
ご遺骨をご自宅に安置したり、ご遺骨の一部を身に付けて供養したり、などの行為は違法では有りません。
何時でも故人様を偲ぶ事が出来る様に、大切な方のご遺骨を身近に安置したり、アクセサリーとして身に付けたり、という新しい供養の形として手元供養が御座います。
ご火葬後のご遺骨を自宅内に安置し、時には連れて供養をする事となります。
但し、お子様やお孫様が永くご遺骨を守り続けてくれるかどうかは解りませんので、事前にご家族の中で話合い、同意を得て於く事をとお勧め致します。
手元供養では、ご遺骨のほとんどは墓地にお納めし、一部のみをご自宅で保管して供養するという方法も有ります。
又、海や空でご遺骨を散骨されるご遺族の中には、部を残してご自宅に安置し、故人様を偲ぶ拠りどころとされる方も居られます
最近ではご遺骨(ご遺灰)の一部を入れてご自宅に安置する為の専用のお骨壺も市販されて居ります。
仏壇の代りにお骨壺を置かれる御家庭も御座います。
更に少量のご遺骨を身に付ける事が出来るアクセサリーにしたり、ご遺骨を加工して作るダイアモンドなども御座います。
今回は以上です。
横浜市港北区、新型コロナウイルスへの対応
新型コロナウイルスの発生確認から1年4ヶ月が過ぎましたが世界各国での鎮静の兆しは今だ見えません。
日本に於きましても2回目の緊急事態宣言は解除されましたが、感染者の増加は各地でみられて居ります。
ワクチンの投与は始まりましたが、人口の70%以上に行き渡るまでにはそれなりの時間が必要であり、
対症治療薬も定まらない現状では、最低でも今後一年間はマスク着用・三密回避の生活を続ける必要が御座います。

1 横浜市港北区
港北区は横浜市内北東部に位置し、梅を区の花と制定した豊かな自然を備えた町です。
港北区は昭和14年4月、現在の港北区、緑区、都筑区、青葉区の全域を含んで誕生致しましたが、
昭和44年に緑区(緑区、青葉区、都筑区の一部)が分区され、平成6年の行政区再編成により北西部地域を都筑区へ編入して、現在の港北区が出来上がりました。
現在、港北区の居住人口は35万人、17万世帯(令和2年9月現在)で、政令指定都市内行政区としては最大の人口を抱える町でもあります。
ー港北区内を通る交通機関としては明治41年に横浜鉄道(JR横浜線の前身)が開通し、大正15年には東急東横線が、昭和39年には東海道新幹線が、
そして昭和60年には横浜市営地下鉄3号線が開通しました。
ー昭和初期に綱島に鉱泉が掘られ綱島温泉として賑いを見せ、更に慶應義塾大学予科が日吉に移転してきた事から、東急東横線駅舎を中心として市街地化が始まり、
その周辺に宅地が造成されて、住宅地として発展して行きました。
そして、戦後の高度経済成長期には、農地が工場や倉庫に転用され、港北区内を流れる鶴見川沿いを中心に多くの工場が建てられて横浜市に於ける内陸工業の拠点とも成りました。
更に、東海道新幹線新横浜駅の開設に伴い、駅北側に新たなオフィス街が出現する事と成ります。
横浜市が計画した“ゆめはま2010”では、新横浜北側・小机・新羽地区を横浜駅・関内・関外に続く横浜市内第二の拠点として広域的な施設の建設や基盤の整備が進められて居ります。
その計画の一部として新横浜総合国際競技場(日産スタジアム)、新横浜アリーナなどが運営されて居ります。
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ー港北区区民の方が手近にご利用頂けるご葬儀の為の施設としては、火葬場併設の横浜市営の式場であれば横浜市北部斎場(緑区)、
私営の式場としては西寺尾会堂(西寺尾斎場・西寺尾火葬場 神奈川区)が御座います。
式場のみであれば妙蓮寺斎場(私営)、大乗寺会館(私営)他ご希望される街の寺院会館がご利用頂けます。
寺院会館ご利用の場合は、火葬場として横浜市久保山斎場(西区 火葬炉のみ)を利用する事も出来ます。
仏式ご葬儀をお考えで菩提寺をお持ちでない場合は、ご希望のご宗派の僧侶を”ひかりの杜”よりご紹介させて頂きます。
又、神道でのご葬儀をお考えの場合は、式場をお決め頂いた上で篠原八幡神社他より神官を”ひかりの杜”よりご紹介させて頂きます(神社内では神葬祭を行う事が出来ません)。

ー港北区の”区の花”は梅です。
その花言葉は”高潔・忠実・忍耐”です。
現代では花見と言えば櫻を思い浮かべますが、この習慣は江戸時代に一般化したもので、それ以前の平安時代などでは花見は梅を前提として居りました。
ひかりの杜でも花祭壇を飾らせて頂く際、2月・3月の季節時にはご遺影の上に梅の枝を飾らせて頂き、祭壇全体をより高潔なふんいきに作り上げて居ります。
ー港北区内の見どころとしては、2月には大倉山公園梅林、3月末には綱島公園の桜まつり、春には桜 秋には紅葉が楽しめる岸根公園、
そして年間を通して楽しめる熊野神社市民の森等があります。
熊野神社市民の森は1000年の歴史を持つ師岡熊野神社を中心として、総面積5.2ヘクタール、1.7キロメートルの散策路を持つ、緑に囲まれた憩いの場所であります。
又、新横浜駅前はオフィス街であると共に、新幹線開通直後に開設された新横浜ラーメン博物館、老舗の中華料理店、イタリア料理店などがが営業するグルメタウンでもあります。
更に新横浜プリンスホテル向いの丸八ビルでは毎月第三木曜日に寄席が開かれております。(現在はコロナウイルス慢延防止の為休演中)

2 新型コロナウィルス慢延下(まんえんか)でのご葬儀
1)新型コロナウイルス感染者の方のご葬儀
万一新型コロナウィルスに感染されてご逝去された方のご遺体は第二次感染を防ぐ為に、
ーお見取り出来る方の制限(原則お一人、ご遺体へに付き添いは不可)。
ー葬儀社は病院指定の業者が対応。
ー出来るだけ早期に荼毘に付さなければなりません。
従いまして、ご遺体は先ずご火葬を優先し、その後にご葬儀を営む事と成ります。
ご遺体の移送に当たりましては第二次感染を防ぐ為に細心の注意が必要と成ります。
先ずご遺体は非透過性の二重納体袋にお納めして、完全な消毒を施します。(この作業には防護服が必要な為、病院の方にお願いする事となります)。
お柩へは納体袋に納められた状態でお納めする事となります。
お柩は医療機関から火葬場まで、直接搬送させて頂きます。
ご自宅での安置、ひかりの杜遺体安置所でのお預かりは出来ません。
ご遺体の搬送に当たり、ご遺族の方の搬送車・霊柩車への同乗は出来ません。
尚、ご遺体の搬送に際してひかりの杜担当者は、マスク、手袋、ゴーグル等を着用させて頂きますが、ご理解の程お願い申し上げます。
2)新型コロナウイルス陰性の方のお見送り(
直葬)
新型コロナウイルス慢延下では営むご葬儀も出来る限り会葬の方を少人数にして営む事と成ります。
その一つとしまして直葬と呼ばれるご葬儀の形式が御座います。
直葬と呼ばれる葬儀形式は通夜式・葬儀式は営まずに”ご火葬”のみを執り行うお見送りの形式です。
従来は高齢ゆえに静かに見送りたい、宗教色の無い葬儀でありたい、費用を抑えたい、などのご希望をお持ちのご遺族様にお選び頂いたお見送りでしたが、
新型コロナウイルス感染を防止する為、多人数の集まりを避けて営めるご葬儀として選択されるご葬儀と成りました。
直葬の内訳は;
- ご連絡を受けてご遺体を病院からご自宅に移送し、ご遺体に保全処置を施して安置。
- 枕飾りを用意してお祈りの場を準備します。
- 特別な場合を除き死亡後24時間は法律により火葬が出来ませんので、ご遺体は1日以上ご自宅に安置される事となります。
- ご火葬の予定に合わせてご遺族様の手でご遺体を柩にお納めし、火葬場に向けご出棺します。
- 火葬場到着後、お柩は火葬炉前に移動されて、荼毘に付されます。
- ご火葬終了後、ご遺族の手で拾骨を行いお骨壺に焼骨を全て納めます。
- お骨壺をご自宅に持ち帰り、然るべき所に安置して終了となります。
ご火葬のみのシンプルな儀式ですが、故人様とのお別れの時間を十分に取る事は可能です。
又、火葬炉前での読経、祝詞奏上、祈禱も可能で御座います。

3)通夜式を営まない
一日葬
ご葬儀の儀礼は営みたいが三密の機会は最小にしたいとのご希望から一日葬を選択されるケースも増えて参りました。
一日葬の流れは以下の通りです;
➀ お迎え
-
故人様のご遺体はご逝去後、法律により24時間は火葬することができませんので、ご遺体を安置する必要があります。
又、病院での長時間安置はできませんので、「ご自宅」または「専用の安置所」まで搬送する必要があります。
安置場所が決まっていない場合はお迎えに伺った際にご案内し、決定次第搬送致します。

- ② ご安置
-
葬儀・告別式までの間、ご自宅又は遺体安置所内にご遺体を搬送し、ご遺体の保全処置をした上で安置します。

- ③ ご納棺
-
ご遺族様の手によりご遺体をお清めして故人様を棺にお納めおします。

- ➃ ご葬儀・告別式・初七日法要(横浜市営斎場ご利用の場合)
-
通夜式は営まずに、ご葬儀・告別式・初七日法要を営みます。
その後、花祭壇のお花でご遺体をお飾りして、故人と最後のお別れとなります。

- ➄ 出棺
-
火葬の日時に合わせ、火葬場係員の指導の下でご親族の方々の手により故人様火葬炉前にお運びします。

- ➅ 火葬
-
指定された火葬炉にてお柩は荼毘に付されます。
ご火葬時間(約1時間)の間を利用してお斎の席を設けます。
火葬が終わりましたら火葬場係員の指導の下で拾骨を行います。

➆ ご自宅へ
-
火葬場からご帰宅後、ご遺骨をあと飾り壇へご安置致します。

今回は以上です。
祥月命日(しょうつきめいにち)
日本には古くよりの文化として亡くなられた方を偲んで冥福を祈る習慣が根付いて居ります。
仏教では亡くなられた日を命日と言い故人様の供養を営む事を旨とします。
同じく仏教では亡くなられた月を祥月と言い、一周忌以降の同月同日を祥月命日と言い故人様を偲んで供養します、

1 命日とは
命日とは、故人様のご逝去された日を言います。
忌日(きにち)とも言います。
ご逝去された月を祥月(しょうつき)と言い、ご逝去一年後の祥月命日が一周忌と成ります。
又、祥月以外の月の命日は月命日(つきめいにち)と呼ばれます。
日本の仏教では、毎月の月命日に故人様の供養を営み、特定年数の命日には年忌法要を営むとして居ります。
年忌法要は33回忌、もしくは50回忌のいずれかをもって”弔い上げ(とむらいあげ)”とし、位牌の戒名を過去帳にお移しして年忌法要を終えます。

2 命日での供養
命日での供養には、お墓参り、菩提寺へのお参り、僧侶を招いての法要などいろいろの形が御座います。
その中で、然るべき準備を必要とするにが法要です。
法要に本来の意味は、仏教に於いて釈迦の教えを仏法と言いますが、その仏法の要点・肝要を知る事を指します。
それが、時代の流れと共に変化し、仏教行事の中の儀式祭礼(法事・仏事・法会など)全般を指すようになりました。
更に、日本に於いては”追善供養”即ち死者を弔う儀式を指す様に成りました。
法事、仏事とも言います。
尚、供養以外に、寺の創立記念、堂宇の完成記念、仏像の開眼などの慶事も含みます。
仏教伝来以来、日本民族は法要(死者供養)を大切にして来た民族であると言えます。
供養には、まず中陰の間に行う七仏事(初七日、ふた七日、み七日、よつ七日、いつ七日、むつ七日、ひちひち日)が有り、これはインドを起源として居ります。
七仏事が中国に伝わり、百ヶ日、一周忌、三回忌が加わり十仏事と成りました。
更に、日本に於いて七回忌、十三回忌、三十三回忌が加わり、近世に十七回忌、二十五回忌が加わって十五仏事と成り現在に至ります。
そして、地域によりましては二十三回忌や二十七回忌を営む場合も御座います。
又、五十回忌、そして五十年毎に営まれる遠忌が有りますが、これは宗派の祖師等に限り営まれます。
日本では古くから三十三年、あるいは五十年をもって死者は個性を失い祖霊(先祖)に成ると考えられて来ました。
故人様の法要も三十三回忌をもって ”弔い上げ” となります。
ご仏壇から戒名を書いたご位牌を下げ、”〇〇家先祖の霊”のご位牌に霊をお移しします。

1)法要の営み
仏式の葬送儀礼に於いて、祥月命日に営む回忌法要は大切な儀式です。
回忌法要の日取りはお願いする僧侶の都合と、お呼びする接待客の都合を考慮してお決め頂く必要が御座います。
ご自宅で営む場合は仏壇をお飾りして営みますが、仏壇が大型でない場合には仏檀の前に小机を用意し、五具足を配置します。
香炉を中心にし、その左右に花立て、更にその外側に燭台を置きます。
供え物は仏飯、餅、菓子、果物などです。
花立てに供える花は三回忌までは赤などの華美なお花は避けます。
ロウソクも白を原則とします。
そして、 故人様のお位牌(過去帳)を仏壇の最下段に安置します。
法要は先に関係者が入室して着席し、僧侶をお迎えし、読経・焼香・法話が行われます。
ご自宅で営む際にご家族がお食事の用意の為席に着かない事もしばしば見られますが、原則としては全員で務めるものとされます。
法話が終了しましたら、会食となりますが、この席をお斎(おとき)の席と言います。
最初に施主様が挨拶をし、食事となります。
席は僧侶を上席とし、家族は末席とします。
お斎の席の食事はかっては肉食を避けて、菜食を振舞う精進料理でしたが、現代では あまり拘らないとされます。
施主様は参列者がお帰りの際にお渡しする、引き物(お土産)を用意するのが一般的です。

2)神式での祥月命日供養
神式でも仏式に準拠し祥月命日には祭祀を営み故人様の冥福をお祈りします。

3)キリスト教
キリスト教では本来祥月命日供養の考えは御座いませんが、
日本に於いては仏式に準拠して昇天日に追悼ミサを行う場合も御座います。
宗派、教会により異なります。
今回は以上です。
南無阿弥陀仏の意味
皆様が仏式の通夜式・葬儀式に参列された際、”南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)”との呼称を聞かれる事となります。
南無阿弥陀仏の呼称は念仏と呼ばれる仏教に於ける行(ぎょう)のひとつです。
その意味するところは、南無は”信じて帰依(きえ)します”、阿弥陀仏は仏様、仏様を信じてその教えに帰依しますとの意味合いです。
実際に念仏として称える際には「なんまんだぶつ」「なんまんだぶ」「なんまんだー」「なんまいだー」とも発音されます。
念仏の呼称は宗派により異なり、真言宗では南無大師遍照金剛(なむだいし(なむだいしへんじょうこごう)、
日蓮宗では題目(だいもく)とよばれ南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)と呼称されます。

お経とは 仏教に於ける経典を意味します。
1)仏教と葬送儀礼(葬儀)
現代の日本に於きまして多くの方々は旅立ちの儀式は仏式を選択されております。
仏式に於ける旅立ちの儀式は“葬送儀礼”と呼ばれますが、一般的にはそれを略して葬儀と呼ばれます。
本来の仏教では葬送儀礼は重視される儀式では有りませんでした。
釈尊(釈迦の敬称)は弟子に死後の遺骸の処置を問われた時に“僧侶は遺骸の供養などは考えず、真理の追求に専念すべき、供養は在家の信者がしてくれる”と答えたと伝えられます。
この考えの一部は現在でも継承されて居り、僧侶はご遺体・ご遺骨・墓石には触れないものとされます。
しかし、仏教がインドから中国へ伝播すると中国・漢民族が信奉してきた道教や儒教の先祖供養の民間信仰と習合し、葬送儀礼も仏教に於ける儀式の一つとなって行きました。
その中国仏教は飛鳥時代に日本に伝来し、皇室や豪族の信仰の対象となって日本国内に浸透して行きます。
更に鎌倉時代には庶民の間にも広がりを見せ、庶民の間でも葬送儀礼が行われ始めます。
そして江戸時代、寺檀制度を基とした檀家制度が全国に定着すると、葬送儀礼は仏教に於ける重要な儀式となりました。

2)葬送儀礼とお経
仏教に於ける葬送儀礼の主要な部分が読経と呼ばれる経典の読誦です。
キリスト教の“聖書”、イスラム教の“コーラン”に当る、仏教の経典に当るものが“お経”です。
お経は;
教(釈迦の教え、本来のお経)、
律(僧が守るべき社会生活上の掟)、
論(後世の仏教学者によるお経の内容の注釈)
の三部(三蔵経という)により構成されます。
お経は インドではバーリ語(小乗仏教)サンスクリット語(大乗仏教)で書かれて居りましたが、中国に伝わった後に中国語(漢字)に翻訳され、日本へは漢字で伝えられました。
-お経の種類
お経の種類は俗に八万四千あると言われますが、正確には不明です。主なお経としては以下のお経が有ります;
〇 般若心経(はんやしんきょう)
大般若経(全600巻)のエッセンスを簡潔にまとめたもの。智慧で彼岸(悟りの世界)へ渡る事を説いた経典。
〇 法華経(ほけきょう)
最澄の天台宗、日蓮の日蓮宗の教えで①一条妙法;万人を平等に成仏させる教え、②久遠本仏;釈迦の永遠の生命について説く、③菩薩行道;現実社会での実践について説く、の三部から成る。
〇 観音経(かんのんきょう)
法華経の第25章で 何時でも、何処でも救いを与える観世音菩薩の功徳に付いて述べたもの。
〇 阿弥陀経(あみだきょう)
浄土教の最も重要な教典で 極楽浄土がどんな所か、どうすれば極楽浄土に往生出来るかを説いている。
この他のも維摩経(ゆいまきょう)、経集(きょうしゅう)、法句経(ほうくきょう)、涅槃経、開経偈(かいきょうげ)、四弘誓願文、正信偈等があります。

3)お経の読誦(読経)
仏式の葬送儀礼では 僧侶によるお経の読誦が主体となりますが、これは お経の読誦や念仏を唱えることは浄土へ往生する為の正行の一つであるとの教えに基きます。
葬送儀礼の中で読経は ご逝去の直前、通夜式、葬儀式、火葬炉前、納骨式(埋葬式)、各種の法要などで行われます。
-枕経
ご逝去直前の読経は 枕経と言われ 本来は 死にゆく方が不安にならぬ様、浄土への案内として枕元で死を看取りながらお経をあげる儀式でした。しかしながら 現在では 死後すぐに行う儀式に変化して居ります。特に現代では 病院で息をひきとるケースが多くなり、病院での読経は困難な事から、ご遺体がご自宅に帰宅した後に、ご遺体を安置し、ご遺体の枕元に小机を備え、その上に三具足(香炉、花立て、燭台)と鈴を整えて枕飾りとし、僧侶の読経を頂きます。この儀式は死者に初めて経を聞かせると言う意味も御座います。又 宗派によりましては 枕飾りの他の 指定の掛け軸や絵像を掲げで儀式を行う事が御座います。尚 宗派、地域によりましては枕経を行わない場合も御座います。
-通夜式
通夜式は 故人様を仏門に帰依させる為の授戒と御仏を揺るぎ無く信仰する事を誓い、それに対する功徳が故人様にも振り向けられて彼岸に往生する事を願う為に行います。従いまして 読まれるお経は授戒式の為と 御仏に帰依する事を誓う為の、ものとから成ります。尚 宗派によりましては 故人様の死と同時に仏門への入門が許されるとの解釈から、授戒を行わない事も御座います。
-葬儀式
葬儀式は御仏への帰依を誓うと共に、仏弟子となった故人様の成仏を祈念する儀式です。御仏への帰依、故人様の成仏を祈念する読経は宗派によりそれぞれ決められた形に従います。
-火葬炉前・納骨式
火葬炉前、納骨式での読経は 故人様の成仏を祈るお経が 宗派の決まりに従って読経されます。
-法要
法要とは 本来は釈迦の教え(仏法)を知る事、仏法の要点・肝要を知る事を言いましたが、日本では 次第に追善供養のことを指す様に成り、現在では死者を弔う儀式を指す様に成りました。追善供養は 故人様の命日に 故人様の冥福を祈って行われる儀式ですので、死者の冥福を祈るお経が読まれる事と成ります。

2 仏教 各宗派の葬儀とお経
それでは それぞれの宗派では どの様な葬儀が営まれ、読まれるお経は何かを書かせて頂きます。
1)天台宗の葬儀とお経
天台宗の葬儀は、顕教法要(けんきょうほうよう)の
法華懺法(ほっけせんぽう)(法華経を読誦する事で煩悩を薄くし滅罪する作法)
例時作法(阿弥陀経を読誦する事で極楽往生の指南とする作法)、
密教法要の光明供(こうみょうぐ)(阿弥陀如来の来迎を得てその指導の下に故人を引導して仏と成す作法)の三種の儀礼により営まれます。
顕教とは仏法を理解しやすいように言葉・文字を用いて説いたものであり、密教とは仏と自分が一体である事を念じ仏の加護によって仏の境地に達しようとする秘法の事です。
天台宗では顕密一致を説きます。供養する遺族、供養される故人様が一体となり、仏の本性を開発し、共に仏道を成して行く事が天台宗の葬儀の本質であるとされます。
枕経(臨終誦経りんじゅうじゅきょうと呼ばれる)では 阿弥陀経が読経されます。
通夜式では授戒が行われ、戒名を授かり、戒を護持して犯さざる事を仏前に誓います。
葬儀式は光明供修法阿弥陀如来の来迎を得て、その指導の下に故人を引導して仏となす密法作法)と故人の成仏を祈る引導の作法が主となります。
適時、法華経と阿弥陀経が読経されます。

2)真言宗の葬儀とお経
弘法大師の作と言われるご詠歌(ごえいか)“阿字(あじ)の子が、阿字の古里、立ち出でて、また立ち帰る、阿字の古里”は真言宗に於ける葬儀観を示したものとされます。
阿は梵字で書かれ、大日如来とその生命を表わします。
死者(亡者と呼ばれる)を宇宙生命の源である大日如来の大生命に包まれている弥勒菩薩の浄土である“都率浄土”へ送り返す事が葬送儀礼の精神とされます。
従いまして葬儀式は即身成仏への引導作法として示されます。
剃髪・授戒・戒名の授与までが前段階で大日如来のもとへ導くための準備段階の作法で、それ以降が後段階として大日如来との一体感、すなわち永遠の生命との一体感をきわめる作法となります。
具体的な葬儀の進行は 真言宗内 宗派、地域により異なります。
枕経では死者の成仏を勧める“般若理趣経”が読誦され、“慈救の呪”を唱えて悪魔を祓い、阿弥陀如来の“陀羅尼”、“光明真言”、御法号“南無大師遍照金剛”を唱えます。
通夜式でも理趣経を読誦し、慈救の呪、光明真言、御法号が唱えられます。
葬儀式では前賛、理趣経などが読誦されます。

3)浄土宗の葬儀とお経
浄土宗の葬儀は、死者を仏の弟子として、仏の本願により阿弥陀仏の下にある極楽浄土へ往生することを教え導き、
本来の住処であり生命の根源である極楽浄土へ立ち帰る凱旋式として行うとされます。
更に参列する方々にも、悲しみの中のも・自らの死の意味を問い・清浄な心で仏の教えに耳を傾け・授戒し新たに仏の弟子となった故人様と共に一心に念仏せる生活に入る契機となるよう願って行われます。
葬儀式の構成は、浄土宗の通常の法要(序分、正宗分、流通分)に授戒と引導が加えられたものです。
序文は法要を行うに当たって仏様をお迎えする部分、正宗分は法要で仏様のお話をうかがう部分、流通分は法要を終えたら感謝して仏様をお送りする部分、
授戒は戒名を授けて仏様の弟子とすること、引導は仏様の弟子として教え導くことをさします。
枕経は臨終行儀として伝統的に重視され、この時 授戒することが基本とされて居りました。
しかし、現代では枕経では来迎仏をあげて念仏するだけで良いと変化し、授戒は通夜式で行うことが一般的となって居ります。
通夜式では四誓偈(しせいげ)が読誦されます(もしくは仏身観文(ぶつしんかんもん)、阿弥陀経)。
葬儀式では四誓偈、もしくは仏身観文が読誦されます。

4)浄土真宗の葬儀とお経
浄土真宗の葬儀は他の宗派と大きく異なります。
葬儀の中に授戒と引導が無い為、葬儀は日常の勤行がそのまま葬儀式の構成となります。
これは在家仏教ゆえに戒が無く、“絶対他力”ですので信心をいただいていない人が亡くなっても、その人を往生・成仏される力は私たち凡夫(僧を含む)には出来ず
阿弥陀如来の一人働きによるのみとされ、“平生業成”から生前に信心をいただいていたならば、浄土往生と成仏はすでに約束されている事なので
故人様の成仏を祈る必要はない、との考えから引導も有りません。
又、人間には他に分かち合うだけの功徳が備わっていないとの考えから、他宗派と同じ回向の考え方も有りません。
往生即成仏と成りますので、死装束は不要であり、霊やケガレも認めて居りませんので清め塩は使いません。
浄土真宗の葬儀式は故人様の死という事実を身をもって示し、私達に死を迎える準備をしなければならない事を無言の内に教えてくれて居る事から、
これを機縁として本尊阿弥陀如来に報恩感謝し、仏様の教えを学ぶ“聞法”の場であると位置付けられて居ります。
従いまして あくまでもご本尊を中心にしてご葬儀は営まれます。
臨終勤行の枕経では阿弥陀経(本願寺派)が読誦され、通夜式でも同様です。
葬儀式では阿弥陀経が読誦されます。

5)臨済宗の葬儀とお経
臨済宗の葬儀は故人様が仏弟子となり、修行の道に入り、自己の仏性に目覚める事を願う儀式とされます。
従いまして、死者を仏弟子とする授戒と、仏性に目覚めさせる引導が葬儀式の中心となります。
葬儀には、人間は仏の世界から見れば修行不足の存在であるから、
縁が無くてこの世で修行を積むことが出来なくても、亡くなった後に仏弟子として修行に励んで欲しいとの願いが表現され、
又 ご遺族は故人様の最後をきちんとしてあげ、故人様の安心を願うと共に平静な心を得、亡き人に報いるべく自らを促されます。
臨済宗は禅宗であり、導師の修行を背景として営まれ、地域によっても式次第は異なります。
枕経では観音経、大悲呪(だいひしゅう)などが読誦されます。
通夜式では 観音経、金剛経などが読誦されます。
葬儀式では 大悲呪が読誦されます。

6)曹洞宗の葬儀とお経
曹洞宗の葬儀は故人様を偲び、讃えることであり、ご遺族をいたわり、慰める為に営むものとされます。
葬儀儀礼は僧侶の葬儀を簡略化して営まれ、授戒(戒を授けて仏弟子とすること)と引導(仏世界に入らしむこと)が中心に置かれます。
又、肉親の死により悲しみの中に居られるご遺族に、故人様もこうして仏の慈悲により救済され、仏の世界に入れることを儀式により示すことで、慰めを与えます。
枕経では仏遺教経(ぶつゆいきょうぎょう)又は 舎利礼文(しゃりらいもん)が読誦され、
通夜式では修証義(しゅうしょうぎ) 舎利礼文が読誦されます。
葬儀式では大悲心陀羅尼(だいひしんだらに)、舎利礼文が読誦されます。

7)日蓮宗の葬儀とお経
日蓮宗の葬儀は、蓮聖人の法華経を信じ南無妙法蓮華経の題目を受持する者は必ず霊山浄土に往詣(おうけい)する事が出来る の言葉をよりどころに営まれます。
死者に対し、生死の二法を明らかにし、法華経信仰を通して釈尊、日蓮聖人との関係に於ける安心を説き、
過去・現在・未来の三世にわたり法華経を護持することを勧め、霊山浄土への導きをなすことを眼目とします。
枕経、通夜式、葬儀式 いずれの場合も 法華経が読誦されます。
今回は以上です。
樹木葬
人はその生涯をまっとうされますと、ご遺体は埋葬されるのが常です。
古くはご家族、あるいは故人様ゆかりの林や古木の下に埋葬される事もしばしばでした。
しかしながら明治時代以降、ご遺体の埋葬にはしかるべき規則が定められ、定められた場所に埋葬される事となりました。
その規則の下で、埋葬の方法が考えられて”樹木葬”と呼ばれる形態が可能と成りました。

1 ご遺体の埋葬
ご逝去された故人様のご遺体を火葬・埋葬する為には”墓地・埋葬に関する法律”の下で執り行わなければ成りません。
まずは、死体火埋葬許可証を取得です。
死体火埋葬許可証とはご遺体を埋葬(土葬)あるいは火葬を許可する証で、埋葬・火葬の前に取得して置かなければ成りません。
許可証の発行は死亡届を受理した市区町村役所が行います。
死亡届と共に死体火埋葬許可申請書を役所に提出し、許可証を受取ります。
申請書には、死亡者の本籍、住所、氏名、性別、出生年月日、死因(一般感染症かそうで無いか)、死亡年月日時、死亡場所、火葬場所あるいは埋葬場所、申請者の住所・氏名・続柄の情報と印鑑(シャチハタは不可)が必要と成ります。
死体火埋葬許可証が無いとご遺体を埋葬(土葬)、或いは火葬する事が出来ません。
この許可証は発行した市区町村だけでなく、全国共通で有効となります。
尚、ご遺体は原則としてご逝去後24時間以内には埋葬・火葬を行う事が出来ません。
但し、法定伝染病により亡くなられた場合はこの限りでは有りません。
横浜市内では原則として土葬が認められて居りませんので、全て火葬となります。

横浜市内には市営火葬場として、横浜市北部斎場(緑区)、横浜市久保山斎場(西区)、横浜市戸塚斎場(戸塚区)、横浜市南部斎場(金沢区)、私営火葬場として西寺尾斎場が御座います。
其々の火葬炉ご利用費用は;
1 横浜市営火葬場; 横浜市民-12,000円、市外-50,000円。
2 西寺尾火葬場; 63,000円(市内、市外共に)。
ご火葬が終り、ご遺骨をお骨壺に納めた後、埋葬証明書が発給されます。
埋葬証明書はご遺骨を埋蔵(お墓に納める事)、収蔵(納骨堂に納める事)の際に管理者に提出しなければならない重要な書類ですので、お骨壺と共に大切に保管して下さい。
尚、骨をされる場合は、別途分骨証明書が必要となりますので、ご火葬の前に火葬場へ申請する必要が御座います。
分骨申請書の発行手数料は横浜市営斎場の場合300円となります。
以上の手続はひかりの杜にて代行して居ります。

2 樹木葬
日本に於ける樹木葬とは“墓地、埋葬に関する法律”に基き、
都道府県知事より認可された墓地の地中にご遺骨を埋蔵し墓石の代りに樹木を墓標とする埋葬の形で、樹木墓地、樹林墓地などとも呼ばれます。
1)樹木葬の歴史
現代日本に於ける最初の樹木葬墓地は1999年に開設された岩手県一関市の宗教法人知勝院です。
知勝院では、院内の里山にご遺骨を埋葬するタイプと、整備された霊園の区画に埋葬するタイプとが提供されました。
2)東京・横浜の樹木葬公営墓地
公営霊園の樹木葬墓地としては2012年に開設された東京都の小平霊園 樹林墓地が有名です。
又、横浜市営ではメモリアルグリーン(戸塚区)の合葬式樹木墓地が提供されて居り、横浜市内でも樹木葬墓地が多数提供され始めて居ります。
3)継承を前提としない樹木葬
現代の日本に於ける高齢化率は既に25%を超え、家族構成も単身所帯が30%を超える中で、従来の家族制度を基にした先祖代々の墓制度を継承する事は困難な環境となりました。
この様な環境下では、個人個人がご自分のお墓の事を考え、親のお墓の供養をどの様に続けるのか、考慮しなければならない状況です。
そうした中で、継承を前提としない樹木葬は注目に値するお墓と言えます。
墓石も必要とせず、特定区画を必要としない合同埋蔵であれば、必要とされる費用も限られたものと成ります。

4)樹木葬墓地でのご遺骨埋蔵
ご遺骨埋蔵の形態としては;
① 区画の永代使用権を得てお骨壺を埋蔵し、その墓標として植樹する形、
② 樹木墓地の中の指定場所にお骨壺を埋蔵する形、
③ 樹林墓地の特定場所にご遺骨を合同埋蔵する形、
④ 樹木墓地の指定場所にご遺骨を砕骨して最小化し埋蔵する形、などが有ります。
岩手県一関市の知勝院では①と③が提供されると共に現地の里山保護にも寄与して居ります。
東京都営の小平霊園では②と③が提供されて居ります。
横浜市営のメモリアルグリーン(戸塚)では③の合葬式樹木墓地が提供されて居ります。
又、多くの私営霊園が樹木葬墓地を提供して居りますが大多数は④の形態となります。
面白い形態としては散骨樹木葬と呼ばれ、島根県壱岐郡海士町に属する無人島カズラ島は島全体が霊園として登録され、この島の樹林に有料で散骨する事が可能となって居ります。
今回は以上です。
孤独死、供養
男性と女性が婚姻する事で一人前の社会人と評価された時代は既に過去のものとなり、多くの方々が多様化した世界で独自の社会生活を営む時代となりました。
そうした中では生涯を単身で過ごされる方も多く、孤独死と呼ばれる言葉が造られ、その供養も新たなものとなりました。

1 孤独死
孤独死とは1995年の阪神・淡路大震災後から使用される様ななったマスコミの造語で明確な定義はありませんが、
一人暮らしの方が誰にも看取られることなく、ご本人の住居内での生活中に重篤化した疾病(しつぺい)などによって死亡することを言います。
公的には”孤立死(こりつし)”と表現されます。

1)単身家庭の増加
昨今の社会情勢では核家族化、少子化、男女差別解消(男女雇用平等化)等が進捗する中で、
多くの方々が終活をお考えになる際、御自身御一人で検討しなければならないケースも多くなりました。
その理由は生涯独身、結婚はしたが離婚した、熟年離婚、配偶者に先立たれた、その他等多岐に渡りますが、その中でも生涯独身と熟年離婚は大きく増える傾向に有ります。
2)単身家庭(生涯独身)
①生涯独身とは;
生涯独身(50歳まで結婚をしなかった)の方は1965年(昭和40年)には男性1.5%、女性2.6%(人口比)でしたが、
2010年(平成22年)では男性20.1%、女性10.6%と大きく増加しており、
2020年には(未確定)男性26.6%、女性18.9と更に増加すると想定されて居ります。
②生涯独身の理由
生涯独身の方々には、一生独身で居たいと考える方も居れば、結婚したくても何らかの理由で出来なかった方など様々ですが、その生活は覚悟さえあればそれ程難しい事では有りません。
③生涯独身の方が気を付けなければならない事
その独身生活には多くのメリットとディメリットが御座います。
但し、気を付けなければならない事は老後の生活資金と死後の必要費用を確保しておく事です。
平均寿命を90歳とした時、60歳から90歳までの老後に必要な資金は夫婦2人で8000万円と言われます。
生涯独身の方はこの半分4000万円+アルファ(病気への備え、介護費用、後見人費用等)を退職金・年金を含めて計算し、不足分を用意しなければ成りません。
又、葬儀費用は控え目に行うのであれば100万円、お墓の費用・室内の永代供養墓を前提とすれば100万円を別途用意します。

④生涯独身のメリット
ー時間が自由に使える
時間が自由に使えるという事は、御自身のプライベートな時間は自分で管理する事が出来、自分がしたい事をしたい時に誰にも邪魔されずする事が出来ます。
自分の想う様に行動できるのが最大のメリットです。
ーお金が自由に使える
ご自分のお金は自由に使えます。
家庭を持てばご自分の収入は自分を含めた家族全員の為に使用されます。
生涯独身であれば収入は全て自分自身の為に使用しても 誰にも文句を言われる事はありません。
ー恋愛に縛られない
恋愛に縛られないとは、結婚をすれば原則として恋愛は出来ません。
結婚後に魅力的な女性に出会った場合、その女性との恋をあきらめるか、不倫をするか の二者択一となります。
人に隠れて不倫をするよりは何時でも好きな様に恋愛をしたい男性は生涯独身を選択する事と成ります。
但し、御自身が年を取り周囲の女性から相手にされなくなった際にもこの選択を後悔しないか?は良く考えなければ成りません。
ー家庭に縛られない
生涯独身のメリットとして家庭に縛られないがあります。
どの様な形にしろ結婚をした後は家庭に縛られる事と成ります。
家庭を持つ事により安心感を得て、自分磨きを怠る男性の方が多くみられます。

⑤生涯独身女性の特徴・メリット
生涯独身を選択する女性の特徴やメリットとしては、仕事に対する能力が高い、人を余り信用しない、派手な交際関係、一人で生活するに十分な収入(貯蓄)がある等があります。
生涯独身を選ぶ、或いは選ばざる得ない女性の方は仕事に対する能力の高い方が多く見られます。
常にスキルを向上させ、自信を持って仕事をこなす女性は仕事が楽しく、仕事を生きがいとする為、結婚を意識する機会が減り、いつの間にか歳を取ってしまったと言う方です。
人を余り信用できない、女性の生涯独身の方の中に多く見られます。
過去の何等かの出来事によりトラウマとなって男性不信や人間不信に陥いった結果、恋愛が思う様に出来ない方です。
交友関係が派手な女性は、多くの男性から遊び相手としては見られても、結婚の対象としては見られない事が多々あります。
この誤解から結婚したくても出来ないという状況が推移し、婚期を逸するという形です。
但し、この形の女性は結婚出来なくとも周りに多くの友人が居られますので寂しい思いをする事はありません。
一人で生活するのに十分な収入が有る女性は、男性と同様にあえて結婚をして制限を受けたくないと考える方です。
⑥生涯独身の覚悟
生涯独身を決めた方は幾つかの事を覚悟しなければ成りません。
ーその一つは子供を持てない事です。
子供を持たない事はご両親に孫を抱かせる事が出来ない事でも有ります。
日本では古くからご両親に孫を抱かせる事は親孝行の第一とされて居りました。
生涯独身の方は別の親孝行を考えなければ成りません。
ー二番目は病気や怪我で倒れても助けてくれる家族は居ないと言う事です。
どの様な状態に陥っても自分自身の力で解決する覚悟が必要と成ります。
生涯独身の方は老後の心配も若い内から準備を行い、生涯 自己解決の前提を覚悟して努力し続ける事が必要です。
三番目は、世間一般には結婚するのが当たり前と考える近親者や世間の中で肩身の狭い思いをする事と成りますが、耐えねばなりません。
2 孤独死された方の供養
1)単身家庭の方にお薦めする葬送儀礼(葬儀)
終活を御一人でお考えの方には、ご葬儀として通夜式・葬儀式を行わずにご火葬だけを営む火葬儀、
通夜式・葬儀式は行いますが極少人数の身内の方々だけでお見送りを行う家族葬をお薦め致します。
-火葬儀
終活をお考えに成る際の選択肢の一つとして “火葬儀”が御座います。
一般には直葬と呼ばれる葬儀形式で、通夜式・葬儀式は行わずにご火葬のみを執り行う形式で
高齢ゆえに静かに見送りたい、宗教色の無い葬儀でありたい、費用を抑えたい、などのご希望をお持ちの方にご利用頂けます。
その内訳は;
- ご連絡を受けてご遺体を病院からご自宅に移送し、ご遺体に保全処置を施して安置し、枕飾りを用意してお祈りの場を準備します。
- 特別な場合を除き死亡後24時間は法律により火葬が出来ませんので、ご遺体は1日以上ご自宅に安置される事となります。
- ご火葬の予定に合わせてご遺族様の手でご遺体を柩に納め、火葬場に向け出棺します。
- 火葬場到着後、お柩は火葬炉に移され、荼毘に付されます。
- ご火葬終了後、ご遺族の手で拾骨を行いお骨壺に焼骨を全て納めます。
- お骨壺をご自宅に持ち帰り、後飾り壇に安置して終了となります。
ご火葬のみのシンプルな儀式ですが、故人様とのお別れの時間を十分に取る事は可能です。
-家族葬
葬送儀礼は仕来りにのっとり行いたいが参列者は家族のみとし、静かに、廉価に営みたい、とのご希望に方には家族葬をお薦め致します。
その内訳は;
- ご連絡を受けてご遺体を病院からご自宅に移送し、ご遺体に保全処置を施して安置し、枕飾りを用意してお祈りの場を準備します。
- 特別な場合を除き死亡後24時間は法律により火葬が出来ませんので、ご遺体は1日以上ご自宅に安置される事となります。
- 通夜式の予定に合わせてご遺族様の手でご遺体を柩に納め、そのお柩を中心に式場が設営されます。
- ご指定のご導師により通夜式を執り行い、その後 参列のご遺族でお清めの席を営みます。又 当日の夜は終夜 ご遺族様により故人様をお慰めします。
- 翌日は 同じくご導師の下で葬儀式を執り行います。
- 葬儀後 最後のお別れを行い、火葬場へご出棺となります。
- 火葬場 到着後 お柩は火葬炉に移され、荼毘に付されます。
- ご火葬終了後 ご遺族の手で拾骨を行いお骨壺に焼骨を全て納めます。
- お骨壺をご自宅に持ち帰り、後飾り壇に安置して終了となります。
家族葬は故人様とご家族だけでのお別れとなりますので、慌しさや煩わしさも無く、喪主様は故人様とのお別れの時間を大切に過ごす事が出来ます。

2)単身家庭の方にお薦めするお墓
永眠されるお墓に付きましては、墓地を購入して墓石を建てる従来型の他に、
隣が誰かを気にする必要の無い樹木葬、永代供養を保障された永代供養墓、室内にロッカ-形式の納骨壇が設けられた霊堂、
海や空での散骨、更にはご遺骨を宇宙にお送りする宇宙葬などがご利用出来ます。
①樹木葬とは
日本に於ける樹木葬とは、“墓地、埋葬に関する法律” に基き都道府県知事より認可された墓地の地中にご遺骨を埋蔵し墓石の代りに樹木を墓標とする埋葬の形で、
樹木墓地、樹林墓地などとも呼ばれます。
横浜市営ではメモリアルグリーン(戸塚区)の合葬式樹木墓地が提供されて居り、横浜市内でも樹木葬墓地が多数提供され始めて居ります。
ー継承を前提としない樹木葬
現代の日本に於ける高齢化率は既に25%を超え、家族構成も単身所帯が30%を超える中で、従来の家族制度を基にした先祖代々の墓制度を継承する事は困難な環境となりました。
この様な環境下では個人個人がご自分のお墓の事を考え、親のお墓の供養をどの様に続けるのか、考慮しなければならない状況です。
この様な中で”継承を前提”としない樹木葬は注目に値するお墓と言えます。
墓石も必要とせず、特定区画を必要としない合同埋蔵であれば、必要とされる費用も限られたものと成ります。
②納骨堂
納骨堂とは“墓地、埋葬に関する法律” に基き都道府県知事より認可を受けた施設で、骨壺に納められたご遺骨を安置しておく事が出来る建物です。
管理・運営の主体者により寺院納骨堂、公営納骨堂、私営納骨堂に分かれます。
-ご遺骨の保管形態
ご遺骨の保管は、お墓を建てるまでの短期間、5年間・10年間等の長期保管、永代保管などの形態が御座います。
永代保管の場合は一定期間は何時でもお骨壺に面会する事が可能ですが、定められた期間以降はご遺骨は特定場所に合祀され、その後の面会は出来ないのが一般的です。
-納骨堂の起源とメリット
日本に於ける現代の納骨堂は、お墓を継承する方が居られない場合や、経済的な理由でお墓を建立する事が出来ない方々の為に提供が始まりました。
現代では生涯独身の方や、現在お持ちのお墓の維持・管理に負担を感じ始めた方、お墓が遠方でお参りに行きにくい方などに選ばれる様になって居ります。
お墓を建てるには墓地の永代使用料、墓石代と工事費用、維持管理料等が必要と成りますが、
納骨堂では墓石建立の費用は不要であると共に、使用空間も大幅に小さくなり 使用料はそれに合わせて少額となります。

③散骨
-散骨とは
散骨とは葬送方法の一つで、ご火葬した後の焼骨を粉末状にした上で、山中、海、空、宇宙などへ撒く形の葬送です。
死後には山や海等の自然の中に帰りたいという、故人様のご希望や、お墓を守る方が居ない、などの理由から選ばれます。
-散骨の規則
葬送方法を規定した”墓地、埋葬等に関する法律”では、焼骨の墳墓への埋蔵や、納骨堂に収蔵する為の手続きに付いて定められて居りますが、
これら以外の方法に付いては特段の規定は無い為、法律上は散骨をする事が可能です。
但し、私有地、水源地周辺、漁場・養殖場の周辺は避けるべきかと考えます。
散骨は法務省の”節度をもって行われる限りは違法性はない”と言う見解により認められて居ります。
この”節度をもって”とは焼骨をそのままでは無く粉末状(焼灰と同程度)にして原型を無くす事、そして周辺住民から苦情の出ない場所に散布する事が求められます。
尚、北海道長沼町では条例により 散骨は認められて居りません。
又、北海道七飯町、長野県諏訪市、北海道岩見沢市、埼玉県秩父市では条件付きで散骨が可能となって居りますのでご注意下さい。
神奈川県御殿場市は現在 検討中です。
-海外での散骨
海外ではアメリカ ハワイ州等で散骨に関する法律が有り、法律に反して散骨を行うと、多額の罰金が科せられますので、良くご確認下さい。
又、反対にブータンなどでは宗教上の理由から墳墓を作りませんので、散骨するのが原則です。
キリスト教ではカトリックは教会に埋葬する事を前提として居りますので、ご自宅での保管や散骨には否定的です。
プロテスタントでは多くの教派で散骨を許容して居ります。
今回は以上です。
献香
献香(けんこう)とは霊前にお香(こう)を焚(た)いて捧げることを言います。
香は仏教と共に日本に伝来し、香を焚く事により不浄を払い心識を清浄にすることが出来るとされます。
仏教では、仏前で香を焚き、お花や灯明と共に仏前にお供えする事を供養(くよう)の基本として居ります。
1 お香
香とは、本来は伽羅(きゃら)、沈香(じんこう)、白檀(びゃくだん)などの香木の香りを言いますが、
その香りを基として、樹木の皮・葉・根などの粉末や芳香を持つ樹脂などを棒状・粉末・液状に成型して生成されます。
1)香の歴史は古くよりあり、紀元前3千年前のメソポタミア文明ではシダーウッドが香木として珍重され、
古代エジプトではキフィと呼ばれる調合された香が重要な輸出品となって居りました。
これらの香りの知識はその後インドを経て中国・日本へと伝えられました。
2)特にインドでは各種の香木を産して居り、酷暑による悪臭を防ぐ為に重要な役割を果たして居り、
インドを発祥とする仏教では、伝教の為の仏像や仏具の原材料として香木が使用され、仏前で火を灯して香を焚く作法が供養の基本とされる事と成ります。
3)香には、焚いて使用する香(焼香)と、焚かずに身体に塗る香(塗香)が御座います。
焚いて使用する香は;
ー棒状や渦巻型に成型された線香は、砂を盛った皿やホルダーに立てて燃焼させます。
ー粉末状の抹香は香炉に入れた炭火の上に載せて燃焼させます。
4)又、北アメリカのインディアンは虫除けや人体にある種の効能を与える植物を使用した香の伝統を培って居ります。
尚、仏教国として有名なタイ国では、首都バンコクで香の煙が大気汚染の原因の一つになるとして自粛要請が出されて居ります。

2 葬儀での焼香
1)仏式でのご葬儀の流れは以下の通りですが、その節目毎には香を焚いて供養を為します;
仏式ご葬儀の流れはご遺体安置、納棺、通夜、葬儀・告別式、火葬、埋葬、法要、喪明けとなります。
- ご遺体安置;ご遺体を清め、死に装束を着せ、手を胸元で合笙して数珠をかけ、北枕で安置します。
- 枕かざり;ご遺体の前に小机を置きその上に以下を飾ります。
一本線香
一本ローソク
一本しきみ(花を一輪)
水(故人ご愛用の湯飲みで)
枕飯(故人ご愛用の茶碗で 箸は垂直に立てます)
- 納棺;僧侶を招き納棺経をあげて頂きその間に納棺を行います。
- 通夜;ご遺体を守ってご遺体の側で一夜を明かします。
- 通夜ぶるまい;精進料理で通夜のご会葬者をおもてなしします。
- 葬儀と告別式;近頃はご会葬者の便宜を考え葬儀と告別式の区別をつけずに同時に行い時間短縮をはかるケースが多く見られます。
- 焼香;香は線香と抹香を使います。
焼香と合笙により故人の霊を清め、仏に帰依すること念じるための礼法です。線香に火を移した際 炎を吹き消すのはタブーです。手であおいで消して下さい。
- 火葬式;火葬のまえに僧侶による読経、焼香、合笙により最後のお別れをします。
- 清めの塩;火葬場から帰りましたら水で手を清め体に塩を振り掛けます。
正式には まず体の正面へ 次に背中へ 最後に戸外へ向けて塩を振り掛けます。
- 数珠;宗派により違いは有りますが 通夜、葬儀、告別式、法要などの仏事に欠かせない 大切な小道具です。
最後に、仏式の葬儀では香を使用します、よく消臭のためとも言われますが、正しくは香の煙は仏の食物であるとの教えから来ております。

2)キリスト教の葬儀
キリスト教に於ける死とは、キリストを信じる者にとって”永遠の命と復活への希望”に入る事であり、
天にまします神とイエス・キリストの下に召されて、復活する準備の期間とされます。
カトリックでは ”帰天”、プロテスタントでは”召天”とも呼ばれます。
日本に於けるカトリック教会のご葬儀は、日本の文化・習慣に適応して行うという考え方に基ずいて、通夜、及び葬儀の流れに従って行われます。
儀礼の式場は所属する教会が一般的ですが、ご自宅や葬儀場で行う事もかのうです。
又、参列者の多くの方はカトリック信徒ではない場合などではミサに代えて”ことばの祭儀”を行うケースも御座います。
カトリック教徒の通夜では、聖書の朗読、聖歌斉唱、死者の為の祈り、お柩への献香、参列者による献花 もしくは焼香、そして 遺族代表による挨拶などが行われます。
カトリック教会による”葬儀式次第”によれば、葬儀を行う場所として自宅、教会、墓地が示されて居り、行う場所によって其々3種類の葬儀次第が示されて居ります。
葬儀場を使用する場合は自宅を前提とした葬儀次第に準拠して行われます。
その内容は、葬儀ミサ、告別式、葬送の流れで行われます。
葬儀ミサでは聖書朗読・聖歌斉唱・祈り・説教の内容で行われ、
告別式では故人様の紹介・弔辞・弔電紹介・献花・遺族代表挨拶などが行われます。
カトリック教では命日など特定の日に集まる習慣は有りませんが、日本の習慣に合わせて一周忌や命日などを命日祭として記念の集いを持つ場合も御座います。

3)無宗教葬
無宗教葬とは、特定の宗教を前提としないお別れの為の儀礼で、特定の様式は無く全て故人様の遺志やご遺族のご希望に従って営まれる葬儀です。
告別式やお別れ会などの名称でも呼ばれます。
信仰する宗教の無い方、ご事情により特定の宗教でご葬儀を営む事が出来ない方、従来からの様式ではなく独自のご葬儀を営みたい方、等のケースで無宗教によるご葬儀が営まれます。
尚、ご納骨を特定寺院の墓地でされる場合は事前に寺院の了解を頂く様、お薦めします。(寺院より戒名を頂いていない場合は納骨が出来ないケースも御座います)
日本で初めて無宗教葬が行われたのは明治37年(1901年)に東京青山墓地式場で執り行われた中江兆民の告別式であるとされます。
フランス学者であり実業家でもあった中江兆民は特定の宗教を信仰する事は無く、その遺言の中では宗教的儀礼・葬儀を営む事を否定して居りました。
しかしながら、弟子達は師との告別を何等か形で行いたいと考え、一切の宗教上の儀式を用いない告別式として営みました。
現在では告別式は葬儀式と対の形で行われるのが一般的となって居りますが、告別式の名称が使用されるのは中江兆民のご葬儀以降で、
それ以前は告別式=無宗教葬と理解されて居りました。
無宗教葬の営みに決められた流れは無く、ご遺族のご希望に従い自由に行う事が出来ます。
一般的には、黙祷、故人様ゆかりの音楽演奏、故人様の足跡、故人様への感謝の言葉、献花(もしくは献香)、故人様を偲んでの会席、等を組み合わせて営まれます。
今回は以上です。
献花
生涯ををまつとうされて、ご逝去された故人様の霊を弔ってお花を捧げる行為は人間社会の中で古くより行われて参りました。
現代の日本に於きましては;
安置された故人様の枕元を飾る枕花、葬儀式場を飾る為に贈られる供花、そして故人様の霊を偲んで捧げられる献花などが御座います。

1 献花の起源
故人様との告別の儀式としてお花を供える習慣は日本独自のものと言えます。
しかしながら、故人様の逝去を悼みその霊を弔ってお花を手向ける習慣は世界中で古くから有りました。
紀元前20万年から二万数千年までヨーロッパを中心に生存していたとされるネアンデルタール人の遺跡では死者の遺骨にお花が添えられていた痕跡が散見されて居ります。
最古の古墳とも言われるイラク北部のシャニダール洞窟では、屈葬の形でネアンデルタール人の遺体が埋葬され、
ネアンデルタール人のご遺骸の周りで、洞窟内では咲くはずの無いノコギリソウやヤグルマギクの花の花粉が大量に見つかり、
数万年前の亜人類の世界には死者を葬る習慣、死者を悼む心があり、葬られたご遺体にお花を捧げる習慣があったのではないかと推測されております。
又、日本国内各地の古墳でも、お柩と共に花粉や花の種の化石が発見されて居ります。
2 献花
ご逝去された方をお見送りする作法は信仰されている宗教、宗派により異なります。
仏式の葬儀であれば焼香、神式の神葬祭であれば玉串拝礼、キリスト教の葬儀や無宗教葬であれば生花の献花、などが一般的な作法となります。
献花とは無宗教葬のお別れ会、キリスト教葬、香を使用出来ないホテルでの葬儀等で 故人さまをお見送りする際に捧げるお花を指します。
キリスト教葬における献花は白のカーネーションで行われるのが一般的ですが、これは日本だけの習慣で仏教葬の焼香の変わる行為と言われて居ります。
海外ではお柩にお花を捧げる習慣は有りますが、ご葬儀でお花を捧げる習慣は有りません。
ご献花を捧げる作法として決められた形は有りませんので、その教会により異なりますが、
参列者は係員より一輪の花をいただき、一人ずつ式場の前に進み、お柩やご遺影の前に置かれた献花台の上にお花を置いて、故人さまに拝礼をして席に戻ります。
お花の置き方はお花をお棺に向けて置く場合と、茎の部分をお棺に向けて置く場合とが御座いますが、前の方と同じ方法で置かれるのが良いでしょう。
又、お花は教会の入り口で会場に入る際に渡される場合と、献花の前に介添いの方より渡される場合が有ります。
無宗教葬の場合や、仏教葬でもホテルで執り行う場合は焼香が出来ない為、献花により故人様の霊を弔います。

献花に使用する花は;
① 一輪咲き、
② 茎がしっかりしてる、
③ 持ちやすい長さがある、
④ 白色の品種がある
の条件を満たす花であれば良いとされています。
献花に使用するお花は白菊や白のカーネーションが一般的ですが、
現代の横浜では花の種類や色に係わらず、故人様がお好きだったお花や、ご遺族の希望に合わせてお花を選ぶ事も多くなりました。
バラ等、ゲの有る花を用いてはならない、とも言われますが、トゲを全て取り去って献花に使用する事は可能です。
お花の置き方に付きましては特に決められた作法は御座いませんので、前の方に従うのが良いと思われます。

無宗教葬の場合も故人様との告別には献花により行われるのが一般的です。
しかしながら、ご遺族のご希望によっては焼香により告別されるケースも御座います。
又、ご遺族のご希望によっては生花を献花台に置くのではなく、ご遺影の前にオアシスを作ってそこに生花を挿すなどの形も御座います。
日本に於いて最初に行われた無宗教葬儀(告別式)は明治34年に死去した中江兆民の告別式と言われます。
中江兆民は無神主義者で生前より葬儀の施行を拒否して居りましたが、死後その弟子たちにより告別式が執り行われました。
その後、著名人の間で無宗教の告別式がはやりと成り、告別のお祈りをする際、神道の玉串に変えて生花を供える様に成りました。
キリスト教の場合、本来献花の習慣は有りませんが、日本に於いてのみ無宗教告別式と同様に献花をする様に成りました。
告別の為の献花は日本特有と言われるのに”なぜ米国のアーリントン墓地で献花をするのか”と聞かれます。
米国ワシントン特別区のアーリントン墓地は戦没者墓地として有名ですが、それ以外に二十年以上軍籍にあった死者も宗教に係わらず埋葬する事が出来ます。
そして第一時世界大戦以降の無名戦士のお墓が御座います。
同様の墓地はイギリスとフランスにも存在します。
関係国要人が献花するのはこの無名戦士の墓のみです。
今回は以上です。
前回は焼香に付いて書かせて頂きましたが他の葬礼で焼香に変わるものとして献花が御座います。
献花は日本に於けるキリスト教、宗教を持たない方、ホテルでの葬祭、そして密葬後の お別れ会などで行われております。
献花の歴史は古くイラク北部のシャニダ-ル遺跡でネアンデルタール人の遺骨の周りか ら花の花粉が発見され この時代にはすでに献花がされていたと考えられます。 (これは献花ではないとの学説もあります。)
何れにしろ人類が生まれて以来 人の死を悲しみ その悲しみを表現する方法のひとつ として”故人に花を贈る”という習慣は非常に長い歴史を持っております。
献花に使用される花は 一輪咲き 茎が長くてしっかりしている 白い花という前提 からカーネーション、菊、バラなどが有りますがバラはとげが有るので使用されず キリスト教葬ではカーネーションが それ以外では菊が(仏教葬のイメージか?) 一般的に使用されております。
ひかりの杜ではご供花のご注文も承っております。
また、さまざまな生花祭壇を取り揃えており、 火葬から家族葬、通常の一般葬まで様々形式に対応できる最新設備とシステムを備えています。宗派も仏式だけでなく、キリスト教など様々な宗派に対応可能です。
近年の葬儀では棺や遺影のまわりを生花で飾る生花祭壇をご希望される方が増えています。生前、故人様が好まれた花で、故人様を連想させるデザインで葬儀を執り行いたいとよくご依頼を頂きます。
ひかりの杜ではそういった要望もご遺族様のご希望通りの祭壇をご用意することが可能です。
横浜で葬儀の際はひかりの杜へご相談ください。
さて、献花の方法は遺影に向けてテーブルの上に置く 遺影の前のオアシス(水槽)に活ける 棺の中に直接納めるなどが普通でしょうか。
献花の置き方としては棺に納める場合はお花を故人のお顔に向けて置きます。
それ以外は特に決め事はありませんので最初に置いた方を見習うのが自然です。
以前のマナー本では神道の玉串と同じ様に花を手前にして置くと書かれたものが 多く見られましたが最近は見かけなくなりました。
今回もご拝読 有難う御座いました。
清めの塩、通夜
日本に於きましてはご葬儀に関わる言葉として”清めの”との言葉がしばしば使用されます。
お清めの塩、お清めの席などですが、これは日本古来の宗教的習俗(しゅうぞく)に由来(ゆらい)します。

1 清めの塩
日本文化固有の宗教である神道では、人の死は穢れと定義されて居り、穢れに接した際にはこれを清めるなければ成りませんでした。
そして、全ての穢れを清める為には塩が使用されて参りました。
1)神社本庁では清めの塩に付いて以下の説明が御座います;
ー”清めに塩を用いることは、我が国の宗教的習俗であり、海水を意味する「潮」とも通じてさまざまな風習があります。
古くは記紀神話に、
黄泉の
国から戻った
伊弉諾尊が自らの体に付いた黄泉の国の
穢を祓うため、海水で
禊祓をおこなったことが記されています。
このことが民間においては、「
潮(塩)垢離」といって海水を浴びて身を清めたり、海水を沸した「
塩湯」が、病気治療や無病息災のために用いられるといった風習に繋がっていきました。
これも塩が持っている優れた浄化力や殺菌力を知っていたためです。
現在、神社の祭りにおけるお祓いでも、塩水でお清めをおこなう塩湯が用いられますし、
葬儀の際など、一般でも塩が用いられるのも、こうした信仰に基づき、非日常と日常とをわける清めの行為を象徴的におこなったものといえます。
塩の力に祓いの願いを託すことは、祖先から受け継がれた英知なのです。”
2)ご葬儀を執り行った後に”振り塩”と呼ばれる清めの塩を撒く習慣や、帰宅してご自宅に入る前に塩を振りかけて清める習慣が有りますが、
これは、神道古来の習慣が渡来した仏教の葬儀と融合したと考えられます。
本来、死を穢れとは考えない仏教では教義に反するとの意見も御座います。
浄土真宗では当初より清めの塩は使用致しません。
もちろんキリスト教、イスラム教でのご葬儀には穢れ、清めの概念は存在しません。

2 通夜、お清めの席
通夜とは日本特有のご葬儀の前に営む儀礼で仏教では通夜式、神道では通夜祭、キリスト教では前夜祭とよばれて営まれて居ります。
尚、キリスト教では本来通夜の儀礼は御座いませんが、日本の習俗に倣いご遺族様のご希望に合わせて前夜祭を営む事となりました。

1)通夜の起源
仏教伝来以前の古代日本には殯(もがり)と呼ばれる儀礼が営まれて居りました。
殯とは故人様のご逝去後、葬儀(埋葬)までの期間故人様ゆかりの方々が交代で火を灯し寝ずの番をして、故人様の霊を慰め、悪魔祓いをしたとされます。
又、古代では人の生と死の境目が明確でなかったことから、殯の期間で故人様の死を確認したと考えられます。
従いまして、殯は現代の一夜で営む通夜とは異なり最低でも数週間は営まれました。

2)仏教の通夜式
仏教に於ける通夜の起源は紀元前383年2月15日満月の夜に北インドのクシナガラで入滅した釈迦を偲んで、
弟子達が釈迦のご遺体を囲んで7日間に渡り釈迦が生涯をかけて説いた説法を弟子達が聞き合った、との故事に由来します。
仏教の通夜は故人様の成仏を祈るためではなく、
大夜(たいや)と呼ばれる故人様の最後の夜を共に過ごす為に集まった親しい方々が故人様のご遺体を取り囲み思い出話を語り合う事にありました。
通夜は本来、故人様のご遺体を葬るまでの間”夜を通して”ご遺体をお守りする事にありました。、
しかしながら時代の変化と共に1時間から2時間での通夜式が営まれ、その後は葬儀式までの間ご遺族によりお守りされる様になり。
現代の横浜市営斎場では消防条例により燈明・線香を夜間に灯し続けることが出来なくなりましたので、夜を通した儀礼は営まれなくなりつつあります。

3)神道の通夜祭
神道の通夜”通夜祭”は日本古代に営まれた殯を起源として、その後仏教の通夜式と融合して現在の形に至りました。
神道では人の死は穢れたものとされ、聖域である神社で通夜祭・神葬祭(葬儀式)を営むことが許されません。
通夜祭はご自宅か葬儀斎場で営みます。
通夜祭は故人様のご遺体の安置された場所で生前同様の礼を尽くして手厚く奉仕する大切な儀式です。
そして神葬祭前夜には通夜祭と共に遷霊祭(御霊移し)が営まれます。

4)キリスト教の前夜祭
キリスト教では本来仏教の通夜式に該当する儀礼はありませんでした。
しかしながら、仏教の葬送儀礼に親しんで来た日本人信徒からの強い要望を受けて、日本のカトリック中央協議会は葬儀の前夜に前夜祭と呼ばれるミサを営むべく制定しました。

5)お清めの席
お清めの席とは通夜式の後に用意される酒食の席で通夜振舞いとも呼ばれます。
古代日本では人の死は穢れであり、その穢れを払う為には、塩の他に酒を飲み食事をする事も効果がある、との故事に由来します。
尚、キリスト教の前夜祭ではお清めの席は必要御座いませんが、日本では仏式の習俗に倣って軽食を用意する場合も御座います。
今回は以上です。
還骨法要
葬儀式後のご遺体は荼毘に付され、故人様の焼骨は骨壺にお納めして自宅に持ち帰り、後飾り壇に安置されます。
その時営む法要を還骨法要(かんこつほうよう)と言います。
還骨法要と初七日法要は本来異なる目的の法要ですが、現代の横浜では併せて営む形が一般的となっております。
横浜市営斎場をご利用頂くご葬儀では初七日法要を葬儀式とあわせて営む事が前提となって居りますので、還骨法要を営む事も無くなりました。
1 法要とは
法要とは、仏教に於いて釈迦の教えを仏法と言いますが、その仏法の要点・肝要を知る事を指します。
それが時代の流れと共に変化し、仏教行事の中の儀式祭礼(法事・仏事・法会など)全般を指すようになりました。
更に日本に於いては”追善供養”即ち死者を弔う儀式を指す様に成りました。
法事、仏事とも言います。
尚、供養以外に、寺の創立記念、堂宇の完成記念、仏像の開眼などの慶事も含みます。
日本民族は法要(死者供養)を大切にして来た民族であると言えます。
供養には、まず中陰の間に行う七仏事(初七日、ふた七日、み七日、よつ七日、いつ七日、むつ七日、ひちひち日)が有り、これはインドを起源として居ります。
七仏事が中国に伝わった後、儒教と融合して百ヶ日・一周忌・三回忌が加わり十仏事と成りました。
そして日本の仏教界に於いて七回忌・十三回忌・三十三回忌が創生され 更に近世になって十七回忌・二十五回忌が加わって十五仏事と成り現在に至ります。
又、地域によりましては二十三回忌や二十七回忌を営む場合も御座います。
尚、五十回忌、そして五十年毎に営まれる遠忌が有りますが、これは宗派の祖師等に限り営まれます。
以上の他に祥月命日(故人様の命日、年一回)、月忌(月命日、年十一回)が有り、あわせて春・秋のお彼岸とお盆が御座います。
この様に日本に於きましては、遺された方は生ある限り故人様との関係を維持して行こうと言う文化が長い時間をかけて創られて参りました。
日本では古くから三十三年、あるいは五十年をもって死者はその個性を失い祖霊(先祖)に成ると考えられて来ました。
故人様の法要も三十三回忌をもって”弔い上げ” となります。
ご仏壇から戒名が記されたご位牌を下げ、”〇〇家先祖の霊”のご位牌に霊をお移しします。

2 還骨法要と初七日法要
還骨法要はお骨上げの後に、ご自宅又は寺院に戻り、「後飾り祭壇」に遺骨、位牌、遺影を安置して、僧侶に読経・供養してもらいます。
これを「
還骨法要(かんこつほうよう)」(宗派によっては「
還骨勤行」「安位諷経」)と言います。
文字通り、お
骨になって帰ってきた故人を追悼する儀礼です。
拾骨が終りましたら ご遺骨、お位牌、ご遺影を持ってご自宅へお帰りになります。
ご自宅では 家に入る前に 死の穢れを家に持ち込まない様、水と塩で身を清めます。
玄関に水桶に入れた清めの水と小皿に盛った塩を用意し、お手伝いの方の助けを借りて清めます。
尚、 死を穢れと考えない浄土真宗では清めは有りません。
ご自宅に入りましたら仏間に2段の祭壇を設け上段にお位牌を中心にして左右にご遺骨、ご遺影を安置します。
下段にはお祈りの為の香炉、灯明立て、花立て、鈴(りん)、お線香、お水を配置します。
この祭壇を後飾り壇と言い四十九日法要を終えるまでの間故人様の成仏をお祈りする為に使用します。
後飾り壇の前で僧侶による読経、焼香 、そしてご遺族による焼香を執り行い 還骨法要が終了します。
最近はご火葬後 自宅へ戻らず斎場に戻って初七日法要を行うことが多くなりました、この場合は還骨法要は斎場で初七日法要の前に行われます。
尚、 後飾り壇の設営は葬儀社により行われる事が一般的です。

初七日法要は通常 葬儀の3~4日後となります、ご会葬者の便宜を考えると、 再度 御足労頂くよりは葬儀と同日に執り行う方が親切かと考えます。
初七日法要が終わりますと精進落としの宴を設けます。
これは僧侶、世話役など葬儀でお世話になった方々への感謝を示し 喪主側が設ける会食の席です。
僧侶、世話役に上座に着いて頂き、友人・知人が続きます、喪主・遺族は末席に着きます。
会食に入る前に 喪主様はお世話になったお礼の挨拶をします。
今回は以上です。
開眼供養
開眼供養とは仏教に於いて”仏の魂を向かい入れる儀礼(供養)”で、この儀式を営む事により初めて礼拝の対象となることが出来ます。
仏壇を新たに購入されたり、お墓を建てた際に、仏様の魂を入れ込むための供養です。
開眼式、開眼法要、入魂式などとも呼ばれます。
供養ですがお祝い事でも御座いますので、僧侶・参列者をお招きして会食を行います。
1 開眼供養とは
1)開眼供養の歴史
日本における開眼供養の始まりは西暦752年(天平勝宝4年4月9日)に奈良の東大寺で営まれた大仏盧舎那仏(るしゃなぶつ)に対する開眼供養会と呼ばれた儀礼とされます。
この供養会の様子は東大寺要録などの書物に記(しる)されて居ります。
開眼供養会の導師は南インドのバラモン階級に生まれ、唐(現在の中国)で修行の後に招かれて来日した菩提僊那(ぼだいせんな)が勤めました。
菩提僊那は200mに及ぶ太い縄紐(なわひも)を筆にして大仏に目を書き入れたといわれます。
開眼供養会には発願された聖武太上天皇を始めとして、光明皇太后、孝謙天皇などの要人が参列し、1万数千人の参列者と共に音楽や踊りによる盛大な供養が営まれました。
この供養会以降、各寺院で開眼供養が営まれる事となります。

2)開眼供養の時期
開眼供養を営む時期に決まりはありません。
新た仏壇を購入された場合などでは、四十九日法要、一周忌法要などの法要に合わせて、
お墓であれば納骨式、年忌法要、お盆などに合わせて営むのが一般的です。
特に定められた時期は御座いませんのでご家族やご親族が集まりやすい時期に営む事をお勧め致します。

3)開眼供養の準備
開眼供養でのお供え物としてはロウソク、線香、供花、果物、お菓子、故人様の生前の好物などですが、
地域、宗派により決まりを持つ場合が御座いませので、お願いするご導師と確認されると良いでしょう。

4)開眼供養に必要な費用
開眼供養のご導師に対するお布施は3~5萬円が一般的ですが、まずはお願いするご導師にお問い合わせするのが良いでしょう。
その他の費用として僧侶に足を運んでもらう場合は、1万円の御車代、僧侶が開眼供養後の会食に出席されないときも5千円の御膳料を渡します。

2 開眼供養のマナー
1)服装
開眼供養での服装は、男性は黒服に白ネクタイ、女性は略礼服や柄のない着物などが一般的です。
開眼供養はお祝い事ですので、必ずしも礼服を身につける必要はありません。
黒やグレーの地味な色の服装も大丈夫です。
貴金属類のアクセサリーを身に付けなければ問題ありません。
ただし、忌日法要や納骨供養を一緒に行う場合は注意が必要です。
ご仏壇の開眼供養で法要と共に営まれる場合は、法要への参列を主として略礼服、もしくは無地の地味な服装を着用します。
ご納骨の場合は、男性は黒服に黒いネクタイ、靴は黒です。
女性も略礼服や黒スーツ、バッグや靴も黒、アクセサリーはつけても真珠など一連のものです。
参列する場合は予め、お祝い事かお悔やみ事かを担当者やお寺の住職に確認しておくといいでしょう。

2)開眼供養の後
開眼供養が終わった後、一般的には参列者や僧侶で会食が行われます。
会食の場は様々で、墓地や霊園、寺院内の施設、場合によってはホテルや料亭ということもありますし、食事を手配して自宅で行うこともあります。
自宅で会食を行う場合は、仕出し弁当を利用することが多いです。
料理を依頼するときは、開眼供養の会食に利用することをお店に伝えると、適した料理を準備してくれます。
会食をしない場合は、折り詰め弁当や小瓶のお酒を持ち帰れるように用意しておくといいでしょう。
今回は以上です。
永代供養
永代供養(えいたいくよう)とは、寺院が故人様の霊を永代にわたって供養する事をいいます。
古くは、寺院に然るべきお布施(ふせ)を寄贈(きぞう)しご遺族の有無やご意向にかかわりなく、故人様の霊を弔い続けて頂く事が可能でした。
現在の横浜など大都市では少子高齢化が進捗し、
ご遺族に迷惑をかけたくない、単身家庭であるなどの理由から永代供養のお墓をご利用される方が多数居られます。

1 現代横浜の終活事情
1)単身家庭の増加
昨今の社会情勢では、核家族化、少子化、男女差別解消(男女雇用平等化)等が進捗する中で多くの方々が終活をお考えになる際、
御自身御一人で検討しなければならないケースも多くなりました。
その理由は生涯独身、結婚はしたが離婚した、熟年離婚、配偶者に先立たれた、その他等多岐に渡りますが、その中でも生涯独身と熟年離婚は大きく増える傾向に有ります。
ー単身家庭(生涯独身)
生涯独身(50歳まで結婚をしなかった)の方は1965年(昭和40年)には男性1.5%、女性2.6%(人口比)でしたが、
2010年(平成22年)では男性20.1%、女性10.6%と大きく増加しており、2020年には男性26.6%、女性18.9と更に増加して居ります。
生涯独身の方々には一生独身で居たいと考える方も居れば、結婚したくても何らかの理由で出来なかった方など様々ですが、その生活は覚悟さえあればそれ程難しい事では有りません。
その独身生活には多くのメリットとディメリットが御座います。
但し、気を付けなければならない事は老後の生活資金と死後の必要費用を確保しておく必要が御座います。
-生涯独身のメリット
生涯独身を選ばれた男性の特徴やメリットとしては、時間が自由に使える、お金が自由に使える、恋愛に縛られない、家庭に縛られない等があります。
生涯独身を選択する女性の特徴やメリットとしては、仕事に対する能力が高い、人を余り信用しない、派手な交際関係、一人で生活するに十分な収入(貯蓄)がある等があります。
一人で生活するのに十分な収入が有る女性は男性と同様にあえて結婚をして制限を受けたくないと考える方です。

-生涯独身の覚悟
生涯独身を決めた方は幾つかの事を覚悟しなければ成りません。
その一つは子供を持てない事です。
子供を持たない事はご両親に孫を抱かせる事が出来ない事でも有ります。
日本では古くからご両親に孫を抱かせる事は親孝行の第一とされて居りました。
生涯独身の方は別の親孝行を考えなければ成りません。
二番目は病気や怪我で倒れても助けてくれる家族は居ないと言う事です。
どの様な状態に陥っても自分自身の力で解決する覚悟が必要と成ります。
生涯独身の方は老後の心配も若い内から準備を行い、生涯自己解決の前提を覚悟して努力し続ける事が必要です。
三番目は世間一般結婚するのが当たり前と考える近親者や世間の中で肩身の狭い思いをする事と成りますが、耐えねばなりません。

ー熟年離婚
日本に於ける離婚件数は1975年(昭和50年)では約12万件でしたが、2014年(平成26年)では約22万件と倍に増えましたが、
その離婚率(1000人対)は1.77で先進国の中では比較的低い数字となって居ります。
ちなみに先進各国の離婚率は USA;3.6、スウェーデン;2.46、韓国;2.3、ドイツ;2.19、イギリス;2.05、フランス;1.97でした。
その中で、50歳以上の夫婦が離婚する熟年離婚は1975年の6千件弱から2014年には6万件弱と10倍に増加して年齢別離婚の中で特出して居ります。
尚、この6万件前後は2002年をピークとして その後横這い状態で推移して居ります、又 70歳以上の離婚は非常に少数です。

2 永代供養墓
1)単身家庭の方にお薦めするお墓
単身家庭の方が永眠されるお墓に付きましては、墓地を購入して墓石を建てる従来型の他に、隣が誰かを気にする必要の無い樹木葬、永代供養を保障された永代供養墓、
室内にロッカ-形式の納骨壇が設けられた霊堂、海や空での散骨、更にはご遺骨を宇宙にお送りする宇宙葬などがご利用出来ます。

①樹木葬とは
日本に於ける樹木葬とは“墓地、埋葬に関する法律” に基き都道府県知事より認可された墓地の地中にご遺骨を埋蔵し墓石の代りに樹木を墓標とする埋葬の形で、
樹木墓地、樹林墓地などとも呼ばれます。
-樹木葬の歴史
現代日本に於ける最初の樹木葬墓地は1999年に開設された岩手県一関市の宗教法人知勝院です。
知勝院では里山にご遺骨を埋葬するタイプと、整備された霊園の区画に埋葬するタイプとが提供されました。
-東京・横浜の樹木葬公営墓地
公営霊園の樹木葬墓地としては2012年に開設された東京都の小平霊園 樹林墓地が有名です。
又、横浜市営ではメモリアルグリーン(戸塚区)の合葬式樹木墓地が提供されて居り、日本国内各地でも樹木葬墓地が多数 提供され始めて居ります。
-継承を前提としない樹木葬
現代の日本に於ける高齢化率は既に25%を超え、家族構成も単身所帯が30%を超える中で、従来の家族制度を基にした先祖代々の墓制度を継承する事は困難な環境となりました。
この様な環境下では個人個人がご自分のお墓の事を考え、親のお墓の供養をどの様に続けるのか、考慮しなければならない状況です。
この様な中で継承を前提としない樹木葬は注目に値するお墓と言えます。
墓石も必要とせず、特定区画を必要としない合同埋蔵であれば、必要とされる費用も限られたものと成ります。
-樹木葬墓地でのご遺骨埋蔵
尚 ご遺骨埋蔵の形態としては
- 画の永代使用権を得てお骨壺を埋蔵し、その墓標として植樹する形、
- 樹木墓地の中の指定場所にお骨壺を埋蔵する形、
- 樹林墓地の特定場所にご遺骨を合同埋蔵する形、
- 樹木墓地の指定場所にご遺骨を砕骨して最小化し埋蔵する形、などが有ります。
岩手県一関市の知勝院では①と③が提供されると共に現地の里山保護にも寄与して居ります。
東京都営の小平霊園では②と③が提供されて居ります。
横浜市営のメモリアルグリーン(戸塚)では③の合葬式樹木墓地が提供されて居ります。
又、多くの私営霊園が樹木葬墓地を提供して居りますが大多数は④の形態となります。
面白い形態としては散骨樹木葬と呼ばれ、島根県壱岐郡海士町に属する無人島カズラ島は島全体が霊園として登録され、この島の樹林に有料で散骨する事が可能となって居ります。
[caption id="attachment_5926" align="alignnone" width="300"]
②納骨堂とは[/caption]
納骨堂とは“墓地、埋葬に関する法律” に基き都道府県知事より認可を受けた施設で、骨壺に納められたご遺骨を安置しておく事が出来る建物です。
管理・運営の主体者により寺院納骨堂、公営納骨堂、私営納骨堂に分かれます。
-ご遺骨の保管形態
ご遺骨の保管はお墓を建てるまでの短期間、5年間・10年間等の長期保管、永代保管などの形態が御座います。
永代保管の場合は一定期間は何時でもお骨壺に面会する事が可能ですが、定められた期間以降はご遺骨は特定場所に合祀され、その後の面会は出来ないのが一般的です。
-納骨堂の起源とメリット
日本に於ける現代の納骨堂はお墓を継承する方が居られない場合や、経済的な理由でお墓を建立する事が出来ない方々の為に提供が始まりました。
現代では生涯独身の方や、現在お持ちのお墓の維持・管理に負担を感じ始めた方、お墓が遠方でお参りに行きにくい方などに選ばれる様になって居ります。
お墓を建てるには墓地の永代使用料、墓石代と工事費用、維持管理料等が必要と成りますが、納骨堂では墓石建立の費用は不要であると共に、
使用空間も大幅に小さくなり使用料はそれに合わせて少額となります。
-納骨堂は清掃不要
お墓は屋外に建立され、風雨にさらされて居る為、適時清掃をしなければならず、墓石の老朽化に伴う補修も必要と成ります。
その点納骨堂ではお骨壺は屋内に安置されて居り、常に清潔な環境の中で保管されて居ると共に天候に左右されずお参りする事が可能です。
更に納骨堂はビルの内部で運営する事が可能で駅近くに所在する場合は交通の便も大変良くなります。
-納骨堂でのご遺骨安置
ご遺骨(骨壺)安置の方式としてはロッカー式、棚式、仏壇式、お墓式などが有ります。
何れの方式も外形は異なりますが、内部にはお骨壺を安置する為の納骨壇とご位牌を安置する祭壇が用意されて居ります。
-宗旨は問わない納骨堂
尚、納骨堂は一般的に 宗旨を問はずに利用出来ますので、神道 キリスト教のご遺骨も利用が可能です。
-納骨堂利用に当っての注意事項
納骨堂のご利用に当たりご注意頂く点は、納骨堂にご遺骨を納骨されますと、納骨された時点でご遺骨の管理主体はご遺族から納骨堂管理者に移行されます。
従いまして以降は管理者の許可なくご遺骨を持ち出す事は出来ません。
無断で持ち出した場合は法律による処罰の対象となります。
-モダン化する納骨堂
近年、納骨堂は室内霊園とも呼ばれて増えて居り、マンション形式で多数の納骨壇を持つ施設などの多くなり、都内には9階建の日本最大の屋内霊園が御座います。
又、香港やシンガポールなど国土の狭い国ではより大型の室内霊園が建てられる傾向に有ります。
-横浜市営納骨堂
横浜市営の納骨堂としては横浜市久保山霊堂が御座います。
久保山霊堂は横浜市西区元久保町1-1に位置し、家族納骨壇2000基、短期保管庫910基、大式場・小式場各1の施設を維持して居ります。
家族納骨壇は扉付きの納骨壇で上部が香炉及び花立が配置された祭壇、下部は6体分のご遺骨納めることが出来る壇となって居り、
10年間(12万円)、若しくは5年間(6万円)の利用が可能となって居ります。
短期保管庫はロッカー形式の保管庫でご遺骨1体分を安置し、保管期間は1年(3千円)となります。
横浜市民であれば申込みは可能ですが、現在は申込み多数で順番待ちの状態となって居ります。

③散骨とは
散骨とは葬送方法の一つで、ご火葬した後の焼骨を粉末状にした上で、山中、海、空、宇宙などへ撒く形の葬送です。
死後には山や海等の自然の中に帰りたいという故人様のご希望や、お墓を守る方が居ない、などの理由から選ばれます。
-散骨の規則
葬送方法を規定した ”墓地、埋葬等に関する法律”では焼骨の墳墓への埋蔵や、納骨堂に収蔵する為の手続きに付いて定められて居りますが、
これら以外の方法に付いては特段の規定は無い為、法律上は散骨をする事が可能です。
但し、私有地、水源地周辺、漁場・養殖場の周辺は避けるべきかと考えます。
散骨は法務省の”節度をもって行われる限りは違法性はない”と言う見解により認められて居ります。
この”節度をもって”とは焼骨をそのままでは無く粉末状(焼灰と同程度)にして原型を無くす事、そして周辺住民から苦情の出ない場所に散布する事が求められます。
尚、北海道長沼町では条例により散骨は認められて居りません。
又、北海道七飯町、長野県諏訪市、北海道岩見沢市、埼玉県秩父市では散骨は条件付きとなって居りますのでご注意下さい。
神奈川県御殿場市は現在検討中です。
-海外での散骨
海外ではアメリカ ハワイ州等で散骨に関する法律が有り、法律に反して散骨を行うと、多額の罰金が科せられますので、良くご確認下さい。
又、反対にブータンなどでは宗教上の理由から墳墓を作りませんので、散骨による埋葬が原則となって居ります。
キリスト教ではカトリックは教会に埋葬する事を前提として居りますので、ご自宅での保管や散骨には否定的です。
プロテスタントでは多くの教派で散骨を許容して居ります。
-散骨の手続き
日本に於いて散骨を行うに当たりましては特に必要な書類や届け出は有りません。
ご希望の場所で、ご希望の時に散骨を行うことが可能ですが、”節度をもって”の制約から民間業者に希望を伝えて、プランを作り、行うのが一般的です。
当社ひかりの杜でも海上、航空、宇宙での散骨をお手伝いさせて頂いて居ります。
今回は以上です。
忌日別に営む行事
日本文化の中に根ずいた死者追悼の精神は、日本古来の神道、インド発祥の仏教、中国より伝わった儒教が融合して作りあげられ、忌日の概念がうまれました。
忌日(きじつ)とは”忌(い)むべき日”のことで、故人様のご逝去され日のことを言います。
仏教に於いて忌日は命日ともいい、故人様がご逝去されて後の月の同じ日を月忌(がっき)、各年の同月同日を祥月命日(しょうげつめいにち)として法要を営み故人様の冥福を祈ります。
神道に於いても、仏教に準拠して祭祀を営み故人様の霊を偲びます。
キリスト教では、故人様の霊は祝福を受けて神の下に召され復活の日を待つこととなりますので忌日の概念は御座いません。

1 忌日の法要とは
法要とは、仏教に於ける儀式・祭礼などの行事全般を言いますが、私共一般社会の中では故人様の霊を弔う(とむらう)儀式を指す様になって居ります。
元来の法要とは、仏教に於いて釈尊(しゃくそん、おしゃかさま)の教え(仏法)を学ぶ事、すなわち仏法の要点を知る事でした。
ちなみに、故人様の冥福を祈って行う法要は追善法要といわれます。
又、ご自分より先に亡くなった年長者の冥福を祈る”追善法要”に対して、ご自分より若くして亡くなられた者の冥福を祈る法要を”逆修法要”といいます。
日本人は死者供養を大切にしてきた民族であると言えます。
ご自分が生あるかぎり亡くなった方のことを記憶し、自らの生に感謝し、故人様との関係を維持しつずけようとする文化は日本人特有の文化とも言えます。
法要は仏事とも言われますが、忌中(中陰)の七仏事(初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、七七日)はインドに起源を持ちます。
その後中国へ仏教が伝わり、 百ヶ日、一周忌、三回忌が加わりました。
そして日本に伝来後、七回忌・十三回忌・三十三回忌が加えられ、更に十七回忌・二十七回忌が追加されて現在の形となりました。
三十三回忌をもって弔い上げ(とむらいあげ)とし、故人様は先祖の霊へとなります。
以上の他に祥月命日(故人様の年命日)、月忌(故人様の月命日)、春秋のお彼岸、夏のお盆の法要が御座います。

尚、故人様の霊魂が宿るご位牌は、中陰の間は”白木のご位牌”四十九日の法要後は”本位牌”、
そして弔い上げをもって、故人様はその個性をなくして祖霊(先祖)となります。
白木のご位牌と本位牌には故人様の戒名・法名が記されますが、弔い上げと共に本位牌を片ずけ、以降”〇〇家先祖の霊”と記された位牌をお祀りすることとなります。

2 四十九日法要
1)法要の営み
法要の日取りを決める為には、お願いする僧侶のご都合を確認し、お呼びする招待客の都合を考慮してお決め頂きます。
招待客のご都合は平日は避けて土日曜日或いは休日であれば問題ないと思います。
招待するお客様の範囲に決まりは有りませんが、故人様との関係、御家庭の事情などを考慮して慎重に決める必要が有ります。
お呼びするお客様が決まりましたら、案内状を用意し、出欠の確認をとります。
法要を営む式場としてはご自宅、寺院、貸斎場、ホテル、料理店などが考えられますが、ホテル・料理店では鳴り物(杢魚、鈴)や焼香が出来ませんので注意が必要です。

ご自宅で営む場合は仏壇をお飾りして営みますが、仏壇が大型でない場合には仏檀の前に小机を用意し、五具足を配置します。
香炉を中心にし、その左右に花立て、更にその外側に燭台を置きます。
供え物は仏飯、餅、菓子、果物などです。
花立てに供える花は三回忌までは赤などの華美なお花は避けます。
ロウソクも白を原則とします。
そして、故人様のお位牌(過去帳)を仏壇の最下段に安置します。
法要は先に関係者が入室して着席し、僧侶をお迎えし、読経・焼香・法話が行われます。
ご自宅で営む際にご家族がお食事の用意の為席に着かない事もしばしば見られますが、原則としては全員で務めるものとされます。
法話が終了しましたら、会食となりますが、この席をお斎の席と言います。
最初に施主様が挨拶をし、食事となります。
席は僧侶を上席とし、家族は末席とします。
お斎の席の食事はかっては肉食を避けて、菜食を振舞う精進料理でしたが、現代ではあまり拘らないとされます。
施主様は招待者がお帰りの際にお渡しする、引き物(お土産)を用意するのが一般的です。
尚、現代の横浜では同じ日に納骨を営むご遺族が一般的となって居ります。

2)法要参列のマナー
法要(御霊祭、偲ぶ会)に招かれた時は特別な事情が無い限りは出席するのが礼儀となります。
案内状を頂戴したら、なるべく早く出欠の返信をします。
法要はあくまでも招かれたら出席すべき場で、招待を依頼したり日時や場所を問い合せるのはマナー違反となります。
法要の当日は不祝儀袋に御仏前として現金を包むか、お供物を用意して持参します。
お供物は生花、果物、菓子、故人様が生前に好まれた物、線香等ですが、他の方と重ならない様施主様に前もって相談しご用意頂きます。
後々の事を考えると、現金を包むのが良い様です。
御仏前は袱紗に包んで持参します。
法要の当日は開始時間の20分から30分前に式場に到着しご遺族に挨拶します。
挨拶は”本日はお招き頂きまして恐れ入ります、ご一緒にご供養させて頂きます” が一般的です。
ご挨拶と共に”御仏前にお供え下さい”と言って御供物料をお渡しします。
法要に出席する際の服装は四十九日、一周忌の法要では男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルを着用し、三回忌以降は地味な平服で構いません。
尚、案内状に平服と示されている場合は黒は着用せず地味な平服で出席します。
今回は以上です。
エンバーミングとは
ご家族様がごじみょうをまつとうされ、その御生涯(しょうがい)を閉じられた時、
故人様のの霊をお祀りすると共に、そのご遺体は早い機会に保全する為の処置を施さなければ成りません。
1 ご遺体
生物の肉体は、その生命活動を停止しますと腐敗が始まり、外形的にも変化して参ります。
ご逝去されてからご火葬(又は埋葬)に付すまでの間、ご遺体の腐敗を遅延させ、外形的変化を抑制する為に保全処置を施さねば成りません。
1)人が生命活動を停止するとその身体は徐々に腐敗して行きます。
この腐敗がご遺体への恐怖であったり、穢れの考えを生み出す事に成ります。
腐敗がどの様に進むのか、どの様にしてそれを止める事が出来るのかは以下の通りです。
生命活動を止めた身体には 個人差や身体が置かれていた場所の環境により違いは有りますが次の様な変化が起きます。
死後1時間ぐらいから腸内細菌が増殖を始め、腸内細菌の増殖と胃腸の融解により腐敗が進行し、腐敗ガスが発生します。

ー死後硬直
身体の筋肉が硬直し関節が動かなくなる現象です。
死後2時間ぐらいから出始め、20時間後くらいに硬直は最も強くなり、その後腐敗の進行と共に硬直は解けて行きます。
最初は顎関節に現れ、順次 全身に広がります。
手足の硬直は6、7時間前後から始まります。
ー死斑
心臓が停止すると体内の血液は循環を止めて身体の下部の静脈に留まります。
この血液の色が皮膚を通して見えるのが死斑です。
死斑は死後30分程度でご遺体下部に斑点が出始め、2-3時間で融合し、20時間で固定します。
ご遺体とは ”霊魂が遊離し遺された体” という意味ですが、ご遺族にとりましては恐れでも、穢れでもなく大切にお見送りするお体です。
このお体を腐敗させない方法は幾つか御座います。
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2 ご遺体の保全(エンバーミング)
ご遺体の腐敗を防ぐ為の保全処置としては;
ーご遺体冷却による腐敗防止
ドライアイスの適用
ご遺体保全用冷蔵庫での安置
ご遺体を冷凍しての保存
ー医療処置による腐敗防止
エンバーミング
などの方法が御座います。

1)ドライアイスによるご遺体冷却
ドライアイスとは、ご承知の通り炭酸ガスの塊で、温度が低く昇華するので水分も出ずご遺体の保冷に適した素材です。
ご遺体は胃や腸の腐敗から始まり、腐敗ガスを発生させますので、側頭部から下腹部を中心にドライアイスを当てて保冷します。
一般的には10Kgで24時間程度の保冷が可能ですが、夏の酷暑などの際には20-30Kgが必要とされる事もあります。
1週間から10日間の間に有効です。
2)冷蔵保存
ご遺体保全用冷蔵庫とは、ご遺体保全を目的とした専用の冷蔵庫で、腐敗の進捗が最小となるべく2度Cで管理された冷蔵庫です。
ひかりの杜でご遺体をお預かりする場合は、この専用冷蔵庫内にご遺体を安置して保全させて頂きます。
1ヶ月程度の保全が可能です。
3)冷凍保存
非常に長期間の保存が可能です。
専用の冷凍庫でご遺体を凍らせます。
米国では一般的ですが、日本では特別な場合を除いて使用されて居りません。

4)エンバ-ミング
キリスト教でのご遺体埋葬は土葬が原則とされて居りますが、更にご遺体をご逝去時の状態のまま保存できる技術が開発され、この処置をエンバーミングと言います。
エンバーミングとは、北米で開発されたご遺体の防腐処置技術で長期間ご遺体を保全する事が可能であり、又 事故などで損傷したご遺体の修復も可能となります。
専門の設備で、専門の技師により、ご遺体の一部を切開して血液を抜き、代りに防腐剤を注入します。
土葬を習慣とした国や、ご遺体を海外へ移送する際には有用な技術となります。
日本では火葬が一般的であり、ご火葬までの時間もそれほど長くは有りませんので、適用例はそれほど多くは有りません。
適用する技術には幾つかのレベルが御座いますが、必要であれば半永久的にご遺体を保存する事が可能と成ります。
尚、日本国内では業界自主規制により50日以上の保管目的でのエンバーミングは行わない事にして居ります。
必要となる費用は10万円+αです。
この技術は北米で加発され、日本にも伝わりましたが、日本では火葬までの日数がそれ程掛らずドライアイスの利用で十分と考えられて居り、
ご遺体を海外に移送する等の特別な場合にのみ利用されて居ります。
尚 Embalm とは”香料を塗る(死体に)” という意味で、本来はミイラを作る事を指して居ります。
ご遺体の保全に関しては以上の他に、過去にはミイラ、即身仏、アイスマン、桜蘭の美女、ロザリア・ロンバルド等が有りました。
今回は以上です。
後飾り壇とは
通夜式、葬儀式が滞りなく執り行われた後に頂いた故人様の白木位牌をお祀りする祭壇を後飾り壇と言います。
1 後飾り壇とは
後飾り壇とは四十九日法要を営み終えるまでの間(忌中と言います)、ご遺骨・仮位牌を安置してお祀りするための仮の祭壇です。
ご葬儀・ご火葬が終了し、ご遺骨がご自宅にお戻りになられましたら、後飾り壇を整えて故人様の白木位牌とご遺骨を安置します。
後飾り壇は二段の小机を用意し、その上を白布で覆います。
上段には白木位牌を中心にして左右にご遺骨とご遺影を安置します。
下段には三具足とお供え物を、香炉を中心にその右側に燭台と鈴(りん)を、左側に花立てを配置し、両外側にお供え物をお供えします。
後飾り壇を設ける場所は、仏間であれば仏壇の前もしくは横、居間の床の間などに設けます。
後飾り壇は忌中に故人様をお祀りする為の仮の祭壇ですので仏式・神式の葬送儀礼で使用されます。
仏式・神式以外の宗旨では使用致しません。
尚、宗派・地域により定められたお飾りの形も御座います。

2 忌中とは
日本では、古来より家族や親族に弔事があった場合、一定の期間故人様を偲び哀悼の意を表します。
この期間のことを”服忌(ふっき)”と呼びます。服は故人への哀悼の気持ちを表わす期間(喪中)、忌は故人の祀りに専念する期間(忌中)、といわれます。
仏教では四十九日法要までを(神道では五十日祭まで)死の穢れの重い期間として忌中、一周忌法要までを穢れの薄くなった期間として喪中とよび、
穢れが他の人々に及ばぬ様、ご遺族は身を慎んで過ごさねばなりません。
かって、忌中のご遺族は外出を避けて、家にこもって故人様を偲び冥福を祈るものとされて居りました。
現在ではそれ程まで厳密ではなく成りましたが、少なくとも慶事には参加を慎みます。
忌中の期間は、仏教では四十九日法要まで、神道では五十日祭までです。
キリスト教では天に召される祝事ですので、服忌の概念は有りません。
日本では忌中の概念が定着して居り、官公庁、企業、団体では服務規定により忌引期間が定められ、その間忌引き休暇を取る事が可能です。
忌引き期間は配偶者;10日間、父母;7日間、子供;5日間、他の親族;1~3日間が一般的です。

1)仏教の忌中
忌中とは仏教の教えで中陰(ちゅういん)或いは中有(ちゅうう)とも言い、故人様がご逝去された日を含めて四十九日の間を指します。
死の穢れが最っとも強い期間で、ご遺族の方々は祭りごと等えの参加を控え、謹慎して家にこもり、肉や魚等の生きものを食さない期間とされます。
四十九日法要を営み終えると忌明け(きあけ)となり、日常生活に戻ります。
古代インドでは人は輪廻転生すると信じられ、この考えが仏教にも取り入れられ、
誕生の瞬間が生有(しょうう)、生きている間が本有(ほんぬ)、死の瞬間が死有(しう)、
死んでのち次の生(六道の一つ)を受けるまでの期間を”中有”あるいは”中陰”と呼び、その期間は臨終の日を含めて四十九日間であるとされました。
この考え方が中国を経て日本に伝来し、日本独自の死生観と融合して穢れの強い期間である忌の中、そして故人様が現世から来世へ旅立つ期間と解釈される事となりました。
尚、浄土真宗では故人様は臨終と同時に浄土へ往生すると考えますので、
忌中の期間は故人様への追慕、故人様の死を通して”生と死”について考え、謹慎して求法の生活をする期間であるとされます。
忌明けの法要は臨終の日を含めて四十九日目の執り行うべきですが、現在では参列者の方のご都合を考え、四十九日より前の休日を使って営むのが一般的と成りました。
忌明け法要をもって精進落としとなり、中陰壇(後飾り壇)を片ずけます。
それまで使用して居りました白木のお位牌を壇那寺へ返し、本位牌を仏壇にお納めします。
又、神棚を閉じていた白紙などを取り除きます。

2)喪中の過ごし方
喪中は一周忌までの一年間となりますが、この間は原則として結婚式、祝賀会、落成式などの祝い事には出席を見合わせます。
不幸の前から予定されていた慶事の場合は先方にその旨をお伝えして辞退しますが、その上でも要請された場合は出席する事も可能で御座います。
喪中に迎える正月は門松、しめ縄、鏡餅などの正月飾りはせずに、年末年始の挨拶回りや、初詣は控えます。
歳暮や中元などの贈答は 四十九日の忌明けまでは控えますが、忌明け後は通常通りで構いません。
喪中は年賀状を出状しません。
代りに年賀の欠礼をお詫びする挨拶状を出状します。
年賀欠礼状は年賀状の受付が始まる前、出来れば11月中に先方へ到着するべく出状します。
年末に不幸があった場合は年が明けて松の内が過ぎてから、お詫びの手紙(はがき)を出状します。
又、挨拶状を出さなかった方から年賀状が届いた場合も、松の内が過ぎてからお詫びの手紙(はがき)を出状するのが良いでしょう。
今回は以上です。
横浜市港北区、ご不幸への支援
横浜市港北区にお住まいのご家庭でご不幸がございましたら横浜市港北区役所より各種の支援を受ける事が出来ます。


1 横浜市港北区
横浜市港北区は、横浜市内北東部に位置し、”梅”を区の花と制定した豊かな自然を備えた町です。
ー港北区は昭和14年4月現在の港北区、緑区、都筑区、青葉区の全域を含んで誕生致しましたが、
昭和44年に緑区(緑区、青葉区、都筑区の一部)が分区され、平成6年の行政区再編成により 北西部地域を都筑区へ編入して、現在の港北区が出来上がりました。
現在、港北区の居住人口は35万人で政令指定都市内行政区としては最大の人口を抱える町でもあります。
ー港北区内を通る交通機関としては、明治41年に横浜鉄道(JR横浜線の前身)が開通し、大正15年には東急東横線が、
昭和39年には東海道新幹線が、そして昭和60年には横浜市営地下鉄3号線が開通しました。
昭和初期には綱島に鉱泉が掘られ綱島温泉として賑いを見せ、更に慶應義塾大学予科が日吉に移転してきた事から、東急東横線駅舎を中心として市街地化が始まり、
その周辺に宅地が造成されて、住宅地として発展して行きました。
ーそして、戦後の高度経済成長期には農地が工場や倉庫に転用され、港北区内を流れる鶴見川沿いを中心に多くの工場が建てられて横浜市に於ける内陸工業の拠点とも成りました。
更に、東海道新幹線新横浜駅の開設に伴い、駅北側に新たなオフィス街が出現する事と成ります。
横浜市が計画した“ゆめはま2010”では新横浜北側、小机、新羽地区を横浜駅、関内、関外に続く横浜市内第二の拠点として広域的な施設の建設や基盤の整備が進められて居ります。
その計画の一部として新横浜総合国際競技場(日産スタジアム)、新横浜アリーナなどが運営されて居ります。
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1)港北区区民の方が手近にご利用頂けるご葬儀の為の施設としては、火葬場併設の横浜市営の式場であれば横浜市北部斎場(緑区)、
私営の式場としては西寺尾会堂(西寺尾斎場・西寺尾火葬場 神奈川区)が運営されて居ります。
式場のみのご利用であれば、妙蓮寺斎場(私営)、大乗寺会館(私営)他ご希望される街の寺院会館がご利用頂けます。
寺院会館ご利用の場合は、火葬場として横浜市久保山斎場(西区 火葬炉のみ)を利用する事も出来ます。
仏式でご葬儀をお考えで菩提寺をお持ちでない場合は、ご希望のご宗派の僧侶をひかりの杜にてご紹介させて頂きます。
又、神道でのご葬儀をお考えの場合は式場をお決め頂いた上で篠原八幡神社他より神官を”ひかりの杜”よりご紹介させて頂きます(神社内では神葬祭を行う事が出来ません)。

2)港北区の区の花は”梅”ですが、その花言葉は高潔・忠実・忍耐 です。
現代では花見と言えば櫻を思い浮かべますが、この習慣は江戸時代に一般化したもので、それ以前の平安時代などでは花見は梅を前提として居りました。
ひかりの杜でも花祭壇を飾らせて頂く際、2月・3月の季節時にはご遺影の上に梅の枝を飾らせて頂き、祭壇全体をより高潔なふんいきに作り上げて居ります。

3)港北区内の見どころとしては、2月には大倉山公園梅林、3月末には綱島公園の桜まつり、春には桜・秋には紅葉が楽しめる岸根公園、
そして年間を通して楽しめる熊野神社市民の森等があります。
熊野神社市民の森は1000年の歴史を持つ師岡熊野神社を中心として、総面積5.2ヘクタール、1.7キロメートルの散策路を持つ、緑に囲まれた憩いの場所であります。
又、新横浜駅前はオフィス街であると共に、新幹線開通直後に開設された新横浜ラーメン博物館、老舗の中華料理店、イタリア料理店などがが営業するグルメタウンでもあります。

2 港北区役所でのご支援
横浜市港北区役所
〒222-0032
横浜市港北区大豆戸町(まめどちょう)26-1
電話:045-540-2323(代表)
ご家族がご不幸に遭われた時、各種の手続きが必要と成ります。
そして定められた支援を受ける事が出来ます。
項目によりましては 期限を持つものも御座いますので注意が必要となります。

1)葬儀前の手続き
-死亡届
人が亡くなられた場合、故人様の身近な方により死亡日から7日以内の、死亡届の提出が義務付けられて居ります。
届出人が港北区内に居住されている場合は港北区役所2Fの戸籍課に死亡届を提出し、火埋葬許可証の発行を申請します。
届け出は同居の親族、同居していない親族、同居者、家主、地主、家屋管理人、土地管理人、公設所の長、後見人、補佐人、補助人、任意後見人
の中の何れかの方が行わなければ成りません。
-死亡届の様式
故人様のご逝去後、担当医師より死亡診断書が発行されます(警察による検死が行われた場合は死体検案書)。
死亡診断書(死体検案書)の用紙はA3の用紙で、右半分が死亡診断書、左半分が死亡届の様式となって居り、
左半分の死亡届に必要事項を記入して捺印(シャチハタは不可)の上、該当役所に提出します。
この際、死亡診断書本紙は死亡届と共に役所に提出されますので、後日の各種手続き用にコピーを取った後に提出して下さい。

2)葬儀後の手続き
-世帯主変更
葬儀が終了致しました後には、故人様が所帯主であった場合は所帯主変更をしなければ成りません。
新たにその家の生計を維持する世帯主は故人様の死後14日以内に港北区役所に所帯主変更届を提出しなければ成りません。
届け出には印鑑と本人確認の為の書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)が必要と成ります。
この届け出は代理人でも可能ですが、その場合は本人確認の書類と委任状が必要と成ります。
尚、残された所帯員が1名の場合は自動的に世帯主が変更されますので、変更届を提出する必要は有りません。
-返却する書類
健康保険証、年金手帳、マイナンバーカードなどを港北区役所に返却しなければ成りません。
-国民健康保険 加入者
故人様が国民健康保険に加入、もしくはその扶養家族であった場合は、葬祭費が自治体より支払われます。
その金額は自治体により異なりますが、横浜市の場合は5万円です。
申告制ですので、申請しないと支給は受けられません。
申請期限は葬儀の日より2年以内となります。
-ご遺族の健康保険
故人様が企業の健康保険に加入されていた場合、その扶養家族は健康保険証を企業に返却すると同時に港北区役所で国民健康保険に加入します。
手続きは死亡した日の翌日から14日以内に行います。
加入が遅れた場合はその間に係る医療費は全額自己負担となります。
-高額医療費 補助
高額医療費補助と呼ばれる制度が有り、故人様が国民健康保険、後期高齢者医療制度、又は健康保険を利用して、
同じ医療機関に支払った医療費の自己負担額が(1ヶ月単位)一定限度を超えると、その超えた分が払い戻される制度です。
該当する場合は医療費を支払った2~3ヶ月後に高額医療費の払い戻し通知が送られて来ます。
この通知を基に国民健康保険・後期高齢者医療制度であれば 港北区役所に、健康保険であれば健康保険組合に申請して、払い戻しを受けます。
健康保険組合によっては申請をしなくても自動的に払い戻されるところも有ります。
-国民年金・厚生年金 受給者
国民年金・厚生年金を受給していた方が亡くなられて場合は、受給を停止する手続きを取らなければ成りません。
国民年金は死後14日以内に、厚生年金は10日以内に行います。
停止をせずにいると年金は支払われ続け、死亡が判明した時点で全額を一括で返還しなければなりません。
手続きは厚生年金・国民年金の老齢基礎年金の場合は年金事務所で、それ以外の国民年金の場合は 港北区役所の国民年金窓口で行います。
必要とされる書類は年金受給権者死亡届、年金証書、死亡を証明する書類(死亡診断書の写し、戸籍抄本(除籍))などです。
年金は2ヶ月毎の支給されますが、前回支給日から死亡日までが未払いとなるケースが有ります。
この場合は受給停止の手続きと共に未払い金を受取る手続きも行います。
又、年金加入者が亡くなられた場合はご遺族に一時金や遺族年金が支給されますので、その手続きも必要です。
尚、その金額は故人様の加入条件、ご遺族が誰か、ご遺族の年齢により異なりますので窓口でご確認下さい。
今回は以上です。
教団 葬儀
死者を見送る儀礼は人類の発生と共に営まれていたと考えられて居ります。
そして各地に文明が生まれ、宗教が起こり、お見送りの儀礼はそれぞれの宗教観に基ずいて営まれる事となりました。
同じ宗教観をもつ信者の集まりを教団と言います。

1 教団とは
教団とは、教祖の下で共通の信仰と儀礼によって結合している宗教集団を言います。
宗教集団は、個々の寺院、神社、教会などの単位宗教集団と、それらを包括する複合宗教集団とに分かれますが、
一般的にはこの複合宗教集団を教団と呼びます。
日本での”教団”が付けられた宗教集団の多くはキリスト教に係る宗教法人ですが、日本で生まれた宗教集団もございます。
比較的に有名な宗教集団としては”パーフェクトリバティ教団(PL教団)”が御座います。
1)パーフェクトリバティ教団(PL教団)
1946年 御木徳近により ”人生は芸術である” に始まるPL処世訓21ヶ条と共に立教を宣言したことにより始まります。
PLは”完全な自由”を意味します。
現在、教団本部は大阪府富田林市にあります。
PL教団信徒のご葬儀は神道の神葬祭に準拠して営まれます。

2 PL教団の葬儀(神葬祭)
神葬祭とは日本古来の宗教である神道に基ずいて営む葬儀を言い、日本民族特有の葬送儀礼でもあります。
その様式は神話の世界に登場し、古事記などの古典で知る事が出来ます。
仏教の伝来と共に葬送儀礼の主流は仏式へと変化しましたが、明治維新により復活しました。
PL教団での神葬祭式次第は、担当頂く斎主様により祭式は定まります。
神葬祭を営む際の特徴としては;

ー故人様へは”諡号(おくりな)”が贈られます。
諡号は仏式の戒名や法名、法号ににあたるものですが、年齢や性別を区別するだけのものですので、戒名料や法名料に当たる費用は必要とされません。

ー仏式の葬儀では線香を立て、焼香をして故人様の回向を祈念しますが、神葬祭では香を使用する事は稀です。
神葬祭では焼香に代えて玉串奉奠が行われます。
玉串とは、榊の枝に紙垂れを付けたものです。
神葬祭を営むに当たりましての一般的な流れと致しましては、故人様のご遺体を納棺する前の作法、枕直しの儀、納棺の儀、通夜祭並びに遷霊祭(せんれいさい)の儀、葬場祭の儀、火葬祭、埋葬祭、霊前祭、と営みます。

1)ご遺体を納棺する前に行う事と致しましては;
ー御家族がご逝去されましたら、先ずは 神棚と祖霊舎に故人様の帰幽(きゆう 亡くなること)を奉告し、その前面を白紙で覆います。
ー所属する教会長と相談の上、神葬祭を営む為の、斎主、副斎主、祭員、玲人(れいじん 雅楽を奏でる人)を委嘱します。
ー各祭で必要とされる 幣帛(へいはく 進物)、神饌(しんせん 食物)、玉串、その他、の数量・程度を協議の上 定めます。
ー霊璽(れいじ 位牌に相当)、墓誌、銘旗、墓標などの揮毫を依頼します。

2)枕直しの儀では ご逝去された故人様のご遺体を病室から殯室(ひんしつ、遺体を安置する部屋)お移しします。
安置の際はご遺体の頭部を北、もしくは部屋の上位(入口から向かって右側)にして安置します。
そして、白布でお顔を覆い、枕元に枕風を立て、守り刀を供え、灯明を灯します。
守り刀は枕元に小案(小机)を配置して、その上に備えます。
備える際には、刃をご遺体に向けてはなりません。
その上でご遺体の前に案(白木の小机)を設け、その上に生饌(せいせん、洗米・塩・水)と 故人様が生前に好まれた食物(常饌、じょうせん)をお供えして、御家族や御親族の方々は 謹んでご遺体の傍らで奉仕します。
納棺の儀では ご遺体はなるべく早い機会に納棺をして、正寝(せいしん、表座敷)に移動して安置し、柩前を装飾の上、饌をお供えして、拝礼します。

3)通夜祭並びに遷霊祭の儀とは、通夜祭は故人様のご逝去の後、葬儀を営むまでの間、ご遺体を安置した場所で生前と同様の礼を尽くし、手厚く奉仕する大切な儀式です。
祭場祭(告別式)の前夜に営むのが一般的です。
遷霊祭は故人様の霊をご遺体から霊璽(れいじ、仏教の位牌に相当)に移し留める儀式で、”みたまうつし”とも呼ばれます。
夜間に営むのが本来の姿です。
霊璽としては 木主(もくしゅ)、笏(しゃく)などが用いられますが、鏡や故人様の遺品をあてる場合も御座います。
霊璽は、忌明け後(五十日祭の後)、祖霊舎にお移しして、永く家の守護神として奉仕します。
遷霊祭では、斎主が霊璽の覆いを取外して柩前に向け、遷霊詞を述べ、警蹕(けいひつ、声を掛けること)を行い、
その上で、霊璽の向きを元に戻して、覆いをかけます。
遷霊祭を営む間、室内の灯火は全て消します。
遷霊された霊璽は、ご遺体の枕元を仮の霊床として安置します。

4)祭場祭の儀とは仏式の告別式に相当します。
営まれる式場では正面に白張りの風を立て掛け、その前にお柩が安置され、枕元には守り刀が、ご遺体の前には ご遺影や拝受した勲章などが配置され、
更にその前に饌案(白木八足のテーブル)が配置され、その上に生饌をお供えします。
祭場祭でお供えする生饌は、洗米、酒、餅、海魚、川魚、野鳥、海菜、野菜、果物、菓子、塩、水、が原則とされます。
そして、他の方々から頂戴した、榊や生花はお柩の左右にお供えします。
祭場祭の一般的な次第は;
ー 親族、参列者 入場・着席。
ー 斎主(神職)入場。
ー 開式の辞。
ー 修祓(お祓い)。
ー 斎主一拝。
ー 献饌(献灯)。
ー 祭場祭・祭詞奏上(斎主)。
ー 玉串奉奠。
ー 出棺祭・祭詞奏上。
ー 轍饌。
ー 斎主 一拝。
ー 斎主 退場。
ー 弔電 奉読。
ー 閉会の辞。
ー 葬儀委員長、喪主 挨拶。
と成ります。

5)祭場祭の後に故人様のご遺体は火葬炉前にお移しし、火葬に先立ち火葬祭を執り行います。
又、墓地で納骨する際には先立って埋葬祭を執り行います。
そして、火葬、又は納骨・埋葬が終わりましたら 喪主様以下の方々は家に帰って御霊前(仮御霊舎に安置された霊璽の前)にご葬儀が終了したことを秦告する為の、帰家祭を執り行います。
尚、ご自宅に入る前には 帰家清祓いの儀により心身を清めて入室します。
遷霊後には霊前を、納骨後には墓前も祭り、霊前 墓前に考敬を尽くします。
ー霊璽を祖霊舎に合祀するまでは朝夕の2回、常饌、生饌を霊前にお供えします。(霊前日供の儀)
ー霊前祭は翌日祭(葬儀の翌日)、毎十日祭(帰幽の日から 10日、20日、30日、40日、50日)、百日祭、一年祭、と執り行いますが、特に 五十日祭、と一年祭、は丁重に営みます。
ー五十日祭の翌日には 清祓いの儀を執り行い、神棚 及び祖霊舎の前の白紙を取り除き、霊璽を仮御霊舎から祖霊舎にお移しして平常に戻ります。
今回は以上です。
葬儀 簡素化
死者のお見送りを司るご葬儀の歴史は古く、人類が誕生して以来営まれていたと推定されます。
とはいえ、永らく儀礼をもつて見送られる死者は然るべき立場の人に限られておりました。
日本に於きましても、庶民の間で葬儀が営まれる様になるのは江戸時代以降です。
そして、葬儀の次第は時代の文化と共に変化して行き、現代ではより簡素化する方向に進んでおり、特に横浜などの大都市ではそれが顕著となっております

。

1 ご葬儀変化の歴史
日本における庶民の為の葬儀は徳川江戸幕府による寺請制度と共に、仏式の葬送儀礼が定着してゆきました。
ー江戸時代のご葬儀は自宅での通夜と寺院での葬儀式、そして土葬による埋葬が基本でした。
又、埋葬の面積をより小さくするため、棺は平型ではなく桶型の棺が多く使用されて居ります。
江戸時代、火葬の比率は20%程度と考えられます。
それは火葬の為の費用は高額となり、常設の火葬場がほとんどなかった事によります。

ーしかし明治以降、火葬の比率は少しずつ上昇し昭和30年代には98%を超えて世界第一位の火葬国となって居ります。
明治6年には政治的目的で火葬禁止令が出ましたが同8年には廃止となり、
東京、京都などの都市市街地に於ける墓地確保のための土葬禁止令、伝染性疾患死亡者の火葬令、それに基ずく火葬場の整備により火葬適用率が高まって行きました。
日本最初の近代的火葬場は東、西本願寺火葬場(現在の京都中央斎場)です。
又、昭和2年には東京の町屋に重油火葬炉が出来、それまで夜間に火葬、翌朝収骨が、火葬開始の2時間後には収骨出来るように成りました。

ー明治、大正、昭和時代前半と葬列を中心としたご葬儀は第二次世界大戦終戦直後から大きな変化して行きました。
その一回目は高度経済成長期であり、二回目はバブル崩壊後です。
日本人は第2次世界大戦の経験により死に対する忌避感が強く存在する様になります。
そんな中、朝鮮戦争を背景とした高度経済成長期が訪れ葬儀は大型化して行きました。
更に家族、親族、地域の人びとによる”野辺の送り”が”社会儀礼としての告別式” へと変化し、より華美な式へと変化してゆきました。
しかし1990年(平成2年)のバブル崩壊後、高度経済成長期に醸成された家族の分散(核家族化)、少子化、医療の進歩による高齢化等により再度大きな変化が進み、
ご葬儀は大型化から、小型化・簡素化へと進みます。
ーお墓
以前は市街地に設けられていた〇〇家の墓は、個人化に伴いマイ墓として環境破壊を伴い作られた多くの周辺地域の霊園へつながります。
最近はその辺を考えた永代供養墓、散骨、樹木葬なども盛んに成りつつあります。
ー在宅死から病院/施設での死
以前は80%が在宅死でしたが現在は逆転し80%以上が病院での死となつています。
ー葬儀の小型化・簡素化
日本におけるご葬儀は江戸時代以来、地域共同体が中心となって営まれるのを常として居りましたが、
昨今では地域共同体の結びつきも疎となり、葬儀の営みも個人化が進み、より小さな葬儀が主流になりつつあります。
平均会葬者数を見ますと1991年には280名でしたが 2006年は132名と半分以下と成りました。
両親は故郷に、子供は都会で生活、が標準となり、もし両親に何か有れば都会で加療をし、その葬儀は家族だけでの密葬でと言うケースが多く見られます。
従来、家族だけでのお見送りは密葬で、告別式やお別れ会を別途営むという形が、最近はご家族だけでの家族葬により終わるケースも増えております。
さらに、新型コロナウイルス発生以降は三密を避ける為、儀式を行わずに火葬のみでお見送りするご家族も居られます。
こうして大型の葬儀から火葬のみのシンプルな葬儀まで、又その中身も一日葬などご家族の希望に合わせた多様な葬儀が施行されるようになりました。

2 簡素化されたご葬儀
!)直疎(ひかりの杜火葬儀プラン)
終活をお考えに成る際の選択肢の一つとして“火葬儀プラン”が御座います。
一般には直葬と呼ばれる葬儀形式で、通夜式・葬儀式は行わずに”ご火葬”のみを執り行う形式です。
高齢ゆえに静かに見送りたい、宗教色の無い葬儀でありたい、費用を抑えたい、などのご希望をお持ちの方にご利用頂けます。
その内訳は;
- ご連絡を受けて、ご遺体に保全処置を施して安置します。
- 特別な場合を除き死亡後24時間は法律により火葬が出来ませんので、ご遺体は1日以上ご自宅に安置される事となります。
- ご火葬の予定に合わせてご遺族様の手でご遺体を柩に納め、火葬場に向け出棺します。
- 火葬場到着後、お柩は火葬炉に移され、荼毘に付されます。
- ご火葬終了後、ご遺族の手で拾骨を行いお骨壺に焼骨を全て納めます。
- お骨壺をご自宅に持ち帰り、然るべき所に安置して終了となります。
ご火葬のみのシンプルな儀式ですが、宗教家による葬送の儀礼、故人様とのお別れの時間を取る事も可能です。

2)家族葬(ひかりの杜家族葬プラン)
葬送儀礼は仕来りにのっとり行いたいが、会葬は家族のみで、静かに、廉価に営みたい、とのご希望に方にはひかりの杜家族葬プランをお薦め致します。
その内訳は;
- ご連絡を受けてご遺体を病院からご自宅に移送し、ご遺体に保全処置を施して安置し、枕飾りを用意してお祈りの場を準備します。 特別な場合を除き死亡後24時間は法律により火葬が出来ませんので、ご遺体は1日以上ご自宅に安置される事となります。
- 通夜式の予定に合わせてご遺族様の手でご遺体を柩に納め、そのお柩を中心に式場が設営されます。
- ご指定のご導師により通夜式を執り行い、その後 参列のご遺族でお清めの席を営みます。 又 当日の夜は終夜ご遺族様により故人様をお慰めします。
- 翌日は同じくご導師の下で葬儀式を執り行います。
- 葬儀後、最後のお別れを行い、火葬場へご出棺となります。
- 火葬場到着後、お柩は火葬炉に移され、荼毘に付されます。
- ご火葬終了後、ご遺族の手で拾骨を行いお骨壺に焼骨を全て納めます。
- お骨壺をご自宅に持ち帰り、後飾り壇に安置して終了となります。
家族葬は故人様とご家族だけでのお別れとなりますので、慌(あわただ)しさや煩(わずら)わしさも無く、喪主様は故人様とのお別れの時間を大切に過ごす事が出来ます。
今回は以上です。
妊婦と葬儀式場
”子供は国の宝”と言われて居りますが、その子供の生命を育む妊婦様は大切な存在です。
妊婦様は自らの生命と新たな生命をを維持生長させる為、特別な注意がはらわれねばなりません。
葬儀、葬儀式場でも然るべき注意が必要となります。

1 妊娠中の注意
大切なお子様がこの世に生を受ける為、妊娠中は通常の生活とは異なる注意が必要となります。
1)体重と食事の管理
妊娠中は栄養バランスの良い食事を心掛け、体重が増えすぎないように注意します。
妊娠中には食欲が増すのが一般的ですので、定期的な検診と共に医師や助産師の指導の下で管理します。

2)適度な運動
妊娠中は無理のない範囲で散歩やヨガなどの全身運動を行います。
但し、持病をお持ちの方は注意が必要です。
同じく医師や助産師に相談をして行うのが良いでしょう。

3)転倒リスクの回避
妊娠中はおなかが大きくなり、妊娠前とは身体のバランスが異なりますので、注意が必要となります。
日々、転倒のリスクを冒さぬ様気をつけてください。
自転車や踵の高いハイヒールなどの使用は避けるべきでしょう。
2 葬儀式場での注意
葬儀でのイメージは冬は寒い中で、夏は汗を流しながら営まれると感じる方が一般的です。
その様な季節にご葬儀に参列される場合は十分な対策をされてご参列ください。
私どもお手伝いさせて頂く側も母体に支障を及ぼさぬ様、十分な対応をさせて頂きます。
ちなみに横浜市営、横浜市北部斎場をご利用の際は;
1)横浜市北部斎場
浜市北部斎場は
緑区長津田町に位置する横浜市役所が運営する斎場で、故人様が横浜市民であれば
格安の市民料金でご利用頂ける利用し易い葬儀式場です。
横浜市北部斎場には
葬儀式場と火葬場が併設され、大駐車場を備えた大変便利な葬儀式場で、
宗旨・宗派に係わらずご利用が可能な斎場です。
又 火葬場への
移動は徒歩が可能で、マイクロバス等を必要と致しません。

ー交通手段
横浜市北部斎場への来場に当たりましては
JR横浜線十日市場駅より
横浜市営バス55系統に乗車して頂き北部斎場前で下車(所要10分)の後 徒歩で10分となります。
又
タクシ-をご利用の場合は
JR横浜線長津田駅南口より約8分(料金1300円前後)で来場頂けます。
お車で来場の場合は
東名高速横浜インターより
10分の距離となります。

ー最寄り宿泊施設
遠方より葬儀にご参列の方々には最寄のホテルとして、
“東京 湯河原温泉 万葉の湯”が御座います。
万葉の湯は東名高速横浜インター前に位置する温泉ホテルで JR横浜線・小田急線 町田駅よりシャトルバスが運行されて交通の便も良く、
北部斎場まではタクシーで10分(料金1300円前後)とご利用しやすい宿泊設備です。
ご利用料金は 洋室ツイン 2名利用で 10400円/人(税込)からとなります。

ー横浜市北部斎場の設備
北部斎場は正門を入りますと直ぐにトンネルとなり、トンネルを抜けると前に駐車場、正面奥に火葬場、右手に式場の建物が配置されて居ります。
葬
儀式場は4式場あり、いずれも式場も 受付・待合せロビー 式場 お清め室 親族控室 宗教家控室 シャワー室 トイレが配置されて居ります。
式場の広さは
席数100席 数百名程度のご葬儀を執り行う事が可能となって居ります。
設備されている冷房・暖房は調節が可能で妊婦様の体調に合わせて調整させて頂きます。
又、親族控室は畳敷きですが低めの椅子が用意されて居り、妊婦様は足を伸ばしておやすみ頂けます。
通夜仮眠は5名様程度までは可能です。
但し 横浜市消防条例により夜9時以降の火気使用は不可となって居りますので 灯明・線香は9時で消灯しなければ成りません。
北部斎場は建物も比較的新しく 駐車場も大きく取られ居り、ご利用頂いた方々よりは好評を頂く式場で御座います。
今回は以上です。
密葬と家族葬
新型コロナウイルスの治療薬も明確にならず、世界各国でのワクチン投与も十分に行き渡らない現状では、
ご葬儀の営み方も大きく変化し、三密を避けた家族葬をご希望されるご葬家も多くなりました。
家族葬をを語る際に”密葬と同様のご葬儀”と言われる事もよくございますが、厳密には密葬と家族葬はその目的が異なります。

1 密葬とは
密葬とは、各種の事情により本葬を後日に営まざるを得ない時に、身内やごく親しい友人だけで営む葬儀を言います。
密葬は本葬を後日に営む前提での葬儀が本来の意味合いとなります。
又、密葬に規模の定義は御座いませんので数百人の弔問を受ける密葬も有り得ました。
とはいえ、後日本葬を執り行う前提で営まれますので、ご自宅を式場としてご遺族と少数の友人・知人により営まれるのが一般的です。
密葬は少人数で営まれる事から家族葬と同義語の様に理解されて居りますが、本来は異なるものです。
尚、特別な事情とは、葬儀に多数の弔問客が予想されその準備に時間が必要とされる、年末年始にご逝去され葬儀を営む事が憚られる場合、
感染症で亡くなられた為早急にご火葬しなければならない場合、などです。

元来、密葬は有力者や有名人の方がご逝去された際に、大規模な本葬を営む為にはその準備に時間が必要であり、
又、多くの弔問客を迎える事が出来る会場を用意する時間も必要となります。
この様な場合、ご遺体を長期に保全する事を避ける為、まずは、親類縁者や親しい方々だけで静かに故人様を送り出す、などの目的で密葬が営まれます。
密葬での儀礼は通常の葬儀と同様の次第で営まれます。
密葬の後の本葬は個人の名前で営む場合は本葬、企業・団体の名前で営まれる場合は社葬・団体葬として営まれます。
現代では”お別れの会” ”偲ぶ会” ”送る会”などの名称で営まれるケースも多くなりました。
使用する式場も葬儀の為の斎場の他に、寺院の会館、ホテルの宴会場などでも営まれる様になって居ります。

2 家族葬とは
ご葬儀は、本来故人さまのご逝去に伴なって必要とされる、社会的処理、ご遺体の処理、霊の処理、悲嘆の処理、様々な悲嘆の処理の為に執り行いますが、
故人さまが高齢でご逝去され、すでにお友達も多くなく、御近親の方のみで静かにお見送りをしたいと考えられるご遺族の方々への、小規模な葬儀として家族葬が生まれました。
家族葬は小規模な葬儀では有りますが、ご遺族のご希望にお合わせした色々な形態が考えられます。
僧侶・神官・神父・牧師等の宗教者をお呼びして宗教儀式を行うか、行わないか、
式場内のアレンジは、祭壇の形は、どの様なお花で飾るのか等です。

家族葬は一般の葬儀より費用が掛らないとお考えの方も多く居られますが、ご希望によりましては小規模でも費用を必要とする場合も御座います。
家族葬の利点と致しましては近親者だけで営みますので、弔問の方々に気を使う事も無く、落ち着いて故人様とのお別れが出来ます。
又、小規模ですので式場は小さく、係員も最少で、お料理・返礼品等も不要となります。
短所と致しましては、知人・近隣住民に知られない様気を使う必要、ご連絡しなかった親族・友人よりのご不満、
葬儀後ご自宅への弔問客の来訪、葬儀費用の相互扶助である香典は無い等が御座います。
何れにしろ故人さまのご年齢、ご経歴、社会的お立場などを考慮してお決め頂く事をお薦め致します。
今回は以上です。
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