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寺院への布施

 今回はお布施に付いて書かせて頂きました。

 布施とは 仏教に於いて 執着心を持つ事無く(代償を期待する事無く)、人に施す事を言います。大きく分けて、3っの布施が挙げられます、 ①財施(ざいせ);金銭、衣服、食料等 財を施す事、 ②法施(ほっせ);仏の教えを説く事、 ③無畏施(むいせ);不安や畏れを抱いている人に対し安心の施しをする事、親切を施す事。又 これに加えて”無財の七施”と言われるものもあり、眼施、和顔施、言辞施、身施、心施、床座施、房舎施が説かれます。

 葬儀に於いては 僧侶は 通夜・葬儀式などの法要を営む事により 法施を施し、ご遺族は これに感謝して 財施を施します。僧侶が法要を営むことは 代償を期待する事の無い 法施です。そして 葬儀でご遺族が施す お布施は 法要執行への対価として支払うのではなく 僧侶に対する財施を行う、という考え方が本来の姿です。お経料 戒名料などの表現は、対価としての概念が強く含まれて居り、相応しくないと考えられます。ご遺族には お礼という気持ちを持たれるのが当然の事ですが、それを超えた深い意味がある 事をご理解頂き お布施 と表書き頂くのが正しいとされます。 

 神道やキリスト教でも その考え方は仏教と同じです。神道に於ける神職に対するお礼の表書きは 御祭祀料 と記します。キリスト教の場合は 教会に対する 献金、神父や牧師への謝礼、オルガニスト・合唱団への 謝礼 が必要です。

 現代では 基本の金額が定められているケースも多くなりましたので、率直にお問合せ頂くのも良いかと考えます。又 経済的事情が許さない時は 率直にご相談されると良いでしょう、一般的にはご理解頂けるのではないでしょうか。

   今回は以上です。 

仏壇とは

 今回は仏壇に付いて書かせて頂きました。

 仏壇とは 本来は 寺院内に仏像を安置し、供物をお供えし、礼拝を行う為に、造られた一壇 高い場所を指して居りました。その後 近世日本に於いて この仏壇の場所を 須弥壇(しゅみだん)と呼ぶ様に変化します。同時に 平安時代の貴族は 持仏堂を持つ様になり、更に時代の変化と共に 一般にも普及して行き、自宅内に 礼拝の設備を持つ様になり、本尊や位牌を安置する 厨子や宮殿型の設備を仏壇と呼ぶ様になりました。仏壇の内でも最上段は須弥壇と位置付けられます。仏教の世界観では 宇宙の中心には 須弥山と呼ばれる巨大な山が存在し、帝釈天(たいしゃくてん)はそこに所在する と説かれます。須弥壇は この須弥山をかたどったものと言われます。

 古代インドでは しかるべき場所に土を積み上げて、壇を作り、その場所を神聖な場として神を祀りました。そして 風雨をしのぐ為に 土壇の上に屋根が設けられ、土壇の周りを壁で囲むようになります。これが 寺院の起源と言われます。従いまして 仏壇の壇は 木偏では無く、土偏を使います。現在 各家に置かれて居る仏壇の起源は 平安時代の貴族社会に於ける 持仏堂、仏間の建立にあると言われます。その後 鎌倉時代に入り 禅宗の布教と共に 位牌を作る事が普及して行きます。この位牌を安置する 常設の安置場所が必要となり、仏壇が生まれたと考えられます。仏壇が生まれる過程では 当時の民俗として 存在した、神棚、盆棚、正月棚などが参考にされたと考えられます。尚 仏壇が一般家庭に普及するのは 江戸時代の寺檀制度確立以降と成ります。

   今回は以上です。

仏具とは

 今回は仏具に付いて書かせて頂きました。

 仏具とは 仏教に於ける儀式に使用される道具や 装飾品を言います。僧侶などの聖職者が使用する場合には 法具 法器とも言います。インド仏教に於いては 特別な仏具を使用する事は有りませんでしたが、その後 チべットや中国に伝播し、僧侶が人々の為に 祈祷や葬儀などの儀式を行う様になり、その儀式に必要とされる道具が開発されて行きます。更に 中国で成立した 浄土信仰は仏教を広く民衆の間に広める事と成りました。そして 寺院で使用される仏具と それを小型化した 家庭の仏壇用の仏具が開発、定着して行きました。

 主に使用される仏具は以下の通りです;

1 三具足

  仏具の基本で 香炉、火立て(燭台)、花立て(花瓶)の三点で構成され、中央に香炉 右に火立て 左に花立てを配します。又 五具足は 中央に香炉 香炉の両側に火立て 更にその外側に花立てが配され、香炉 火立て1対 花立て1対で 五具足となります。平常は 三具足で、正式な儀式の場合に五具足が使用されます。

 1-1 香炉; 線香 又は末香を焚く為の道具で、耳付きの場合は 耳が両側にくる様に、三つ脚の場合は 一本の脚が手前に来る様に置きます。

 1-2 火立て; 灯明(ロウソク)を立てる道具です。

 1-3 花立て; 仏壇に供える花を活ける花瓶です。

2 線香差し

  線香を入れておく為の容器です。

3 打ち敷き

  仏前の前卓を飾る錦や金襴の敷物です。

4 仏飯器

  ご飯を盛る器です。

5 茶湯器

  お茶を供える為の器です。

6 高坏(たかつき)

  菓子、果物などを供える為の器です。高坏に半紙を敷いて菓子 果物を乗せます。

7 鈴(りん)

  礼拝の時に打つものです。その打ち方は 宗派により異なります。

8 これらの他に 燈籠(とうろう)、香盒(こうごう)、霊供膳(りょうくぜん)、供笥(くげ)等が御座います。

   今回は以上です。   

墓とは

今回はお墓に付いて書かせて頂きました。

 お墓とは ご遺体 若しくはご遺骨を葬り、故人様を弔う場所を言います。一般的には 墓石や墓碑などを目印として置き これを墓標と言います。現在では ご遺体・ご遺骨を埋葬した場所に墓標を建てるのではなく、墓標の中にご遺骨をお納めする形が一般的です。現在の日本では 多くの都市で土葬が制限されて居り(横浜市内では不可)、又 ぼぼ99%のご遺体は火葬されて居ります。国内で土葬が許されていますのは、奈良県、和歌山県の一部地域のみです。尚 火葬を禁忌するイスラム教徒のご遺体は山梨県甲州市 又は北海道余市町にある イスラム教徒向け霊園でのみ埋葬する事が可能です。 

 お墓は 古くより 王や貴族などの有力者の死を弔うと共に、故人の為した業績を後世に伝える事を目的として築かれました。日本では 天皇や皇族の墓を 陵、陵墓と呼びます。又 古代日本では 墓は 奥津城と呼ばれて居り、これが 踏襲されて、神道のお墓は奥津城と呼ばれます。現代の墓地は ”墓地、埋葬等に関する法律”(墓埋法)により規定されて居ります。ご遺体やご遺骨を埋葬する際には 市区町村役所の許可を得る必要が御座います。

 現代の日本に於ける墓石は和型と呼ばれる三層構造の墓石が一般的で、これは仏式でも神道式でも同様です。この形状は 江戸時代に生まれた形式です。更に 最近では二層構造の洋型墓石や、独自の形をした オリジナル・デザインの墓石なども多く見られる様になりました。

   今回は以上です。

墓地とは

 今回は墓地に付いて書かせて頂きました。

 墓地とは 故人様のご遺体やご遺骨を納める墳墓を設ける区域を言います。日本に於ける 庶民の墓地は 古くは 所有する土地の一部、村落の共同墓地などが一般的でしたが、徐々に檀那寺の墓地に集約される様になって行きます。特に 江戸や大坂の大都市では 寺院の墓地が主流と成りました。現在は 墓地・埋葬等に関する法律(墓埋法) により規定されて居ります。

 墓埋法によれば ”死体を埋葬し、又は焼骨を埋葬する施設” を墳墓という名称で規定して居ります。従いまして 個々のお墓は墳墓と呼ばれます。そして この墳墓を設ける事が出来る場所が 墓地となります。墓埋法によれば ”墳墓を設けるために、墓地として都道府県知事の許可を受けた区域” が墓地として使用する事が出来る区域となります。又 墓埋法の4条には ”埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の区域に、これを行ってはならない” として勝手に墓地を作ることは許されて居りません。尚 焼骨の埋蔵施設として 納骨堂が有ります。これは 墓埋法第2条第6項により ”他人の委託をうけて焼骨を収蔵するために、納骨堂として都道府県知事の許可を受けた施設” として定義されております。

 現在の日本国内に於ける 墓地としては 私有墓地、公営墓地、寺院墓地、民営墓地等が有ります。

私営墓地; 私有の土地内に 特別に許可された墓地、古くから存在する特定家族の墓地で過去に墓地として認定されていた場所が墓埋法の成立時に自動認可されたもの。新規の許可は得られません。

公営墓地; 都道府県や市町村などの自治体、もしくは 自治体から委託された公益法人が管理・運営している墓地。自治体の居住者に対する便宜を図る為に運営され、宗旨・宗派による制限が無いのが一般的です。

寺院墓地; 寺院が管理する墓地。一般的には 寺院の檀家の為の墓地ですが、最近では 檀家でなくとも永代使用が認められる事も多くなりました。

民営墓地; 公益法人および宗教法人が管理・運営する墓地。非営利事業として経営されなければ成りませんが、実際には 事業の名義は公益法人・宗教法人で、開発や営業は石材店などの営利法人が代行しているケースがほとんどです。宗旨・宗派の制限など無く、資格や条件なども厳しくありません。

 又 最近では ネット墓地なども出来始めて居りますが、可不可 様々な意見が出て居ります。

   今回は以上です。

死後に必要な手続き

 今回は死後の手続きに付いて書かせて頂きました。

 ご家族がご逝去された後には各種の手続きを行わなければ成りません。最初に 臨終に立会って頂いた医師より死亡診断書の交付を受け(検死が必要の場合は検死担当の医師より死体検案書)、死亡地 若しくは届け出人の所在地の市区町村役所に死亡届を提出し、火葬・埋葬許可証の交付を受けます。そして ご火葬終了後には火葬場より埋葬許可証(火葬証明書)を受取り、ご遺骨を安置する際 霊園の管理者の提出します。以上の他に 市区町村役所、故人様が所属した会社・団体、故人様名義の財産の名義変更、各種保険の手続きなどで必要な手続きを行なわなければ成りません。

 ご葬儀が一段落された後に まずは市区町村役所での各種手続きが以下の通り必要と成ります;

1 世帯主の変更; 故人様が世帯主だった場合 故人様の死後14日以内に手続きしなければ成りません。

2 国民健康保険資格喪失届・保険証の返却; 故人様が被保険者の場合すみやかに手続き。

3 国民健康保険の葬祭費 申請; 故人様が被保険者の場合 葬儀終了後 2年以内は申請可能です。

4 国民健康保険 高額医療費の申請; 支払いの日から2年以内は申請可能です。

5 国民健康保険 加入手続き; ご遺族が国民健康保険加入者の被扶養者だった場合 死亡した日の翌日から14日以内に手続きします。

6 年金受給停止の手続き; 故人様が年金受給者だった場合 すみやかに手続きします。

7 国民年金・厚生年金の遺族年金の請求; ご遺族が受給条件の合致した場合 故人様の死後 5年以内であれば請求可能です。

8 介護保険の資格喪失届・保険証の返却: 故人様が加入者の場合 故人様の死後14日以内に返却します。

9 印鑑登録の返還; 故人様が登録者であった場合 すみやかに返還します。

10 公営住宅入居者; 世帯員変更をすみやかに手続きします。

11 以上の他 身体障碍者手帳、被爆者援護資格認定書などの証書もすみやかに返却します。

   今回は以上です。

永代供養墓とは

今回は永代供養墓に付いて書かせて頂きました。

 永代供養墓(えいたいくようばか)とは 祭祀承継者が居られない方の為に、ご遺骨が納められたお墓の供養と管理を 寺院や霊苑が 承継者に代わって行ってくれるお墓です。一式費用を一度支払えば その後費用は発生致しません。宗旨・宗派は問われないのが一般的です。永代供養には 一定期間に限定された形のものと、期間は限定されない 本来の永代供養の形とが御座います。永代供養墓をお選び頂く際は 永代供養の内容を良くご確認頂いた上でご契約頂く事をお薦め致します。

 少子化、核家族化が進捗する現代では 生涯を独身で過す方や結婚はされてもお子様の居ない御家庭など お墓を承継する方が居られない場合や、お子様は居られても お墓の維持などでご家族に負担をかけたくない、とお考えの方の為に 永代供養墓が御座います。永代供養墓は祭祀承継者が居られなくても契約出来、生前に契約頂く事が一般的です。永代供養墓には 単独墓(個人墓、夫婦墓)、集合墓、合同墓、樹木葬墓地、納骨堂などが有ります。集合墓は 単独の納骨スペースが多数集まった形のお墓です。合同墓は ご遺骨を個別に別けず 一緒にお納めする形のお墓となります。樹木葬墓地も永代供養墓として募集している霊苑も多く有ります。又 お墓では無くロッカー式の室内納骨堂や モニュメントの地下に納骨堂を設けた永代供養なども御座います。 

 横浜市営 メモリアルグリーンは 戸塚区に位置した 水と樹林やお花に囲まれた霊苑で 樹木型合葬式納骨施設や 慰霊碑型合葬式納骨施設が永代利用の形で提供されて居ります。

   今回は以上です。

手元供養とは

 今回は手元供養に付いて書かせて頂きました。

 少子高齢化・娘一人・単身者の方などが増加する中で、新しい供養の形として 樹木葬、散骨、などと共に”手元供養”と言われる形が生まれました。手元供養とは 故人様のご遺骨の全て、若しくは一部を ご遺族にお手元に置いて供養する、というものです(自宅供養とも言います)。宗教的供養を望まない と言う方が増える中で、従来型の墓地への埋葬に代わる形として行われて居ります。ご遺骨をご自宅に安置したり、ご遺骨の一部を身に付けて保管したり、などの行為は違法では有りません。

 何時でも 故人様を偲ぶ事が出来る様に、大切な方のご遺骨を身近に安置したり、アクセサリーとして身に付けたり、という 新しい供養の形として手元供養が有ります。ご火葬後のご遺骨を自宅内に安置し、時に連れて供養をする事となります。但し お子様やお孫様が永くご遺骨を守り続けてくれるか どうかは解りませんので、事前にご家族の中で話合い、同意を得て於く必要が御座います。

 手元供養では ご遺骨のほとんどは墓地にお納めし、一部のみをご自宅で保管して供養するという方法も有ります。又 海や空でご遺骨を散骨されるご遺族の中には 一部を残して ご自宅に置き、故人様を偲ぶ拠りどころとされる方も居られます。最近では ご遺骨(ご遺灰)の一部を入れてご自宅に安置する為の 専用のお骨壺も市販されて居ります。仏壇の代りに お骨壺を置かれる御家庭も御座います。更に少量のご遺骨を身に付ける事が出来るアクセサリーにしたり、ご遺骨を加工して作るダイアモンドなども御座います。

   今回は以上です。

遺言の方式とは

 今回は遺言の方式に付いて書かせて頂きました。

 遺言の効力を有効にする為には 民法に定められた方式に従って作成されなければ成りますん。遺言の方式には 大きく分けて 普通方式 と特別方式があります。一般的には普通方式で遺言書は作成される事となります。そして 普通方式には 自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類が有り 特別方式には 危急時遺言(臨終遺言)、と隔絶地遺言の2種類が御座います。

 自筆証書遺言とは 全文が自筆で記載された遺言書の方式で 何時でも、何処ででも作成する事が出来ますが 内容や書き方によっては 法的に有効とされない場合が御座いますので、作成される前に様式をご確認下さい。

 公正証書遺言は 公証役場で作成、登録される遺言書で、遺言者が口述する内容を公証人が文書に作成し、2名以上の証人の下に登録される遺言書で、法律的には最っとも確実な遺言書となります。但し 作成費用は必要とされます(手数料は遺言書に記載された遺産の価額により異なります)。

 秘密証書遺言は ご自分で作成した遺言書を 公証役場で 本人が作成した遺言書であると証明して貰うものです。遺言書の内容は秘密にしたまま、2名以上の証人の下、遺言書の存在のみを公証役場に登録します。登録の費用は必要となります(手数料は11,000円)。

 危急時遺言とは 症病や事故などにより死亡の危急に迫られた方が 3名以上の証人立会いの下、口述された内容を文書にして遺言と定める遺言書です。

 隔絶地遺言とは 感染症病棟や航海中の船舶など 遺言者が一般社会とは隔絶された場所に居る為、普通方式の遺言が出来ない場合に認められる遺言書です。遺言書の作成に当っては 警察官(船舶の場合は船長又は事務員)1名、証人1名の立会い、署名が必要です。

 尚 特別方式の遺言書は 遺言書が作成された後に その状況が変化して普通方式の遺言が作成可能になった時、6ヶ月以上経過して生存している場合に 無効となります。

   今回は以上です。 

自筆証書遺言とは

 今回は自筆証書遺言に付いて書かせて頂きました。

 自筆証書遺言とは 全文をご自分で書き、署名、押印した遺言書の事です。何時でも、何処でも、ご本人の思い通りに作成する事が出来 証人も必要無く、遺言の内容を明らかにする必要も無く、遺言書の有無おも秘密にする事が出来る、自由度の高い遺言書です。但し 書式や内容に付いて 一定の条件を満たしていないと無効と成りますので、作成のポイントをご確認願います。又 遺言書の内容確定は遺言者の死後 所轄の家庭裁判所に提出して検認を受けた後に有効となります。自筆証書遺言では 遺言者の死後、遺言書が発見されなかったケース等も御座いますので、遺言書の有無・保管場所はご家族にお知らせして於く事をお薦め致します。

 自筆証書遺言 作成のポイントは以下の通りです;

1 全文を自筆で書き上げる。代筆やワープロで作成されたものは効力を持ちません。

2 日付け(作成年月日)、署名、押印は不可欠です。日付けは西暦でも元号でも構いませんが、日の記載が無いと無効と成ります。

3 加除訂正は 規定の方式にのっとって行います。

4 用紙は自由ですが、保存に耐えやすく コピーがし易いA5やA4サイズの用紙をお薦め致します。

5 筆記用具は自由ですが、改竄などを避ける為、鉛筆の使用はお薦め致しません。

6 内容は 解り易く、具体的に、箇条書きで記載します。

7 特に財産はきちんと 特定出来る様に記載します。

8 用紙が複数に及ぶ時は 袋閉じの上、ページ間で契印(割り印)をします。

9 封印するか しないかは自由ですが、封筒に入れ、遺言書の押印に使用した印鑑で封印する事をお薦め致します。

 遺言書は 家庭裁判所の検認を受けて、初めて有効と成ります。開封、検認がされるまでには 然るべき日にちが必要と成りますので、ご逝去後すぐに判断が必要となる 葬儀・献体・臓器移植等のご希望は 遺産相続の為の遺言書とは別の遺言書を作成し、”死後すぐに開封”と表記して保管される事をお薦め致します。尚 この遺言書は法的効力は有りません。

   今回は以上です。

公正証書遺言とは

 今回は公正証書遺言に付いて書かせて頂きました。

 公正証書遺言とは 遺言者の口述を公証人が定められた書式にのっとって記述し、立会い証人 2名以上の確認を受けて、遺言者と証人の署名・押印(遺言者は実印)の上、公証役場に登記された遺言書を言います。公正証書遺言 作成の費用(手数料)は遺言書に記載された遺産目的価格の総額を基に、法により定められて居ります。

 公証役場にて 証人2名以上の立会いの下、遺言者が遺言事項を口述して作成される遺言が公正証書遺言です。口述された遺言内容を公証人が筆記し、その筆記内容を遺言者と立会いの証人に読んで聞かせ、筆記の内容が正しい事の確認を受けた上で、遺言者と証人の署名・押印を受けます。その後 公証人は 証書を作成した手順を付記して 署名・押印します。又 遺言者が病気などで署名出来ない場合は 公証人がその事由を付記すれば、署名が無くとも有効となります。

 公正証書遺言の原本は 公証役場に保管されます。遺言書は 原本、正本、謄本の3通が作成され、原本は公証役場で保管され、正本と謄本は遺言者に渡されます。公正証書遺言は 内容を秘密にする事は出来ませんが、法的には必ず正しい書式で作成され、死後 発見されないで紛失してしまったり、破棄されたり、内容が改竄される怖れが有りません。更に 一度作成された遺言書を取り消したり、変更する事も可能であり、正本を紛失したとしても、再交付を受ける事が出来ます。

 公正証書遺言は 家庭裁判所の検認の手続きをする必要は無く、遺言者の死後、ご遺族はすぐに開封して内容を確認する事が出来ます。

 遺言者が病気などで 公証役場に出向けない場合は 公証人に出張してもらう事も可能ですが、遺言者が口述出来る状態である事が必要です。尚 聴覚や言語障害をお持ちの遺言者の場合は 手話 又は筆談による公正証書遺言の作成も可能です。

   今回は以上です。 

遺言の変更をするには

 今回は遺言の変更に付いて書かせて頂きました。

 遺言は 遺言者が所有する財産を 誰に、どの様に相続させるか 遺言者の最終意思を示すものであり、その意思を尊重する制度でもあります。そして 遺言の内容は 遺言者のご逝去により有効となります。従いまして 遺言者が生きて生きて居られる間は 遺言の内容を ご意志に従いどの様にも変更する事が可能です。ご遺言の内容は 遺言者が生きて居られる間は どの様な義務も権利も発生致しません。

 遺言は遺産の相続に当たり遺言者の最終意思を尊重する制度ですから、遺言者の意思であれば何時でも徹回したり、変更したりする事が出来ます。例えば 遺言書に ”自宅の土地、建物は長男に相続させる” と書いていても、その後 遺言者はご自宅の土地と建物を売却する事が出来、売却した事により 遺言は徹回した事と成ります。遺言書に財産の処分方法が書かれていたとしても、遺言者は自由に財産を処分する事が出来るのです。

 ご遺言を全て徹回されたい場合は 自筆証書遺言や秘密証書遺言であれば 破棄 若しくは焼却します。公正証書遺言は 公証役場に出向き 破棄の手続きをとります。又は 前遺言を破棄する旨の新しい遺言書を作成しても有効です。遺言の徹回、変更を記載する 新しい遺言書は 前回の遺言方式と同じである必要は有りません。例えば 公正証書遺言を 自筆証書遺言で破棄する事も可能です。

 遺言書の内容の一部を変更したい場合は 自筆証書遺言であれば 法律に定められた加除訂正の仕方に従って 遺言書の原文を修正しゅる事が出来ます。又 加除修正の項目が多い場合は 新たに遺言書を作成する事をお薦め致します。遺言書が複数 存在する場合は 最新の日付けの遺言書が有効となります。

   今回は以上です。

相続の開始は

 今回は相続の開始に付いて書かせて頂きました。

 遺産相続に於いては 相続財産を遺して亡くなられた方を ”被相続人”、相続財産を受け継ぐ方を ”相続人” 呼ばれます。遺産相続は 非相続人が亡くなられると 同時に開始されます。そして 相続の権利を持つ方(相続人)が遺産を相続する場合は 被相続人が生前に有していた権利と義務の全てを引き継ぐ事を前提とします。又 裁判所より失踪宣告を受けた方の場合も 死亡と見做された時点で遺産相続が開始されます。

 ご家族様が亡くなられましたら、出来るだけ早い機会に、故人様が遺言書を遺しているか、どうかを確認します。遺言書の有無により ご遺産をどの様に引き継ぐかが大きく異なるからです。遺産相続に於いては ”遺言による相続は法定相続に優先する” という大原則が有るからです。従いまして 被相続人が法的に有効となる遺言書を遺していた場合は 原則として有効な遺言書の内容に従って相続が行われなければ成りません。但し 相続人全員の同意が有れば、遺言書の指示に従はなくとも構いません。

他方 遺言書が存在しない場合は 原則として 財産を相続するのが誰で、どの様な割合で受け継ぐかは 法律により定められて居ります。この様な遺産相続を法定相続と言います。法定相続の場合でも 相続権利者全員の合意が有れば 法定相続とは異なる割合で相続を行う事が可能です。

 遺産相続と言うと 預貯金、有価証券、不動産等を引き継ぐと言うプラスのイメージが浮かびますが、相続は被相続人の財産上の権利と義務の全てを引き継ぐ事と成りますので、借金、債務、損害賠償責任等のマイナスの財産も引き継がなければ成りません。

 又 相続税の申告・納税は 相続の開始から10ヶ月以内に と期限が定められて居ります。更に マイナスの財産が多い場合の 相続放棄や限定相続の申請は3ヶ月以内となりますので、相続人の確認、相続財産の調査、確認は出来るだけ早めに行う必要が御座います。

   今回は以上です。

相続の対象となる財産

 今回は相続対象の財産に付いて書かせて頂きました。

 故人様が所有されていた財産の中でも 相続の対象となる財産と、対象とならない財産とが有ります。対象となる財産は 故人様が生前に所有されていた 土地・家屋・預貯金・有価証券・他 等のプラスの財産と、借入金や未払いの税金等のマイナスの財産です。祭祀財産(墓地、墓石、仏壇、仏具など)、香典、死亡退職金、他等は 相続の対象とならない財産になります。

 故人様が御逝去されますと、そのご遺産の相続が開始されます。相続人が複数居られる場合は 相続財産は相続人全員の共有となります。相続の対象となる財産は 故人様(被相続人)が生前に所有されていた 土地、家屋、現金、預貯金、貴金属宝石類、書画、骨董、家財道具、株式・債券などの有価証券、借地権、借家権などのプラス財産と、借入金や未払いの税金などのマイナス財産を合わせた財産となります。従いまして 相続が開始されると同時に プラスの財産と、マイナスの財産を漏れなくリストアップして、その評価額を出す必要が有ります。このリストを基にして 財産の分割や相続税の計算がされる事と成ります。

 又 相続の対象とならない財産としては 香典、死亡退職金、遺族年金、祭祀財産等が有ります。香典は喪主に贈られたものと考えられ、相続の対象とはなりません。死亡退職金や遺族年金は ご遺族の固有の財産として 同じく相続の対象とはなりません。生命保険金は受取人の名義が誰かにより異なります。被相続人が保険料を負担し、受取人の指定が被相続人 若しくは受取人が指定されていない場合は相続財産となります。祭祀財産は 祭祀承継者が単独で引き継ぐものとされ、相続の対象とはなりません。

 尚 故人様の預貯金は 名義人の死亡が確認されると、その口座は凍結され、配偶者やお子様であっても引き出す事が出来なく成ります。この口座からの引出しは 遺産分割を終えた後に 口座預貯金の相続人が 遺産分割協議書に 故人様の戸籍謄本、遺産相続人全員の印鑑証明を添付して手続きをする事により可能となります。又 金融機関によりましては 医療費や葬儀費用の支払いなどに限り 引き出しを認める場合が御座いますので、必要な場合は該当金融機関にお問合せ頂く事をお薦め致します。

   今回は以上です。

遺産の法定相続とは

 今回はご遺産の法定相続に付いて書かせて頂きました。

 法定相続によりご遺産の引き継ぎを行う場合には 相続人の立場により 定められた比率に従って相続が行われますが、その比率は相続人の構成により異なります。相続人が配偶者御一人の場合は 配偶者が全ての財産を引き継ぎます。配偶者と血族相続人が居られる場合は 血族相続人の順位と人数により比率は変わります。尚 配偶者とは戸籍上の婚姻関係に有る方のみで、内縁の場合はどの様な形であっても相続権は発生しません。

 故人様(被相続人)に配偶者とお子様(直系卑属)が居られる場合には 配偶者が二分の一、お子様が二分の一を相続します。お子様が複数の場合は 二分の一をお子様の人数で等分します。但し 非嫡出子は嫡出子の半分になります。非嫡出子は母親との関係では自動的に法律上の親子関係が求められますが、父親との関係では認知が必要と成ります。配偶者が死亡や離婚などで居られない場合はお子様が全財産を引継ぎます。お子様が複数居られる場合は その人数で等分されます。お子様が亡くなられていた場合は その相続権はお孫さまに引き継がれます。又 胎児は嫡出子と同等の財産権を持ちます。但し その権利は出生により確定しますので、この様なケースでは 遺産分割は出生後に行われるのが一般的です。

 故人様にお子様やお孫様がいない場合は 直系尊属である故人様の父母、父母が居られない場合は 祖父母が配偶者と共にご遺産を相続します。その場合の比率は 配偶者が三分の二、直系尊属が三分の一を引き継ぎます。

 故人様に直系卑属も直系尊属も居られない場合は 配偶者と故人様の兄弟姉妹により相続が行われます。その比率は 配偶者が四分の三、兄弟姉妹は四分の一となります。異母兄弟姉妹、異父兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)の場合は 同じ父母から生まれた兄弟姉妹の半分となります。

   今回は以上です。

相続の分割方法

 今回は相続に於ける遺産分割の方法に付いて書かせて頂きました。

 故人様のご遺産を分割する方法と致しましては 3種類の分割方法が有ります。一つは ご遺言の指定に従って分割する ”指定分割”、二つ目は 全ての相続人による話し合いの結果に基ずいて分割する ”協議分割”、三っ目は 協議分割の為の話し合いから結論が出せなかった場合に 家庭裁判所に委ねて結論を得る ”調停分割”と”審判分割”です。

 相続に於いては ”遺言による相続は法定相続に優先する” とする 民法に定められて大原則に従い、故人様が遺言書を遺されて居られる場合は その遺言書の指定に従い分割が行われなければ成りません。この分割方式を指定分割と言います。遺言の内容が 法定相続分とは異なっていても、原則として 遺言の指定に従わなければ成りません。但し 遺留分の請求が有った場合はこの限りでは有りません。但し 相続人全員の合意が有れば遺言の指定に従わなくとも構いません。例えば 遺言書では 全ての財産を配偶者に遺す と指定されていても、配偶者の方がお子様にも分割したいと考え、お子様全員が同意すれば 配偶者とお子様で分割する事も可能です。

 遺言が存在しない場合に 法定相続人全員で話し合い、その結果に基ずいて分割するのが 協議分割です。一般的には 民法の法定相続分を前提として協議を行います。相続人全員の合意が得られましたら、その後にトラブルが起こらぬ様 遺産分割協議合意書 を作成して、相続人全員が署名、押印(実印)をして成立します。この合意書を基に 不動産、有価証券、や預金口座の名義書き換えが可能となります。尚 遺言書が存在しても 誰々に遺産の三分の一を遺贈する と言う様な包括遺贈が指定されて居る場合は 三分の一が何かを確定する為に相続人全員と遺贈受遣者を交えた遺産分割協議合意書が必要と成ります。

 協議分割の内容に 相続人の一人でも合意出来ない場合は 所轄の家庭裁判所に ”遺産分割の調停”、若しくは ”遺産分割の審判” を申し立てる事ができます。それぞれ 調停分割、審判分割と呼ばれます。調停分割が成立しな場合は審判分割に移行します。

   今回は以上です。 

遺産の分割協議とは

 今回は遺産分割協議に付いて書かせて頂きました。

 故人様の遺産分割を法定相続ではなく、遺産分割協議でお決めになる場合の協議には 相続人全員の参加が必要と成ります。代襲相続人や法定代理人、包括受験者をも含めた全員で協議を行います。一人でも不参加が発生した場合は協議は不成立となります。相続人に未成年者が居られる場合は 未成年者の法定代理人を、相続人の中に行方不明者が居られる場合は 財産管理人を選任する必要が有ります。

 遺産分割協議が行われ、合意が得られましたら 遺産分割協議書を作成します。協議書の作成は義務では有りませんが、後日のトラブルを避ける為や、相続税の申告、相続財産の名義変更(凍結された銀行口座の目儀書き換えなど)、配偶者の税額軽減特例を受ける為、にも作成しておく必要が有ります。作成は 相続税の申告期限が相続開始後 10ヶ月以内と定められて居りますので、それに合わせて作成します。分割協議書の書き方にきまりは有りません。用紙の大きさ、縦書き、横書き、ワープロ使用、手書き、何れでも構いませんが 誰がどの財産を継承するか 分割の内容が明確である事、相続人全員の実印による押印がされている事 が重要です。複数ページに渡る場合は ページ間に割り印が必要です。遺産分割協議書は 相続人の人数分 作成し、各相続人が1通ずつ保管します。

 未成年者が居られる場合は法定代理人が必要と成ります、親権者の方が代理人となるのが一般的ですが、親権者の方も相続人である場合は代理人とはなれません。その場合は 非相続人の住所地の家庭裁判所に申立てを行い 特別代理人を選任してもらいます。申立ては親権者、もしくは他の相続人が行えます。

   今回は以上です。 

葬送儀礼とは

 今回は葬送儀礼に付いて書かせて頂きました。

 現代では死者をお見送りする儀式全般を葬儀と呼んで居りますが、この呼称は葬送儀礼の略称でも御座います。古来より 人の臨終から死後の喪に至るまでの、死者を葬り、悼む為の一連の儀式が存在すると共に、その次第は時代と共に変化して参りました。

 古来 葬送儀礼は 生者がその生活活動をを弱め 呼吸を停止する所から始まり、ご遺体の変化を基に その死を確定し、葬送の儀式から埋葬までに行う儀式が前提でした。その後 仏教の伝来と共に 各種の儀式が整備され、埋葬後の月次法要、年次法要が加えられて、現在の葬送儀礼が出来上がって居ります。葬送儀礼は その方の信ずる宗教により異なりますが、現代の日本に於いては 9割りを越える御家庭が 仏教による葬送儀礼を行って居り、日本に於ける葬送儀礼の基本は仏式によるものと考えられます。

 又 葬送儀礼の主体は 血縁の主体である本家や 地縁の主体である村や町が執り行うべきものでしたが、地域社会の変貌 血族制度の変化から、共同体による葬送儀礼から 個々の家単位での葬送儀礼へと変化して現在に到ります。葬送儀礼を行う目的としては 1 社会への告知、2 ご遺体の処理、3 悲嘆の処理(ご遺族・ご友人)、4 霊の処理 等が御座います。しかしながら 高度に高齢化が進む日本の現代社会に於きましては 亡くなられた方は御隠退してから長い時間が過ぎ、社会への告知はそれ程重要では無くなりつつあります。この様な観点から ご家族・ごく近いご親戚だけで行う ”家族葬”、更には 儀式は行わず ご火葬のみを行う ”直葬” などが 主流となりつつ有ります。

   今回は以上です。

葬送儀礼と悲嘆の処理

 今回は葬送儀礼による悲嘆の処理に付いて書かせて頂きました。

 葬送儀礼を行う目的と致しましては 故人様のご逝去を社会に告知する、ご遺体の処理、文化・宗教の考えを基にした霊の処理、近親者が受ける悲嘆の処理、周囲の方々が受ける各種感情の処理などがあります。現代の日本に於ける文化・環境の変化により 葬送儀礼の主宰者は 地縁者や血縁者から、ご家族や個人による儀式へと変化する中では 悲嘆の処理が 葬送儀礼を施行する目的の大きな部分ともなって来ております。

 人の死は周りに居られた方々に大きな衝撃を与え、悲嘆や、心の痛みをもたらします。これらの感情を周囲の方々が受入れる為には 永い時間と、癒す為の行動が必要と成ります。臨終行儀に始まり、通夜、葬儀、初七日法要、四十九日法要、納骨、一周忌法要、三周忌法要などの葬送儀礼は ご遺族 親しい方々が 受けた悲嘆を癒す為にも 大切な儀式であると言えます。特に故人様と精神的に密な関係を持たれていた、配偶者やご家族が深刻な心の痛みを感じるのは 自然な事で有り、この痛みを癒す為には それなりの時間と悲嘆を表に出す事が必要です。葬送儀礼に於ける儀式に中では 悲嘆を表面に出す事が可能であり、各種 法要を営む過程で 徐々に痛みを和らげて頂けるものと考えられて居ります。

 又 人が死んだ事を知った時 様々な感情に捉われる事が有ります。古くには 一人の人の死が 新たな死を招くのではないかとか、ご遺体の腐敗から恐怖感をいだいたりとかの、感情を和らげる為にも 葬送儀礼による死者の魂の鎮魂は 生者にとって有意義な儀礼であると言えます。

   今回は以上です。 

葬儀を営む意義

 今回は葬儀の意義に付いて書かせて頂きました。

 人の世は諸行無常と言われ、生あるものは必ず滅びることになる、と誰でもが理解して居りますが その死を体験するのは一度限りです。従いまして 人は他者の死を通してのみ 死を間接的に体験し、その中から ご自分の死を見つめる事と成ります。人の死を悼んで人々が集まり 営まれるご葬儀は 参列される人々に命の大切さと、生あるものは必ず死ぬべき存在である事を知らしめる 大切な儀式でも有ります。

 葬儀では 儀礼の対象は死者であり、営む主体者は生者です。葬儀の一連の儀礼は 生者・死者・死霊の三つの要素が関連しあって成り立って居り、特に生者が死者に対して何を感じるかにより、儀礼の在り方も変化して行きます。そして その積み重ねの上に 日本民族としての死生観や習俗が生まれて参りました。生者が死者に対して抱く反応は、死者に対する哀惜の念と 腐敗して行く骸に対する恐怖という 相矛盾した情緒が併存します。死者が生前 如何に敬愛されていたとしても、目の前で腐敗して行く死体からは嫌悪感が生まれ死霊への恐怖が巻き起こされます。死者が怖れられる存在である事は 人類共通の認識です。又 日本に於いては 死者は生者を死の世界へ連れて行く力が有ると考えられて居りました。従いまして 死者に対する愛惜の念は持ちながらも、腐敗して行く死体との関係をなるべく早く断ち切りたい と言うのが一般的心理となり、その一葬法として火葬という形が御座います。

 多くの方々は 葬送儀礼のに接し、人の死は周囲の人々に悲嘆をもたらす程の重大事である事に直面し、生の大切さを考え、死が決して 終りや 無に来するものではない、と言う事をを学び取ります。人間は 生物的な存在であると同時に、社会的な存在としてこの世界の中で生きています。死しても その人を知っている多くの人々の心の中に生き続けているならば、肉体の死をもって その人の死・消滅とは言えないのではないでしょうか。

   今回は以上です。

日本の葬送儀礼

 今回は日本に於ける葬送儀礼の変化に付いた書かせて頂きました。

 日本古来のご遺体埋葬の埋葬方法は土葬が基本でした(但し 天皇家に於いては風葬を行うケースも有りました)。その後 仏教の伝来により 仏教の葬法に日本古来の葬法が加味されて、日本の葬法が作られて行き、江戸時代に確立される事と成ります。又 仏教と共に伝来した火葬は ご遺体を白骨化することにより 死霊への恐怖や穢れを払拭する上で大きな力と成りました。

 日本に於ける葬法の歴史としては 縄文時代に埋葬されたご遺体が確認されて居ります。当時の主流は 手足を折り曲げた屈葬による土葬でした。その後 仏教が伝来し、日本文化の中に定着して行く過程で、日本古来の民間信仰は 意味付けが加えられて、仏式葬法の中に積極的に組み入れられて行きました。日本に於ける葬送儀礼は 平安時代以降 仏僧が葬儀に強く係わる様になり、仏式葬儀が基本的葬法となり、そして 江戸時代の寺請制度により 仏式葬送儀礼が日本の文化として定着し、現代に至ります。

 仏教の影響による火葬の採用は 土葬に於ける 死者・死霊への恐怖を和らげることに寄与します。仏教に於ける 火葬の意味としては 火が持つ洗浄力に有りました。何者をも焼き尽くす炎は 肉体の腐敗から想像される穢れも、死霊への恐怖も払拭する力を持ち、霊の昇天への手段であると信じられて居りました。ご遺骸の白骨化は 死の穢れを払拭した象徴、すなわち 成仏の表現でありました。更に 現代では 火葬は衛生面でも推奨される葬法と評価されて居ります。

   今回は以上です。

葬送儀礼の意味

 今回は葬送儀礼(葬儀)の意味に付いて書かせて頂きました。

 人類の歴史の中では 古く古代より 人が亡くなると何等かの形で葬儀が行われて参りました。紀元前4万年の旧石器時代には 当時の文化を基とした原始宗教が始まり、死者を埋葬するという葬送儀礼が行われていたと考えられます。葬送儀礼は その時代、その土地に根ずいた文化・宗教により執り行われて参りました。日本に於ける葬儀(仏教)は 故人様とのお別れの場、悲しみの場と考える事が一般的ですが、他国・他宗教では 故人様の新たなる門出として、明るく盛大に弔う事もしばしばです。

 葬送儀礼には宗教の概念が深く関係して居り、故人様の宗教観や参列者の宗教観により、その意味するところは異なりますが、日本に於ける葬儀は 9割以上が仏教により行われる事から、葬儀は 故人様とのお別れを偲ぶ会であり、故人様を送り出し、残された者の悲しみを癒す為の儀礼となります。

 又 葬儀の場は 人の生と死について考える場でもあります。人が死を学ぶ機会は 他人の死を通してしか出来ません、身近な方の死に接し ご遺体と直面する事により、死とはどの様な事かを理解して、自らの生に付いて考える場が葬儀の場でもあります。葬儀の場は どうしても悲しい場として考えがちですが、故人様が生きた証を残す場であり、これから生きてゆく方々が 故人様からのメッセージを受取る大切な場でもあります。

   今回は以上です。

葬送儀礼の始まり

 今回は葬儀の始まりについて書かせて頂きました。

 葬儀とは 葬送儀礼の略語であり、葬式とも呼ばれます。葬儀は 人が亡くなられた時 その死を弔う為に行はれる祭儀を指します。その起源は 人の肉体は その死と共に細胞分裂を停止し、腐敗が始まります。肉体の腐敗は醜くく 悪臭を伴うものであり、それは恐怖の対象となりました。死者の不名誉な姿を見ない為に埋葬を伴う葬儀が始められたと考えられます。その当時の葬儀は 土葬、風葬、火葬などの ご遺体処理が葬儀の主体であったと考えられます。

 現在確認されている歴史上初めての葬儀跡であると言われる遺跡は イラク北部のシャニダール洞窟で発見されたネアンデルタール人のものと考えられる人骨で、この洞窟の中では あるはずの無い 花粉が確認されて居り、これは死者を弔う為に ご遺体の周囲にお花が供えられたのではないかと推測されて居ります。

 更に 時代が下ると、古代メソポタミア文明において記述された ”ギルガメシュ抒情詩”の中で 主人公ギルガメシュは 亡くなった友人エンキドゥの復活を祈念して、亡骸を埋葬せずに 七日七晩亡骸に付添ったが、その亡骸が腐敗して行く様相に恐怖した、とあります。古代エジプトや古代ギリシャなどでは 死者の亡骸の腐敗や異臭は恐怖の対象となっていた事が窺われます。

 ギリシャやローマの古代社会では 人の霊魂は不滅であり、その方の霊魂は ご逝去後 一定の期間 肉体の周辺に留まった後、冥界や天界に旅立つものである、と信じられて居りました。ご遺体の埋葬に当たりましては 火葬と土葬が混在していた様です。但し 霊魂が肉体に復活すると信じる人々の間では 土葬が基本でした。

   今回は以上です。

日本の葬送儀礼の始まり

 今回は日本の葬儀の始まりに付いて書かせて頂きました。

 日本に於ける葬送儀礼(葬儀)は 縄文時代には埋葬が行われて居り、弥生時代には埋葬されたご遺体の上に石碑を置いた 現代のお墓の原型が出来ていたと考えらて居ります。又 三世紀に中国で記述された ”魏志倭人伝”、日本に伝存する最古の歴史書 ”日本書記”、或いは ”古事記”などの中で、葬儀が手厚く行われていた様子が窺い知れます。

 日本では 弥生時代の上古より 死者に対する儀礼が大変 重んじられて参りました。日本に於ける三世紀前半の葬儀の様子は 魏志倭人伝に記述されて居り、”死が発生すると喪主は泣き、哀悼人は歌舞宴酒の行為を行った” とあります。まず 人が死ぬと新しい喪屋を作り、その中に柩を置き、白細布で装飾して、数々の儀礼や歌舞を行った。ご遺体を蘇生させる為にモガリと呼ばれる儀礼を行いました。人々は 昼夜を通してご遺体を守ると共に、酒や料理をお供えし、死者の生前の事蹟や哀悼の言葉を聞かせ続けました。そうした後、ある一定の期間が過ぎて ご遺体が蘇生しない事を確認して、その柩は土の中に埋葬されました。この モガリの風習が 現代の通夜の始まりと言われております。

 モガリの習俗は 古代アジアに共通する習俗であり、”高句麗伝”でも ”死者喪屋内にあり、三年を経て吉日を選び弔う” とあります。柩を埋葬する為には 行列が欠かせません、岐左理持が死者の食べ物を持ち、箒持ちが葬地を掃き清め、泣き女が大声を挙げて悲嘆を表わしたともあります。又 幡旗をひるがえし、音楽を奏し、松明を燃やして行列を作りました。

   今回は以上です。

日本文化の葬儀観

 今回は日本古代の葬儀観に付いて書かせて頂きました。

 日本古代の葬儀観は 死体の腐敗・異臭からくる死そのものへの恐怖、死の世界への恐怖、死霊に対する恐怖、と共に 死者を生者同様に丁重に扱う事に特徴が見られます。

 死や死霊に対する恐怖は 古く 縄文時代よりあったと考えられます。縄文時代の墳墓では 多くのご遺体は 膝を折り、腕を曲げた形の屈葬で埋葬されて居ります。又 ご遺体の上に石を置いた形で埋葬された抱石葬(ほうせきそう)が発掘せれて居りますが、この様な方法は 何れも 死者の霊が蘇えるのを恐れて行われたものと考えられて居ります。

 古事記には 死後の世界として 黄泉の国が記述されて居ります。黄泉の国では 腐乱した死体に蛆がたかる汚い世界とされ、死の世界は恐ろしく 生きている者達を引きずり込む力を持っていると考えられて居りました。すなわち 死は穢れており、死霊は生きている者を死の世界へ引きずり込もうとする恐ろしいものであると考えられて居りました。その為 死者の霊を慰め 鎮める為に歌舞を行い、生きている者へ厄難を及ぼさない様 葬送儀礼を執り行はなければ成りませんでした。古代の葬儀観では 死者を大切にする考え方と 死を穢れているものとして恐怖する考え方の 矛盾する二つの考え方が併存して居りました。

 古代に於いては 死の判定は現代の様に明確では無く、一定の期間が必要とされました。その期間を モガリ と呼び、死んだと認められても直ぐに遺体を処理するのではなく、一定期間 生きているのと同様に扱いました。但し ご遺体は腐敗が始まりますので、わざわざ 別に喪屋を作って ご遺体を安置しました。この モガリ の習俗が現代の通夜につながると言われて居ります。

   今回は以上です。

現代日本の葬儀

 今回は現代の葬儀に付いて書かせて頂きました。

 葬儀とは 葬送儀礼の略称であり、一般的には葬式との呼ばれます。葬儀は人の死を弔う為の祭儀であると共に、ご遺族にとりましては故人様をお見送りする為の 大切な儀礼でもあります。現代の葬儀では 故人様が所属されていた会社や団体が主催して行う 団体葬と、ご遺族が主体となってお見送りする個人葬とに分かれますが、個人葬ではあっても 目的や会葬者を限定した 家族葬(密葬)や直葬なども多く行われる様になりました。

 会社が主体となって執り行う 社葬や、団体が執り行う 団体葬は 規模の概念では有りません。会社、或いは団体が 葬儀の費用を負担し、葬儀式の運営を司るのであれば、小規模な葬儀であっても 社葬・団体葬となります。但し 一般的には 社葬・団体葬は 大規模な葬儀となり、準備に時間が必要とされる事から、故人様が御逝去されてから3~4週間後に行われるのが常です。その間 ご遺体を保全するのは困難が伴いますので、ご家族のみで密葬・火葬を行うのが一般的です。

 ご遺族が主催をされて行うご葬儀は 全て個人葬ですが、現代の世相に合わせて多く 行われるご葬儀が 家族葬や直葬と呼ばれる 会葬者を限定した小規模なご葬儀です。家族葬とは 近親者以外の儀礼的・社交辞令的会葬の方々の参列を辞退して、ご家族・近親者のみで 通夜・葬儀・火葬を執り行う祭儀です。直葬とは 直接火葬の略ですが、通夜・葬儀は行わずに ご遺体の火葬だけを行う お見送りの方法です。当然の事ながら 火葬場の広さから 参加出来る方の人数は制限される事と成ります。

   今回は以上です。

直葬とは

 今回は直葬に付いて書かせて頂きました。

 直葬とは 直接火葬の略称で、通夜・葬儀等の儀式は行わずに、ご家族のみで ご火葬・ご拾骨だけを執り行うお見送りの形態です。現代の高齢化社会に於いて、永く社会から離れて御生活され、限られたご家族だけで 費用を掛けずにお見送りをして欲しい とお考えだった故人様のご希望に合わせた お見送りの方法です。ご火葬だけのシンプルな お見送りですが、お心を込めたお別れをする事が可能です。

 直葬の流れと致しましては;

1 ご逝去された故人様のご遺体をご自宅、若しくは然るべきご遺体安置所に安置します。日本に於きましては 法律により ご逝去後 24時間はご火葬に付す事が出来ません。

2 火葬炉の予約時間に合わせて、ご遺体を納棺して火葬場にご移送します。

3 火葬場に到着しますと お柩は火葬炉の前まで運ばれます。そして ご火葬の前に故人様と最後のお別れをし、ご火葬が始まります。この際 ご遺族のご希望に合わせて 僧侶による読経、神道であれば 神官による祝詞をあげて、頂く事も可能です。

4 ご火葬には 一般的に一時間前後の時間が必要となります。この間に参列頂いた方々でお斎の席を設ける事も可能です。

5 ご火葬が終了しますと 火葬場より連絡があり、参列の方々は拾骨場にお集まり頂き、ご拾骨となりますが、まず 最初にご遺族による 火葬終了の確認がおこなわれます。

6 お骨壺に御納めした焼骨は お持ち帰り頂き 納骨されるまでの間ご自宅に安置される事と成ります。

   今回は以上です。  

家族葬とは

 今回は家族葬に付いて書かせて頂きました。

 家族葬とは 一般会葬の方々にはご遠慮頂き、故人様のご家族と近親者のみで行う葬儀の事です。ご葬儀の内容は 一般的なご葬儀と同様に通夜式、葬儀式を2日間で執り行いますが、参列に方は特定の少人数と成りますので、ご遺族様は 参列の方々の気を使う必要が無く、故人様とのお別れの時間を大切にする事が出来ます。又 家族葬では 必要とされる費用も限られたものとなり、現代ではご葬儀の主流となりつつ有ります。

 少子高齢化 核家族化が進捗する現代の日本に於きましては ご葬儀を執り行う大きな目的の一つである ”社会への告知” という部分が薄れつつあります。実社会から引退されて久しい高齢の方々は 必然的に活動される社会も限られたものとなり、それ程 広く社会に告知する必要は無くなります。高齢の方々の多くは ご家族への負担も考え、お身内だけで費用を掛けず見送って欲しい とのご希望をお持ちになり、そのご希望に合わせた お見送りの葬送儀礼が家族葬となります。会葬の方々は ご家族と近親の方のみですので、慌しさや煩わしさも無く、ゆっくりと故人様のお話が出来、ゆっくりとお別れをする事が出来ます。

 尚 家族葬は 密葬とは異なります。密葬とは 本葬が行えるまで時間が掛る為、便宜的に近親者のみで葬儀・火葬を行うもので、密葬と本葬を合わせて一つの葬送儀礼となります。家族葬は それのみで 完結した葬送儀礼となります。

   今回は以上です。

社葬での事務処理

 今回は社葬に於ける事務処理の各種に付いて書かせて頂きました。

 社葬に於ける事務処理では 通常の社会に於ける事柄とは異なる処理が幾つか有ります。1 お布施の扱い(領収書)、2 香典の取扱い、3 ご供花の取扱い等です。

 仏教葬に於ける僧侶への寄付を お布施と言います。お布施は 読経や葬儀執行に対する対価では有りませんので 領収証が出されないのが一般的です。社葬に於いて 宗教者への支出を企業が負担する場合は 率直に領収証の発行をお願いして下さい。最近では 領収証を発行して呉れる寺院も多くなりました。領収証の発行が困難な場合は お布施を納めた封書の表書きに 宛先(寺院名)、金額、支払い元(会社名)を記載し、これをコピーして、支出の根拠とする事が出来ます。

 社葬でお香典を企業が受取る場合は 企業の雑収入として計上しなければ成りません。この様な処理を避ける為には お香典の受取りを企業ではなく、ご葬家とする方法が御座います。他に 一般的な方法としては 密葬に於けるお香典はご葬家が納め、本葬である社葬では お香典を辞退する という形態が御座います。

 社葬に於けるご供花としては 造花で造られた花環のタイプと 生花のタイプがあります。近年では 式場側の都合により花環を供える場所が無い事も多くなりました。従いまして 生花タイプをお供えするのが一般的ですが、主催側で用意する生花祭壇とのデザイン上のバランスから ご供花を辞退するケースも多く見られます。又 ご供花をお供えする場合でも 個々のご供花に名札をつけるのでは無く、芳名板を設けて 一括表示する形態が多く見られます。尚 ご供花は現金ではありませんので、経理上の処理は必要有りません。

   今回は以上です。

社葬を営む組織

 今回は社葬の組織に付いて書かせて頂きました。

 社葬を執り行うに当たりましては 施主であるべき 葬儀委員長を中心にして多くのご担当を選任頂き、各種のお役目を滞りなく努めなければ成りません。そのお役目は 葬儀委員長、葬儀委員、実行委員会(事務局)、広報係、記録係、進行係、受付係、案内係、接待係、携帯品係、式典係、駐車・配車係、会計係などです。これらの係は 社葬の規模に応じて役目を兼務する事も可能となります。社葬おを担当する組織は 非常時に於ける体制ですの、事前にマニアル化して於き、必要が生じた場合には即日に立ち上がれる様、準備しておく事をお薦め致します。

 葬儀委員長は 社葬を運営する組織の代表責任者です。一般的にはこの社葬は 会社が責任を持って執り行います との意思表示を示す為にも 会社の代表者が務めるべき役目です。もし 現役の代表者が亡くなられた場合には 後継者 若しくは次位の役員が務めます。会長が亡くなられて そのご子息が社長の場合は ご子息である社長は 喪主を務め、葬儀委員長は 社長の次位の役員が務めます。又 会社の後見人と言う事で 親会社の担当役員や 商工会議所の役員の方のお願いするケースも御座います。尚 政治家や社外の名士の方々は 来賓としてお迎えすべきで、葬儀委員長をお願いするのは避けるべきです。

 葬儀委員は 会社の役員が務め、社葬の方針を決めると共に、社葬当日は 然るべき場所で立礼を務めます。

 実行委員会は 葬儀委員が定めた方針に従い 社葬の企画を立て、準備を行い、社葬当日は 実行司令部の役割を担います。コンセンサスを得やすい様に 人数を絞り(5名前後)、実行力のある中堅幹部を中心に組織します。社葬が全社的観点から行われ、今後の為にノウハウが蓄積される様、総務部や 社長室などの部署が担当されるケースが多く見られます。

   今回は以上です。

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